事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
著作権管理事業 | 1,237 | 8.8 | 524 | 28.6 | 42.3 |
DD事業 | 7,563 | 53.7 | 786 | 43.0 | 10.4 |
音楽配信事業 | 3,977 | 28.2 | 599 | 32.8 | 15.1 |
その他 | 1,308 | 9.3 | -80 | -4.4 | -6.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社4社(株式会社エムシージェイピー、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス)により構成されており、音楽を中心としたエンタテインメント領域において著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション事業、音楽配信事業及びその他(ビジネスサポート事業)に取り組んでおります。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
また、2023年9月29日付で株式会社レコチョクの株式を取得したことに伴い、同社及びその子会社である株式会社エッグスを連結の範囲に含めております。これに伴い、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
著作権管理事業
著作権とは、思想や感情を創作的に表現した著作物の利用を独占的にコントロール出来る権利であります。音楽分野では、「詞」「曲」が著作物となります。
当社は、著作権等管理事業法に定められる著作権等管理事業者として文化庁に登録されており、音楽分野における著作物の管理を行っております。(登録番号01005)
音楽著作権管理業務においては、著作権法の権利区分を基本としながら、利用の実態等に鑑みて、下図のとおり音楽著作権の4つの支分権と9つの利用形態に区分して管理を行っております。
(1)演奏権等
コンサート・ライブ等での演奏、(5)店舗内BGM・映画館等、(6)社交場・カラオケボックス等で作品を演奏・上映することを許諾する権利。利用形態ごとに細分化し2つの利用形態に分けて管理しています。
(2)録音権等
CDや(7)映画、(8)DVD、(9)ゲーム、(10)広告等に作品を複製することを許諾する権利。
利用形態毎に細分化し4つの利用形態に分けて管理しています。
(3)出版権等
楽譜や歌詞集・雑誌・書籍等に作品(歌詞・楽譜)を印刷することを許諾する権利。
(4)貸与権
CDレンタル等において作品を貸与することを許諾する権利。
(11)放送・有線放送
テレビやラジオ・有線放送において作品を利用することを許諾する権利。
(12)インタラクティブ配信
インターネット等のコンピューターネットワークを通じて作品を利用することを許諾する権利。
スマートフォンやパソコン向け音楽サービスなどが主な利用となります。
(13)業務用通信カラオケ
カラオケ用データベースに作品を固定し、店舗に設置された端末機器に作品を送信することを許諾する権利。
上記のうち、当社では「(1)演奏権等」「(2)録音権等」「(3)出版権等」「(4)貸与権」の4つの支分権と、「(5)上映・BGM等」「(7)映画への録音」「(8)ビデオグラム等への録音」「(9)ゲームへの録音」「(10)広告目的で行う複製」「(11)放送・有線放送」「(12)インタラクティブ配信」「(13)業務用通信カラオケ」の8つの利用形態の管理を行なっています。
※「(1)演奏権等」のうちカラオケ演奏を含む(6)区分については営業体制・管理体制などの環境が整い次第管理業務を開始する予定ですが、現時点ではその具体的な開始時期は未定です。
著作権を保有する著作権者は、自ら著作権の管理方法を選択する権利を保有していますが、管理の効率性や徴収精度の高さから、音楽分野においては著作権等管理事業者に作品の管理を委託することが一般的となっています。
また、利用者からの視点で見ても、使用する都度、数多くの著作権者から使用許諾を得ることは、多大な労力を要する作業であり、著作権等管理事業者が集中して著作物を管理することにより、利用作品の報告や使用料の支払などの定められた手続きを行いさえすれば、円滑に作品を利用できる環境が整っています。当社は、音楽作品の管理・利用に関するルールや使用料を定めた上で、著作権者からの委任に基づいて、利用者への許諾の取次と使用料の徴収を行い、音楽作品の利用を促進する窓口としての役割を果たしております。
なお、音楽著作物の利用時期と当社著作権管理事業の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じます。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社エムシージェイピー
著作権管理のビジネスフロー
また 、子会社の株式会社エムシージェイピー(以下「MCJP」)が行っている音楽出版社向け業務代行サービスにおいては、再分配計算、著作権契約書・作品届の作成などの業務を代行することによって、著作権管理事業におけるクライアントである音楽出版社の皆さまの業務負担の軽減と効率化を図っており、当社のグループ会社として培われたノウハウにより、最適な著作権管理方法のご提案とサポートを行っております。
MCJPの音楽出版社向け業務代行サービスのビジネスフロー
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。著作物(作品)を録音・編集した音源マスターを音楽業界では原盤と呼んでいますが、権利者からこの原盤のライセンスを受け、販売先の音楽配信サービスを通してユーザーに音楽を届ける事業です。2003年より国内でいち早く事業を開始しました。音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなどの権利者との契約を保有し、今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しております。
