2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    220名(単体) 5,486名(連結)
  • 平均年齢
    48.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.1年(単体)
  • 平均年収
    12,969,409円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

メディア・コンテンツ事業

4,486

[3,538]

生活・健康関連事業

549

[1,227]

不動産関連事業

231

[79]

報告セグメント計

5,266

[4,844]

全社(共通)

220

[4]

合計

5,486

[4,848]

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外部への出向者を除き、グループ外部から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数(派遣社員及び常駐している業務委託人員を含む。)は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は管理部門のものであり、これらの従業員は他のセグメントと兼務しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

220

48.1

16.1

12,969,409

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

全社(共通)

220

合計

220

 

(注) 1.従業員数は、子会社から当社への出向者の就業人員です。

2.臨時従業員数は、当事業年度末従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.当社は、当社に出向している従業員の給与のうち、出向元と当社での業務割合に応じて当社が負担する金額を、出向元に対し支払っております。なお、平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門のものです。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの連結会社には、民放労連日本テレビ労働組合、民放労連日テレ制作グループ労働組合、民放労連日本テレビサービス労働組合、民放労連バップ労働組合、BS日本労働組合、ムラヤマ労働組合があります。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく公表を行っていない

ため、記載を省略しております。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

備考

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

備考

日本テレビ放送網㈱

17.8

82

-

-

(注2)

81.4

80.4

105.5

(注4)

㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ

8.6

-

 75.0

-

(注1)

84.5

83.1

67.1

(注4)

㈱日テレ アックスオン

28.0

-

75.0

-

(注1)

85.5

84.6

65.7

(注4)

㈱日テレイベンツ

11.8

-

-

-

 

-

-

-

 

㈱日本テレビアート

24.5

-

-

-

 

-

-

-

 

日本テレビ音楽㈱

40.0

-

50.0

-

(注1)

82.3

82.7

104.3

(注4)

㈱バップ

28.9

-

-

-

 

-

-

-

 

㈱ティップネス

16.2

-

27.3

-

(注1)

(注3)

61.0

72.1

100.1

(注5)

㈱ムラヤマ

13.7

-

66.7

100.0

(注1)

68.5

69.7

46.5

(注4)

la belle vie㈱

26.7

-

-

-

 

50.6

70.9

49.2

(注5)

㈱日本テレビワーク24

18.2

-

-

-

 

-

-

-

 

㈱日テレWands

4.1

-

-

-

 

-

-

-

 

㈱ACM

41.7

-

-

-

 

49.7

76.7

73.6

(注5)

㈱PLAY

9.5

-

-

-

 

-

-

-

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、男性労働者の育児休業取得率につきましては、㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ(※育児目的の有給休暇取得者を含む)、㈱日テレ アックスオン、日本テレビ音楽㈱及び㈱ティップネスは正規雇用労働者の実績を、㈱ムラヤマは正規雇用労働者及びパート・有期労働者の実績を開示しております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので、全労働者の実績を開示しております。

3.㈱ティップネスにつきまして、特別休暇(配偶者出産)取得率36.4%(男性)となっております。

4.日本テレビ放送網㈱、㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ、㈱日テレ アックスオン、日本テレビ音楽㈱及び㈱ムラヤマにつきまして、女性労働者の割合は若年層で高い一方、男性労働者の割合は中高年層で高いこと等から、全労働者の男女の賃金の差異が生じております。 

5.㈱ティップネス、la belle vie㈱及び㈱ACMにつきまして、パート・有期労働者における女性の割合が高い一方、正規雇用労働者は男性の割合が高いこと等から、全労働者の男女の賃金の差異が生じております。

 

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

日本テレビホールディングス㈱は、SDGs(持続可能な開発目標)の精神に共感し、環境問題、人権問題等われわれを取り巻く社会課題の解決に向けて、「持続可能な未来への貢献」を経営方針の1つとしています。「24時間テレビ」「Good For the Planet」をはじめとした放送での発信を通じて、われわれの価値観を多くの人々と共有しながら、社会的責任を果たします。

 

○ガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

  サステナビリティへの対応を加速させるため、「サステナビリティ委員会」(以下、「サステナ委」)が司令塔の役割を担います。石澤顕代表取締役社長執行役員が委員長を務め、日本テレビホールディングス㈱の執行役員が委員に就いています。サステナ委のもとには、グループ各社の事業部門の責任者らによる3つのワーキング(「気候変動対策」、「人権」、「人的資本」)が設置されていて、サステナビリティに関する課題への対応策を検討し、サステナ委に提言を行います。サステナ委は年に2回開催され、ワーキングからの提言を受けて、グループ全体の方針や目標、ロードマップを決定します。取締役会はサステナ委から重要事項や活動状況について報告を受け、対応方針や実行計画を監督します。

 


 

② リスク管理

  当社は、サステナビリティへの対応が経営に重大な影響を及ぼすリスクであると位置づけています。サステナ委は、各ワーキングや関係部局の報告をもとに、リスク及び機会を特定し、リスク及び機会が発生する可能性や時期、経営への影響を適切に評価します。また、重大なリスクと評価した事項については取締役会に速やかに報告します。必要な場合は、危機管理委員会と情報を共有、連携し、リスクの最小化に向けて対応策を決定します。

 

(1) 気候変動問題に関する重要な戦略並びに指標及び目標

① 戦略

気候変動や温暖化対策などの政策動向による事業環境の変化を想定し、当社の事業や経営に与える影響を検討しました。TCFD提言が推奨する複数の気候シナリオでの分析として、主要事業の放送事業を行う日本テレビ放送網㈱に加え、㈱日テレ アックスオン、 ㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ(以下、「NiTRo」)、㈱日本テレビアート、㈱日テレイベンツ、㈱日本テレビサービス、㈱ティップネスのグループ7社を対象に、1.5℃シナリオと4℃シナリオで想定されるリスクと機会を検討しました。

<対象>

メディア・コンテンツ事業:日本テレビ放送網、日テレ アックスオン、 NiTRo 、日本テレビアート、

日テレイベンツ、日本テレビサービス

生活・健康関連事業:ティップネス

 

■1.5℃シナリオ(低炭素社会が急速に進展)

温室効果ガス排出量の削減に向けた厳しい規制措置が取られ、今世紀末の時点で、世界の平均気温の上昇が産業革命前と比べて1.5℃以内に収まる想定。低炭素社会が急速に進展し、法規制や社会的要請への対応を迫られるシナリオ。

※IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のSSP1-1.9シナリオ、IEA(国際エネルギー機関)の NZE2050シナリオを参照

 

(メディア・コンテンツ事業)

項目

想定されるシナリオ

リスク

※1

機会

※1

発生時期

※2

温室効果ガス規制強化

・再生可能エネルギー価格の上昇、炭素税や排出権取引などによる事業コスト増加

 

短・中期

・規制強化や炭素税などコスト増加による価格転嫁

 (番組等の制作コストの増加)

 

短・中期

設備投資の増加

・規制強化による設備の省電力化でコスト増加

 

短・中期

評判

・CO2削減に向けた取り組みが遅れ、企業イメージが悪化

 

短・中期

・災害報道、温暖化対策キャンペーンの展開によるブラ  ンドイメージの向上

 

短・中期

視聴者の嗜好

スポンサーニーズが

変化

・「24時間テレビ」「Good For the Planet」「カラダWEEK」キャンペーンなど、地球温暖化やサステナビリティ関連コンテンツの需要が一層高まる

・スポンサー企業とコラボした環境啓発番組・イベント  の増加

 

短・中期

ライフスタイルの変化

・DX化の進展・リモートワークのさらなる活用など、従業員の働き方の変化によって事業所面積の縮小が可能に

 

短・中・長期

 

 

(生活・健康関連事業)

項目

想定されるシナリオ

リスク

※1

機会

※1

発生時期

※2

温室効果ガス規制強化

・再生可能エネルギー価格の上昇、炭素税や排出権取引などによる事業コスト増加

 

短・中期

・規制強化や炭素税などコスト増加による価格転嫁

 

短・中期

設備投資の増加

・規制強化による設備の省電力化でコスト増加

 

短・中期

評判

・CO2削減に向けた取り組みが遅れ、企業イメージが悪化

 

短・中期

・CO2削減に向けた取り組みが進展し、企業イメージがアップ

 

短・中期

ライフスタイルの変化

・健康や体調管理に対する意識が向上し、フィットネス事業の需要が高まる

 

中・長期

 

