人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,892名(単体) 7,496名(連結)
-
平均年齢40.7歳(単体)
-
平均勤続年数17.0年(単体)
-
平均年収8,235,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
資源 |
394 |
[53] |
製錬 |
2,777 |
[47] |
材料 |
2,789 |
[258] |
報告セグメント計 |
5,960 |
[358] |
その他 |
563 |
[117] |
本社その他 |
973 |
[130] |
合計 |
7,496 |
[605] |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.本社その他として記載している従業員数は、管理部門等に所属している者であります。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
|
2,892 |
[251] |
40.7 |
17.0 |
8,235 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
資源 |
208 |
[40] |
製錬 |
909 |
[25] |
材料 |
802 |
[56] |
報告セグメント計 |
1,919 |
[121] |
本社その他(当社) |
973 |
[130] |
合計 |
2,892 |
[251] |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与(税込)は、基準外給与、その他諸手当及び賞与を含めております。
3.本社その他(当社)として記載している従業員数は、管理部門等に所属している者の数であります。
(3)労働組合の状況
2024年3月31日現在 |
社内組織 |
上部組織 |
|
店所別組合 |
住友金属鉱山労働組合総連合会 (略称 住鉱連) |
日本基幹産業労働組合連合会 (略称 基幹労連) |
住友金属鉱山東京労働組合(市川研究センター、大阪支社、 名古屋支店を含む) |
||
別子労働組合 |
||
住友金属鉱山播磨労働組合 |
||
住友電子金属労働組合 |
||
住友金属鉱山菱刈鉱山労働組合 |
(注)1.当社の各店所においては上記のとおり組合が結成されており管理職社員を除く全従業員が加入しております。
2.各店所の組合は、それぞれ上部組織の住鉱連及び基幹労連に加入しており、住鉱連は、社内全般にわたる労働条件について、会社と交渉を行います。
3.連結子会社に係る主な労働組合は、日向製錬所労働組合、住友金属鉱山シポレックス労働組合、大口電子労働組合、伸光製作所労働組合、国富労働組合であります。上記労働組合は、それぞれ住鉱連及び基幹労連に加入しており、各店所組合を含む住鉱連の2024年3月31日現在における所属組合員数は3,849名であります。
なお、労使は相互信頼を基盤に円満な関係を持続しております。
(4)管理職社員に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性従業員の割合(%) (注)1 |
男性の育児休業取得率 (%) (注)2、3 |
男女の賃金の差異(%) (注)7、8 |
||
全従業員 |
従業員 (注)5 |
臨時従業員 |
||
3.2 |
100.0 |
63.8 |
65.4 |
40.3 |
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性従業員の割合(%) (注)1 |
男性の育児休業取得率(%) (注)2、3 |
男女の賃金の差異(%) (注)7、8 |
||
全従業員 |
従業員 (注)5 |
臨時従業員 (注)6 |
|||
住鉱資源開発㈱ |
0.0 |
22.2 |
63.8 |
78.2 |
34.4 |
㈱日向製錬所 |
- |
75.0 |
80.5 |
80.8 |
114.4 |
㈱四阪製錬所(注)9 |
- |
- |
- |
- |
- |
住鉱物流㈱ |
14.3 |
0.0 |
74.7 |
75.4 |
77.5 |
住鉱エナジーマテリアル㈱ |
- |
25.0 |
75.4 |
75.2 |
- |
新居浜電子㈱ |
0.0 |
100.0 |
67.1 |
66.5 |
42.8 |
大口電子㈱ |
0.0 |
100.0 |
80.6 |
79.3 |
56.6 |
住鉱国富電子㈱ |
0.0 |
100.0 |
77.3 |
79.0 |
198.3 |
㈱SMMプレシジョン |
0.0 |
- |
64.3 |
65.7 |
55.8 |
㈱グラノプト |
- |
- |
60.0 |
61.7 |
- |
㈱サイコックス |
0.0 |
- |
43.5 |
- |
74.3 |
㈱伸光製作所 |
3.3 |
40.0 |
76.8 |
73.3 |
115.2 |
住友金属鉱山シポレックス㈱ |
0.0 |
0.0 |
63.9 |
72.6 |
34.3 |
住鉱潤滑剤㈱ |
5.0 |
- |
76.5 |
85.1 |
44.6 |
ヰゲタハイム㈱ |
16.7 |
0.0 |
115.9 |
112.0 |
- |
㈱ジェー・シー・オー |
- |
- |
82.2 |
98.8 |
11.3 |
日本照射サービス㈱ |
- |
- |
66.4 |
69.8 |
107.8 |
住鉱テクノリサーチ㈱ |
- |
100.0 |
76.3 |
79.9 |
53.4 |
住友金属鉱山エンジニアリング㈱ |
0.0 |
- |
75.5 |
79.8 |
58.1 |
住鉱技術サービス㈱ |
- |
25.0 |
63.3 |
90.0 |
64.0 |
(注)1.管理職に占める女性従業員の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき、出向者はすべて出向元の従業員として集計しております。管理職が出向者のみで構成されている場合は、「-」と表記しております。
2.男性の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25条)第71条の4第2号における育児休業を取得した者の数を、配偶者が出産した者の数で除した割合を示しています。育児休業は、育児休業及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。また、出向者は、出向元の従業員として集計しておりますが、海外出向者については除いております。
3.男性の育児休業取得率における「-」は、取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
4.全従業員は、従業員と臨時従業員を含んでおり、出向者は出向元の従業員として集計しておりますが、海外出向者については除いております。
5.従業員は正規雇用の従業員、臨時従業員は非正規雇用従業員であります。
6.臨時従業員はパートタイマー及び有期雇用の従業員を含んでおります。
