リスク
3【事業等のリスク】
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下のとおりであります。
当社グループでは、経営上発生することが予測される様々な事象に伴うリスクに、迅速かつ的確に対応するため、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会を設置するとともに、年2回定例会議を開催し、また必要により臨時の会議を開催して、迅速に対応できる危機管理体制の整備、管理に努めております。当社グループではこれらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。
当社グループは重要性に応じて、「事業等のリスク」の記載順を判断しております。
(1)公共事業予算
当社グループの情報機器事業及び照明機器事業の一部では、国や地方自治体の公共事業の動向に大きく影響を受け、公共事業予算規模の増減は、当社グループの売上高に影響を与える可能性があります。
2024年12月期は、防災・減災、国土強靭化の加速化対策が5か年計画の中間期でもあり、インフラ整備などの公共事業の継続、政府のカーボンニュートラル施策を背景とした照明器具のLED化促進などを背景にLEDトンネル照明器具を中心とした新規受注物件の確保に努めてまいります。
(2)公共事業依存に関するリスク
当社グループの情報機器事業及び照明機器事業は、売上高に占める公共事業の割合が非常に高いため、当社グループの経営成績は公共事業予算の増減に影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、公共事業への依存度を低減するため、民需関連市場の新規開拓や新製品の開発、新規事業の創出に取り組んでおります。
売上高官需比率
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2020年3月期 |
2020年12月期 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
官需比率(%) |
56 |
53 |
56 |
45 |
47 |
民需比率(%) |
44 |
47 |
44 |
55 |
53 |
(3)原材料・部品の価格高騰及び入手難によるリスク
当社グループは製品の製造のため外部から原材料、部品、組立外注品等を調達しており、市況の変動に伴う価格の高騰等は経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、供給元における不測の事由による原材料等の供給不足、供給中断により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。BCPに基づく対策として、開発段階から複数社で調達できる検討を事前に行うことやセカンドベンダーとなる取引先を確保し、特定の仕入先に依存しない施策を実施しております。
(4)公共工事の大型化・長期化
受注から引渡しまでの工期が長期かつ大型の物件は、期間中に経済情勢の変動等により原材料価格や人件費が大幅に上昇するなど、契約を締結した時点の見積原価と実際の原価との間に差異が生じる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)公共工事の工期延長
公共工事施工中における重大事故による納期遅延や自然災害等の予期しない事態による工事の中断や変更による大幅な工期延長は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)入札制度について
当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業の受注形態は一般競争入札制度によっております。そのため、入札制度が大きく変更されたり、競争の激化による入札価格の低下により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社営業本部内に、入札情報(入札公告・結果)等の集約管理を行い、情報の分析と総合評価対策(技術資料作成)により入札競争力向上をサポートする部署を設け、対策を行っております。
(7)法的規制について
当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業では建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、道路情報機器及び照明機器の工事を受注しております。これらの電気工事業務は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律の規制を受けているため、当社営業本部内の専門部署にて有効期限の管理及び更新を行っておりますが、当該許可及び登録の更新がなされない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、建設業許可には、一定の経験もしくは専任技術者が要件となっており、退職等の不在に備え、適任者の選任、教育を実施しております。
また、独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除勧告が行われることがあります。排除勧告を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国及び地方自治体から指名停止の処分が科された場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループでは、法令順守の対応として、役員で構成される企業倫理委員会を設置し、規程及びマニュアルを整備し、コンプライアンスを徹底しております。また、監査部による監査(業務監査・内部監査)を原則年1回全部門及び子会社を対象に実施し、会社の業務活動が法令・定款・諸規程に準拠し、かつ経営目的達成のために合理的・効率的に運営されているか否かを監査しております。
(8)自然災害又は新規感染症等のパンデミック
自然災害やパンデミック等により事業活動の停滞や工場等が操業停止になった場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・大地震発生時の対応
地震(震度5強以上)における従業員の安否確認として、安否確認システムを導入し、災害発生の直後での従業員の安否確認を優先し、被災状況の情報収集を行っております。
激甚災害であると危機管理委員長が判断した場合は、速やかに災害対策本部を設置し、ひきつづき情報収集を行ないながら災害復旧の指揮を執る体制をとっております。
(9)製品の品質によるリスク
当社グループは、製品品質の維持、向上に努めておりますが、重大な欠陥や瑕疵等が発生した場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、製品納入後に発生する保証費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。