※1:◎:影響が大きい ○:影響あり △:やや影響

※2:短期:3年以内、中期:2030年ごろ、長期:2050年ごろ

 

1.5℃シナリオでは、温室効果ガスの削減に向けて企業はより厳格な対応を迫られ、炭素税導入や再生可能エネルギーの需要増加によるコストの上昇が見込まれます。政府により規制が強化されれば、設備投資の増加は避けられません。さらに、CO2削減の取り組みの遅れは企業イメージの悪化に直結します。

一方、気候変動に関する社会の関心が高まり、正確な情報を発信するというメディアの役割はますます重要になります。役割が不十分だと判断されれば、視聴者やスポンサーからの信頼が低下することは避けられません。また、番組制作においては、サステナビリティ、カーボンニュートラル実現に向けたコンテンツの需要が高まることが予想されます。メディア・コンテンツ事業を軸とする当社グループとしては、自社のCO2削減を進めることはもとより、気候変動の一層の深刻化を食い止めるため、社会に訴えかけていくことも大きな責務であると認識しています。

生活・健康関連事業においても、CO2削減に向けた規制強化の影響、エネルギー調達コストの増加が事業リスクとして予想されます。操業コスト増加による価格転嫁を抑えつつ、DX化の進展やリモートワークの拡大など、ライフスタイルの変化や健康意識の高まりをとらえる施策が必要になると考えています。

 

■4℃シナリオ(地球温暖化が深刻に)

温暖化対策が徹底されず、今世紀末の時点で、世界の平均気温が産業革命前と比べて4℃程度上昇する想定。異常気象の増加や自然災害の激甚化など気候変動の物理的影響が顕著となるシナリオ。

※IPCCのSSP5-8.5シナリオ、IEAのSTEPSシナリオを参照

 

(メディア・コンテンツ事業)

項目

想定されるシナリオ

リスク

※1

機会

※1

発生時期

※2

平均気温上昇

・機材の強靱化に向けた設備投資のコストが増加

・メンテナンスコストが増加

 

中・長期

・夏季の取材・撮影に制約

 

中・長期

・気象情報や生活情報に視聴者の関心が高まる

 

中・長期

・空調コスト等が増加

 

中・長期

・在宅時間の増加(夏季の外出時間が減少)

・イベント開催や集客等に悪影響

 

中・長期

・在宅時間の増加(夏季の外出時間が減少)

・映像コンテンツの需要が高まる・テレビ通販部門の収益拡大

 

中・長期

気象災害の増加・激甚化(台風・洪水・干ばつなど)

・防災情報・災害報道のニーズが高まる

 

中・長期

・従業員の被災リスク上昇、災害報道の困難化

 

中・長期

海水面の上昇

・高潮による汐留本社の浸水リスクが高まる

 

中・長期

健康リスクが増大

・健康番組・キャンペーンへの関心が高まる

 

中・長期

・従業員に熱中症の頻発や新たな感染症の発生の恐れ

 

中・長期

 

 

(生活・健康関連事業)

項目

想定されるシナリオ

リスク

※1

機会

※1

発生時期

※2

平均気温上昇

・機材の強靱化に向けた設備投資のコストが増加

・メンテナンスコストが増加

 

中・長期

・空調コスト等が増加

 

中・長期

・在宅時間の増加(夏季の外出時間が減少)

・オンラインフィットネスの需要増

 

中・長期

気象災害の増加・激甚化(台風・洪水・干ばつなど)

・従業員・施設の被災リスク上昇

 

中・長期

海水面の上昇

・高潮による施設の浸水リスクが高まる

 

中・長期

健康リスクが増大

・健康関連のキャンペーンへの関心が高まる

 

中・長期

・従業員に熱中症の頻発や新たな感染症の発生の恐れ

 

中・長期

 

※1:◎:影響が大きい ○:影響あり △:やや影響

※2:短期:3年以内、中期:2030年ごろ、長期:2050年ごろ

 

