リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の将来におけるリスクは当連結会計年度末現在で当社が判断したものであります。
[方針]
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進するためにリスク管理委員会及びリスク管理事務局を設置しております。
緊急又は重大と思われるリスクが発生した際には、各本部長が遅滞なく社長に報告し、社長が重大なリスクと判断した場合、リスク管理委員会を招集し、取締役会に報告することにしております。
また、上記以外のリスクに関しては、識別・評価したリスクを定期的にリスク管理委員会に報告し、リスク発生の未然防止とモニタリングを行っております。
(1) 主要取引先の事業動向
当社グループのメディカル事業は限定された取引先との繋がりが強く、その取引先の経営戦略・事業動向が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2023年12月期におけるメディカル事業の主要取引先に対する売上高構成比は、東レ・メディカル㈱が約9割となっております。
(2) 製品の品質
当社グループは、2022年3月31日に公表いたしました一部製品に関する不正行為について、特別調査委員会による詳細な経緯に関する調査結果、原因分析及び再発防止策等の提言を踏まえ、品質保証体制の強化や法令遵守・コンプライアンスに関する定期的な研修の実施等の再発防止策を策定し、実施しております。
しかしながら、再発防止策を実施してもコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コンプライアンス
当社グループは、役職員のコンプライアンスに関する意識の向上を図るとともに、コンプライアンスを円滑かつ効果的に実施するためにコンプライアンス委員会及びコンプライアンス事務局を設置しております。
また、全役職員に対し不正防止の意識を高めて不正を引き起こさないことが重要である旨、監査役及び内部監査室が行う監査、役職員相互の不正に対するチェック機能の重要性、更には、「役職員によるコンプライアンス関連事項 報告・相談ルート」の活用について及び通報・相談による不利益な扱いをしない旨等を記載した「コンプライアンス宣言」を全役職員向けに発出しております。
しかしながら、諸施策を講じてもコンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資材等の調達に伴うリスク
当社グループの主要原材料は、電気・電子部品、金属及びプラスチック等の材料部品であります。これら資材の需要が急激に増加あるいは供給量が減少し、必要量が確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 外注委託先の事業動向
当社グループは、製品の生産の一部を外部に委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、信用調査等情報収集を実施し、信頼できる会社を選定しておりますが、外注先の生産能力不足や予期せぬ操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。
(6) 情報セキュリティ
当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、企業や組織の重要な財産である情報資産のセキュリティ確保と維持を目的とした「情報セキュリティ管理規程」、「情報セキュリティ対策マニュアル」を定め、運用しております。また、昨今のセキュリティ情勢やテレワーク対応に伴い、情報機器・ネットワーク基盤に対し、「マルウェア対策(EDR)、不法侵入対策、情報漏洩対策」等の強化を実施しております。
しかしながら、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合は、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製造物責任
当社グループは、取扱製品の品質維持に努めておりますが、製品の製造上の欠陥、設計上の欠陥、指示・警告上の欠陥によって第三者に被害を与えるリスクが存在します。その場合、当社グループに相応の責任があると認定された場合、当社グループの事業継続、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制及び変更
当社グループの取扱製品は消防法及び医薬品医療機器等法による法的規制を受けており、法的規制の動向又は変更によっては、生産及び販売活動を阻害するリスクの他、法的規制に違反した場合、各種認定機関等による認証に影響を及ぼすリスクが存在します。
当社では一部製品に関する不正行為の事実が発覚し、その再発防止のためにコンプライアンスの強化を行っています。しかし、コンプライアンスに関するリスクは完全には回避できない可能性があり、万が一重大なコンプライアンス違反を起こした場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 政治・経済情勢
当社グループのサーマル事業(温度制御事業)は、取扱製品の都合上、液晶産業・半導体産業をはじめとする国内の景気動向、とりわけ設備投資の動向に影響されます。メディカル事業におきましては、腎臓透析患者に対する国の医療政策に影響されることは避けられません。消防ポンプ事業におきましては、主な販売先が官公庁であるため、国や地方の財政状態及び政策等の影響を受ける可能性があります。また、中国・東南アジアを中心に展開している海外についても、その仕向国における財政状態及び政策等により、需要が減少する場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 投資有価証券に係るリスク
当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、株式相場の著しい変動により評価損が発生した場合に、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、株価下落は、その他有価証券評価差額金を減少させることにより、純資産の減少を引き起こす可能性があります。
(11) 事業展開を行う地域での社会的な混乱等
当社グループは事業を展開するうえで、以下の潜在的なリスクを抱えております。
・ 地震又は風水害等の天変地異に起因する自然リスク
・ 戦争、テロ、犯罪に起因する社会リスク
・ サイバー攻撃、情報システム障害に起因する業務リスク
(12) 人材確保に関するリスク
当社グループの成長と利益は、当社独自の専門的技術、熟練した施工技術を有する人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした人材の確保・育成が想定通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 感染症について
当社グループは、感染防止策を講じたうえで事業活動の継続に努めておりますが、今後、感染症の発生や長期化により、生産および営業活動の停滞や経済情勢が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する継続的で安定的な利益還元を経営上の重要政策に位置づけており、企業体質の強化と今後の事業展開に備えるための内部留保を考慮し、可能な範囲で積極的な利益還元を実施していく方針であります。株主の皆様へ安定的な利益還元を実現するために、株主資本と連動した株主資本配当率(DOE)を採用しており、企業価値向上のための積極的な投資を実施しつつ、安定的な配当を継続するために株主資本配当率(DOE)3.5%程度を配当総額の目安としております。なお、当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当のほか、臨時株主総会をもって別途基準日を定め、剰余金の配当が行える旨を定款に定めております。当事業年度の期末配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり72円の配当を実施させていただくことを決定いたしました。内部留保金につきましては、将来にわたる株主利益を確保し、企業体質の一層の強化を図るための投資に活用する予定であります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たりの配当額 (円) |
2024年3月28日 |
407 |
72 |
定時株主総会決議 |