7.男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき、男性の賃金に対する女性の割合を示しております。同一労働の賃金に差はなく、資格別人数構成の差によるものであります。
8.男女の賃金差異における「-」は、算出に必要な従業員が在籍していないことを示しております。
9.株式会社四阪製錬所の従業員はすべて提出会社からの出向者であり、報告指標については出向元で集計しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。なお、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
当社は1590年より永きにわたり営まれてきた住友の源流事業である鉱山運営、製錬事業を受け継ぐ企業であり、住友の事業精神を企業行動の根本に据えています。住友の事業精神の第1条には、社会的な信用や相互の信頼関係を大切にし、何事も誠意をもって対応することが定められています。特に鉱山運営においては、目的の天然資源が存在する場所で採掘活動を行う必要があり、またその事業は一般に数十年といった長期間にわたることから、操業地域における様々なステークホルダーとの信頼関係の構築・維持が事業継続の大前提であることを示しています。
この住友の事業精神に基づき定めた当社グループの経営理念では、「地球および社会との共存」を謳っており、事業精神が示す信頼関係構築・維持の手段を示すとともに、明るく活力ある企業の実現として「人間尊重」を掲げています。
そして、「地球および社会との共存」と「人間尊重」を通じて目指すサステナビリティへの取り組み姿勢を定めたものが住友金属鉱山グループサステナビリティ方針であり、社会の持続的発展への貢献を経営課題として明確に位置付けるとともに、貢献の持続性の担保と貢献度の向上を目的として自社の持続的な成長もあわせて定めています。これは、住友の精神として受け継がれる「自利利他公私一如」(住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)によります。
このサステナビリティ方針の実現に向けて重点的に取り組む個別課題を重要課題として特定し、また、それぞれの重要課題への取り組みを通じて目指す社会からの評価を2030年のありたい姿として定めました。
このように、当社グループのサステナビリティへの姿勢は、「地球および社会との共存」と「人間尊重」を理念とし、社会的な信用や相互の信頼関係を大切にしたうえで、社会の持続的発展と自社の持続的成長の両立を目指すものです。
(2)ガバナンス及びリスク管理
①サステナビリティ推進体制
当社グループは、サステナビリティ委員会を中心にサステナビリティ活動を推進しています。サステナビリティ委員会は、委員長を社長とし、副委員長にサステナビリティ担当役員(経営企画部所管執行役員)、委員として各事業本部長、各事業室長、技術本部長、技術本部技術企画部長、工務本部長、工務本部生産技術部長、本社部室長が参加し、サステナビリティ推進部・経営企画部が事務局を務め、年2回以上開催しています。また、会長、社外取締役及び監査役はオブザーバーとして出席しています。
本委員会における主な審議項目は以下のとおりであり、サステナビリティ活動の進捗・各パフォーマンスの評価・次年度の活動計画のレビュー・見直しが行われ、PDCAを回しています。
・サステナビリティ方針、重要課題、「2030年のありたい姿」の改正の審議
・サステナビリティ活動の年次計画など、サステナビリティ活動に関する重要事項及び「2030年のありたい姿」への到達度を評価するための指標の審議・決定
・サステナビリティ活動に関する定期的な評価及び是正措置の発動
・サステナビリティ推進に関する情報提供、情報交換、重要な施策の説明、認識の共有化
・その他、サステナビリティ活動に関する重要な課題の審議
2023年度は本委員会を3回開催し、その他の重要な課題として、住友金属鉱山グループ水方針の策定について審議を行いました。
なお、サステナビリティ活動の統制として、取締役会において、サステナビリティ活動の進捗状況報告を年2回以上実施しています。また、その他サステナビリティ活動に関する重要課題についての審議・決議を都度行っています。
②サステナビリティ個別課題の検討組織
サステナビリティ委員会の下部組織として、サステナビリティ7部会、マネジメントシステム4分科会、カーボンニュートラル推進委員会、企業価値向上戦略会議、DX推進委員会があります。これらの各組織は、重要課題ごとに定められたKPI及びテーマに沿った年間目標と計画に基づいて活動しています。
・サステナビリティ7部会
資源有効活用部会、環境保全部会、地域社会貢献部会、ダイバーシティ部会、人権部会、安全・衛生部会、コミュニケーション部会のサステナビリティ7部会は、「2030年のありたい姿」の推進、「2030年のありたい姿」の検討・制定など、事業部門及びコーポレート部門から参加する社内横断的組織を構成しており、事業と一体となったサステナビリティ活動を推進しています。
・マネジメントシステム4分科会
当社グループの主要なマネジメントシステムを組織横断的に推進し、経営基盤を強化するために、リスクマネジメント分科会、コンプライアンス分科会、品質分科会、「責任ある鉱物調達」分科会を設置しています。関連する事業部門及びコーポレート部門長が参加し、それぞれのテーマに則って方針を策定し、活動計画の進捗を確認しています。
・カーボンニュートラル推進委員会
当社グループが目指すべきカーボンニュートラル実現に向けた方針、道筋を明確にして、より迅速により強力に全社的に推進することを目的としています。カーボンニュートラル推進は当社がサステナビリティ活動の中で特に優先的に対応する必要があると考え、サステナビリティ7部会とは別にカーボンニュートラル推進委員会として設置しています。委員長はカーボンニュートラル推進担当役員(技術本部所管執行役員)、副委員長として安全環境部所管執行役員、委員として各事業本部長及び関係部門長が担当し、年2回以上開催しています。
・企業価値向上戦略会議
当社グループ事業の持続的成長を実現し企業価値を向上させることを目的として、企業価値向上戦略会議を設けています。この目的の達成をより確実にするために、下部組織として非鉄リーダー実現部会、全社人材部会、式年改革部会を設置しています。議長を経営企画部所管執行役員とし、各事業本部長及び関係部門長が参加し、年2回以上開催しています。また、成長戦略を持続的に実現するため、大型プロジェクトのパイプライン管理を行い、企業価値向上の実現に向けて発現した課題に柔軟に対応し環境適応を図っています。大型プロジェクトについては進捗を確認し、その場で適切な助言・指示を行っています。
・DX推進委員会
当社グループが目指すべきDXの将来像を明確にして、DXの全社的な推進による経営への寄与を最大化することを目的として、DX推進委員会を設置しています。DX推進担当役員(技術本部所管執行役員)を委員長とし、各事業本部長及び関係部門長を委員として、年2回以上開催しています。
③リスク管理
当社グループは、以下の重要課題特定プロセスで示す、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別し、評価しました。この特定された重要課題は、先の②「サステナビリティ個別課題の検討組織」に従って管理しています。