4℃シナリオでは、異常気象が慢性化し、台風や豪雨による水害の激甚化、干ばつ被害の増加などが予想されます。気温上昇は熱中症患者の増加をもたらし、新たな感染症を発生させる恐れもあります。日本テレビ放送網は公共性を有する放送を担っており、防災や災害に関する報道機関の役割が一層求められることになります。一方で、高温下での屋外撮影によって、番組制作が制約を受ける恐れが生じるほか、放送機材に不具合が発生するリスクが高まります。放送を継続して報道機関としての責務を果たすためには、従業員の被災リスクを低減しつつ、放送機材の強靱化を進めていく必要があります。平均気温の上昇により、社会活動全体が制約を受け変容を迫られることも予想されます。そうした変化に対応し、新たなビジネス、新たな需要を生み出せるかも問われることになります。

 

・温室効果ガス削減に向けた取り組み

■再生可能エネルギーの利用促進とCO2排出量の開示拡大

 当社は「サステナビリティポリシー」(2021年11月策定)において、日本テレビ放送網におけるすべての電力の再生可能エネルギー比率を2030年度までに100%とすることを表明しています。これを実現するために、再生可能エネルギーの調達に加えて、生田スタジオの屋上に太陽光パネルを設置するなど自社内での発電にも力を入れていきます。2050年の日本テレビグループ全体でのカーボンニュートラル実現に向けて、CO2排出量等を開示する範囲を他のグループ会社にも拡大するとともに、今後も年度ごとに排出量を当社HPにて開示します。

 

■省エネ機器の利用拡大により消費電力を削減

 2031年までに汐留本社の照明はすべてLED化することを計画しています。空調機やポンプ類などを資源効率性の高い機器に更新することで、消費電力自体を削減します。

 

■日本列島ブルーカーボンプロジェクト

 日本テレビが開局70年を迎えた2023年、「海の森を守ろう!日本列島ブルーカーボンプロジェクト」をスタートさせました。生長する際に吸収固定するアマモや海藻を育てる取り組みで、グループ各社の社員やその家族らがアマモ場を再生させる活動を定期的に行っています。

 日本テレビはブルーカーボンの可能性に着目し、「news every.」「真相報道バンキシャ!」などで特集を放送しました。2023年10月からは海洋環境の保全を学ぶ旅番組「ウミコイ-今 海に出来ること-」を放送しています。「ウミコイ」を制作する過程では、取材ロケの効率化・最小化とハイブリッドカーでの移動などにより、通常の番組に比べてCO2排出量を約63%(※)削減しました。番組の趣旨に賛同したパートナー企業とともに情報発信しているほか、東京湾にアマモ場を造成するプロジェクトを推進するため、2023年10月に三浦半島の5市町(横須賀市/三浦市/鎌倉市/逗子市/葉山町)と包括連携協定を結びました。

※Earth hacks株式会社による集計 (2024年3月末現在)

 

②リスク・機会に対する当社グループの対応

■1.5℃シナリオ

再生可能エネルギーの

積極的な活用

・グループ各社は、電力に占める再生可能エネルギーの比率を高める努力を続けています。

・日テレイベンツは全電力をグリーン電力でまかなっています。

省エネの一層の推進

・日本テレビ番町スタジオは2019年の竣工時に照明のすべてをLED化しました。

・汐留本社は2031年までにすべての照明をLED化することを計画しています。

・ティップネスは2020年3月までにフィットネスクラブの全店舗でLED化100%を達成しています。

環境関連情報の

継続的な開示

・対外的な発信を続けることで、メディアとしての責務を果たします。

・気候変動対策ワーキングを通じて、グループの取り組みを定期的に見直します。

 

 

■4℃シナリオ

防災情報や

災害報道の強化

“いのちを守る”報道を続け、災害時に信頼される「情報源」となります。

放送継続のための

体制構築

大阪を拠点とする讀賣テレビ放送㈱との協力強化を進めており、高潮によって汐留本社が被災した場合でも、讀賣テレビ放送㈱のシステムを利用して放送を継続します。 

 

このほか、グループ各社では自然環境に配慮した取り組みも行っており、今後も継続・推進していきます。

<日本テレビアート>

 テレビ番組等の美術セットについて、従来から使用している南洋材(ラワン材)に代えて環境負荷の少ない資材で試作品の製作や試運用を行っています。

 

<日本テレビ放送網><日本テレビアート><NiTRo>

 2023年(NiTRoについては2023年度)のコピー用紙の削減量は日本テレビ放送網が約79%(2017年比)、日本テレビアートは約57%(2019年比)、NiTRoは約44%(2019年度比)となりました。

