リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)当社の事業活動に関連するリスク
① 景気変動リスクについて
当社がコンサルティングサービスを提供する主要クライアントは、グローバルに事業を展開する各業界におけるリーディングカンパニーであります。国内外の景気動向や外国為替相場の変動、税制及び法令等の改正により、主要クライアントが事業投資やIT投資を抑制した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新たな感染症等が世界的に拡大した場合においては、当社の企業活動にも感染症拡大対策等により一定の影響が生じることになります。同様に当社の顧客企業においても企業活動に制約が生じたこと等による間接的な影響により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の採用・確保及び育成について
当社は、今後の事業展開のため、優秀な人材の採用・確保及び育成が重要であると考えております。しかしながら、コンサルティング業界における人材の争奪により、優秀な人材の採用・確保及び育成が計画どおりに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約、クライアントに提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社の財政状態に関連するリスク
① のれんの減損について
当社は、2014年6月6日に旧株式会社ベイカレント・コンサルティングの全ての株式を取得しており、のれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、当社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却しております。
参考情報として、IFRSでは19,187百万円ののれんを計上しており、のれんの取得日以降の償却をしておりません。なお、IFRSののれんについては非償却資産であるため、当該のれんについて減損損失を計上した場合、日本基準に比べて当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 多額の借入金と金利変動リスク及び財務制限条項について
当社は、複数の金融機関から借入れを行っているため、金融機関の融資情勢や市場金利の上昇による調達金利が変動した場合、当社の財政状態、経営成績及び資金繰り等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の借入金のうち、金銭消費貸借契約に基づく借入金には、財務制限条項が付されております。当該契約に付された財務制限条項の内容は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(貸借対照表関係) ※4 財務制限条項」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (2)国際会計基準による財務諸表 注記事項 16.借入金及びその他の金融負債」に記載のとおりでありますが、これらに抵触した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社の社会的信用に関連するリスク
① 情報セキュリティリスクについて
当社のコンサルティングサービスの提供にあたり、クライアントの機密情報や個人情報を有することがあります。そのため当社の役員及び従業員に対して、守秘義務の遵守、機密情報や個人情報の情報管理の徹底を行っております。しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等のリスクについて
当社は、クライアントと契約を締結する際に、事前にトラブル時の責任分担を取り決める等、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生等、当社の開発したソフトウエアに不具合が生じた場合、開発が予定どおりに進捗しなかった場合、取引先等との何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。係る損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ コンプライアンスリスクについて
当社の役員及び従業員に対し、行動規範を定める等、コンプライアンスに対する意識の徹底を図っております。しかしながら、万が一、当社の役員及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 風評リスクについて
当社は、高品質のサービスの提供に努めるとともに、役員及び従業員に対する法令遵守浸透、情報管理やコンプライアンスに対する意識の徹底を行い、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。しかしながら、当社のサービスや役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する安定的な利益還元を経営の重要課題と考え、配当と自己株式の取得を含めた総還元性向の目安をIFRSベースで40%とし、その内の配当性向についてはIFRSベースで20%~30%を目安といたします。配当及び自己株式の取得は、日本基準における分配可能額の範囲を目途にして、通期業績、財務体質の強化、内部留保の充実等を総合的に勘案したうえで継続的に実施することを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回を基本的な方針としております。剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項につきましては、当社定款第40条に基づき、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定めることができるとしております。当期の配当につきましては、1株当たり43.00円(うち、中間配当18.00円)となりました。
なお、日本基準に準拠した当事業年度の当期純利益24,648百万円に対する配当性向は26.7%となりました。参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の当期利益25,382百万円に対するIFRSベースの配当性向は25.9%となりました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年10月13日 |
2,750 |
18.00 |
取締役会決議(注) |
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2024年4月12日 |
3,820 |
25.00 |
取締役会決議(注) |
(注)会社法第370条及び当社定款第26条により、剰余金の配当を行うことについて決議しております。