<重要課題特定プロセス>
a)「サステナビリティ課題」の抽出
国際金属・鉱業評議会(ICMM)の「10の基本原則」やGlobal Reporting Initiative(GRI)スタンダードなどの国際的なガイドラインや、OECDなどが予想する2030年の状況、及び同じ目標年であるSDGsの目標・ターゲットなどを整理し、89の「サステナビリティ課題」を抽出しました。
b)「サステナビリティ課題」重要性評価による重要課題案の特定
抽出された89の課題について、以下の3つの視点に基づき社会的側面、事業側面の2軸にて評価を実施、両側面に共通して重要度が高い11の課題を重要課題案として特定しました。この評価、特定はサステナビリティ7部会、事業部門、当社グループ若手従業員、サステナビリティに関する有識者による議論を経て行われました。
・社会に与えるインパクトの程度
・積極的に取り組まないことで増大するリスク
・積極的に取り組むことで得られる機会
c)KPI案の作成
特定された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」及びKPI案をサステナビリティ7部会にて検討しました。
d)経営層による議論と取締役会決議
重要課題、「2030年のありたい姿」、KPIの各案について、全執行役員及び監査役により議論を実施し、最終案についてサステナビリティ委員会にて承認を経て、取締役会で決議されました。
|
重要課題 |
検討組織 |
① |
非鉄金属資源の有効活用 |
資源有効活用部会 |
② |
気候変動 |
カーボンニュートラル推進委員会 |
③ |
重大環境事故 |
環境保全部会 |
④ |
生物多様性 |
環境保全部会 |
⑤ |
従業員の安全・衛生 |
安全・衛生部会 |
⑥ |
多様な人材 |
ダイバーシティ部会 |
⑦ |
人材の育成と活躍 |
ダイバーシティ部会 |
⑧ |
ステークホルダーとの対話 |
コミュニケーション部会 |
⑨ |
地域社会との共存共栄 |
地域社会貢献部会 |
⑩ |
先住民の権利 |
人権部会 |
⑪ |
サプライチェーンにおける人権 |
人権部会 |
(3)戦略
特定された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現にむけ、以下の方針及び考え方で取り組みを進めています。
①非鉄金属資源の有効活用
a)2030年のありたい姿
高い技術力で資源を生み出す企業
1.非鉄金属を安定して社会へ供給する企業
2.産学官と連携したオープンな技術開発で、不純物を有効活用して社会に貢献する企業
3.非鉄金属の循環システムの構築と維持に貢献する企業
4.社会課題の解決に貢献する高機能材料の開発・供給を行う企業
b)方針・考え方
当社グループは、天然資源の採掘から高機能材料の生産までを行い、その過程で扱う非鉄金属素材も多岐にわたります。技術的課題等で今まで利用できなかった資源の活用やリサイクル技術開発等を通じて有限な非鉄金属資源を無駄なく、より有効に活用することへのチャレンジは、当社グループの責務であると考えています。
持続可能な社会に貢献するため、「ものづくり力」を基本に、社外との連携も含めた研究開発を行い、製品を作る技術力を向上させ、非鉄金属資源の安定供給・未利用資源の有用化・難処理資源からの回収・リサイクル技術の活用などに取り組みます。
②気候変動
a)2030年のありたい姿
温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量ゼロに向け、排出量削減とともに低炭素貢献製品の安定供給を含めた気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはGHGを多量に排出する企業の一つであるため、操業改善や技術イノベーションによりGHG排出量や排出原単位を削減するとともに、電池材料や近赤外線吸収材料といった低炭素社会に貢献する製品を開発し事業を拡大することにより地球全体でのGHG排出量を削減し、気候変動抑制に貢献していきます。
また当社は、TCFD(Task Force on Climate related Financial Disclosures 気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同しています。当社はTCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク・機会について分析を進め、ガバナンス・戦略などの関連する情報開示に取り組んでいきます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題は経営層による議論を経てKPIとともに特定され、取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI目標などに反映され、取締役会で決議されます。定期的に開催されるカーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(次頁参照)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて是正措置や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池正極材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についても指標と目標を定め、取り組みを推進しています。
<2022年度実績:スコープ1及び2> 単位:kt-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
GHG排出量(総量) |
2,823 |
スコープ1 |
1,965 |
スコープ2 |
858 |
<2022年度実績:スコープ3> 単位:kt-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
カテゴリ |
排出量 |
算定方法 |
スコープ3合計 |
4,530 |
|
1.購入した製品・サービス |
3,737 |
Σ(主要原材料重量×排出原単位)※1 |
2.資本財 |
518 |
Σ(設備投資額×排出原単位×1.05)※2 |
3.スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
239 |
Σ(購入電力・燃料の使用量×排出原単位(電力※2、燃料※1)) |
4.輸送、配送(上流) |
26 |
国内の輸送に係る排出量を「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて算定 |
その他 |
10 |
- |
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEA Ver.3.3」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3)」を使用
詳細は当社ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート2023」P.50をご参照ください。