 社内書類や契約書の電子化に加えて、日本テレビ放送網の番組では、スケッチブックに書いていた出演者への指示(カンペ)を電子化するなど積極的なペーパーレス化を進めています。

 

<ティップネス>

 2022年3月までにすべての店舗でシャワーに節水バルブを装着し、省資源化に努めています。

 

③ 指標及び目標

・目標

1.日本テレビ放送網は2030年度までに電力の再生可能エネルギー比率を100%とします。

  CO2排出量(Scope1+Scope2)を2030年度までに2019年度比で50%削減します。

2.2024年度は日本テレビ放送網がScope3の算出に着手するとともに、CO2排出量(Scope1+Scope2)を開示するグループ会社を、7社からさらに拡大します。 

3.2050年度までに日本テレビグループでのカーボンニュートラルを実現します。

※Scope1(事業による直接排出)

Scope2(電力・熱・蒸気の購入による間接排出)

Scope3(Scope2以外の間接排出(自社事業の活動に関連する他社の排出))

 

・指標

■日本テレビ放送網の3拠点(汐留・番町・生田)のCO2排出量(2023年度実績)

Scope1: 3,956.2 t-CO2

Scope2:18,811.5 t-CO2

 


※2023年度よりScope2の算出の一部で調整後排出係数を使用しています。

 

 

 

■グループ7社のCO2排出量(Scope1+Scope2。2023年度実績)

日本テレビ放送網、ティップネス、日テレ アックスオン、NiTRo、日本テレビアート、日テレイベンツ、日本テレビサービスのCO2排出量

グループ会社

CO2排出量(t-CO2)

日本テレビ放送網

22,767.7

ティップネス

43,083.6

日テレ アックスオン

295.1

NiTRo

386.0

日本テレビアート

29.5

日テレイベンツ

 ※ 0

日本テレビサービス

36.4

 

     ※使用するエネルギーがグリーン電力のみのため、0t-CO2としています。

 

(2)人権尊重の取り組みに関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

 「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請は年々高まっており、事業活動における人権尊重の責任を果たすことが求められています。当社グループ内部や対外取引において、人権に負の影響を与える可能性を特定、防止、軽減し、適切に対処していくための人権デューデリジェンスに関する取組みを開始しました。これまでの実績として以下の取組みを行っており、今後も国内外の指針等が提唱するプロセスに則り、外部専門家の意見も聴取しながら、あらゆる人権リスクに対応し、発信してまいります。


 

a)人権研修の実施(2024年2月)

外部弁護士による「ビジネスと人権」についての解説、グループとしての取り組みの周知、制作や放送現場での具体的事例研究について、グループ全従業員を対象に研修を行いました。

b)契約書ひな型(一部)への人権保護のための条項の登載(2024年4月~)

日本テレビ放送網が締結する契約書ひな型の一部について、人権保護のための条項を加えました。これにより、ビジネスパートナーの皆さまとともに人権を尊重したビジネスを実現してまいります。

c)日テレHDホットラインへの人権相談機能追加(2023年12月~)

人権デューデリジェンスにより対処してもなお必要となる救済の窓口、手段として、従来から運用している内部通報制度「日テレHDホットライン」に人権相談窓口としての機能を追加しました。この日テレHDホットラインは、当社の役員・従業員だけでなく、当社のビジネスに関わる方はどなたでも利用することができます。

 

②指標及び目標

 2023年11月、当社は、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする国際基準や国内ガイドライン等に則り、企業内外の専門的な情報・知見を得て、「日本テレビホールディングス人権方針」を定めました。この人権方針は、当社グループの全役員、全従業員に適用されるほか、ビジネスパートナーの皆さまにもご賛同いただけるよう明記しております。

その他、人権ワーキングを定期的に開催して人権リスクの課題を検討するとともに、経営陣に迅速に提言、情報共有できる体制を取り、適時適切な対応をしております。

「日本テレビホールディングス人権方針」の具体的な内容及び当社の人権尊重のための取組みの詳細等は、当社ホームページをご参照ください。

 

