2024年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 36,418 100.0 3,465 100.0 9.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、制御・情報機器システム、計測器、理化学機器、産業機器・その他の商品販売と、それら商品販売に伴うエンジニアリング、ソフトウエア製作、計装工事、保守サービスを一括して行っております。また、当社は横河電機株式会社、横河ソリューションサービス株式会社およびアジレント・テクノロジー株式会社の代理店として、この3社より主な商品の仕入れを行っておりますが、主にシステム販売分野におきましては、機械設備や計装工事などをエンジニアリング・工事会社に発注し、製作・施工しています。

なお当社のセグメントは単一でありますが、事業の内容につきましては商品の品目別に関連付けて示しております。

 

品目区分

主要品目

制御・情報機器システム

(1) プロセスオートメーション(PA)およびファクトリーオートメーション(FA)の制御用コンピュータおよびコンピュータシステム

(2) 温度計、流量計等各種検出機器

(3) 調節計、シーケンサー等各種制御機器

(4) エンジニアリング、ソフトウエア製作、計装工事、保守サービス

計測器

(1) 各種電気測定器(電流計、電圧計、電力測定器および記録計等)

(2) オシロスコープ、通信測定器

(3) 計測システム

理化学機器

(1) ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフなどの有機化学分析装置

(2) ICP質量分析装置などの無機分析装置

(3) 分析データ用ソフトウエア製作

産業機器・その他

環境試験装置、油圧機器、空圧機器、産業ロボット、恒温槽、受託計測等

 

 

 

[事業系統図]

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、社会・経済活動の正常化が大きく進み、雇用・所得環境が改善する下で、日経平均株価が最高値を更新する等、景気は緩やかに回復しました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢等に伴う地政学的リスクの長期化、中国経済の先行き懸念、世界的なインフレの進行に対する各国の金融引き締め等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しする可能性もあり、依然として先行きは不透明な状況にあります。

このような経営環境におきまして当社は、2023-2025年度の中期経営計画「SE2025」に基づき、4つの基本戦略「既存ビジネスへの深耕と成長ビジネスの拡大」「R&Dビジネスのソリューション付加を加速」「DX、IoT、AIを独自の付加価値として提供」「経営基盤の強化と推進」を推進してまいりました。

その結果、当事業年度における業績は、以下の通りとなりました。

 

売上高   364億17百万円 (前期比  14.1% 44億94百万円増)

営業利益   34億65百万円 (前期比   54.6% 12億23百万円増)

経常利益   35億88百万円 (前期比   52.2% 12億31百万円増)

当期純利益  25億28百万円 (前期比  63.2%  9億79百万円増)

 

また、セグメントにつきましては、当社では計測制御機器、理化学機器等の各種電子応用機器の販売と、それに付随するエンジニアリング業務などを行っているものであり、単一であります。

 

制御・情報機器システム(PA、FA)部門

当部門につきましては、ライフライン関連の設備更新案件が順調に推移したことに加え、化学プラント向けの大型案件の完成等により、売上高は191億45百万円(前期比25億31百万円増)となりました。

 

計測器(測定器、計測システム)部門

当部門につきましては、半導体業界の在庫調整による影響を受けたものの、自動車業界向けの需要が拡大し、売上高は39億43百万円(前期比1億23百万円増)となりました。

 

理化学機器(ラボ分析計)部門

当部門につきましては、半導体、化学、石油関連の研究開発投資需要が継続したこと等により、売上高は96億28百万円(前期比5億89百万円増)となりました。

 

産業機器・その他部門

当部門につきましては、自動車関連企業において次世代モビリティ開発に向けた投資需要が継続し、売上高は36億99百万円(前期比12億50百万円増)となりました。

 

当事業年度末の総資産は、有価証券や投資有価証券等が増加したことなどにより、前事業年度末に比べ45億18百万円増加し、315億87百万円(前期比16.7%増)となりました。また、負債合計は、繰延税金負債等が増加したことなどにより、前事業年度に比べ14億24百万円増加し、133億12百万円(前期比12.0%増)となりました。純資産は、利益剰余金の増加などにより、前事業年度末に比べ30億94百万円増加し、182億75百万円(前期比20.4%増)となりました。この結果、自己資本比率は57.9%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前事業年度末残高から3億80百万円増加し、102億70百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりとなっております。

