リスク
3【事業等のリスク】
当社グループは持続的な企業価値の向上を図るため、事業等のリスクを適切に管理すべく、代表取締役社長執行役員が委員長、各部門の担当取締役及び監査等委員会委員長が委員を務めるリスクマネジメント委員会を設置しております。
リスクマネジメント委員会では、事業への影響度及び発生頻度などを分析・評価し、気候関連リスクを含めた事業リスクを定量的に評価した上で、定性的な評価も織り込み、リスク評価しております。リスクマネジメント委員会において重要リスクを選定し、半期ごとに状況報告を実施すると共に、全社的な視点から必要な戦略の決定、施策の指示等を実施しております。
リスクマネジメント委員会での審議内容については、取締役会に対して付議・報告しており、取締役会は監督機関として機能しています。
2023年度においては、リスクマネジメント委員会は、年3回開催され、次の事項を審議し、取締役会に活動内容を報告しております。
・管理すべき重要リスクの選定
・各リスクが顕在化した場合に想定されるシナリオ
・リスクに対する対策の最終目標
・今年度の計画及び取組み状況
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)成長戦略リスクについて
M&A、海外展開及び新規事業の参入など、当社グループの成長に資する新たな戦略展開が不足又は遅れることにより、機会損失を被る場合、業績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループが市場の変化を十分に予測できず、新たな市場ニーズに合致した製品を提供できない場合、新技術・新製品を導入した競合他社に対し競争力が低下し、業績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの売上高の約6割を占める国内建設市場は、少子高齢化が進行しており、建設業界への就労人口の減少が一層深刻化していくことが予想され、十分な担い手を確保できない場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループにおいては、M&A、海外展開及び新規事業の参入について、対象領域の市場規模、将来性、既存事業とのシナジー効果等の観点から当社グループの成長に資するかどうかを検討し、機会損失の防止に取り組んでおります。
また、当社グループは、新たな市場ニーズに対応するため、顧客が抱える課題の解決を最優先とする体制整備を目的とした代表取締役社長執行役員直轄部署の「商品企画室」を設置し、営業現場及び顧客からのトレンド・ニーズを把握し、当社グループ内で情報を共有し、連携を強化すると共に、建設業者等との共同開発及び産学連携を推進することで、新技術・新製品の開発に取り組んでおります。
さらに、当社グループは、建設業界の人手不足等に対応するため、省力化に寄与する製品や工法の開発に注力しております。
加えて、顧客に対してより効果的なソリューションを提供し、将来にわたって競争力を維持し成長していくにはDXの重要性が増していることから、代表取締役社長執行役員直轄部署の「IT戦略室」を設置いたしました。今後、本格的に基幹システム刷新プロジェクトを始動し、同時に業務プロセスの改革・変革につながる、より戦略的なIT投資・DX推進を実現してまいります。
(2)海外子会社のリスクについて
当社グループは、海外市場において既存事業基盤の成長とM&A戦略の両面を通じたグローバル展開を図ることとしており、事業が拡大するなか、海外子会社の管理が行き届かず、財務内容等が悪化する場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
また、海外子会社において、当該国の法律や規制に対する理解が足らずに違法行為を発生させた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。特に、当社グループが過去に取り組んでいた自動車関連製品事業におけるバッテリー端子事業に関連する訴訟リスクは、業績等に影響を与える可能性があります。
また、為替の大幅な変動及び通貨危機が発生した場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループは、海外子会社の管理リスクについて、リスクマネジメント、コンプライアンス及び監査を含むガバナンス体制の見直し・強化に取り組んでおり、海外子会社の管理リスク軽減及び環境関連法令等の遵守に努めております。また、当社グループは、環境関連法令等の遵守のみならず、環境にやさしい製品の開発に取り組むと共に、環境に負荷を与えない製造工程の推進に取り組んでおります。
また、為替の大幅な変動、通貨危機に対するリスクにつきましては、取引に応じて適宜為替予約等を実施することにより、為替変動リスクの軽減に努めております。
(3)人財関連リスクについて
従業員の高齢化及び離職、並びに、技術及び技能継承の停滞により、当社グループの競争力が低下した場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループは、女性の新卒採用や中途採用の増加及び役職への積極登用などの女性活躍の推進や高齢者を含む多様な人財が多様な働き方で活躍できる人事制度の整備、並びに、グローバル人財及び技術系人財等の多様な人財の確保・育成など、ダイバーシティ及びインクルージョンの推進に取り組んでおります。
また、従業員等の健康増進を重視し、健康経営を経営課題と捉え、その実践によって従業員等の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す健康経営を推進しており、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」としても認定されております。