(3) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標

① 戦略

「感動×信頼のNo.1企業」を目指す当社グループでは、人的資本は、最も重要な価値創造の源泉であると考えております。多様なバックグラウンドを持つ人材が、心身ともに健康かつクリエイティブに活動できる職場環境を整備することは、当社グループの持続的な成長に必要不可欠です。
 当社の「サステナビリティポリシー」において、6つの重要課題のうち、「健康でクリエイティブな職場作り」と「多様な人材の活躍と共生」の2つが人的資本に関連するものです。例えば、グループを挙げての取り組みとして、同性間のパートナー婚に異性間の結婚と同様の祝金や特別休暇を認める「同性パートナー制度」の導入を、グループ全体で推進するなど、社員一人ひとりが自分らしく働くことのできる制度作りを進めております。
 当社グループでは、各社がそれぞれの事業環境や人材要件等にあわせて多彩な取り組みを行っており、「② 指標及び目標」を含めて、連結グループ全体としての記載が困難であるため、主要な事業会社である日本テレビ放送網㈱単体の取り組み等を中心に記載しております。

 

日本テレビ放送網㈱では、「感動体験を創造する人財の獲得・育成」、「健康経営の推進」、「多様な人材の活躍・共生」を人的資本に関する戦略の三本柱に据え、中期経営計画2022‐2024を推進しております。人材の多様性の確保を含む人材の採用・育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
 
■多様性の確保を含む人材の採用・育成方針
 IP創出やコンテンツ開発に必要なクリエイター人材をはじめ、DX推進に寄与するITエンジニア、経営戦略・事業戦略の推進を担う管理人材等、多種多様な人材の採用を、新卒採用・キャリア(経験者)採用を問わず、積極的かつ継続的に行っております。また、今後のコンテンツビジネスを牽引するビジネスプロデューサーの採用・育成も進めております。個人の成長が組織と事業の成長の原動力となるよう、社員のキャリアパスを支援し、定着と成長を促す育成・研修制度を実施しております。
 
<採用>
 新卒を対象とした定期採用では、毎年30名前後を採用しています。クリエイター、ジャーナリスト、アナウンサーなど、従来の番組制作の核となる人材に加えて、次世代のメディアビジネスを担う人材やエンジニアを志す「理系人材」の採用にも注力しております。
 年間を通して行っているキャリア(経験者)採用では、ITエンジニアやデータサイエンティストをはじめとする「デジタル系人材」やコーポレート機能強化に必要な「コーポレート人材」など、今後の当社グループの事業成長に必要な専門性の高い人材を中心に、積極的に採用しております。2023年度に採用した社員に占めるキャリア採用の比率は26%となっております。高度な知見と多様な経験・価値観の融合がイノベーションの創出につながるよう、トップクリエイターとキャリア採用社員が交流する機会を設けるなど、オンボーディング施策も随時実施しております。
 
<育成・研修>
 加速する環境変化に対応しながら、組織として成長し続けるため、社員個々の自律的な成長、公正な評価・処遇の実施、組織強化・課題対応をテーマとして人材育成に取り組んでおります。マネジメント能力やリーダーシップ開発および新たなスキル・知識の習得を促進するため、従前のOJT(On-the-Job Training)を軸とした育成に加え、Off-JT(Off-the-Job Training)の機会を増やし強化しております。

 


 
a)組織強化およびマネジメント力の向上
 職位・役職ごとに求められる能力や知識の習得およびリーダーシップの開発を目的として、任用・登用、昇進などの節目で階層別研修を実施しております。また、人事評価における公正性と適切なコミュニケーション・フィードバックは、人材育成の観点で極めて重要であることから、評価者のスキルアップを図る研修を年数回にわたって行っております。そして、管理職を対象とした研修等を通して、ガバナンスの強化にも取り組んでおります。

 
b)スキルアップ・キャリア支援
 社員個人の自律的な学びと成長を支援する制度も整備を進めております。
 重要性が増しているビジネス全般およびデジタルのスキル・知識の底上げを図るため、希望者を対象に、eラーニングの受講費用を補助する制度を導入しております。また、現在の業務に関連する学びのために学校に通う社員の学費等を補助する「修学サポート制度」を実施、国内のみならず海外での学びも支援しております。
 さらに、資格取得や留学、配偶者・パートナーの転勤への同行などに伴う休職を可能とする「キャリアサポート休職制度」と、起業・転職などによるキャリアアップ育児・家族の介護のために退職した社員が復職しやすくする「カムバック採用制度」を整備しています。優秀な社員が会社との関係性を継続しながら多様な経験を積み、再び日本テレビで活躍してもらうことが狙いです。

