2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
 また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、適時に開示しております。なお、本項には、将来に関する重要事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。


①景気・市場の動向の影響
 当社グループは港湾運送において食品、鉄鋼・非鉄、化学工業品、機械、日用雑貨等の取扱いを行っておりますが、景気・市場の動向により取扱量が変動し、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。


②食品の輸入停止措置・消費動向の影響
 当社グループが主力とする食品の輸入貨物の取扱いについては、食品の安全性を確保する見地から関係当局による輸入停止措置がとられることがあり、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入停止措置の如何にかかわらず消費動向によって輸入量が抑制され、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。


③原油価格高騰の影響
 当社グループでは原油価格の高騰による燃料油価格の上昇は、取扱貨物の輸送コスト増に繋がる恐れがあります。輸送コストの削減に努めますが、コスト増を吸収できず業績に影響を及ぼす可能性があります。


④取引先などについて
 当社グループの取引先については十分な審査のうえ取引を行っており、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権については個別に回収可能性を勘案し、貸倒引当金を計上しておりますが、取引先企業の倒産・担保価値の下落・その他予期せざる理由により計上時点の貸倒引当金が不足となり、増額せざるを得なくなる可能性があります。


⑤自然災害、事故災害等について
 当社グループが拠点とする京浜港、阪神港などにおいて、地震、台風、津波その他の自然災害や、火災等の事故災害が発生した場合、それらが業績に影響を及ぼす可能性があります。


⑥停電等について
 当社グループは、本社においては電源系統を本線・予備線も含めた2回線受電方式および自家発電装置を備えております。
 また各拠点においても停電事故に対する基本的な対策を講じてはおりますが、意図しない大規模停電や電気事業法に基づく計画停電が長期化した場合、業務に支障を来たし、業績に影響を及ぼす可能性があります。


⑦地震等について
 当社グループは、本社においては執務スペースが制震構造となっており、更にシステム室を免震構造にしております。各種サーバー類に関しては一部データセンターを利用しており、自社にあるサーバーに関しては定期的にバックアップデータを他拠点へ送付するようにしてリスク分散を図っております。
 また各拠点を含めて全社に防災グッズを配備することにより、基本的に3日間分の従業員用の食料を確保し、海抜の低い拠点には救命胴衣を配備する事により、緊急措置を図っておりますが、地震等の被害状況によっては業務が出来ず、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧訴訟について
 当社グループは、法令遵守の徹底に努め、コンプライアンス・リスク管理体制の強化を図っております。
 また、社内の「法令遵守規定」において社会・政治との適正な関係を保つため「反社会的勢力並びに反社会的勢力と関係ある取引先とは取引を行わず、不当な要求に屈しない」旨を規定しており、実際に取引先と取引を行う際は基本的に「反社会的勢力排除に関する覚書」を交わすようにしておりますが、今後の事業活動を遂行するうえで、当社グループの法令違反または過失等の有無にかかわらず、訴訟を提起された場合、その結果によっては業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨株価下落による影響について
 当社グループは、市場性のある株式及び市場性のない株式を保有しております。
 市場性のある株式については、大幅な株価下落が生じた場合、減損または評価損が発生し、市場性のない株式については、発行会社の実質価額が著しく下落した場合に減損が発生するため、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩大規模感染症による影響について

 当社グループは、新型コロナウイルスの災禍、国民生活に欠かせない“食”の安定供給についてその責任の一端を担い続ける為、徹底した感染防止に取り組み事業を継続して参りました。当該感染症が感染症法上の第5類に移行した以降も、政府方針に沿って、引き続き感染症対策に注意しつつ経済活動の正常化を図るべく積極的に事業を展開しております。

 しかしながら、今後当該感染症をはじめとする大規模感染症によるパンデミックが起こった場合、サプライチェーンの混乱や停滞により業務に支障を来たし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 

⑪DX化の影響について

 当社は日頃より各種社内システムの改善ならびにRPA化(Robotic Process Automation)に努めております。
 一方で外部環境のDX(Digital Transformation)の内容とそのスピード如何により、当社の持つナレッジとスキルの価値が減衰する恐れがあります。

 

⑫気候変動に関する影響について

 当社グループは、気候変動問題を事業にもたらす重要課題の一つと捉え、グループ全体で積極的な対策に取り組んでまいります。気候変動による環境意識の高まりや消費動向の変化、また自然災害等により仕入れ・販売・輸送等にかかる物理的な問題が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬円安(為替)の影響について

 当社グループは輸入貨物の取扱い比率が高く、円安の進行により日本企業が海外企業に買い負け取扱量が変動し結果として、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は株主の皆様への長期的な利益還元を重要な課題と考え、安定的な配当を行うことを基本としております。
 加えて、経営基盤の整備状況や業界動向を踏まえ、適切な配当水準を継続的に維持することにより、株主の皆様の
ご期待に応えてまいりたいと考えております。
 当社の剰余金の配当は、2024年3月期より中間配当および期末配当の年2回を基本としており、取締役会で決議することとしております。

当社の剰余金の配当は2024年3月期の期末配当につきましては、2024年5月14日開催の取締役会において1株当たり11円00銭と決議させていただきました。

なお、中間期において中間配当金として1株当たり10円を実施しておりますので、当期の年間配当金は1株につき1円増配の21円となります。

内部留保につきましては、財務の健全性に留意しつつ、今後の事業展開を踏まえた投資原資として備えることとしております。

なお、当社は会社法第459条第1項及び第454条第5項の規定に基づき、同条項各号に定める剰余金の配当等については取締役会決議により実施する旨、期末配当の基準日は毎年3月31日、中間配当の基準日は毎年9月30日とする旨及び、ほかに基準日を定めて剰余金を配当することができる旨を定款で定めております。

 

 (注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月10日

取締役会決議

86,131

10

2024年5月14日

取締役会決議

94,745

11

 

 

2024年5月14日開催の取締役会において、株主の皆様への利益還元の姿勢をより明確にし、かつ充実させるために、配当方針の変更を決議させていただきました。

2025年3月期の配当については、中長期的視点での企業価値向上のために必要な事業投資を継続したうえで、1株あたり年額20円を下限とし、各事業年度の収益力向上を考慮しつつ、配当性向30%程度を目安として、中間配当及び期末配当の年2回実施することを基本といたします。