人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数8,301名(単体) 46,972名(連結)
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平均年齢41.4歳(単体)
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平均勤続年数18.0年(単体)
-
平均年収7,224,397円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
日本 |
14,708 |
[1,670] |
北中南米 |
13,079 |
[746] |
中国 |
7,090 |
[1,370] |
アジア・オセアニア |
7,450 |
[4,733] |
欧州・アフリカ |
4,645 |
[882] |
合計 |
46,972 |
[9,401] |
(注)1 従業員数は、就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グ
ループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しておりま
す。
2 臨時従業員には、期間工、パートタイマー、嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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8,301 |
[773] |
41.4 |
18.0 |
7,224,397 |
(注)1 従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、
臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
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全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
2.7 |
67.0 |
74.2 |
73.8 |
84.8 |
賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しているが、管理職人数比率、短時間勤務制度の利用率に男女の差が生じている。 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
トヨタ紡織東北㈱ |
- |
- |
84.0 |
86.9 |
95.1 |
㈱コベルク(注)3. |
0.0 |
40.0 |
82.4 |
82.1 |
- |
アラコ㈱ |
0.0 |
67.0 |
75.7 |
78.9 |
62.2 |
TBソーテック東北㈱ |
20.0 |
- |
- |
- |
- |
トヨタ紡織九州㈱ |
2.7 |
30.3 |
77.7 |
78.1 |
95.8 |
トヨタ紡織精工㈱ |
- |
33.0 |
70.3 |
71.4 |
63.8 |
TBコーポレートサービス㈱ |
- |
- |
67.9 |
77.5 |
72.6 |
TBロジスティクス㈱ |
- |
0.0 |
74.7 |
75.7 |
74.2 |
TBソーテック九州㈱ |
0.0 |
50.0 |
- |
- |
- |
㈱TBエンジニアリング |
0.0 |
100.0 |
- |
- |
- |
トヨタ紡織滋賀㈱ |
0.0 |
83.0 |
- |
- |
- |
トヨタ紡織広瀬㈱ |
- |
84.0 |
73.1 |
73.8 |
87.8 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.女性の非正規社員はいません。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
[戦略]
トヨタ紡織グループは、創業者である豊田佐吉の考えをまとめた「豊田綱領」に基づき、すべてのステークホルダーから信頼され続けるために「基本理念」を制定し、事業活動において着実に実践しています。持続可能な成長の追求を通じて経済的価値の向上を図り、その成果をステークホルダーのみなさまに還元するとともに、持続可能な成長への投資をすることで、中長期的に企業価値の向上を図り、ステークホルダーのみなさまの期待に応え、国際社会・地域社会の発展に貢献します。
これまでもCSR活動に取り組み、SDGsの達成に貢献してきましたが、世の中の変化に合わせ、2019年3月よりCSRからCSV経営へのシフトを加速させています。そして2020年7月、さまざまな社会課題の中から本業を通じて優先的に取り組む重要な課題を特定し、解決する姿をマテリアリティとして策定しました。