加えて2023年度は、若手社員が短期間他部署で働くことができる「社内留学」制度を新設しました。留学先での実務を通じて新たなスキル・知識を習得し、その後の業務やキャリアアップにつなげることを目的としています。

 
c)シニア対象のキャリア研修の充実と副業の推進
 「人生100年時代」と言われる中、シニア世代のキャリア自律も重要な課題の一つととらえております。40代・50代の各年代でキャリアやライフプランに関する研修を実施し、リスキル・学び直しやキャリア自律を推進しております。また、55歳以上の社員を対象にした副業制度は、利用者が徐々に増えており、セカンドキャリアをみすえながら、これまで培った経験・スキルを社外で活かしております。

 
d)女性社員の活躍推進
 女性管理職比率は、近年16%前後で推移していましたが、2023年度は17.8%となりました。グループ内や出資先企業との人事交流で、出向先企業の役員や管理職として活躍の場を広げている女性社員も増えております。また、新卒社員の女性比率は2020年から50%前後で推移しており、全社員における女性比率は年々上昇しております。当面の目標である女性管理職比率20%(2025年度末)達成に向け、成長機会の創出などに積極的に取り組んでまいります。
 

<新・人事労務制度>

 2024年6月、日本テレビ放送網㈱は新しい人事労務制度を導入いたします。新・人事労務制度のコンセプトは⑴社員の自律的なキャリア形成の実現、⑵社員一人ひとりの専門性を高め、スキルを発揮する仕組みづくり、⑶役割・成果に基づく公正な評価・処遇、⑷成長しようとする人が活躍できる会社づくり、の4つです。

 管理職に対しては、担う役割の難易度や責任の重さなどに応じて等級を定める「役割等級制度」を導入するとともに、ライン管理職となる「マネジメント職」と専門性・スキルで貢献する「スペシャリスト職」に複線化いたします。また、一般社員については、職務遂行能力に応じて等級を定める「職能等級制度」を継続しつつ、評価上位者に対して飛び級の仕組みを新たに導入いたします。

  これまで以上に社員が自律的にキャリアを描き、専門性を高め、高いモチベーションを持って事業に貢献できる環境を整えることで、会社の継続的な成長につなげてまいります。

 

■社内環境整備方針
<健康経営の推進>
 社員の健康を最重要と考え、社員の健康増進・健康意識の向上に努めております。健康経営推進委員会を中心に、健康保険組合とも連携しながら、全社的に健康経営の推進に取り組んでおり、具体的には以下の環境を整備しております。

 



a)HRM(Human Resource Manager)の設置
 社員一人ひとりと向き合いサポートする管理職「HRM」を各局・室に1名ずつ配置しております。健康保持・増進や職場環境の改善に向けて、直属の上司とは違う立場で面談を行うことで、早期の把握と対応につなげる役割を担っております。2023年度は、対象となる社員の約8割が自局・室のHRMとの面談を1回以上行っております。

 
b)健康経営に関するイベント・研修の実施
 2023年度は「生活リズムを整えよう」をテーマに掲げ、㈱ティップネスによる「朝活ヨガ」や「体組成測定会」、㈱アールビーズのシステムを使った「社内ウオーキングバトル企画」のほか、「快眠セミナー」や、社員食堂で毎月1週テーマに応じたスペシャルメニューを提供する「健康食事週間」などを行いました。また、定期健診の結果の見方や、メンタルヘルスなど様々なテーマに関するオンライン研修を実施し、社員一人ひとりの健康に対する意識の向上に努めております。
 2024年度は、健康に影響を及ぼす食事・飲酒・睡眠・運動・喫煙などの生活習慣の改善を重点に、心と体の健康のための取り組みをより一層推進してまいります。

 
c)年次有給休暇取得キャンペーンの実施
 ワーク・ライフ・バランス向上のため、連続休暇取得を奨励する「ホリデー24」キャンペーンや休暇取得奨励日「リフレッシュデー」の設定などを実施し、年次有給休暇の取得を促進しております。こうした取り組みを通じて休日を取りやすい環境を整備するとともに、コミュニケーションツールの適切な活用方法を周知するなど、ワーク・ライフ・バランスと業務の円滑化を図っております。

 
d)エンゲージメント・サーベイの実施
 組織と社員の状態を可視化し分析するため、毎月、全社員に対して「エンゲージメント・サーベイ」を実施しております。働きがいのある職場づくりと組織力の強化のため、管理職向けの説明会などを通して、サーベイ結果から算出されるエンゲージメントスコアのマネジメントへの活用を促進しております。
 