イ.営業活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度における営業活動による資金収支は、15億89百万円の収入(前年同期比7億6百万円の収入減)となりました。これは主に、税引前当期純利益35億88百万円に加えて、仕入債務の増加などがあった一方、法人税等の支払、売上債権の増加等によるものであります。

ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度における投資活動による資金収支は、6億62百万円の支出(前年同期比1億33百万円の支出減)となりました。これは主に、有形固定資産や投資有価証券の取得、保険積立金などによるものであります。

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度における財務活動による資金収支は、5億45百万円の支出(前年同期比67百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払などによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、制御・情報機器システム、計測器、理化学機器等の販売と、それに付随するエンジニアリング業務などを行っているものであり、セグメントは単一であります。

したがいまして、仕入、受注および販売の実績につきましては、商品の品目別に関連付けて示しております。

a.仕入実績

当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

金額(千円)

対前年増減率(%)

制御・情報機器システム

11,488,249

13.8

計測器

3,281,552

2.4

理化学機器

7,782,952

5.3

産業機器・その他

2,887,132

45.9

25,439,887

12.2

 

(注) 機器等の販売に付随するエンジニアリング業務の仕入高については、上記には含まれておりません。

 

b.受注実績

当事業年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

受注高(千円)

対前年増減率(%)

受注残高(千円)

対前年増減率(%)

制御・情報機器システム

21,154,930

20.0

15,085,304

11.7

計測器

3,915,004

9.1

863,070

△3.6

理化学機器

9,993,808

9.9

3,758,095

10.8

産業機器・その他

3,027,476

△46.4

3,554,350

△15.9

38,091,219

5.9

23,260,820

5.7

 

 

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別

金額(千円)

対前年増減率(%)

制御・情報機器システム

19,145,373

15.2

計測器

3,943,938

3.2

理化学機器

9,628,683

6.5

産業機器・その他

3,699,938

51.0

36,417,933

14.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、本項の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高及び売上総利益)

当事業年度は、浄水場の大規模な設備更新案件の完成時期が重なったことに加え、自動化・電動化を見据えた次世代モビリティ開発案件の増加等により、売上高は364億17百万円(前期比44億94百万円増)となりました。売上総利益は増収に伴う増加分に加え、高度なエンジニアリング力を伴う付加価値の高い案件の増加による粗利率の増加による粗利率の改善も相まって売上総利益は、83億62百万円(前期比14億63百万円増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、48億97百万円(前期比2億40百万円増)となり、売上高に対する比率は13.4%(前期比1.2%減)となりました。

(営業利益、経常利益及び当期純利益)

上述の結果、当事業年度の営業利益は34億65百万円(前期比12億23百万円増)、経常利益は35億88百万円(前期比12億31百万円増)となりました。税費用につきましては、賃上げ促進税制の適用もあり、当期純利益は25億28百万円(前期比9億79百万円増)となりました。

(財政状態の分析)

当事業年度末の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費を主とする販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。当社は、その資金を自己資本及び事業活動において獲得した資金により賄っております。

当社の当事業年度末の資金残高は、102億70百万円(前期比3億80百万円増)であり、上記運転資金・設備投資資金を十分な水準で確保しており、資金の流動性の確保に特段の問題はないと考えております。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、将来発生する事象に対しての見積もり及び仮定設定を行う必要があり、経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と判断した見積もりや仮定を継続的に採用しております。しかしながら、これらの見積もりには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社が採用している会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が財務諸表作成における見積もりの判断に影響を及ぼすと考えております。

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収可能性の判断においては、将来課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、将来の税金負担を軽減する効果を有すると判断した回収可能額を繰延税金資産として計上しています。将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。

(工事契約に係る収益)

工事契約に係る収益には、主に制御・情報機器システム等に係る計装工事の請負が含まれ、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合(インプット法)に基づいて行っております。想定していなかった原価の発生等により工事原価総額に変更があった場合には、工事進捗率が変動するため、売上高や売上原価に影響を与える可能性があります。

 

④ 経営方針、経営成績、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、株主価値増大を数値的に判断する指標として、「自己資本比率50%以上」「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」を目標としております。当事業年度における自己資本比率は57.9%、自己資本当期純利益率(ROE)は15.1%と目標を上回りました。