リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容を併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)半導体市場の需要動向や価格動向による当社グループの業績への影響について
当社グループは、主に半導体・FPD製造装置などの各種コンポーネンツ及び同装置等の販売を主に行う販売事業と、半導体・FPD製造装置等の組立及び保守・メンテナンス等を行う受託製造事業とで構成され、半導体メーカーや半導体製造装置メーカーへの依存度が高くなっています。このため、当社グループの業績は世界的な景気変動のほか、半導体市場、とりわけ半導体製造装置市場の需要動向、価格動向の影響を強く受ける傾向にあります。
また、中長期的には、生成AIやEV化等の幅広い用途での半導体需要を背景に半導体製造装置市場の拡大が見込まれていますが、為替変動による原材料価格やエネルギー価格の高騰等を背景に仕入値の見直し要求を受けた場合や、販売先からのコストダウン要求が強まった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定の取引先への依存度が高いことについて
当社グループの主要な販売及び受託製造の取引先は、東京エレクトロングループ(以下「同社グループ」という。)であり、当社グループの売上実績に対する依存度は2022年3月期72.9%、2023年3月期75.3%、2024年3月期75.3%と高い割合になっています。取引のパイプが太いことはビジネスチャンスでもありますので、ニーズの先取りに努め、幅広い事業展開により今後も取引の維持・拡大に努める所存ですが、同社グループ各社への依存度が高いことから同社グループ各社との取引が大幅に減少した場合の当社グループ売上高への影響や、同社グループ各社が生産計画を変更した場合や主要取扱商品を変更した場合の当社在庫商品の評価への影響が考えられます。
(3)特定の仕入先への依存度が高いことについて
当社グループの主要な仕入先は、SMC株式会社であり、当社グループの商品仕入実績に対する依存度は2022年3月期44.1%、2023年3月期45.3%、2024年3月期40.6%と高い割合になっています。同社とは1965年11月から空気圧機器に関する代理店契約を締結し、長年にわたり密接な関係を維持し、今後も取引を維持・拡大していく方針ですが、契約が更新できない場合や同社との取引が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)研究開発(R&D)について
当社グループは、今後の成長戦略として高真空/制御技術に対応する開発力の強化に注力しております。技術者の採用・育成が計画通りに進まない場合や、研究開発の対象分野が顧客要求に合致しなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)取引先の海外展開、海外情勢の変化や為替変動の影響について
当社グループは、取引先の生産拠点の海外移転や部品の海外調達に対応するため、中国に現地法人を設立し、営業を行っています。現地取引先の生産拠点の見直しが行われた場合や、現地における政治や社会情勢の変化、予期しない法令・規制の変更等により、現地法人の事業継続が困難となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外取引においては、為替変動リスクが生じることから、急激な為替変動が起こった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質管理について
当社グループは、商品を販売・製造するにあたり適切な品質管理体制の整備を目指していますが、予期せぬ重大な不具合が発生した場合には、社会的信用の失墜や多額の費用の負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保と育成について
当社グループが取引先のニーズに応えていくためには、人的資本の充実が必須であると考えています。優秀な人材の確保や従業員の教育を計画的に実施する必要がありますが、計画通りに進まない場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法規制について
当社グループは、国内外で事業活動を行っており、さまざまな法令・規制を受け、これらの法令・規制を遵守できなかった場合、また、予期しない法令・規制の制定・改廃に対応できない事態が発生した場合には、当社グループの事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報漏洩について
当社グループは、重要な技術情報、企業情報、個人情報を保有するにあたり、管理ルールを整備し、重要情報の管理強化、徹底に努めていますが、予期せぬ事態により重要情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用の失墜や多額な費用負担により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動、自然災害、戦争・テロ等について
気候変動、想定外の大規模地震・津波・台風等の自然災害の発生による社会インフラ停止のほか、新型インフルエンザなどの感染症罹患による従業員の大量出勤停止等により、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外における戦争や暴動、テロ事件等の発生に起因して、サプライチェーンの混乱や商品・原材料・燃料等の価格が急激に上昇した場合や、商品等の前倒し確保等により安定調達に努めてまいりますが調達が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の最重要政策の一つとして位置付けております。
配当につきましては、経営成績、財務状況及び今後の事業展開を勘案し、必要な内部留保を確保しつつ、連結配当性向30%以上かつ連結株主資本配当率(DOE)3%以上を目標とし、業績に応じた配当を継続していくことを基本方針とし、引き続き企業価値の向上に努めてまいります。
この基本方針のもと、2024年3月期の期末配当につきましては、1株当たり93円となり、連結配当性向38.3%、連結株主資本配当率(DOE)3.0%とさせていただきました。
なお、当社は、会社法第459条第1項の規定により、剰余金の配当等を取締役会の決議によって行うことができる旨定款に定め、年1回の剰余金の期末配当を行うこととしております。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年5月15日 |
325,383 |
93 |
取締役会決議 |