リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、主に以下のようなものがあります。なお、記載のリスク事項は、当該有価証券報告書提出日の2024年6月21日現在において判断したものであります。
当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関して、当社グループでは取締役会、経営戦略会議、総合リスク管理委員会において定期的に議論し、これらのリスクや不確実性を機会とすることや、低減するための対応を検討しております。
(1)市場での価格競争激化と在庫調整によるリスク
当社グループが属する電子部品業界は、液晶テレビ、半導体、事務機器など技術革新の一層のスピード化により、既存製品から新製品への切り替えサイクルの早期化、競合他社との価格競争の激化、市場での急激な在庫調整の影響を受けやすい環境にあります。
当社グループでは、市場変化の影響を受けにくい、価格競争力のある、特許に裏打ちされた占有技術による新規開発製品の上市、新製品比率の増加、高付加価値技術の製品化など研究・開発体制の強化に向けて、経営資源を積極的に投入いたしますが、予想以上の価格競争激化による製品価格の低下や急激な在庫調整が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動リスク
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、約80%と海外売上高の割合が高いため、為替レートの変動は当社グループの外貨建取引から発生する収益・費用及び資産・負債の円換算額を変動させ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そのため当社グループでは、外貨建債権回収に係る為替変動リスクを最小化する目的で、為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はなく、米ドル通貨に対して円高が急激に進展した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)棚卸資産のリスク
当社グループ保有の製品・仕掛品の、棚卸資産の評価方法は、「第5(経理の状況) 1(連結財務諸表等) (1)(連結財務諸表) (注記事項)(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の項に記載のとおり、当社及び国内連結子会社は総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用、在外連結子会社は主として総平均法による低価法を採用しております。金型については、個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、原材料については、当社及び国内連結子会社は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用、在外連結子会社は主として移動平均法による低価法を採用しております。当該棚卸資産について今後、製品のライフサイクルの短縮による非流動化や陳腐化、価格競争の激化により市場価値が大幅に下落した場合は、当該棚卸資産を評価減又は廃棄処理することが予想され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)知的財産権に関するリスク
当社グループでは、事業の優位性を確保するため、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に取り組んでおります。当社が開発する製品及び技術については当社が保有する知的財産権による保護に努めているほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう細心の注意を払い、社内のリスク管理を徹底しております。
しかしながら、当社グループが認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、又は当社グループが知的財産権を有する技術に対し第三者から当該権利を侵害された場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)カントリーリスク
当社グループの事業は北米、ヨーロッパ、アジア等グローバルに展開しております。したがって、各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害・感染症等によるリスク
当社グループは、地震・風水害などの自然災害、火災などの事故災害等、予期しない事象を想定して、生産能力への影響度合いを最小限に止めるべく、「総合リスク管理委員会」を設置し、リスク管理体制の強化に努めております。しかしながら保有する重要な生産設備に災害等が生じた場合は、これを完全に防止又は軽減できる保証はなく、これらの災害等が発生した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、治療方法が確立されていない感染症が流行した場合、従業員の安全を確保するために事業活動を停止する可能性があります。加えて、各国政府や地方自治体の要請等により工場の操業を一時的に停止することや、サプライチェーンの分断により資材の調達や製品の出荷に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、健全・堅実な経営により強固な財務体質を堅持するとともに、経営活動の成果を明確な形で株主の皆様に還元することを基本方針とし、また、安定的配当の考え方も取り入れ、今期以降の業績予想を勘案して、配当の決定を行っております。
また、当社では自己資本利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)を事業活動の成果を示す重要な経営指標と位置づけており、その維持・向上をはかるため引き続き事業体質の改善に取り組み、企業価値の向上を図ってまいります。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当、期末配当共に取締役会であります。
内部留保しております資金は、経営基本方針に則り、今後の事業展開を踏まえ、中長期的展望に立って生産設備投資、研究開発投資、情報化投資及び新事業創出のために積極的に振り向けるとともに、将来の収益力の向上を通じて株主の皆様に還元できるものと考えております。
なお、当事業年度の期末配当金は、2024年5月30日開催の取締役会決議により、1株当たり30円とし、2024年5月31日を支払開始日とさせていただきました。既に2023年12月1日に1株当たり30円の中間配当を実施いたしましたので年間配当金は1株当たり60円となります。
当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨を定款に定めております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
|
2023年10月27日 |
取締役会 |
264 |
30.00 |
2024年5月30日 |
取締役会 |
264 |
30.00 |