2023年10月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 8,785 100.0 2,310 100.0 26.3

事業内容

3【事業の内容】

当社は、大学・短大新卒者並びに第二新卒者及び20代の転職希望者に対する企業PR・情報提供サービス業務及び各種採用コンサルティング業務、人材紹介・人材派遣業務を行っております。具体的な商品として、大別して「中途採用集合品」「新卒採用集合品」「新卒採用個別品」の3品目があります。近年、企業の経験者採用(中途採用強化)の流れや、転職を通じてキャリアを形成していくことへの関心が高まっていることを受け、当社では「中途採用集合品」でのサービス提供を強化しています。

 

当社の主な商品は、以下の通りであります。

 

①中途採用商品

20代向けのインターネット転職情報サイト「Re就活」や、20代ITエンジニア経験者向け転職情報サイト「Re就活テック」、合同企業セミナー「転職博」、エージェントサービス「Re就活エージェント」により、ポテンシャルのある20代・若手即戦力を求める企業と、自己実現を望む転職希望者の双方の高いニーズに応えることを可能にしています。

②新卒採用商品

インターネット就職情報サイト「あさがくナビ(朝日学情ナビ)」、合同企業セミナー「就職博」などを通じて、企業と学生のマッチング・出会いを創出しています。

③新卒採用個別品

個々の学生へ向けて、より強いアピールで直接アプローチできるダイレクトメールの制作・発送代行や、電話によるセミナー参加希望者受付、または、選考途中の学生個々の情報管理など、各企業の採用活動の形態に応じたオーダーメイドの採用アウトソーシング業務を行っております。その他にも、各省庁や地方自治体等公的機関が行う雇用対策事業を受託し、当社が実施するという案件も手がけております。

 

事業系統図は、下記の通りであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2022年11月1日~2023年10月31日)における国内人材ビジネス市場は、構造的な人手不足により、特に若手の人材需要が拡大しています。また2023年5月に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し、インバウンドの増加など小売業、旅行・観光業の急激な回復が見られます。不安定な世界情勢や、資源価格の高騰に端を発する物価上昇、欧米の金融政策などによる景気後退懸念が国内にもたらす影響を注視すべき状況が続いていますが、総じて人材の流動性、それに伴う人材需要は、特に若手人材を中心に今後も拡大していくと見通しています。

このような市場環境において、当社におきましては、20代向け転職サイト「Re就活」が、「20代が選ぶ20代向け転職サイト」5年連続No.1を獲得するなど、20代から支持されていることが奏功し、拡大する若手人材採用ニーズを的確にとらえ、好調に推移いたしました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

①財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ17億94百万円増加し、156億5百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ7億62百万円増加し、23億40百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ10億32百万円増加し、132億65百万円となりました。

②経営成績

当事業年度の経営成績は、売上高87億84百万円(前期比129.7%)、営業利益23億10百万円(前期比142.5%)、経常利益25億63百万円(前期比125.7%)、当期純利益17億53百万円(前期比125.5%)となりました。

 

主たる事業である「就職情報事業」につきましては、次のとおりであります。

当事業年度における経験者採用(中途採用)市場では、生産年齢人口の減少により人材需要が拡大していることに加え、旅行・観光業や飲食サービス業などを中心としたインバウンド需要の急回復、DX化の更なる加速によるIT人材の需要拡大など、幅広い業界で若手人材採用ニーズが高止まりしています。また、若い世代を中心に、「転職を通じてキャリアを形成すること」「20代で転職に挑戦すること」への関心が高まり、雇用の流動化が進んでいます。当社の基幹Webメディアである「Re就活」は、企業のリアル(雰囲気や社員の声)を伝える動画や、選考前に相互理解を深める「カジュアル面談」機能を投入するなど、20代が情報収集しやすいサービスに日々アップデートを行っていることが支持され、新規会員登録者数は2022年11月以降、12か月連続で前年を上回りました。登録者数の増加は、求人企業の応募数増加につながり、効果が更に向上しました。その結果、「Re就活」の売上高は18億83百万円(前期比143.9%)となりました。

また、基幹Webメディア「Re就活」の登録者数の増加は、合同企業セミナー「転職博」や、エージェントサービス「Re就活エージェント」、ITエンジニア経験者採用特化サイト「Re就活テック」の効果性向上に波及しています。多くのメディアを通して、求職者と企業のより良いマッチングを創出し、「採用」という成果を実感いただくことで、さらに引き合いが増加するという好循環サイクルに入ることができています。

新卒採用市場では、2024年3月卒業予定学生の採用ニーズは依然として高く、学生が優位な売り手市場が続いています。そのような中、2025年3月卒業予定者から、インターンシップと採用の連携が可能になるなど、学生、企業ともに早期化の動きが加速しています。新卒採用サイト「あさがくナビ」においても、インターンシップやオープン・カンパニー広報のための掲載が増加しています。「あさがくナビ」は、2年連続でオリコン顧客満足度(R)調査 学生満足度No.1(※2022年~2023年 オリコン顧客満足度(R)調査 逆求人型就活サービス 就活支援コンテンツ 第1位)を獲得しました。就活支援コンテンツなど学生に役立つ情報の発信を強化している他、動画コンテンツやダイレクトスカウト機能を拡充させたことが奏功し、学生、企業の価値あるマッチングを実現しています。その結果、「あさがくナビ」の売上高は17億48百万円(前期比125.2%)となりました。

「イベント(転職博・就職博など)」に関しましては、2023年5月に、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し人流が回復していることや、採用難易度が更に高まっていることを受け、リアルイベントで直接面談したいというニーズが拡大しました。ニーズに対応するべく、会場の拡張や出展枠を増やした結果、売上高は26億10百万円(前期比135.0%)となりました。

