2024年6月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

1) 主要販売先との取引

当社の販売先は、年間約3,000社ですがその内上位10社の販売額が、売上全体の約30%を占めております。その上位10社の中でも上水道、都市ガス、電力のライフライン関連の販売先が上位を占め、公益事業としての高い信頼性が要求されております。

それらライフライン関連の販売先での著しい信頼性の低下、もしくは販売先における設備投資額の減少、更新計画の延期等は、当社の受注活動にマイナスの影響をもたらす可能性があります。

・リスクへの対応策

サービス品質の維持により販売先への信頼性を確保するとともに、積極的なマーケティング・営業活動により事業領域と顧客拡大を推進し、売上・利益の確保に努めてまいります。

 

2) 主要仕入先との取引

当社は、創業以来横河電機株式会社の代理店として事業を展開し、2007年3月より横河電機株式会社は、主要株主として当社の関連当事者となりました。

現在、横河電機株式会社および横河電機株式会社グループからの仕入額は全仕入の約30%を占めており、国内市場における横河電機株式会社および横河電機株式会社グループの製品競争力の低下、取扱製品ならびに販売先等を定めた当社と横河電機株式会社、横河電機株式会社グループとの代理店契約の変更によっては、当社の業績に影響を与える可能性があります。

・リスクへの対応策

引き続き横河電機株式会社グループとの良好な関係を維持することで安定した仕入に努めてまいります。また、各事業部門における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズに柔軟に対応できるよう新規仕入先を積極的に開拓することでリスク低減を図ってまいります。

 

3) 業績の季節変動

当社の主要な販売先は、上水道、電力、ガス等の公益事業関連、民間でもエンド・ユーザーが官公庁の重電・プラント関連の販売先が多く、工事案件の工期が3月の年度末に集中する傾向があります。このため当社の業績は、下期(1月~6月)に売上・利益が集中する季節変動があります。

・リスクへの対応策

事業分野や取引先の拡大、自社ソフトウェアの販売促進を通じて、売上・利益の平準化に努めてまいります。

 

4) 入札制度

主要販売先である公共事業体からの発注につきましては、入札制度があり当社が継続的に受注出来るという保証はありません。

・リスクへの対応策

積極的な営業活動による顧客拡大を推進し、特定の販売先に依存することなく安定した売上・利益が確保できるよう努めてまいります。

 

 

5) 販売先の信用リスク

当社には、販売先から支払われるべき売掛金の不払いに係るリスクが存在します。売掛債権管理につきましては、与信管理を強化徹底しておりますが、すべての取引先が当社に対する債務を履行するまで健全な財政状態にあるという保証はありません。

・リスクへの対応策

定期的な信用調査を実施するとともに、営業活動を通して販売先を取り巻く市場環境や業績・経営戦略の転換等を敏感に捉えることで、総合的に与信管理を行いリスク低減に努めております。

 

6) 情報システムのリスク

当社の販売管理・経理管理は、全て管理用コンピュータシステムにより処理しております。したがいまして、通信回線、コンピュータ本体等がダウンした場合は、業務処理に大きな不都合が発生するリスクがあります。

・リスクへの対応

当社では、社内システムの定期的な保守、バックアップシステムの構築、外部からの不正アクセス防止対策等により、社内システムへの障害発生・情報漏洩などのリスクを低減し、事業継続性の向上を図っています。

 

7) 投資有価証券に係るリスク

当社は、投資有価証券の主要銘柄として横河電機株式会社の株式を保有しており、将来当該株式の大幅な株価下落が続く場合には、当社業績に影響が発生するリスクがあります。

・リスクへの対応

横河電機株式会社グループは当社の主要な仕入先であり、計測制御機器関連の取引関係の維持・強化のためにも投資有価証券の保有は継続する意向です。そのため、当該株式の株価下落による業績への影響は避けがたいものではありますが、積極的なマーケティング・営業活動により事業領域と顧客拡大を推進することで売上を伸張させ、利益の確保に努めてまいります。

 

8) 人財の確保と育成に係るリスク

当社の成長と発展には、最先端技術や日々厳格化する品質基準に対応できる技術者の確保と育成が不可欠であります。その確保・育成ができなかった場合には、顧客ニーズへの適切な対応ができず、当社の信頼性や業績に影響を与える可能性があります。

・リスクへの対応

当社では、新卒採用・中途採用を積極的に行うことにより、優秀な人財の確保に努めるとともに、OJTや階層別研修等の研修制度を充実させることで、社員の技術力の向上に努めています。

 

9) 大規模災害や感染症の蔓延に係るリスク

事業を展開する地域において大規模な自然災害や感染症の蔓延が起きた場合、事業活動の制限・工事の中止や大幅な延期等が発生する可能性があります。また、災害等により社会経済や販売先を取りまく事業環境が大きく変化した場合、販売先の設備投資意欲が大幅に減退することが見込まれ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

・リスクへの対応

当社は、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、大規模災害等に係るリスクが顕在化した際には、当該機関が中心となり被害状況や事業への影響を速やかに把握し、従業員の安全確保と損害の最小化に努めています。また、当社は上水道、都市ガス、電力等、ライフライン関連に広く従事していることから、有事の際には取引先などと連携し、迅速な復旧への対応を含めた現場ごとの対策を講じています。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要施策の一つと位置付けており、当社の企業価値の向上を図りつつ、経済情勢、業界動向、今後の事業展開を総合的に判断し、年間の配当性向40%を目途に配当水準の確保に努めております。また、一時的な要因で業績が悪化した場合においても、株主資本配当率を踏まえた安定的な配当の維持を基本方針としております。

当社の剰余金の配当は、期末配当1回を基本的な方針としております。期末配当の決定機関は、株主総会であります。

当事業年度の配当は、上記の方針に基づき、1株当たり300円の配当を実施することを決定しました。この結果、当事業年度の配当性向は40.1%となりました。

内部留保資金の使途につきましては、新商品や新たなビジネスモデルの構築、人材開発および情報インフラの整備など、更なる成長につながる戦略への投資等に活用し、将来における事業体質の強化に対処したいと考えております。

また、当社は、「取締役会の決議により、毎年12月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年9月27日

定時株主総会決議

1,014

300