顧客等からのトラブルやクレーム等は全て当社品質保証部に報告され、即座に必要な応急対策や処置のとれる体制を整えております。また、根本的な原因まで掘り下げ、最適で具体的な対策が立案できるまで原因を追究し、原因に対応した対策を立てております。当該クレーム・欠陥が危機的クレームに該当すると判断した場合、危機管理委員会事務局へ報告を行い、危機レベルが高いものについて、危機管理委員会を開催し、経営的観点に基づき対応を決定しております。また発生製造部門に原因究明及び再発防止対策を行わせ、危機事象報告書で報告しております。
(10)新製品の開発リスク
当社グループが製造する新製品の開発において次の能力が不足した場合は当社グループの経営成績に変動を及ぼす可能性があります。
①多様・高度化する顧客要求に対応する能力
②新製品を適時に開発し、適正な価格で生産する能力
③市場の変化を十分に予測する能力
当社は、社内又は顧客より提案を受けた新製品開発テーマに対し、その市場性・技術力・生産能力・販売力・資金力その他の必要事項について評価するとともに開発に着手することの可否を検討し、開発の早期実現により機会損失の発生を防止し、経営効率の向上に資することを目的として新製品開発委員会を設置しております。原則として年2回、企画会議を開催して開発テーマの情報収集とマーケットリサーチ、開発企画の審議、開発計画の立案、開発品の販売戦略の検討を行っております。
(11)人材獲得と人材育成に関するリスク
当社グループは優秀な人材を確保することが極めて重要な要素であると考えており、外部からの人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材流出を防止するための環境整備を重要課題として取り組んでおります。人材育成では、当社グループが目指す「人と組織のありたい姿」の実現に向けて「人の成長」に焦点を当てた人材開発を推進し、さらに技術ノウハウの継承や従業員の意欲向上を図り、より長く活躍できる会社を目指してまいります。
しかしながら、必要な人材を必要な時期に十分に確保できない場合や当社グループの有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、その結果、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報セキュリティ
当社グループの情報セキュリティについては、当社の取り扱う様々な情報を漏洩リスクから回避するため情報セキュリティ管理規程を定め、情報管理責任者及び情報管理者を中心に経営的な立場から会社全体の情報セキュリティ対策の実施及び改善活動を管理・監督しております。
また、「個人情報の保護に関する法律」や「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に対応するため、当社で保有する特定個人情報及び個人情報の機密性を確保するため、社内体制・運用ルールを確立し危機管理マニュアルに基づき、障害発生時には迅速に対応できよう、危機管理体制を構築しております。
しかし、予期しえない不正アクセス等による社内システムへの侵入やサイバー攻撃等によるシステムリスクが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)海外進出に潜在するリスク
当社グループは、生産又は販売活動を東南アジア諸国並びに中国等の海外市場において行っております。これらの海外市場への事業進出には各国の経済情勢、自然災害、事故、戦争・テロ、法令や政府による諸規制、仕入先の供給体制等の要因により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引から発生する債権債務の元本、売上高及び利益に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替リスクを軽減し回避すべく様々な手段を行っておりますが、為替リスクを完全に回避することはできないため為替相場の変動が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(14)価格競争
当社グループは、全ての事業分野で価格競争に直面しております。新製品の開発、顧客満足の向上等を通じて価格競争力の維持に努めておりますが、製品の需要動向によっては価格競争の更なる激化も予想されます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(15)知的財産
当社グループは、独自開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得する等保護に努めていますが、出願した技術内容等について権利が与えられない場合や、当社グループが保有する知的財産権が第三者から無効とされる可能性も有しております。当社グループの知的財産権が大きく損なわれた場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)天候
当社グループのコンポーネント事業におけるエアコン用配管保護機材の売上高は、最需要期の天候の影響を受けます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(17)債権の貸倒れ
当社グループは、債権の貸倒れに備えるため、与信管理を徹底する一方、売掛債権に対し回収不能見込額を引当計上しておりますが、想定以上の貸倒れが発生した際に、損失により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)財務制限条項
当社は複数の金融機関とシンジケーション方式による金銭消費貸借契約を締結しております。本シンジケートローン契約には財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
配当の基本的な方針は、株主に対する安定配当の維持と将来の事業展開のための内部留保の充実を考慮して、毎事業年度における財政状態及び経営成績を総合的に勘案し、実施することとしております。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また毎年6月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めておりますが、その運用につきましては、配当事務に係るコストも考慮し、従来どおり配当原資が確定する期末日を基準日とする年一回の配当を継続したく考えております。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度の配当につきましては、上記の方針とより一層の利益還元の観点から今後の資金需要等を勘案し、1株当たり18円とさせていただきました。
内部留保資金につきましては、将来の事業展開を見据えて、新製品開発や技術・生産能力向上等経営体質の強化を図るため有効に投資してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
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2024年2月13日 |
取締役会決議 |
236,664 |
18 |
(注)上記の配当の効力発生日は2024年3月14日であります。