リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり
であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月20日)現在において当社グループ
が判断したものであります。
(1) 経済状況等
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。重要な部分
を占める自動車関連製品の需要は、製品・サービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けることにな
ります。従って、日本、北中南米、中国、アジア・オセアニア、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う自動車需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合がありま
す。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品をより低価
格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や
原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が下がる
可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績及び
財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(2) 特定の取引先への依存
当社グループは、自動車内装品をはじめとした各種自動車部品を主にトヨタ自動車㈱に販売しており、当
連結会計年度の売上収益に占める同社への割合は、23.1%となっております。そのため、同社の自動車販売動向に
よっては、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在の同社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合32.5%であります。
(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめ北中南米、中国、アジア・オセアニア、欧州など幅広い市場で展開しているため、これらの地域市場への事業進出には各国諸事情の違いにより次のようないくつかのリスクが内在しております。
①予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への影響
③不利な政治的または経済的要因の発生
④人材の採用・確保と労働問題に係るリスク
⑤テロ、戦争、感染症、その他要因による社会的混乱
(4) 為替レートの変動
当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。各地域にお
ける売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これら
の項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可
能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能
性があります。
(5) 価格競争
自動車業界における価格競争は大変厳しいものとなっております。
当社グループは、技術、品質、価格に優れた製品を全世界に供給し、顧客の要望に対応できる企業と考え
ておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。これは当社グループの属している各製
品市場、地域市場において新しい競合先、既存の競合先間の提携により市場シェアを急速に拡大する可能性がある
ためです。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況
に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料、部品供給元への依存
当社グループの生産は、原材料・部品を複数のグループ外供給元に依存しております。当社グループは、グルー
プ外供給元と取引基本契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼
迫による世界的な品不足や供給元の不慮の事故・大規模な震災、異常気象等による台風や洪水、感染症の流行など
により、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、原価を上昇させ
る可能性があります。また、原材料・部品を生産する際に使用する電気やガスなどのエネルギー価格が著しく上昇した場合も原価を上昇させる可能性があります。
(7) 環境規制
当社グループは、基本理念に基づき、地球環境保護を重視した企業活動の推進を活動の基本とし、環境への負荷
低減および適用される法規制遵守を徹底しております。具体的には、環境規制に適応した製品開発、環境負荷
物質の発生を低減させる工法・技術開発、および製造段階で発生する環境負荷物質の低減に努めており
ます。
しかし、環境に関するさまざまな法規制は、今後も改正や強化される傾向にあり、その対応に遅れた場合には、
製品開発、製品製造の限定・縮小などを引き起こす恐れがあり、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及
ぼす可能性があると考えています。
また、環境に関するさまざまな法規制への対応に遅れた場合は、国や自治体、地域住民、顧客からの信頼を失
い、当社の評判及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新製品の開発力
当社グループは、経営の基本理念の一つである「革新的な技術開発、製品開発に努め、お客さまに喜ばれる、
良い商品を提供する」のもと、高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、顧客の満足が得られるよう、新製品
開発に努めております。今後も継続して新製品を開発し、販売できると考えておりますが、そのプロセスは複雑
かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクがあります。
①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後、十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術へつながる保証はありません。
③技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品価値が急激に低下する可能性があります。
④現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要に対応できず、収益機会を逸する可能性があります。
(9) 知的財産権
当社グループは、他社製品と差別化を図るため、技術とノウハウの蓄積と、これらの保護について努力を傾注し
ておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であり、または限定的にしか保護されない状況
にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない
可能性があります。また、他社が類似する、もしくは、当社グループより優れている技術を開発し、当社グループ
の特許や企業秘密を模倣又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループは他社の
知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらが将来的に他社の知的財産権を侵害して
いると判断される可能性があります。
(10) 商品の欠陥
当社グループは、経営の基本理念の一つに「クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を
重視した企業活動の推進」を掲げ、総力をあげて品質向上に取組んでおります。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。
また、製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカ
バーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 大規模災害
当社グループは、大規模災害による事業活動への影響を最小化する為、事業継続のための体制整備を進め、安否
確認システムの整備、定期的な訓練や生産設備の定期的な検査・点検等の諸施策を行っております。
しかし、当社グループならびに仕入先企業の生産施設で発生する人的・自然的災害、停電などの中断事象による
影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の多く
は、東海地方に所在しており、この地域で大規模な震災、台風、集中豪雨による洪水が発生した場合、
生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止及び混乱が長期間にわたる場合、当社グループの
経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報セキュリティ
当社グループは、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃について、外部からの不正侵入・システムへの不正アク
セスやコンピュータウイルス感染、また機密情報漏洩等を重大なリスクと捉え、セキュリティ対策を推進してい
ます。対策を推進する上で社員に対する啓発活動・教育・訓練による運用面の強化も重要と考えており、システム
面での対策強化に加え、社員に対するセキュリティ意識の底上げを組織的・継続的に行うことで、当社グループの
信頼維持・向上を図っております。また、仕入先と一緒になってセキュリティ強化の取り組みを行うことで、サプライチェーン全体の安全性確保に努めております。
しかし、サイバー攻撃・意図的な不正・過失等により、情報システム等に障害が生じる場合や、機密情報が外部
に漏洩する可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の
低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記を含むリスクについて、当社グループは、リスク管理推進会議を通じてリスクを統合的に把握・管理すると共に、障害発生時の対応ルール・体制を整備することで、損失を未然に回避・極小化する活動を行っております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、長期にわたり経営基盤の強化・充実に努めるとともに、積極的な事業展開を推進しております。配当金に
ついては、長期安定的な配当の継続を基本に、連結業績及び配当性向などを総合的に勘案し、株主の皆さまのご期待
にお応えしていきたいと考えております。
剰余金の配当の決定機関は、中間配当、期末配当ともに取締役会であります。なお、「会社法第459条第1項の規
定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨定款に定めております。
当事業年度の配当については、上記方針に基づき、中間配当金は前中間期に比べ8円増配の1株につき43円、期末
配当金は前期に比べ8円増配の1株につき43円、年間の配当金としては前期に比べ16円増配の1株につき86円とする
ことに決定いたしました。
内部留保につきましては、経営基盤の一層の強化・充実並びに今後の事業展開に有効活用し、長期的に株主の皆
さまの利益向上に努めていきたいと考えております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月31日 |
8,036 |
43.00 |
取締役会決議 |
||
2024年4月26日 |
7,676 |
43.00 |
取締役会決議 |