<気候変動シナリオ分析>
シナ リオ |
|
区 分 |
ドライバー |
ビジネスインパクト |
影響 度 ※1 |
発生 時期 ※2 |
1.5 ℃ |
移 行 リ ス ク |
政 策 ・ 規 制 |
カーボンプライシングの導入(炭素税、排出量取引、化石燃料賦課金、欧州国境炭素調整措置) |
・炭素税負担 ・排出量取引コスト負担 ・化石燃料賦課金による燃料コスト増加 |
大 |
中長期 |
省エネ・脱炭素化規制の強化(欧州バッテリー規則) |
・省エネ・高効率化・電化への設備コスト増加 ・再エネ電力使用による電力コスト増加 ・再エネ電力調達競争激化 |
大 |
中長期 |
|||
サーキュラーエコノミー規制の強化(欧州エコデザイン規制、欧州バッテリー規制) |
・リサイクル原料使用による原料コスト増加 ・リサイクル原料調達競争激化 |
大 |
中長期 |
|||
市 場 |
当社製品の低・脱炭素化への要求の高まり (銅、ニッケル、電池正極材料等) |
・エネルギー転換によるエネルギーコスト増加 ・低CFP※3化の競争激化(高CFP製品の売上低下) ・既存製品・技術の陳腐化、技術開発コスト増加 |
大 |
中長期 |
||
資源国における過度な資源ナショナリズムの高揚 (銅、ニッケル、リチウム、コバルト等) |
・課税強化、ロイヤリティ引上げによるコスト増加 ・鉱石・中間原料の輸出禁止による原料不足 ・鉱山権益獲得の競争激化 |
大 |
中長期 |
|||
機 会 |
政 策 ・ 規 制 |
電気自動車の普及拡大 |
・バッテリーの正極材料、正極材料に含まれているニッケル・コバルト、ワイヤーハーネスや駆動モーターに使用される銅の販売拡大 |
大 |
中長期 |
|
電化需要拡大、電力系統の増強 |
・送電用電線や変圧器に使用される銅の販売拡大 ・高効率パワー半導体に使用されるシリコンカーバイド(SiC)基盤の販売拡大 |
大 |
中長期 |
|||
再エネ主力電源化 |
・風力発電用モーター・変圧器に使用される銅の販売拡大 ・再エネ電力の変動抑制のための蓄電池に使用される電池正極材料やニッケル・コバルトの販売拡大 |
大 |
中長期 |
|||
市 場 |
デジタル技術活用に向けた電子機器の高性能化 |
・電子機器に使用される高機能性材料の技術開発・販売拡大 |
中 |
中長期 |
||
次世代材料の開発 |
・水素製造触媒や人工光合成触媒、燃料電池材料の開発・新事業拡大 |
中 |
中長期 |
|||
4℃ |
物 理 リ ス ク |
慢 性 |
海水面上昇 |
・暴風雨における高潮・浸水による港湾・後背地(臨海工場等)の機能低下、設備被害の激甚化 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
大 |
長期 |
気温上昇 |
・暑熱職場による熱ストレスによる生産性の低下 ・熱中症の増加 ・設備対策コストの増加 |
中 |
長期 |
|||
急 性 |
100年想定の熱波、豪雨、大型台風、干ばつの異常気象の増加 |
・暴風雨・洪水、土砂災害の激甚化 ・生産設備の毀損、生産停止による事業機会の逸失 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
中 |
中長期 |
||
・テーリングダム越流・決壊の被害に対する多額の損害賠償の請求 ・保険料の上昇 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 |
大 |
中長期 |
||||
・サプライチェーン途絶による事業中断・操業停止 ・生産停止による事業機会の逸失 |
中 |
中長期 |
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
③重大環境事故、④生物多様性
a)2030年のありたい姿
水資源や生物多様性を大切にして海や陸の豊かさを守っている企業
b)方針・考え方
重大環境事故は、環境や社会への影響が大きく、事業継続の前提となる信頼を失うことにもなりかねません。特に当社グループの事業活動においては、鉱業廃棄物や化学物質の漏出等による環境汚染を引き起こす可能性があります。このようなリスクや激甚化する自然災害にも対応できるよう設備や管理の改善を図り、重大環境事故の予防と万一発生した場合の影響緩和に取り組んでいます。また、水資源の持続可能な利用及び管理に取り組みながら有害物質の大気・水域への排出量低減にも取り組み、生物多様性を大切にする環境保全活動を展開しています。
⑤従業員の安全・衛生
a)2030年のありたい姿
快適な職場環境、安全化された設備と作業のもと、すべての従業員が、ともに安全を最優先して仕事をしている企業
b)方針・考え方
当社グループの事業活動では高所での作業や大型の設備・重機・化学物質の取り扱いを行うため、従業員が死亡災害を含む労働災害や健康被害に見舞われる可能性があります。一方で、安全で安心して働ける環境は、従業員と会社の信頼関係向上や従業員のモチベーションにつながる経営の重要な要素の一つです。そこで、当社グループは協力会社も含めて快適で安全な職場を形成することを目指して、設備安全化対策をさらに進化させて、IoT*やAI(人工知能)など先端技術導入も開始しています。
*IoT:あらゆるものがインターネットにつながり、サービスが展開されること。
⑥多様な人材、⑦人材の育成と活躍
a)2030年のありたい姿
すべての従業員が活き活きと働く企業
1.従業員一人ひとりの人間性を尊重し、従業員が誇り・やりがい・働く喜びを持てる企業
2.従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、従業員とともに成長する企業
b)人的資本に関する考え方
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、その変化に対応できる企業として成長戦略を展開し、企業価値を高め、確固たる経営基盤を築くことが必要です。その中心は人材であり、多様な人材がお互いの考え方を尊重し、同じ目標に向けて最大限の力を発揮できる組織として成長戦略を実現していくことが重要と考えています。多様な人材が活躍できる組織であるために、経営戦略と連動した人材戦略の展開、従業員一人ひとりの自律的な成長やキャリア形成を促進する人材育成体系・制度の構築、多様な人材が働きやすい社内環境の整備に取り組んでいます。
c)人材戦略に関するガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を位置付けています。四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、人材の適所適材の配置を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の確保・育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)人材戦略
「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」・「変革」・「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要と考えています。
