リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、財務状況、株価等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、多くのお客様情報を保有しております。また、特にITAD事業では、使用済みIT機器の回収・データ消去サービスにおいて、お客様から回収した使用済み情報機器に機密情報・個人情報が含まれております。
こういった情報セキュリティリスクに対しては、強固な情報漏洩防止体制をとっております。具体的には、ISMS(ISO27001:情報セキュリティ・マネジメント・システム)による情報漏洩防止体制の構築と検証、ISO対策室の設置、テクニカルセンターの強固なセキュリティ(セキュリティゲート設置、セキュリティルームの入退室制限とログ管理、セキュリティカメラ等による監視体制等)、外部からの不正アクセス等に対する情報システムのセキュリティ強化、社員教育を中心とした社内管理体制の強化、内部監査の定期実施などです。
当社グループでは、お客様情報の保護、管理に徹底して取り組んでおりますが、万が一、情報セキュリティに関する問題が発生した場合には、賠償費用の発生、当社グループの信用失墜による業績悪化が予想されるなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)IT技術の急激な革新・進化
IT関連の技術革新のスピードは大変速く、一般的には、新製品・サービスの陳腐化、価格下落につながる可能性があります。これに対し、当社は「ハードウェア」「IT技術」のみならず、「物流・設備=全国のテクニカルセンター」を組み合わせた独自性の高いサービスで優位性を発揮し、継続的・安定的な収益拡大を目指しております。また、AI等の新技術については、その積極活用を進めることにより進化を取り込み、当社サービスの優位性や効率拡大、新サービス創出を図っていく方針です。
しかしながら、想定を超える急激な変化・技術革新が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)IT技術人材の確保
当社グループが持続的成長を達成していく上で、人材は極めて重要な課題であり、人材の確保と育成に取り組んでおり、IT技術者を中心とした積極採用や、新卒社員のIT技術研修・資格取得奨励に取り組んでおります。
しかしながら、今後、人材の育成や確保が進まなかった場合には、事業拡大の制約要因となる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)サブスクリプション資産の保有リスク
ITサブスクリプション事業においては、メーカー・ディストリビューター各社からサブスクリプション資産(貸借対照表の勘定科目はレンタル資産)を調達し、顧客企業へ提供しております。調達は顧客企業からの受注に基づく発注・確保が大半となりますが、市場動向・受注予測・資産稼働状況に基づいた追加確保も一部行っております。
その資産稼働率を重要指標として管理を強化するとともに業務のデジタル化・効率化を推進した結果、資産稼働率は向上し、高い水準を維持できる体制を整備いたしました。
しかしながら、半導体需給等に起因する調達の不確実性、技術革新による保有資産の陳腐化、稼働率の低下等が生じた場合には減損損失が発生し資産評価額が下落するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)貸倒発生リスク
サブスクリプションは信用を供与する取引であり、取引先からレンタル料の金額を回収して初めて収益が確保されます。当社のIT機器サブスクリプションは、中堅から大企業を中心とした信用力の高い法人を中心にサービスを提供しており、貸倒発生は実績・リスクともに極めて低い状況にあります。また、万一、サブスクリプション料の不払・倒産等が発生した場合、契約を解除しレンタル資産を速やかに回収することで貸倒を最小限化するとともに、他の顧客へ再提供を行うことにより、可能な限りレンタル資産の収益化を図ることとしております。加えて、新規取引先及び既存取引先に対する与信管理を徹底して行うことで貸倒リスクの極小化に努めております。
しかしながら、顧客企業の業績の急激な悪化や倒産等による大規模な貸倒が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)中古品等の法律に関するリスク
①「古物営業法」
当社グループの事業は古物営業法第3条により許可を受けており、営業拠点ごとに各都道府県の公安委員会より許可証を取得し、事業を行っております。古物営業法の立法主旨は、盗品等の売買の防止と速やかな発見を図ることであり、当社グループにおいては、厳しい防止措置を施しております。
しかしながら、将来、当社グループが何らかの理由により同法に違反し、許可の取り消し及び営業の停止、刑事罰等の処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
当社グループの事業活動の結果として発生する廃棄物の中には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に規定する「産業廃棄物」が含まれ、同法律の規制を受けることになります。
当社グループでは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に関する各種取扱いについて社員教育を徹底すると共に、物件回収から商品化又は廃棄に至るまでの工程を明確に規定化し、その取扱い遵守の状況については内部監査の実施、チェック体制を強化する等、法令遵守体制を整備し、全て遵守しております。
しかしながら、今後の法改正等に当社グループが対応できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)金利変動リスク
当社グループは、金融機関からの借入金により、ITサブスクリプション事業におけるレンタル資産の確保を行っており、有利子負債依存度は当連結会計年度末で61.7%となっております。資金は基本的に固定金利で調達しておりますが、今後、急激な金利変動等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害、感染症等によるリスク
当社グループでは、防災に関する強固な連携体制の構築と事業継続対応能力強化を図るため、防災組織を編成し、訓練を実施しております。また、地震や大規模な水害、自然災害、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行、火災・爆発等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品やサービスを安定的に供給するために、事業継続計画を策定し、その継続的な見直し及び改善を実施する事業継続マネジメントを推進しております。
しかしながら、近年、自然災害の発生頻度や影響度は高まっており、巨大地震、感染症のパンデミック等の不測の事態は、被害想定を超えた規模で発生する可能性があり得ると考えられます。当社グループは、防災対策や事業継続マネジメントを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主還元を経営の最重要課題のひとつとして位置づけております。株主各位への利益配分につきましては事業の持続的成長による継続的・安定的な利益還元を基本とした上で、配当額は、配当性向30%以上かつ純資産配当率(DOE)5%以上を目標として決定していく方針であります。
剰余金の配当につきましては、毎年11月30日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
上記の方針のもと、当事業年度の期末配当につきましては、1株当たり41円(年間配当41円)を実施することを決定いたしました。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。