リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本報告書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日(2023年12月18日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業内容及び事業環境について
① 請負事業者の責任について
当社グループが営むスチュワード管理事業は、創業以来、スチュワード管理事業を業務請負という形態にて行っておりますが、業務請負は、人材派遣業や紹介業とは違い、指揮命令系統を当社内部にもち、顧客から独立して業務処理を行うものです。当社グループは請負事業者として、請負作業の完了ないし仕事の完成に関して顧客企業に対して責任を負うとともに、請負作業の遂行に当たって発生する労働災害、器物破損などの損害についても責任を負っております。したがって、当社グループの請け負った業務の遂行に関連するこれらの損害等に対しては、既に保険加入などの対応をしておりますが、想定を超える費用負担が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 主要取引先業界の事業環境について
当社グループの主要顧客はホテル・レストラン業界であり、これら業界の事業環境が悪化した場合、多くの顧客において内部コストの見直しを行う必要性が生じ、これが当社グループとの契約金額の引き下げ要求に繋がる可能性があります。また、ホテル業界において事業環境の悪化により、個々の顧客が会社更生法等の適用を受けた場合などには、当社グループの債権回収が困難になったり、あるいは対象ホテルとの契約の継続が不能となるなどの理由により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 今後の競争激化の可能性等について
当社はスチュワード事業の業界において、リーディングカンパニーとしての位置を堅持しておりますが、同業他社との競合関係は存在いたします。今後、雇用形態に関わる法的規制の変更や緩和等の何らかの要因により競争が激化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ これらのリスクの対応
当社グループの中核であるスチュワード事業については、業務請負という形態を今後も継続してまいりますが、経営の立場として、請負という責任の重要性を改めて強く認識した上で、安全確認の徹底、事故を未然に防ぐ体制作り等作業環境の整備に努めてまいります。
また、スチュワード事業においては、ホテル・レストランが主要なクライアントでありますが、ホテルを取り巻く事業環境の変化、あるいは競合他社との競争激化、また、コロナ禍の業務繁閑による雇用の不安定解消を意図し、スチュワード業務の異業種展開やホテルクライアントにおける宿泊清掃等のスチュワード業務外のサービス展開を新たな課題とし、適宜対応しながら推進しております。
(2)従業員の確保等について
当社グループにおいて必要な正社員及びパートタイマーの採用ができなかった場合、また、何らかの要因により退職率が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることから、株式会社セントラルサービスシステム内に人材開発部を新設し、採用活動や教育研修などの人財マネジメントへの対応強化と、顧客ニーズへの対応基盤となる人財投資を積極的に行ってまいります。
(3)個人情報の取り扱いについて
当社グループでは、従業員、パート・アルバイトに関する個人情報約1万件を保有しております。情報管理の方法につきましては、「個人情報保護法」及び「マイナンバー法」に沿った対応を整備しております。現状の具体的扱い方法としては、電子化された従業員情報については、アクセス時のパスワード認証による管理を徹底し、紙媒体の従業員情報については、各部署の責任者が運用を管理し、施錠できる場所に保管・収納するというものであります。当該管理方法については、定期的に人事関連部署がチェックし、また、法務担当部署が抜き打ち検査を行うこと等により、当社グループでは万全なものと考えておりますが、今後何らかの要因で当社グループから個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信頼が失墜し、業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(4)衛生管理について
当社グループが営む給食管理事業は、食品衛生法等の規制を受けております。当社グループでは同事業の営業に関して、食品衛生法に基づき、厚生労働省管轄の各都道府県・政令指定都市・特別区の保健所を通じて営業許可を取得しております。
また、当社グループといたしましては、スタッフに衛生教育を行うとともに腸内菌検査を定期的に実施し、スタッフの健康状態のチェックを行い、食中毒等の発生防止に努めております。
さらに、株式会社センダン内に衛生管理専任部門を設け、衛生管理研修を実施するとともに、各事業所においては衛生管理マニュアルをもとに事故防止を徹底し、細菌培養検査を抜き打ち実施しております。
しかしながら、食中毒等の発生の可能性を完全に否定することはできず、万が一、食中毒等が要因となって顧客の営業継続が不可能となった場合には、当社グループとの契約も終了する可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループの業務請負事業は労働基準法の関係法規による規制を受けておりますが、今後現行の関係法規の改正ないし解釈の変更等があった場合、あるいは当社グループに関連する新たな法規制の制定があった場合、当社グループの行う事業も影響を受ける可能性があります。
(6)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の位置付けが2類相当から5類に移行されましたが、経済活動への影響は不確実性が高いことから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)気候変動に関するもの
当社グループは、国内外を問わず、地震、台風等大規模な災害が発生した場合に備え緊急時の対応を整備しておりますが、想定範囲を超えた自然災害が発生し取引先の経営状態が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識し、当期の業績、連結配当性向及び当社配当性向と今後の経営における施策等を総合的に勘案し、継続的かつ安定的に利益配分を行っていくことを基本方針としております。
当期の配当は期初に予定をしておりました1株あたり期末15円配当を、中間配当7円と期末配当10円の年間合計17円配当とすることができました。中間配当の実施は当社上場以来初めてのことであります。
今後の剰余金の配当等に関しては、継続的かつ安定的な配分を行う方針です。増益・増配で株主のみなさまのご支援にお応えするよう力を尽くす一方、さらなる成長基盤の強化に向けた事業投資や人的資本への投資あるいは自社株買いなど、企業価値すなわち株式時価総額や株価を高める戦略の様々な可能性および選択肢に対してもバランスよく柔軟な配分を実行していきたいと考えています。
また、内部留保資金につきましては、今後の基軸事業の強化による収益力の向上、人材育成の強化、グループシナジーや外部リソースの活用による価値創出等のために有効投資してまいります。
(注)基準日が当事業年度に属する配当は、以下のとおりです。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
|
2023年5月12日 |
取締役会 |
35,841 |
7 |
2023年11月14日 |
取締役会 |
51,202 |
10 |