具現化の一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループ全体の持続的な成長につながると考えています。新たなビジネスモデルの構築や変化する事業環境に対応するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、人材育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員個々人の自己啓発にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた人としての成長も促しています。OFF-JTでは、各種研修や講習会、eラーニング等の育成体系を構築し、資格取得の際には祝い金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、異動申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下間のコミュニケーションの質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを展開しています。
<全社人材育成体系>
(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援策や制度、そして研修等による情報提供の機会・相談の場を設けるなどを通じて、「働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり」、「従業員の心身の健康づくりの支援」、「従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、従業員の生活環境を支援するために各地域の実情を踏まえ、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を延べ1,190戸提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し補助しています。また、住居の変更を伴う異動の際の車両費用補助や持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や、住宅取得の際の融資制度など、従業員が安心して働けるよう、負担を軽減する各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社では、年に一度、従業員意識調査を実施しています。この調査を通じ、従業員一人ひとりの意識や意欲、満足度に関するデータを収集し、それらを経営施策の改善に活かすことを目指しています。
2023年11月~12月にかけて実施した最新の調査では、「全体的なエンゲージメント」、「業務負荷・ワークライフバランス」、「職場環境」、「上司との関係」、「ダイバーシティ」の項目に関しては概ね他社水準と遜色ないことが明らかになりました。特にコンプライアンスに関して、当社は良好な水準を保っています。一方で仕事内容や人事制度に関しては改善の余地があることが分かっています。
また、調査結果からは、従業員が会社への誇りや愛着を感じていること、良好な上司と部下の関係が築かれていること、業務目標の挑戦性が高く、チャレンジを歓迎する組織風土があることを確認しています。これらは当社の強みとして維持していくべき点と捉えています。
一方で、改善が求められる領域に対しては、具体的なアクションにつなげていきます。具体的には、「仕事のやりがい」を高めるために、管理職社員が適正な目標を立て部下に展開することなどを示した管理職社員対象の研修(マネジメント研修人事評価編)や、従業員がキャリア目標を描きやすいように上位管理職の職務記述書の公開などを実施しました。また、今後は経営層と社員間のコミュニケーションの強化や、成長と意欲の向上に向けた人事施策の見直しの検討を進めていきます。これらの取り組みを通じて、従業員のエンゲージメントを高め、職場環境を改善していくことで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業をめざします。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーの違いを受け入れ、認め合い、特性を活かしながら、公平な機会のもと、多様な人材がお互いを尊重し協働できる職場環境を築くこと(DE&I)が必要です。また、性別・国籍・年齢といった目に見える属性の多様化に加えて、能力や経験の多様化も進めることで、革新的なアイデアが生まれ、組織の柔軟性と競争力が向上します。そして、これが新たな価値創造へとつながり、当社に変革をもたらす原動力になると考えています。
当社ではDE&Iを推進する中で、ジェンダーバランス(女性活躍)への取り組み、障害者雇用の推進と定着支援、外国人従業員の拡充、性的マイノリティ(LGBTQ+)理解への取り組みを進めています。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、生産現場や鉱山現場などにおける勤務のほか、国内拠点のみならず海外拠点への駐在など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職社員数を50名、女性従業員比率を20%以上とすることを目標としており、これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。当たり前に女性が活躍する環境づくりを進めるために当事者の声を経営に反映し、また男性の意識改革も進めています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から従来より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナーや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定され、継続的に認定を受けています。
⑧ステークホルダーとの対話
a)2030年のありたい姿
「世界の非鉄リーダー」であると理解され、共感される企業
b)方針・考え方
社会課題の解決に向けた2030年のありたい姿の実現には、ステークホルダーから信頼を得ることが必要です。多様なステークホルダーに当社グループを等身大に正しく理解いただき、さらに、目指している「世界の非鉄リーダー」として共感されるよう取り組んでいきます。また、当社グループでは、影響を与え、あるいは影響を受けるステークホルダーを「顧客」「株主」「従業員」「地域住民」「債権者」「ビジネスパートナー」「NGO、NPO」及び「行政」と定義し、ステークホルダーごとにあるべき姿の目標を定め、その実現に向けて様々な取り組みを進めています。
⑨地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
地域社会の一員として地域の発展に貢献し信頼を得る企業
b)方針・考え方