当社が著作権を管理する作品が含まれる原盤をより多くのユーザーに販売することで、原盤の使用料が多く発生するのはもちろんのこと、同時に著作権使用料も発生しますので、自らコンテンツ流通プラットフォームを構築し販売を促進することによって、著作権使用料の増大にも寄与しております。
<特徴>
・あらゆる配信種別(ストリーミング、ハイレゾ配信など)に向けて、スピーディーに対応しています。
・売上の最大化に向けて不可欠な「海外配信」においても、効率的なネットワークを構築しています。
・独自の原盤管理システムの稼働により、安全な配信運用及び確実かつ詳細な分配と明細データの提供を実現しています。
・YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービス(※)も提供しております。
(※)YouTubeにおけるコンテンツマネージメントサービスについて
従来のYouTubeオフィシャルページにおける動画収益の一部を受領するビジネスモデルに加え、権利者が保有するオリジナル動画や音楽原盤をNexToneを通じてYouTubeシステムに登録する事により、それらのコンテンツを使用して作成・投稿された「UGC」(ユーザー投稿動画)からも収益の分配を受ける事が可能です。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社レコチョク、株式会社エッグス
デジタルコンテンツディストリビューションのビジネスフロー
音楽配信事業
インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
音楽配信のビジネスフロー
その他(ビジネスサポート事業)
・キャスティング事業
利用者・権利者の様々なニーズに対応し権利処理を含めたトータルサポートを行っております。
具体的には、音楽ライブやイベントの企画立案や協賛営業、楽曲・映像作品を活用した利用促進コーディネート、イベント各種へのアーティストブッキング、ライブビューイングや映画作品の配給・宣伝、家庭向けライブ配信コーディネート、イベントの主催・共催等を手がけております。
レコード会社やメディア企業、配信プラットフォームなど、様々な企業と共同で新たなエンタテインメントサービスの開発に積極的にチャレンジするなど、多岐にわたってエンタテインメントビジネスをサポートしております。
(当事業を行う主な会社)当社
キャスティング事業のビジネスフロー
(※)非映画デジタルコンテンツ(Other Digital Stuff)の支援
・システム開発・保守運用事業
当社グループの業務ノウハウやコンテンツ配信ビジネスの知見を活かした、音楽・映像などエンタテインメント業界のコンテンツビジネスに関するコンテンツ並びに印税契約管理、及び許諾・配信管理、印税計算や関係権利者への分配などのバックエンド業務に特化したシステム開発などを行っております。日々の膨大かつ複雑な著作権利用に係るデータや情報のシステム管理能力、手数料徴収及び権利者への分配金支払いの膨大な実務能力が必要であるため、新たなシステムの開発が常に求められております。
具体的には、著作権・原盤権等の権利処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供及び各種社内システムの開発・運用などを行っております。
株式会社レコチョクにおいては、高度なIT技術と豊富なIT人材を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにシステムサービス提供やDX(デジタルトランスフォーメーション)/運用等の業務支援を行っております。
(当事業を行う主な会社)当社、株式会社NexToneシステムズ、株式会社レコチョク、株式会社エッグス
・ソリューション事業
株式会社レコチョクにおけるレコード会社とのリレーションや高度なIT技術を活かし、音楽業界を中心とする権利者向けにEコマースなどの直販ビジネス支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社レコチョク
・エージェント事業
株式会社エッグスにおいて展開しているインディーズを中心としたアーティストとリスナーが出会う音楽プラットフォーム「Eggs」の運営及びCDリリース・配信・プロモーションなどのインディーズアーティスト向け活動支援等を行っております。
(当事業を行う主な会社)株式会社エッグス
当社グループの事業の系統図
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比109%(2023年1月~12月)と、CD/映像ソフトのリリースは堅調に推移しており、有料音楽配信売上金額は前年同期比111%(2023年1月~12月)と、その内訳をみるとダウンロードは縮小傾向にあるもののサブスクリプション型や広告収入型の音楽配信サービス等のストリーミング配信市場が引き続き拡大しております。
このような情勢において、当社グループは、著作権管理事業及びデジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業を中心に、新しいテクノロジーを適切に導入しながら、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配、著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応を行うことを経営方針として取り組んでまいりました。さらに、DX推進による業務効率化、ソリューション型営業による取引拡大、楽曲・コンテンツの更なる利用促進、権利者へのきめ細やかなサービスの提供等を通じ、事業基盤となる管理楽曲や取扱原盤を着実に積み上げ、上場以来前期まで増収増益を継続し企業価値向上に努めてまいりました。