さらに、CSV経営の考え方を明確にするため、CSRの考え方を見直し、2021年11月に取締役会の承認を受け、「トヨタ紡織グループサステナビリティ基本方針」を策定しました。
また、「基本理念」を実践するために、グローバルでの共通の価値観や行動パターンとして「TB Way」「トヨタ紡織グループ行動指針」を制定し、共有しています。
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トヨタ紡織グループ サステナビリティ基本方針 トヨタ紡織グループのサステナビリティ基本方針は、「経営の考え方」、「マテリアリティ」、「経営の目指す姿」で構成されています。 |
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1.経営の考え方 トヨタ紡織グループは、「豊田綱領※」に 基づいて「マテリアリティ」を定め、本業を 通じて、社会に貢献していきます。 ※トヨタグループの創始者である豊田佐吉の 考えをまとめたもの |
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2.マテリアリティ インテリアスペースクリエイターとして 快適・安全・安心を創造し、こころ豊かな 暮らしと交通事故死傷者ゼロ社会に貢献 していきます。 また、再生可能エネルギーの活用やサーキュ ラーエコノミーでカーボンニュートラルの 実現に挑戦していきます。 |
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3.経営の目指す姿 当社の企業価値は、よき企業市民として 社会的価値への貢献と、競争力・経営基盤の 強化の取り組みを軸に経済的価値の向上を 図り、ステークホルダーのみなさまの期待に 応えると同時に持続可能な成長を追求して いきます。 |
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[ガバナンス]
「CSV推進会議」(議長:CSO(Chief Strategy Officer))で、企業価値向上に向けた課題や方向性の報告、審議を行うとともに、目標を設定し、活動をフォローしています。
CSV推進会議には、ESGの観点で整理し、マテリアリティの進捗を測るESG KPIの責任者である全てのチーフオフィサーが出席し、ESG KPIのモニタリングを実施しています。これらの活動を通して、マテリアリティの達成度合いを正確に把握し、必要に応じてPDCAサイクルを回し、リカバリーを図ります。また、CSV推進会議で報告、審議された内容は取締役会に報告しています。
各機能や関係部署と協力し、日々の活動を通じて、トヨタ紡織グループ全体の社会的価値に貢献できるよう取り組みを推進しています。
体制図
[リスク管理]
2019年4月から2020年7月にかけて、全社をあげて重要課題の特定に取り組み、マテリアリティを策定しました。
特定した重要課題は、人と生活を豊かにする「プラスの影響を最大化するもの」と、リスクを回避する「マイナスの影響を最小化するもの」に分類し、それらを「本業を通じて解決する安全・環境・快適に関する課題」と、「競争力を発揮するための源泉となる人・組織に関する課題」に整理。それぞれの課題へ「解決する姿」を加えたものを、トヨタ紡織グループのマテリアリティとしました。
[指標及び目標]
2025年中期経営計画で設定した経済的価値を測る財務KPIに加え、社会的価値を測る非財務KPIのESG KPIを、2021年12月に設定しました。
ESG KPIをもとにマテリアリティを実現し、企業価値を向上することで、ステークホルダーのみなさまの期待に応えていきます。
なお、ESG KPIは、CSV推進会議(議長:CSO(Chief Strategy Officer))で、フォローしています。
また、2030年中期経営計画策定にともない、ESG KPIを見直しました。2024年度からは新ESG KPIのモニタリングを実施していきます。
<ESG KPI策定の考え方>
1.ESGの観点で整理
2.トヨタ紡織グループサステナビリティ基本方針に沿っている
3.マテリアリティの進捗を測ることができる
4.コーポレートガバナンスコードに則している
5.社会からの要請に対応している
No (※) |
関連する マテリアリティ |
KPI項目 |
2023年度 実績 |
目標値 |
|
2025年度 |
2030年度 |
||||
1 |
③ |
生産CO2排出量削減率(総量) (2019年度比) |
▲38% |
▲25% |
▲50% |
2 |
③ |
再エネ導入率 |
34% |
35% |
50% |
3 |
③ |