特に鉱業、製錬業における開発は、やむを得ず移転をお願いするなど地域住民の生活に大きな影響をもたらします。当社グループは、事業進出している地域においてコミュニティとの対話をもとに、そこにどのような課題があるのか、その解決にどう貢献できるのかを考えていくことが重要だと捉えています。そのうえでニーズに応じて雇用や現地サプライヤーからの調達などにより地域経済の活性化に寄与していくとともに、地震や台風といった大規模災害の現地支援を継続して行っていきます。
⑩先住民の権利
a)2030年のありたい姿
先住民の伝統と文化を理解し尊重する企業
b)方針・考え方
鉱山開発や製錬事業においては、環境や地域社会へ及ぼす影響が大きいことから、一般に弱い立場であるその土地で暮らす先住民の権利を侵害するおそれがあります。そのため先住民の理解と信頼を得ながら事業を進めることが大前提であると考えます。「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」などの国際規範を尊重し、地元行政などの関係するステークホルダーとも協力しながら、先住民の伝統と文化を理解したうえで対話を続けていきます。
⑪サプライチェーンにおける人権
a)2030年のありたい姿
サプライチェーン全体でサステナビリティ調達に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはステークホルダーと連携し持続可能なサプライチェーン構築を目指しています。国際規範に基づく当社グループの「サステナビリティ調達方針」に則り、サプライチェーンにおける「人権・労働」「コンプライアンス」「品質保証」「環境・地域社会」に関するリスクを把握し問題があれば是正します。特に鉱物調達においては、児童労働などの人権侵害や環境汚染といった負の影響を及ぼすおそれのある鉱物の調達を行わないよう、当社グループの「責任ある鉱物調達に関する方針」に則り経済協力開発機構(OECD)のガイダンスを尊重し取り組みます。
(4)指標と目標、及び実績
下表の実績は、当社ウェブサイトで公開している「サステナビリティレポート2023」の実績であります。
①非鉄金属資源の有効活用
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
銅鉱山プロジェクトの 推進 |
・銅権益生産量30万トン/年の達成と 維持に向けJV鉱山の生産体制を強化 ・JV鉱山における鉱山周辺及び深部探鉱の強化、選鉱能力の拡張、IoT・AIを活用した操業改善等による着実な銅 生産量の達成 ・ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2以降のプロジェクト推進 |
・2022年のJV鉱山における銅生産量(権益分)は実績予想(2022年5月公表)22万トンに対し、実績は20万トンと未達 ・背景として、モレンシー銅鉱山はトラック人員不足の影響、セロ・ベルデ銅鉱山はコロナ禍の影響、カンデラリア/オホス・デル・サラド銅鉱山はトラックの整備遅延と陥没穴事故の影響、ノースパークス銅鉱山は主力鉱体からの品位低下の影響 ・ケブラダ・ブランカ 銅鉱山Phase2からの銅精鉱生産開始に注力 |
新規優良銅金資源の獲得 |
・オペレーターシップを持つ新規鉱山の開発 |
・2021年に出資したケノーランド・ミネラルズ社等を通じて、新規JV探鉱プロジェクトへの参入、新規鉱山の買収等に向けた検討を実施 ・そのほか、新規JV探鉱プロジェクトの組成に必要な情報収集、現地調査なども実施 |
新技術導入による生産性改善 |
・菱刈鉱山における坑内外の情報インフラ設備、重機の無人化、リモート化の推進 |
・菱刈鉱山において、3年計画で坑内Wi-Fi敷設を進め、また、鉱石の積み込み・運搬を行う地下ロードホールダンプの自動走行と地上からの遠隔操作システムを初めて導入し、坑道での稼働試験を開始 |
Ni鉱プロジェクトの推進と生産性の改善 |
・ニッケル生産量 15万トン/年 ・実収率対2018年度比 +2% ・副産物スカンジウムの回収 ・副産物クロマイトの回収 |
・2022年度のニッケル生産量は8万トン ・中止したポマラに代わる新規ニッケルプロジェクト検討を加速 ・CBNC*1は鉱石品位の変動により目標未達となったが、THPAL*2は目標達成 ・スカンジウムは過去最高の生産量達成 ・クロマイトは過去最高の生産量達成 |
鉱山や製錬工程で発生する不純物を分離、固定、有用化する技術の開発 |
・不純物を固定する技術開発:プロセスの開発と実証 |
・銅精鉱からのヒ素除去技術については、これまでの研究成果で得た知見を踏まえつつ、海外の研究開発事例の調査を通じて、今後の操業や他の分離技術への活用を検討 |
未利用非鉄金属資源の 有用化技術の開発 |
・既存(海洋資源開発等)・新規の開発プロジェクトへの貢献 |
・政府策定の5年計画の最終年度として、これまでの技術的知見を活かし、熱水鉱床やコバルトリッチクラストのプロジェクトに参画 |
難処理資源からの非鉄 金属回収 |
・高不純物塩湖水からのリチウム回収 技術と回収ビジネスへの参画 |
・リチウム直接回収技術による商業化検討のための概念設計と設備費の試算を実施 ・リチウム回収率、水使用量を目標に近いレベルまで削減 ・大学との共同研究で吸着剤開発を推進 |
*1CBNC:Coral Bay Nickel Corporation *2THPAL:Taganito HPAL Nickel Corporation |
|
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
車載二次電池リサイクル技術の実証と事業化 |
・コバルト回収が可能な車載リチウムイオン電池リサイクル技術実証並びに事業化及び規模拡大 プレ商業プラントの試運転と操業開始:2026年度 |
・パイロットプラントでの銅・ニッケル・コバルト・リチウムを回収するプロセス検討において、①回収したニッケル・コバルトを使用したユーザーの電池特性評価に合格、②温室効果ガス (GHG)削減を目的とした前処理方法の最適化 |
自社の強みを活かし社会に貢献する新製品・新事業の創出 |
・エネルギー、自動車、情報通信分野での新規機能性材料の研究開発、事業化 |
・新事業創生システムを運用して新テーマ探索を進行 ・東北大学と協同でGX材料科学共創研究所を設立し、水素社会・将来電池に関するテーマ探索を開始 |
自社原料保有による有利・安定調達 |
・燃料電池用NiOの実証試験を経て事業化 |
・パイロットプラントによる実証試験を継続 |
有利な自社ニッケル原料の安定調達による低コスト電池正極材の販売拡大 |
・拡大する正極材料市場で、世界シェアトップクラスを維持 |
・2024年度の試運転開始に向け2,000トン/月増産起業は建設・人員採用など引き続き計画とおり推進 ・次期増産に関する調査・検討を実施 |
②気候変動
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
GHG排出量の削減 |
・GHG排出量を2015年度比38%以上削減(国内50%以上、海外24%以上)、“2050年までにGHG排出量ネットゼロ”に向けた諸施策を推進する |
・GHG排出量は282万t-CO2e(2015年度比13%削減) ・社内カーボンプライシング(Internal carbon pricing: ICP)制度によるGHG排出削減投資を推進 ・実質再エネ電力の購入を推進 ・革新的製錬プロセスの開発を推進 |