(4)情報セキュリティリスクについて
当社グループは、システム障害やコンピューターウイルスへの感染、サイバー攻撃等により、社内システムに障害が発生し、生産・営業・経理業務等の基幹システムが停止する場合は、業務が中断し、顧客に製商品を供給できないなど、業績等に影響を与える可能性があります。また、社内の機密情報や顧客・取引先情報等の重要情報が漏洩した場合は、企業としての信用低下及び顧客等に対する賠償責任が発生するなど、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループは、重要な情報の紛失、消失及び改ざん等の防止及び外部からのウイルスやサーバー攻撃などの脅威に対応するため、様々なセキュリティ対策及び社員に対する教育・啓もう活動を実施しております。
(5)レピュテーションリスクについて
当社グループに対する否定的な風評が、マスコミ報道又はインターネット上の書き込み等で発生し、当社グループの社会的信用が毀損し、ブランド価値が低下した場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループは、風評被害の発生時に迅速な対応を図り、損害の拡大を防止しこれを最小限にするための対応方法を定めた危機対応・事業継続(BCP)マニュアルを策定しております。
(6)コンプライアンスに関するリスクについて
コンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの社会的信用及びブランドに重大な影響を与えると共に、従業員の組織に対する信用喪失につながり従業員が離職するなど、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループでは、関連法令等の遵守のみならず、ステークホルダーからの期待に応えるため、常設組織として取締役常務執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、海外子会社を含む全社横断的なコンプライアンス体制の整備及びコンプライアンス違反等の解消に努めております。また、内部通報制度においても、海外子会社を含めて整備・運用されております。
(7)大規模自然災害リスクについて
地震、津波、噴火、洪水等の自然災害、新たな感染症の発生及び蔓延、大規模事故、テロ、暴動及びその他予期せぬ事態が発生し、当社グループの役職員、事業所、設備やシステムなどが被災し、当社グループの生産活動、販売活動及びその他事業活動に影響が生じた場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
自然災害等に関するリスクの対応策につきましては、平時において、避難訓練、ハザードマップの周知及び食糧等の備蓄等を実施しており、また、災害発生時において、迅速な対応を図り、損害の拡大を防止し、被害を最小限にするための対応方法を定めた危機対応・事業継続(BCP)マニュアルを策定し、定期的な訓練を実施しております。
(8)気候変動リスクについて
当社グループが、気候変動リスク等の対応を誤り、脱炭素経営に取り組まないことで、市場から評価を得られず、受注が減少した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。また、温室効果ガス(GHG)排出基準等の環境規制が変更され、当社グループが法令を遵守できず、ペナルティが課された場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
当社グループは、気候変動に対応した経営戦略の開示(TCFD)や脱炭素に向けた目標設定(SBT)などを通じ脱炭素経営に取り組むこと、当社グループのみならず、サプライチェーン全体として脱炭素社会の実現を目指していくこと、及び、当社グループのSDGs 経営をさらに強化することを目的とし、代表取締役社長執行役員直轄部署の「サステナビリティ推進室」を設置すると共に、サステナビリティ経営の実施状況の管理・監督の強化することを目的とし、独立社外取締役が委員長、取締役社長執行役員、各部門の担当取締役及び監査等委員会委員長が委員を務めるサステナビリティ委員会を設置し、脱炭素計画の策定及びサステナビリティ経営の推進体制を確立しております。
当社グループは、中期3ヵ年経営計画「OX-2026(okabe Transformation 2026)」の施策として、サステナビリティ経営を掲げており、建設関連製品事業においては、当社製品・工法を通じて、「建設現場の脱炭素・ゼロエミッション」に取り組んでおります。2022年度からは、建設現場で使用後に不要となったPコン(プラスチックコーン)の回収・リサイクルサービスを開始し、2023年度にはリサイクル材料で製造したEcoPコンを発売開始するなど、廃棄物の焼却処分による温室効果ガス(GHG)排出や、廃プラスチックの海洋流出問題の解決に取り組んでおります。また、海洋事業においては、二酸化炭素を吸収する海藻の成長が期待できる魚礁や藻場礁の普及のほか、磯焼け対策として海藻種苗の移植とその技術の普及に努めているほか、ブルーカーボン事業開始に向けた取組みや洋上風力発電事業と漁業協調への魚礁の提案活動等を通じて、「地球のカーボンニュートラル」への貢献に取り組むなど、脱炭素経営を実施することで、企業価値の向上に努めております。
また、当社グループは、温室効果ガス(GHG)排出基準等の環境規制の変更について、モニタリングする仕組みを構築し、引続き法令を遵守してまいります。
<TCFD提言に基づく情報開示>
気候変動対策はグローバル社会が直面している最も重要な社会課題であり、当社にとっても重要な経営課題の一つであることから、当社は2021年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。