物流CO2排出量削減率(2011年度比) |
▲29% |
▲14% |
▲20% |
4 |
③ |
廃棄物排出量削減率(2011年度比) |
▲36% |
▲14% |
▲20% |
5 |
③ |
水使用量低減率(2013年度比) |
▲36% |
▲6% |
▲8% |
6 |
③ |
自然共生(植樹本数) |
4.4万本 |
累計64万本 |
累計77万本 |
7 |
③ |
環境負荷ミニマム化につながる電動化製品のユニット部品における売上高比率 |
8% |
10% |
45% |
8 |
①② |
特許出願数 |
324件 |
320件/年 |
500件/年 |
9 |
①② |
社外発表・論文数 |
74件 |
90件/年 |
120件/年 |
10 |
① |
インテリアスペースクリエイターにつながる新製品開発率 |
9% |
15% |
30% |
11 |
② |
交通安全に寄与する製品の採用が予定される車種率 |
25% |
20% |
50% |
12 |
④ |
社会貢献活動の推進 参加者数 |
延べ2,728人 |
延べ2,000人 |
延べ2,000人 |
13 |
⑤ |
行動指針の実践度 |
87.6% |
90% |
90% |
14 |
④ |
全社員へのストレスチェック実施回数 |
1回/年 |
1回/年 |
1回/年 |
15 |
④ |
健康診断受診率 |
100% |
100% |
100% |
16 |
④ |
社員の重大災害発生件数 |
1件 |
0件 |
0件 |
17 |
③⑤ |
外来工事業者・外来者の重大災害件数 |
0件 |
0件 |
0件 |
18 |
③⑤ |
環境異常・苦情発生件数 |
1件 |
0件 |
0件 |
19 |
⑤ |
サイバーセキュリティ重大インシデント発生件数 |
1件 |
0件 |
0件 |
20 |
⑤ |
DX認定 |
認定事業者かつ注目事業者に向け活動中 |
DX銘柄 |
DX銘柄 |
21 |
⑤ |
独占禁止法違反件数 |
0件 |
0件 |
0件 |
22 |
⑤ |
贈収賄違反件数 |
0件 |
0件 |
0件 |
23 |
④⑤ |
サプライチェーン上の人権リスク対応(人権デュー・ディリジェンスの展開) |
展開率100% |
展開率100% |
展開率100% |
24 |
⑤ |
客先からの外部表彰 |
3件 |
5件 |
5件 |
25 |
⑤ |
適時開示順守率 |
100% |
100% |
100% |
(※) 上記KPIの実績および目標値のうち、No.1、2、4、5、6、13、16、17、18、19、21、22は、トヨタ紡織グループグローバル、No.3、7、8、9、10、11、12、14、15、20、23、24、25はトヨタ紡織㈱単体の数値です。
個別項目
(2)人的資本
1.人的資本経営の取組み
トヨタ紡織グループは2030年の目指す姿を「インテリアスペースクリエイターとして快適な移動空間を実現し、製品、顧客の幅を広げながら社会課題の解決に貢献している会社」としています。今後、自動車市場の変化や顧客ニーズの多様化に対応し、ものづくりの競争力を磨き続けることに加え、お客さまへの提供価値の拡大を図り、車室空間全体を企画・提案できるインテリアスペースクリエイターへ成長していくことが必要です。その実現のためには、多様なアイデンティティを持つ人材が、トヨタ紡織グループに魅力を感じて集まり、自由に意見を出し合い、尊重し合うことにより、新しい価値やアイデアが生まれ続ける環境をつくっていくことが必要です。
このために、事業戦略と整合した人材戦略が必要であり、2023年に取組むテーマ、目指す姿、及び具体的な人事施策まで落とし込み、これらの進捗を管理するためKPIを定めました。私たちの目指す姿の実現に向け、人的資本経営のサイクルを確立し、そしてレベルアップすることにより、社員、家族さらにはお客さまのWell-beingの実現につなげたいと考えています。
2.取り組むべき人事施策
※ 人的資本に関する取組み・KPIの詳細は、「人的資本レポート」をご参照ください。
https://www.toyota-boshoku.com/_assets/dl/company/library/human_capital_2023.pdf
1)必要な人材の明確化
人材ポートフォリオに基づく採用・育成と、人材の活躍状況をモニタリングする仕組みを構築し、「活躍の3領域」における必要な人材の適時かつ効率的な確保を目指します。
また、日本本社との連携のために海外に派遣している多くの日本人コーディネータ(非ライン長)を適正化し、帰任者が新領域で活躍できるよう、日本以外の国の拠点長・統括会社機能トップポストのローカル化も推進しています。
2)成長への支援