・GHG排出原単位を2013年度比26%以上削減 |
・GHG排出原単位は2013年度比約1%削減 ・ICP制度によるGHG排出削減投資を推進 ・実質再エネ電力の購入を推進 |
|
・低炭素貢献製品GHG削減貢献量の拡大:60万t-CO2e以上 |
・低炭素貢献製品の電池材料と車載用近赤外線吸収材料(CWO®)のGHG削減貢献量合計は54万t-CO2e |
③重大環境事故、④生物多様性
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
重大環境事故 ゼロ |
・リスク・環境マネジメントシステムの活用による改善の推進 |
・リスクマネジメントシステムや環境マネジメントシステムを活用した管理改善の実行により、重大な環境事故・違反は発生していない |
・自然危険源の増大に対応した設備やインフラの強化・改善 |
・公益財団法人世界自然保護基金(WWF) Water Risk Filterによるリスク評価 ・各拠点でのリスクの特定、対策の検討など |
|
有害物質排出量低減(対前年) |
・水使用の合理化、大気・水域への有害物資の排出量の低減 |
・各拠点での有害物質排出量はさらに改善しつつある ・住友金属鉱山グループの水に関する方針案の検討 |
・計画的植林ほか、多様な環境保全・生物多様性保全活動の推進 |
・計画的な植林の継続 CBNC : 38ha THPAL: 59ha ・生物多様性に関する国内外動向の把握 |
⑤従業員の安全・衛生
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
労働災害の発生防止 |
・重篤災害:ゼロ(国内外、協力会社含む) ・全災害:対前年減少、最終的にゼロを目指す |
・重篤災害:3件 ・全災害: ※( )内、2021年度実績 国内社員:24件(20件) 協力会社社員:5件(8件) 海外社員:1件(2件)
・重篤災害発生。繰り返し災害多く、全災害目標値を超える。5~7月災害多発し、7月に非常事態宣言を発令した後一旦沈静化、11~12月は無災害であった ・設備本質安全化・歩車分離対策・フォークリフトへのAIカメラの設置の推進、不安全行動を放置しないため監督者による作業観察を実施、VR研修の本格的な開始 |
業務上疾病の発生防止 |
・健康リスクの高い作業場数:対前年削減 ・業務上疾病の発生:ゼロ |
・健康リスクの高い作業場数:対前年削減 2022年:2件(2021年:5件) ・業務上疾病の発生:ゼロ
・設備破損等で作業環境の悪化が起こっているため、日常点検の強化を図る ・タイムラプスカメラ・粉塵計等を用いた作業環境の可視化推進 ・熱環境管理基準に基づいて対応をとったところ、坑内作業での熱中症発生がゼロになった |
⑥多様な人材、⑦人材の育成と活躍
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり |
・従業員意識調査の「経営者・上司のマネジメント」「仕事の魅力」「職場環境」に関する各スコアの向上 |
・前回(2019年)調査と比較し、いずれのスコアも向上 経営施策の魅力 3.47→3.55 上司のマネジメント 3.56→3.69 仕事の魅力 3.38→3.45 職場の総合的魅力 3.23→3.36 |
・女性管理職社員数50人(当社) ・女性従業員比率20%以上(当社) |
・当社女性管理職20人(女性管理職比率2.9%)※2022年度実績 2023年度の管理職に占める女性従業員の割合の実績は、第一部 企業情報
・当社女性比率12.9%(445人) ・ロールモデルとなり得る人材の育成を目的に、次世代リーダー候補5人を異業種交流研修に派出 ・採用計画として女性総合職の採用比率を20%に設定し、2030年までの目標数を策定 |
|
・総合職外国人従業員の拡充 |
・2022年度末時点:14人 ・外国人従業員に対し、現状における問題把握のためのアンケートを実施し、希望者を対象とした面談を実施 ・上司へのフィードバックと課題ヒアリングを実施 |
|
・障害者雇用率3%以上(当社) |
・2022年6月1日時点:2.57% ・大学生のインターンシップ・特別支援学校の職場実習受入れ ・障害者の定着に向けた職場風土醸成の取り組みを実施(障害者雇用担当者会議の開催など) |
|
・従業員のライフステージに対応した配置と支援 |
・育休取得率:女性106%、男性95.6%(育児目的休暇除く:42.4%) ・介護離職:2人 ・各種制度説明会・セミナー等の実施(育児休業制度説明会、仕事と育児/介護の両立支援制度説明会等) ・キャリアライフプラン/キャリアデザイン研修の実施 |
|
従業員の心身の健康づくりの支援 |
・長期休業者の減少 |
・メンタルヘルス不調による長期休業者比率・休業のべ日数比率が増加 休業者比率 2021年度:0.97%→2022年度:1.12% 休業のべ日数比率 2021年度:0.37%→2022年度:0.43% ・ストレスチェックの組織分析に基づいた拠点別(青梅事業所、播磨事業所)施策の実施 ・メンタルヘルス研修受講率の把握 |
・健康診断結果の「有所見者率」50%以下 |
・健康診断有所見率:58.0% ・健康経営キックオフに関する社長メッセージ配信、健康経営方針/健康経営推進規程の制定により健康経営推進の基盤を構築 ・「従業員の健康づくり推進ロードマップ」において中長期的なマイルストーンを設定し、それを具体化した2022年度推進計画を策定・実行 ・健康経営優良法人に初認定 |
|
従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化 |
・上司と部下との定期的な対話を通じて、従業員一人ひとりのやる気や可能性を引き出し、部下の成長をさらに促進する「1on1ミーティング」の活用 |
・2022年8月より本社地区で1on1ミーティングを全面導入 ・実施率:70%超(導入後のアンケート結果) |
・役割に応じた人材育成体系の再構築によって、より良い従業員への能力向上機会の提供 |
・キャリア研修の実施(入社2年目、E級・参事昇格者研修、50歳・58歳到達時) ・戦略的な人材育成や人材配置に資するタレントマネジメントシステムを人事職掌に試験導入 ・JCO資料館研修受講率:直轄社員92%、関係会社社員78%(2023年3月末時点) |
|
・個々人のライフプランや従業員ニーズに合わせた自己啓発機会の提供 |
・本社地区の総合職、管理職へ自己啓発支援ツール(オンライン学習ツール)を導入 |
⑧ステークホルダーとの対話
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
従業員への当社グループブランドの浸透 |
・従業員意識調査の改善(会社で働くことに誇りを感じる従業員割合の向上) |
・「社内コミュニケーション施策」の好事例の水平展開 2023年1月にコミュニケーション部会員向けに好事例の展開を実施 ・インナーブランディング 目的を「従業員に会社への誇りと愛着を持ってもらうこと」とし、主な施策をブランドブックの制作と活用に設定 ・従業員意識調査 2022年3月に実施した調査結果について、経営層、部門長、拠点長、関係会社社長へ報告会を実施 (質問「会社で働くことに誇りを感じる」に肯定的な回答をした社員の割合は63.7%) |