2022年1月から、気候関連のリスク及び機会が当社の事業に与える影響の分析を行い、2023年3月以降、気候変動に関する「ガバナンス」・「リスク管理」・「戦略」・「指標と目標」の4項目について情報開示を行いました。
詳細につきましては、当社ウェブサイトのサステナビリティページ(https://www.okabe.co.jp/sustainability/policy/)に開示しております。
<SBT認定の取得>
当社グループは、2022年5月にSBTの水準を満たした温室効果ガス(GHG)目標設定を表明し、2023年10月にSBT認定を取得しております。
(9)経済危機・景気変動リスクについて
当社グループは、経済状況及び景気変動の見通しの正確な把握に努めておりますが、当社グループの売上高の約6割を占める国内建設市場における景気の後退及びそれに伴う需要の減少、又は、経済動向に影響を及ぼすような事態が発生した場合、業績等に影響を与える可能性があります。また、上昇する鋼材価格について、顧客に適正に価格転嫁できない場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(対応策)
経済危機・景気変動によるリスクの対応策として、当社グループは、中期3ヵ年経営計画「OX-2026」の方針の下、米国及びASEAN市場へのグローバル展開を加速し、競争力の強化や国外建設市場向け販売比率の向上に取り組んでおります。
当社グループは、メーカーとして米国のインフラ整備需要の取込みを図ると共に、米国外からの調達量を低減させ、サプライチェーンのリスクを軽減しております。
鋼材価格の上昇に対しては、当社におけるコスト低減努力及び顧客への適正な価格転嫁に努めてまいります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を充実させるため、配当性向30%以上を目安として、安定的な配当を継続することを基本とし、連結業績を考慮し、併せて企業体質の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実などを総合的に勘案して剰余金の配当を決定する方針を採用しております。なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。
また、内部留保資金につきましては、その使途として、事業拡大のための設備投資、企業買収等に有効に活用する方針であります。
このような基本方針の下、当期の剰余金の配当につきましては、1株当たり25円(うち中間配当金12円50銭)としております。
なお、当社は、「剰余金の配当及び自己の株式の取得等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる」旨、また、剰余金の配当の基準日として、期末配当の基準日(毎年12月31日)及び中間配当の基準日(毎年6月30日)の年2回のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 当期を基準日とする剰余金の配当に関する事項は以下のとおりであります。
取締役会決議日 2023年7月28日 1株当たり配当額 12.5円 配当金の総額 579百万円
取締役会決議日 2024年3月1日 1株当たり配当額 12.5円 配当金の総額 580百万円
また、当社は、新・中期経営計画「OX-2026(okabe Transformation 2026)」の開始に合わせ、次のとおり株主還元方針を変更いたしました。
〔株主還元方針の変更の理由〕
当社はこれまで、安定的な配当を継続することを基本とし、連結業績を考慮し、併せて企業体質の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実などを勘案して剰余金の配当を決定する方針を採用してまいりました。今後はその基本的な考え方は維持しながらも、当社の持続的成長と株主の皆様への長期的な利益を一層重視し、配当額の安定性を高めるため、自己資本配当率(DOE)に留意し、中長期的に水準を引き上げていくことを目指すことといたしました。
配当水準は、経営環境及び今後の事業展開等を総合的に勘案し、配当性向30%以上を目安として、自己資本配当率(DOE)に留意した中長期にわたる安定的な配当を維持し、株主の皆様への利益還元に積極的な取組みを続けてまいります。
なお、自己株式の取得につきましては、方針を変更せず、今後も、株価の水準と機動的な資本政策遂行の必要性、財務体質への影響等を考慮したうえで、総合的に判断して、適宜実行してまいります。
〔株主還元方針の変更の内容〕
(変更前)
当社は、株主の皆様への利益還元を充実させるため、配当性向30%以上を目安として、安定的な配当を継続することを基本とし、連結業績を考慮し、併せて企業体質の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実などを総合的に勘案して剰余金の配当を決定する方針を採用しております。
なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。
(変更後)
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置づけ、資本効率の重要性を認識するとともに、財務体質の健全性を維持した上で、業績に応じた利益配分を行うことを基本とし、配当性向30%以上を目安として、併せて、自己資本配当率(DOE)に留意し、持続的な成長の実現等により配当水準の安定的な向上を目指すことを基本方針としております。
なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。