<誰もが働きやすい環境の整備>
 現在も日本企業の平均より長い勤続年数と低い離職率ではありますが、高い意欲と能力を持つ多様な人材が、その力を最大限発揮しながら、より安心して働き続けられる環境の整備に努めております。具体的には以下の取り組みを行っております。
 
a)男性社員の育児目的休暇取得の促進を含む子育て支援の強化
 充実した育児休業制度・勤務時間短縮制度などを整備しており、産休・育休復帰率は100%を維持しております。さらに、管理職に出産・育児関連制度をまとめたパンフレットを配布するなどの取り組みを通じて、男女問わず、それぞれの価値観やライフスタイルが尊重されながら、育児と仕事が両立しやすい職場環境が実現できるよう努めております。
 また、これらの制度や慶弔見舞金・慶弔特別休暇は、自身または配偶者(パートナー)が出産した社員はもちろん、特別養子縁組等で養子を迎えた社員も利用することができ、ライフスタイルや家族の在り方の多様化に対応できるよう取り組んでおります。

 
b)従業員持株会制度によるモチベーション向上
 従業員持株会制度は、会員となった従業員が日本テレビホールディングス㈱の株式を毎月定額で購入する制度で、従業員の拠出金に対して会社からの奨励金が補助として上乗せされて株式を購入します。奨励金率は国内上場会社でも上位です。
 2023年度は開局70年を記念して、これまで日本テレビ放送網㈱で行われていた本制度の対象を、日本テレビホールディングス㈱および連結子会社全社の従業員へ拡大し、希望する対象従業員に70株を配布する取り組みも行いました。グループ全体で、従業員の資産形成に寄与するとともに、株価への意識を高めることで業績拡大へのモチベーション向上につなげております。

 
c)ハラスメント防止研修やDE&I研修の実施
 多様な人材がお互いに尊重しながら働きやすい環境を作るため、ハラスメント防止研修やLGBTQ研修などを継続的に行っております。2023年度は、SDGs、ダイバーシティ、ジェンダー表現などをテーマに研修を実施しました。また、メディア企業として、多様性のある社会の実現に寄与する情報発信にも取り組んでおります。


d)テレワークの活用など柔軟で多様な働き方の推進
 ワーク・ライフ・バランスの推進、特に、意欲ある社員の育児・介護と仕事との両立を支援するため、テレワークなど働き方の多様化を実現する制度を整備しております。今後も、生産性向上に向け、ICTの活用やDXによる業務効率化、オフィス環境の改善をさらに進めてまいります。

 

② 指標及び目標

 日本テレビ放送網㈱においては、「① 戦略」にて記載した、人材の多様性の確保を含む人材の採用・育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

■女性管理職比率
 女性の活躍推進のための重要な指標と考え、2025年度末までに女性管理職比率を20%とすることを目標としております。さらに、女性社員比率が現在28%であることなども踏まえ、2030年度末までには25%に到達することを目指しております。

■産休・育休復帰率
 女性活躍推進および多様性の確保において、産休・育休復帰率は重要な指標といえます。現在、100%を達成しており、今後も、100%を維持することを目標としております。

■有給休暇取得率
 健康でクリエイティブな職場環境の実現に向け、重要な指標の一つととらえ、各局・室のHRMや労働組合とも連携しながら、上昇に努めております。

■定期健診受診率
 定期健診は病気の早期発見・予防や生活習慣の見直しの基礎となります。健康経営の各施策により、従業員の健康に対する意識は高まり、定期健診受診率は100%を維持しております。今後も100%を継続することを目標としております。

 

指標

2023年度実績値

2025年度目標値

女性管理職比率

17.8

20

産休・育休復帰率

100

100%の維持

有給休暇取得率

 

 

総合職社員(管理職資格者含む)

44.5

44.0

職種別社員

48.3

44.8

定期健診受診率

100

100%の維持