「エージェント(人材紹介)」に関しましては、採用難易度が上がる中、求人広告と人材紹介を併用し様々なチャネルから採用したいというニーズが高まっています。当社ではかねてより、キャリアアドバイザーを増員している効果や、前述のとおり好調な「Re就活」の相乗効果が掛け合わさり、売上高は6億39百万円(前期比160.7%)となりました。

以上の結果、当事業年度における就職情報事業全体の売上高は85億26百万円(前期比130.9%)となりました。

引き続き、当社では、「20代通年採用」支援のプラットフォームである「Re就活」「あさがくナビ」を中心としたWeb関連商品の成長強化を図るとともに、“テクノロジーを駆使したリアルの追求”をテーマに新規事業・新商品への積極的なチャレンジも継続します。特に経験者採用(中途採用)市場の事業を強化し、多様化する企業の採用ニーズに応えていきます。若手求職者、企業双方から支持されるメディアを展開し、更なる業績拡大を実現してまいります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて9億19百万円増加し、33億82百万円となりました(前期比137.3%)。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動の結果、増加した資金は22億77百万円(前期比153.1%)となりました。

これは主に、税引前当期純利益が生じたことによる資金の増加25億63百万円、法人税等の支払による資金の減少6億41百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動の結果、減少した資金は6億75百万円(前期比47.4%)となりました。

これは主に、投資有価証券の取得による支出14億22百万円及び売却による収入9億50百万円及び償還による収入2億円、無形固定資産の取得による支出2億2百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動の結果、減少した資金は6億82百万円(前期比86.1%)となりました。

これは主に、配当金の支払による支出6億82百万円によるものです。

 

販売実績

当事業年度における販売実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類

当事業年度

 

(自 2022年11月1日

至 2023年10月31日)

前事業年度比(%)

就職情報事業(千円)

8,526,480

130.9

 

新卒採用集合品(千円)

4,358,389

130.9

 

 (就職博)(千円)

(2,610,200)

(135.0)

 

 (あさがくナビ)(千円)

(1,748,189)

(125.2)

 

新卒採用個別品(千円)

1,594,338

108.0

 

中途採用商品(千円)

2,573,752

150.8

 

 (Re就活)(千円)

(1,883,439)

(143.9)

 

 (人材紹介)(千円)

(639,976)

(160.7)

 

 (Re就活テック)(千円)

(50,336)

その他(千円)

258,287

99.0

合計(千円)

8,784,768

129.7

(注)( )内の数値は内数を記載しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容は次のとおりであります。なお、記載内容における将来に関する事項については、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

①財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末と比べ4億9百万円増加し、66億26百万円となりました。これは主に、有価証券の増加2億円、売掛金及び契約資産の増加1億70百万円、その他流動資産の増加60百万円があったことによるものです。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末と比べ13億85百万円増加し、89億79百万円となりました。これは主に、長期預金の増加10億円、ソフトウェアの増加1億48百万円、差入保証金の増加1億40百万円があったことによるものです。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末と比べ7億62百万円増加し、21億4百万円となりました。これは主に、未払金の増加2億72百万円、未払法人税等の増加2億16百万円、未払消費税等の増加1億5百万円、契約負債の増加68百万円があったことによるものです。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末と比べ著しい増減がなく、2億36百万円となりました。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比べ10億32百万円増加し、132億65百万円となりました。これは主に、当期純利益17億53百万円、配当金の支払い6億82百万円、自己株式の処分による自己株式の減少42百万円、その他有価証券評価差額金の減少77百万円があったことによるものです。

②経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、87億84百万円となりました(前期比129.7%)。これは主に、就職情報事業の売上高の増加があったことによるものです。2023年5月に、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の感染症法上の分類が5類に移行し、インバウンドの増加など小売業、旅行・観光業の急激な回復が見られました。また、国内人材ビジネス市場は、構造的な人手不足により、特に若手の人材需要が拡大しており、「Re就活」の売上高は18億83百万円(前期比143.9%)、「あさがくナビ」の売上高は17億48百万円(前期比125.2%)、エージェント(人材紹介)の売上高は6億39百万円(前期比 160.7%)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当事業年度における売上原価は、前事業年度と比べ6億49百万円増加し、29億16百万円となりました(前期比128.7%)。これは主に、就職情報事業に係る売上原価の増加があったことによるものです。

販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ6億72百万円増加し、35億57百万円となりました(前期比123.3%)。これは主に、TVCM等の「Re就活」プロモーションを強化したこと等による販売促進費の増加があったことによるものです。

(営業利益、経常利益、当期純利益)

以上の結果、当事業年度における営業利益は23億10百万円(前期比142.5%)となり、また、当事業年度における経常利益は25億63百万円(前期比125.7%)となりました。これは主に、営業外収益において、有価証券利息1億43百万円、投資有価証券売却益76百万円があったことによるものです。

また、当期純利益は17億53百万円(前期比125.5%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2.事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、現時点において、特記すべき重要な資本的支出の予定はありません。

[キャッシュ・フローの参考資料]

 

 2021年10月期

 2022年10月期

 2023年10月期

自己資本比率(%)

88.4

88.3

84.9

時価ベースの自己資本比率(%)

125.1

145.1

149.4

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(注)株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

②資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しております。ただし、金融機関との良好な関係を維持することを目的とした場合には、金融機関からの調達を行うこととしております。

なお、当事業年度における借入金の残高はなく、現金及び預金の残高は43億82百万円であり、当面の資金繰りについては問題ないと判断しております。

(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や現在の取引状況ならびに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。また、財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。