そのような状況の中、既存事業のこれまでの成長スピードの更なる加速と、長期的な成長基盤拡充のため、2023年9月28日公表の「株式会社レコチョクとの戦略的な資本業務提携及び連結子会社化に関するお知らせ」のとおり、株式会社レコチョク(以下、「レコチョク」)との資本業務提携を実施し、両社グループのシナジー発揮による既存事業の成長だけでなく将来的な新規事業の創出を目指しております。また、本提携により、レコチョク及びその子会社である株式会社エッグス(以下、「エッグス」)を連結の範囲に含めたことにより、両社の貸借対照表は第2四半期連結会計期間より、両社の損益計算書は第3四半期連結会計期間より、連結しております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、主力の著作権管理事業及びDD事業が安定的に推移した他、第3四半期連結会計期間よりレコチョク及びエッグスの損益計算書を連結したことにより、事業規模が拡大し前年同期比で売上高は大幅増収となりました。利益面では、既存事業の増収に伴う増益の他、前期に発生した役員退職慰労金制度廃止に伴う一時的な人件費増加要因がなくなった一方、レコチョク及びエッグスにおける成長分野へのシステム開発等の先行投資により、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
以上の結果、売上高は13,433,504千円(前年同期比152.4%)、営業利益は657,004千円(前年同期比78.2%)、経常利益は661,413千円(前年同期比78.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は531,128千円(前年同期比84.1%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第2四半期連結会計期間においてレコチョク及びエッグスの貸借対照表を連結の範囲に加え、第3四半期連結会計期間より両社の損益計算書を新たに連結したことにより、当社グループ全体の事業範囲が拡大したため、事業区分及び事業活動の実態を適切に表すとともに、事業内容を明瞭に表示する目的から、第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。従来の「著作権等管理事業」及び「キャスティング事業」の2区分から、「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」の3区分へと変更し、報告セグメントに含まれない事業を「その他」としております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
a. 著作権管理事業
変更前のセグメント区分における「著作権等管理事業」に含めていた楽曲の著作権に関わる2つの業務、当社の基幹事業である音楽著作権管理業務と、子会社の株式会社エムシージェイピーで展開している音楽出版事業を合わせて、新たに「著作権管理事業」としてセグメントを設定いたしました(従来の「著作権等管理事業」から組み替え)。
音楽著作物の利用時期と当社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2022年10月~2023年12月となります。
当該期間のインタラクティブ配信徴収額はストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの拡大や、AI等を活用した動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等により前年同期比113.5%となりました。録音権にかかる著作権使用料徴収額は、CD/映像ソフトのリリース状況が堅調に推移し前年同期比101.3%となり、放送・有線放送徴収額は当社管理作品のCM利用や管理作品数の順調な増加等により大幅増となり前年同期比125.9%となりました。また、演奏権及び海外の徴収額も順調に増加しております。
著作権徴収額全体で前年同期比112.9%となり、当社発足以降8期連続の増加となりました。
当連結会計年度末における当社管理作品数及び期中新規作品数は以下の通りです。
以上の結果、売上高は1,237,172千円(前年同期比121.8%)、セグメント利益は523,579千円(前年同期比102.1%)となりました。
また、委託権利者や管理作品が順調に増加し、他管理事業者からの移管として2024年4月から当社が新たに著作権管理を受託する2,416作品(うち、新規移管による純増1,585作品、委託範囲拡大831作品)の移管も実施いたしました。移管作品の中にはこれまでのヒット作品も多く含まれております。これらは今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
b. デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業
変更前のセグメント区分における「著作権等管理事業」に含めていた当社DD業務に、レコチョク及びエッグスのDD業務を加え、新たに「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」としてセグメントを設定いたしました(従来の「著作権等管理事業」から組み替え)。
当連結会計年度のDD事業の業績は、レコチョク及びエッグスのDD業務においては損益計算書の連結を開始した2023年10月から2024年3月までの半期分の業績であること及びレコチョクにおけるDD業務がサービス開始準備中であることから、売上の多くを当社のDD業務が占めております。