活躍の3領域それぞれで活躍できる人材の育成のため、2023年からは、社員が自身の専門分野以外の業界や領域から学ぶ機会の提供や、社員の新たな挑戦を後押しするため、希望する部署やポストに異動できる社内公募制度の対象を若手社員に拡大しました。社内公募制度では、37件の募集数に対し、13名のマッチングが成立しました。
コア領域では技能や技術力の強化、顧客拡大領域ではグローバル対応力の強化を図ります。新価値領域では先駆的な提案を行うために必要な各分野のエキスパートや、新たなビジネスモデルを構築するための幹部人材・経営層の育成にも力を入れています。事業領域の拡大、新規ビジネス創成の担い手を育てることを目的に、ワークショップやアイディアコンテストの実施、新たな価値観・考え方を身につけることを意図したベンチャー企業・他社・大学への派遣制度の整備や、新事業を立案する専門部署の設立などの施策を推進しています。
3)ダイバーシティ&インクルージョンの浸透
2022年に社員の生の声を把握し、経営陣に伝えて問題解決につなげるための従業員ネットワークグループ、ENRG(Employee Network Resources Group)を設立しました。「女性」「若手」「外国人」「シニア」「障がい者」の5つのグループに分かれて活動しています。
2023年は5つのENRGが主体となり、D&Iウィークを開催しました。妊婦体験、車いす体験、育児休業取得者(男性・女性)の経験談、シニア・障がい者グループの紹介、ボーイング社の従業員グループとのパネルディスカッションなど、ENRGイベントを行いました。
女性社員のキャリア支援では、重点育成対象者を登録、個別育成計画を立案し、各職場で育成しています。また、本人・上司の意識変革のため、主任職(係長級)の女性社員と上司向けのキャリア教育や、育休後の復職前セミナー、アンコンシャスバイアス教育を行っています。
そして、性別に限らず、育児や介護などさまざまなライフイベントに直面した社員に多様な選択肢を与えることでキャリアとの両立を図れるよう、各種制度の見直しも行ってきました。
2023年からは、家族のケア(育児・介護・配偶者の妊娠サポート)、不妊治療といった幅広い事由で取得できる休暇制度の新設をすすめ、2024年4月から開始しました。育児理由の短時間勤務制度もフレックスやテレワークが可能なことに加え、選択できる勤務時間を拡充し、子どもの年齢が18歳まで利用できるようにしています。
また当社では、仕事と家庭を両立できる環境整備が、社員のモチベーション向上や業務の進め方の見直しに繋がると考え、男性の育休への意識向上と職場の理解を推進しています。2023年からは、育児休業給付金の受給後も減少する収入を補填する支援金制度も開始し、育休中の経済面でのサポートを行い、取得を後押ししています。
4)働きやすさの追求
当社では、「社員のいきいき」を定量的に評価するため、全社で統一された指標として、「いきいきKPI」を導入し、その向上に向けて、これまで制度や環境の整備を進めてきました。
「いきいき働き方改革」では、テレワーク制度の拡充(遠隔地における長期リモートワークの導入)や、業務の効率化に関する提案を行う制度(インセンティブあり)、会議体の見直しやノー会議デーの設定により、柔軟で効率的かつ創造的に働けるよう、環境整備を行っています。同時に、誰もが自分の考えを気兼ねなくオープンにできる「風通しのよい職場風土」を醸成するため、昨年に引き続き、サンクス活動、あいさつ運動、ハラスメント未然防止教育、思いやりコミュニケーション研修、有識者による講演会、いきいきコミュニケーション活動(コミュニケーション費用を会社が補助)を実施しました。また、「本音でものを言えるとは何か」「本音でものをいえる職場にしていくために私たちがやるべきこと」をテーマに、各職場において、本音対話会を実施し、社員が明るく楽しく、いきいきと働ける職場づくりに注力しています。
(3)TCFDへの対応
トヨタ紡織グループは「地球環境保護を重視した企業活動の推進」を基本理念に、持続可能な社会の実現に向け、トヨタ紡織グループ一体となって地球環境保護に貢献しています。
2016年に「2050年環境ビジョン」を策定し、2020年には「取引先とともに「ものづくり」の革新を図り、環境負荷のミニマム化を実現する」をマテリアリティ(本業を通じて優先的に取り組む重要課題)として特定し、環境へ配慮した取り組みを推進しています。また、2023年に社会動向を踏まえ「2050年環境ビジョン」を一部見直しました。
2020 年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※)」の提言に賛同しました。気候変動が事業に与える影響とそれによるリスクと機会をシナリオに基づいて広範に分析することで、自社の取り組みの方向性を確認し、今後の経営戦略に反映していきます。