「世界の非鉄リーダー」レベルの情報発信及び対話の質と量の確保 |
・メディア、投資家との対話機会の拡充 ・統合報告書の外部評価での高評価獲得 |
・メディア向けには、21中計発表に伴いトップインタビュー等を集中的に実施 ・EV化で関心の高い材料事業を中心に能動的な報道対応を実施 ・機関投資家向けに面談を拡充。また、ニーズの高い各事業をテーマにした対話やコロナ禍で中断していた工場見学会・海外IR(現地訪問)などを再開 ・新たに、社外取締役が参加するSR面談やサステナビリティ説明会(IR-Day)などを実施 ・統合報告書2022発行(日・英) WICIジャパン統合リポート・アウォード2022のシルバー・アウォード及び日経統合報告書アワード2022のグランプリS賞を受賞 |
目指している「世界の非鉄リーダー」としての認知・理解の向上及び共感を得ている |
・社外機関調査結果の改善(認知度・理解度など) |
・2022年上期に実施された外部機関の認知度調査において、認知度は横ばい(2022年10月からの企業広告の効果は未反映) ・2022年10月より人材確保を目的に、認知度向上に向けタレントを起用した企業広告活動を開始。テレビ CMやインターネット広告等を展開した ・「MINATOシティハーフマラソン」「愛媛マラソン」「青梅マラソン」に協賛し、ブース出展等を通じて事業拠点における当社のプレゼンス向上に努めた |
⑨地域社会との共存共栄
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
対話と連携に基づく地域社会への参画 |
• 地域社会との対話を通じて、地域の課題を正確に把握し、施策を実行 |
青梅モデル事業 ・立地地域貢献度調査を多摩大学総合研究所と協働して青梅事業所をモデル事業所として実施 ・従業員の社会貢献意識醸成に向け、外部ステークホルダーも交えたワークショップを実施 ・このワークショップ参加者を中心に有志7人で青梅地区社会貢献推進委員会を発足 ・外部ステークホルダー(青梅市・羽村市社会福祉協議会)と地域課題解決へ連携できることを継続的に共有する定期会合を開催 |
従業員参加型の地域支援 |
・従業員参加プログラムの実施(2023年~) |
各拠点 ・工場周辺・海岸等清掃、イベントサポート、植林、古本回収、使用済み切手回収、エコキャップ運動、献血などコロナ禍の影響はあったものの概ね計画どおり実施 全社 ・企業従業員社会参加アンケートから本社地区等で提供できるプログラムを増やすための調査実施(認知症当事者支援、ボッチャ大会運営補助等) ・港区社会福祉協議会、社会貢献フォーラム登壇団体、日本フィランソロピー協会、NECプロボノ倶楽部と協働してできることを企画 |
現地雇用・現地調達 |
・継続実施と実績把握 |
・継続して実施し、実績を把握 |
次世代育成への支援 |
・行政や地域団体・NPOなどと連携した次世代育成プログラムの実施(1回/年以上) |
・FC今治による「里山スタジアムプロジェクト」への寄付、プレート使用権の購入(別子、本社) など |
・国内奨学金の設立と給付(既存の海外奨学金維持)(2023年~) |
・対象者(立地地域出身者or立地地域へ貢献する者)を想定し、それに合わせた設計を検討 ・SMM Arizona社(モレンシー銅鉱山)、SMM Oceania社(ノースパークス銅鉱山)で奨学金継続 ・伊佐市就職予定者への奨学金返済免除施策への支援、市議会へ上程(菱刈鉱山) |
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障害者・高齢者への支援 |
・行政や地域団体・NPOなどと連携した障害者・高齢者支援プログラムの実施(1回/年以上) |
・特別支援学校実習受け入れ(菱刈鉱山、播磨事業所、(株)伸光製作所) ・社会貢献フォーラム(認知症の理解や介護離職の防止)開催、マッチングギフト実施 ・NPOしんせいオンラインマルシェとマッチングギフト実施 など |
災害時支援 |
・大規模災害地域への支援 |
・地域合同豪雨災害想定訓練(菱刈鉱山) ・「東北復興フェア食べて応援」実施 ・トルコ・シリア地震被災地支援 ・ウクライナ難民等支援NPOへ賛助 など |
⑩先住民の権利
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
先住民や先住民の伝統と文化の理解 |
・社内教育を実施したSMMグループ拠点の割合:2023年度末までに100% |
・2022年6月1日付で改正した住友金属鉱山グループ人権方針について、社内教育動画を制作し社内研修として展開 ・2021年度に展開した社内教育動画の視聴実績:5,902 人、視聴した当社グループ拠点の割合:100% |
先住民の伝統と文化の尊重につながる 取り組みへの支援 |
・先住民を対象とする奨学金の実施(既存の取り組みの継続実施) |
・既存の取り組みを実施 <フィリピン> 地域住民及び行政などのステークホルダーと協議のうえ、地域での奨学金などを継続実施 <北米・南米JV鉱山> JVパートナーの取り組みを協働して実施 |
・NGO、学会等が実施する先住民に関連する取り組みへの支援:年1件以上の支援 |
・対話を継続している専門家が所属しているNPOでの講演会に参加、「責任ある鉱物調達」をテーマに意見交換を実施 |
⑪サプライチェーンにおける人権
指標 |
目標(2030年度) |
2022年度実績 |
サステナビリティ調達、特に責任ある鉱物調達の推進 |
責任ある鉱物調達 ・国際基準に合致した責任ある鉱物調達マネジメントシステムの確立:2021年度末まで ・サプライチェーン上での、児童労働等人権侵害に加担する鉱山及び製錬所ゼロの維持 |
・ニッケルの精錬所での第三者監査を受審。金、銀及びコバルトの製錬所での監査受審を継続。銅の製錬所での監査受審を計画 ・当社製錬所における鉱物調達及び顧客からの原料調査票の調査において、人権侵害に加担する取引先はゼロ |
サステナビリティ調達 ・「住友金属鉱山 グループサステナビリティ調達方針」を受領し同意した取引先企業:2030年度末までに100% ・国際基準に合致したサステナビリティ調達マネジメントシステムの確立:2024年度末まで ・デュー・ディリジェンスの継続実施 |
・主要取引先に対し、当社グループのサステナビリティ調達を説明する動画(15分程)を配信 ・主要取引先の中から事業部門及び資材部から1社ずつ計5社を選定し、各社を訪問のうえサステナビリティ(特にビジネスと人権)についての意見交換を実施 ・苦情処理(救済)メカニズムとして、プラットフォームを提供する「JaCER」(一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構)に参画 (当社グループに関する苦情件数:0件) |
2023年度の実績は、当社ウェブサイト上で8月に公開を予定している「サステナビリティレポート2024」をご参照ください。なお、2024年度の第100期有価証券報告書から、GHG排出量などの一部の実績を除き、対象年度の実績を当該報告書に記載するようにします。