当連結会計年度におけるDD事業は、取扱原盤は順調に増加し、レコチョク及びエッグスとの提携により事業規模拡大に取組みました。また、配信市場拡大に伴い市場成長率に変化の兆しが見られる中、更なる営業活動の強化による新規取引先との契約や多数の人気コンテンツを有する大口権利者との契約、海外におけるコンテンツの配信拡大を目指し米国の音楽テクノロジー企業「AudioSalad」社とのパートナーシップ構築等にも取組みました。
当連結会計年度末における取扱原盤数及び期中新規原盤数は以下の通りです。なお、当期よりレコチョク及びエッグスの取扱原盤数も合算しております。
以上の結果、売上高は7,562,912千円(前年同期比106.8%)と増収となりましたが、レコチョクにおけるシステム開発等の先行投資により、セグメント利益は785,810千円(前年同期比80.6%)となりました。
c.音楽配信事業
レコチョクにおける従前からの基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)を「音楽配信事業」として新たにセグメントを設定いたしました。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗、カラオケボックスや結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っております。
なお、当連結会計年度の音楽配信事業の業績は、レコチョクの損益計算書の連結を開始した2023年10月から2024年3月までの半期分の業績となります。
当該期間における音楽配信事業は、主力サービスの「dヒッツ」が安定的に推移したほか、単曲ダウンロードにおいてもアーティスト毎のキャンペーンや協業企業の施策実施等もあり、平均購入単価が上昇する等好調に推移いたしました。また、店舗向けBGM配信サービスの契約店舗数の拡大等にも取組みました。
以上の結果、売上高は3,977,106千円、セグメント利益は599,413千円と、レコチョクの新規連結により前年同期比で純増加となりました。
d. その他
上記「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」に含まれない各種の事業を「その他」としております。
「その他」に含まれる事業といたしましては、変更前のセグメント区分におけるキャスティング事業、当社子会社である株式会社NexToneシステムズにおけるシステム開発・保守運用事業、レコチョクにおけるレコード会社・音楽プロダクション向けソリューション事業、及びエッグスにおけるインディーズアーティスト向け活動支援のエージェント事業等となります。
当連結会計年度の業績は、キャスティング事業においてAfterコロナでのリアルイベント活性化を受け、国内外の人気アーティストのコンサートツアーや人気ミュージカルのライブビューイングが好調であったことに加え、自主興行フェスの開催等様々なサービスの開発提供に取り組んだ他、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業において着々と各事業の拡大を進めてまいりました。
以上の結果、売上高は1,307,767千円(前年同期比119.0%)と増収となりましたが、レコチョクのソリューション事業やエッグスのエージェント事業におけるシステム開発の先行投資等によりセグメント損失は80,464千円(前年同期は84,236千円の利益)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
なお、第2四半期連結会計期間末よりレコチョク及びエッグスを企業結合した影響が含まれております。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて5,341,608千円増加し、13,162,984千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う資産の増加5,245,486千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,760,857千円増加し、8,007,838千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う負債の増加2,908,594千円及び未払金の増加690,342千円によるものであります。
未払金の増加は、主に著作権管理事業における徴収額の増加に伴い、権利者への分配額が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,580,750千円増加し、5,155,146千円となりました。これは主に、レコチョク及びエッグスを新規連結したことに伴う非支配株主持分の増加1,103,306千円のほか、利益剰余金の増加531,128千円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して2,005,554千円増加し、8,046,777千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,375,277千円(前連結会計年度は1,160,025千円)となりました。これは主に、法人税等の支払額が345,235千円あったものの、著作権管理事業、DD事業及び音楽配信事業の業績が好調に推移したことで資金が積み上がったことによるものであります。その主な内容は、著作権管理事業において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加額723,557千円に加え、著作権管理事業及びDD事業並びに音楽配信事業で使用しているソフトウェア等の減価償却費420,800千円及び税金等調整前当期純利益694,791千円が計上されたことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、695,955千円(前連結会計年度は△323,783千円)となりました。