※ Task Force on Climate-related Financial Disclosures
[ガバナンス]
気候変動を含む環境問題に関する具体的な取り組み施策は、取締役会での意思決定を経て、経営戦略会議、経営企画会議、経営会議などで業務執行を行っています。
取締役会、経営戦略会議、経営企画会議で指示された環境問題への対応方針などは、年3回開催される環境推進会議で共有し、トヨタ紡織グループの環境課題に対する実行計画の策定と進捗管理につなげています。また、実行計画に基づくKPIを設定し、毎月の経営会議に報告し、マネジメントレビューを実施しています。
環境推進会議で報告、議論された内容は、必要に応じて取締役会に報告し、取締役会の指示・監督のもと、戦略への反映を実施しています。
[戦略]
気候関連のリスクと機会のシナリオ分析
①シナリオ分析結果
国際エネルギー機関(IEA)による移行面で影響が顕在化する「1.5~2℃シナリオ※1」と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ※2」を踏まえ、短期・中期・長期のリスクと機会を抽出し、特にリスク・機会の評価が高いものを下表に記載。
※1 1.5℃シナリオ:NZE(IEA World Energy Outlook 2021)、2℃未満シナリオ:SDS(IEA World Energy Outlook 2021)
※2 4℃シナリオ:RCP8.5(IPCC第5次評価報告書)
②重点取り組み
製品材料のサーキュラーエコノミーによるカーボンニュートラルへの挑戦
トヨタ紡織グループは製品のライフサイクルでのCO2排出量の削減を推進しています。
製品の軽量化や植物由来材料(バイオマス)の活用、電動化製品に対応した技術開発に加え、製品のリサイクル性向上も進めます。また、カーボンニュートラルに向け、製品に使われている材料のCO2排出量削減も進めていきます。
※1 製品を原料として再利用し、新たな製品にすること
※2 使用済製品を化学的に分解して製品の原料として再利用すること
※3 再生可能な生物由来の資源
③シナリオ分析を通じて
・気候変動が事業に与えるリスク・機会の大きさを再認識するとともに、当社の取り組みがリスク低減・機会拡大につながっていることを確認することができました。
・シナリオ分析の結果は、「2025年 中期経営計画」の取り組み推進および「2030年 中期経営計画」を検討する上での参考とし、経営戦略へ反映していきます。
・今後もシナリオ分析の結果を踏まえ、リスクや機会に対する対応を強化していくとともに、さらなる情報開示に取り組んでいきます。
[リスク管理]
カーボンニュートラル環境センターが気候変動にともなう外部環境の変化と内部環境の変化を全社的にモニタリングし、事業に影響を与えるリスクを洗い出しています。
気候関連リスクは、取締役会長や取締役社長も出席し、人事総務本部を担当するChief Human Resources Officer(CHRO)が議長を務めるリスク管理推進会議で特定します。リスク管理推進会議では、各部からの報告をもとに、気候変動に起因する「台風」「洪水」を含むあらゆるリスクについて議論します。他リスクとの関係の中で相対的に重要性を判断した上で、最終的に全社にとっての気候関連リスクを特定しています。
特定されたリスクはChief Risk Officer(CRO)のマネジメントのもと、取締役会へ報告しています。
[指標と目標]
中期・長期目標
・2050年環境ビジョン
トヨタ紡織グループ CO2排出量ゼロにチャレンジ
ライフサイクル CO2排出量ゼロにチャレンジ
GHG排出量 [目標] |
||||||
スコープ1,2 |
スコープ3 |
|||||
・2030年目標 |
・2030年目標 |
|||||
CO2排出量2019年度比 ▲50% |
CO2排出量2019年度比 ▲30% |
|||||
・2025年環境取り組みプラン |
||||||
CO2排出量2019年度比 ▲25% |
||||||
|
||||||
[実績] |
||||||
|
項目 |
2023年度(概算)(※1) |
2019年度 |
2019年度比削減率 |
|
|
|
CO2 スコープ1 |
69,592 t-CO₂e |
76,444 t-CO₂e |
▲30% |
|
|
|
CO2 スコープ2 |
164,872 t-CO₂e |
260,470 t-CO₂e |
|
||
|
CO2 スコープ3 |
算出中(※2) |
|
|
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※1 KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を取得予定です。 ※2 スコープ3の一部算定方法を変更したため、算出中です。 |