リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社は以下に述べるリスク発生の可能性を十分に認識した上、発生の回避もしくは発生した場合でも影響を最小限に留めるべく努力をしてまいります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)出店政策について
当社の主力業態は、「まるまつ」であり、当事業年度末(2024年2月29日)現在、110店舗中88店舗が「まるまつ」であり、今後においても「まるまつ」を中心とした店舗展開に注力していく方針であります。「まるまつ」においては、日本人の日常食である和食を美味しく、且つ価値ある価格で提供するというコンセプトにより、競合他社との差別化が図られているものと当社は考えております。
今後においても、平均客単価950円前後の価格帯に対する社会のニーズは変わらないと考えております。しかし、出店に当たっては、採算重視を前提とする社内基準に基づき、出店候補地の商圏人口、交通量、競合店状況、賃借料等の条件を検討した上で、出店地の選定を行っておりますので、当社の条件に合致した物件がなく、計画通りに出店出来ない場合や、出店後に立地環境等に変化が生じた場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
(2)出店地域について
当社は、本社所在地である宮城県を中心とした東北地方及び北関東で店舗展開を図っており、今後においても当該地域にドミナント効果が出やすいように集中的に出店していく方針であります。
(3)出店形態について
当社は、主に、店舗の土地及び建物を賃借する方式で出店しており、出店時に土地等所有者に対して、敷金・保証金及び建設協力金として、資金の差入を行っており、建設協力金は当社が月々支払う賃借料との相殺により回収しております。
新規出店の際には、対象物件の権利関係等の確認を行っておりますが、土地所有者である法人、個人が破綻等の状態に陥り、土地等の継続的使用や債権の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が締結している土地に係る長期賃借契約のうち、当社の事情により中途解約する場合、当社が代替借主を紹介することを敷金・保証金等の返還条件としているものがあります。そのため、当社の事情により中途解約する場合には新たな代替借主を紹介できないことにより、敷金・保証金等を放棄せざるを得ず、損失が発生する可能性があります。
(4)外食業界の動向について
当社が属している外食市場については、調理済食材や惣菜を家庭に持ち帰る中食市場の成長等の影響により、既存店の売上高は減少する傾向にあります。そのため、当社においても、既存店についてはメニューの改訂、店舗のリニューアルを実施すること等により、また、新規出店については採算を重視して展開しながら、売上高を維持する方針であります。
但し、売上高全体に占める既存店舗の売上高構成比が相当程度まで高まり、既存店舗の売上高が減少した場合には、当社の全体の売上高も減少する可能性があります。
(5)競合店の影響について
当社の主力業態である「まるまつ」は、宮城県を中心とした東北地方及び北関東に店舗展開しており、潜在顧客が見込めるロードサイドに出店する方針をとっているため、「まるまつ」の店舗周辺においては、同業である和風ファミリーレストランとの競合の他、洋風ファミリーレストラン、ファーストフード等各種の外食業者との間に、品揃え、品質、価格及びサービス等の面において競合が生じているものと考えております。
さらに、外食業者との競合に加えて、コンビニエンスストアや宅配事業者等との競合や、当社が目指している日常食の提供というコンセプトから中食事業者も競合関係にあります。
当社といたしましては、低価格で美味しい和食を提供すべく、徹底したコスト削減、旬の素材を活かした品揃え等、競争力の確保に努めております。しかし、他の業者との競合関係が激化し、相対的に自社の競争力が低下した場合には、調達コストが上昇し、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
(6)金利変動の影響について
当社は、本社・工場及び一部の店舗用地の取得資金を主として金融機関からの借入により調達しているため、負債及び純資産額に占める有利子負債の割合が比較的高く、2024年2月期末においては、負債及び純資産額の合計に対して、53.2%となっております。借入金は、主として期間5年の固定金利での長期借入金でありますが、今後、金利が上昇した場合には、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
(7)人材の確保及び育成について
当社の経営に係る基本的な方針は、「顧客満足の充足」であり、当該方針を実現できる人材の確保と育成を重要な経営課題として捉えており、今後、従来以上に人材の確保及び育成に取り組んでまいります。
当社としましては、新卒採用は当然のこととして、即戦力としての中途採用にも力を入れ、積極的に優秀な人材を採用して行く方針であります。
また、従業員に対しては、目標管理制度等のインセンティブを導入することにより、モラルの向上を促すとともに、研修プログラムの充実、出店時における研修スタッフの現地での実地指導等、きめ細かな研修に取り組んでおります。
しかし、新規出店を賄える人材の確保及び育成ができない場合には、出店計画の見直し等を行わざるを得ないことにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)物流及び生産体制について
当社では、宮城県富谷市本社工場において食品の製造・加工等を行い、併設する自社配送センターを経由して全店舗に食材を配送しております。
このように、当社の物流機能及び生産機能はすべて宮城県富谷市に集中しているため、当該地区において地震、火災等、不測の事態が発生した場合には、物流及び生産機能の低下により、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
(9)法的規制について
当社が属する外食事業におきましては、「労働安全衛生法」、「消防法」、「食品衛生法」、「食品リサイクル法」、「浄化槽法」等様々な法的規制を受けております。
これらの法的規制が強化された場合には、設備投資等、新たな費用が発生することにより、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
(10)衛生管理について
当社においては、消費者に安全な食品を提供するために、保健所の指導で行っている衛生検査に加えて、必要に応じて随時、各種検査やモニタリング検査を実施しております。又、独自に策定したクリンリネスマニュアル、指導書に基づき、定期的に店舗及び工場内での衛生状態を確認しております。
当社は、今後も、HACCPに基づき、衛生管理を徹底していく方針であります。近年、消費者の食品の安全性に対する関心が高まっていることにより、食中毒の発生等の他、仕入先における無認可添加物の使用等による食品製造工程に対する不信、同業他社の衛生管理問題等による連鎖的風評等、各種の衛生上の問題が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)訴訟リスクについて
当社は、業務遂行するにあたり法令遵守に努めておりますが、訴訟リスクが皆無ではありません。
配当政策
3 【配当政策】
利益配分に関する基本方針として、当社は、株主の皆様に対する安定した利益還元を経営の重要課題の一つとして考えており、業績に対応した配当を行うことを基本に、企業体質の強化と今後の更なる業容の拡大に備えるための内部留保の充実等を勘案のうえ決定する方針であります。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことができる旨を上記方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会である旨を定款に定めております。
当事業年度においては、親会社株主に帰属する当期純利益が4億37百万円となったことから、上記方針に基づき、当期末の剰余金の配当を1株当たり5円といたしました。
内部留保資金につきましては、新規出店や店舗の改装に際しての設備投資資金等に充当し、経営基盤のより一層の強化に有効に活用してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。