これは主に、株式会社レコチョクを新規連結したことに伴う同社の現預金の取り込みによる増加1,497,023千円の一方で、著作権管理事業及びDD事業において使用しているシステムの継続的な改修並びにレコチョク及びエッグスのソリューション事業におけるシステム開発による支出613,173千円、本社移転に伴う工事や什器・備品の購入による支出125,280千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△65,678千円(前連結会計年度は12,437千円)となりました。これは主に、自己株式取得による支出105,278千円の他、ストックオプションの権利行使に伴う新株発行による収入39,599千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、主に音楽を中心としたエンタテインメント領域において、音楽著作権の管理と利用促進を推進する事業や権利者・クリエイターをサポートする事業を通じ、適正な徴収・分配・支援を行うエージェントであり、取り扱うサービスごとに、事業戦略を立案し事業活動を展開しております。
第2四半期連結会計期間において株式会社レコチョクの株式を取得し、株式会社レコチョク及びその子会社である株式会社エッグスを連結の範囲に含め、第3四半期連結会計期間より両社の損益計算書を連結したことにより、両社の事業も含め、当社グループ全体の事業区分及び事業活動の実態を適切に表すとともに、事業内容を明瞭に表示する目的から、第3四半期連結会計期間より、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントを従来の「著作権等管理事業」及び「キャスティング事業」の2区分から、「著作権管理事業」、「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」、「音楽配信事業」の3区分に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
「著作権管理事業」では、作詞家/作曲家や音楽出版社等の著作権者から管理委託を受け、音楽著作物の利用許 諾、使用料徴収、及び著作権者への使用料分配等を行っております。
「デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業」では、音楽コンテンツ(音源や映像)を国内外の音楽配信サービスへ販売・流通(コンテンツディストリビューション)する事業を行っております。
「音楽配信事業」では、インターネットを通じて楽曲を配信する事業を行っております。音楽配信(個人向け)は単曲販売のダウンロード及び定額制販売のストリーミングを提供し、音楽配信(法人向け)は店舗・カラオケボックス・結婚式場向けのBGM配信サービス等を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部売上高及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、キャスティング事業、システム開発・保守運用事業を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額△732,297千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△713,212千円及びセグメント間取引消去△19,084千円が含まれております。
3.セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の調整額6,185,230千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
5.セグメント負債については、事業セグメントに負債を配分していないため記載しておりません。
6.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額3,404千円は、主に基幹システム導入に伴う費用であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、キャスティング事業、システム開発・保守運用事業、ソリューション事業、エージェント事業等を含んでおります。
2.セグメント利益の調整額△1,171,335千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,150,704千円及びセグメント間取引消去△20,630千円が含まれております。
3.セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.セグメント資産の調整額9,101,750千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。
5.セグメント負債については、事業セグメントに負債を配分していないため記載しておりません。
6.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額164,967千円は、主にオフィス移転に伴う費用であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:千円)
(注)全社・消去に記載の当期償却額並びに当期末残高は株式会社レコチョク取得に係る連結上ののれんです。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。