2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

当社グループは、リスク管理の基本方針および管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針および管理体制に基づき、全社横断的なリスク管理のため、執行役員社長をリスク管理の最高責任者とし、リスク管理担当執行役員を委員長とするリスク管理委員会で管理を行っております。また、リスクが顕在化した場合でも、経営への影響を最小限に食い止めるべく対応してまいります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、または重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものです。

 

①精製糖への依存と精製糖消費量減少・農業政策等に関するもの

当社グループは、売上収益の約9割を砂糖その他食品事業によっており、その主力製品は精製糖です。そのため業績は、精製糖業界を取り巻く環境の変化を受けやすい構造にあります。精製糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等の適用を受けており、政府の農業政策および国際経済協定の影響を受けます。また、国内の精製糖消費量は、減少傾向にあります。当社は政府の農業政策に関する情報に対し随時慎重に対応を進め、原価低減に努めるとともに、精製糖事業以外の事業領域へ進出し、精製糖事業への依存度を低下させてまいりますが、政府の農業政策の変更および精製糖消費量減少の進行は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②新規事業領域への進出に関するもの

当社グループは、既存事業において堅実にキャッシュ・フローを創出しつつ、成長への投資を行うことを通じ、変化する事業環境に対応し、ステークホルダーへの信頼に永続的に応えるよう努めております。しかし、投資には不確実性があることから、当社においては投資審査委員会、経営会議および取締役会において、慎重に審査を実施しておりますものの、事業環境の変化その他の理由により、所期の利益をあげられない可能性があり、その場合には固定資産、のれんまたは投資の減損損失の計上を行い、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③食品の安全に関するもの

当社グループは、「食」と「健康」の両面で豊かな生活の実現に貢献するため、「糖のチカラと可能性を切り拓き、人々の“Well-being”を実現する」ことをPurpose(存在意義)として掲げており、食品の安全性向上のため品質保証体制を確立し、品質不良を発生させない仕組みを構築しております。しかし、特に近年の食品業界においては、食の安全に関わる問題が数多く発生しており、当社グループの取組みの想定を超える、予測できない原因により品質問題が発生するリスクは完全に排除できないため、製品不良による製品回収、損害賠償の発生、社会的評価の毀損等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④医薬品の安全に関するもの

当社グループのツキオカフィルム製薬株式会社は、医薬品事業を営んでおり、製品の安全性には万全を期しておりますものの、何らかの原因で製品の安全性、品質および副作用に懸念が発生した場合、製品回収、損害賠償の発生、社会的評価の毀損等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤原材料の高騰に関するもの

精製糖の原料である輸入粗糖やその製造過程で使用されるエネルギー・資材は、海外商品市況と為替相場の影響を受けて価格が変動します。製品の販売価格は、これらの市況に従って変動する傾向にありますが、昨今の地政学リスクの急激な高まりを背景とした価格競争、世界的な需給バランスの変動、投機的な相場変動による価格高騰等により、原材料価格の上昇の一部または全部を製品価格に転嫁できない状態が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥災害・感染症等に関するもの

当社グループは、災害や事故に備えたリスク管理を実施しております。従業員の安全・健康を経営の基盤ととらえ、法令を遵守し、安全で働きやすい環境を整えるべく活動を行うとともに、重要な事業拠点については、合同で地震・台風等の災害に備えたBCP訓練を定期的に実施していく予定です。しかし、電力・ガス・水等のライフラインに問題が生じた場合には、生産や物流機能に支障が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、大規模な感染症の蔓延による、砂糖その他食品事業における消費低迷や、サプライチェーンの混乱、健康産業事業における店舗の一時閉鎖や利用客減少による影響、ならびに従業員や取引先への感染等による事業活動全般への影響が、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦情報システムに関するもの

当社グループは、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理しております。情報セキュリティの確保としては、経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドラインに沿って計画的に、サイバー攻撃に強いシステム導入を行うとともに、外部への社内情報の漏洩が生じないように施策を実施しています。しかし、当社グループの取組みの想定を超える事態が発生し、情報システムの障害により、外部へ社内情報が流出する事態が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧環境に関するもの

当社グループは、気候変動が当社グループの事業に与えるリスクおよび機会を考察し、その結果を用いて、グループ全体で地球環境への負荷を低減した事業活動を行います。しかし、環境対策の対応不足が生じた場合には、環境に配慮しない製品の排除などにより、当社グループの企業価値に影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3【配当政策】

当社は、「資本政策の基本的な方針」において、中長期的に親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)向上を図り、成長投資と株主還元の充実を両立させることとしています。利益配分については、連結配当性向(DPR)60%、または親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%のいずれか大きい額を基準に配当を行います。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。

当期の配当金については、上記方針に基づき1株当たり年間配当金額は102円とし、1株当たり期末配当金額は、2023年12月に実施した1株当たり中間配当金額46円を差し引いた56円としました。

 

算定式の詳細は以下に記載のとおりです。

[1株当たり年間配当金額の算定式]

連結配当性向(DPR)60%基準

 期末基本的1株当たり連結当期利益168.60円の60%=102円(1円未満切上げ)

親会社所有者帰属持分配当率(DOE)3%基準

 期末1株当たり親会社所有者帰属持分2,170.25円の3%=66円(1円未満切上げ)

連結配当性向(DPR)60%基準102円の方が大きいため、102円を1株当たり年間配当金額としました。

この結果、当期の配当性向(連結)は60.5%となりました。

内部留保金につきましては、Sugar軸における業務効率化・生産性向上のための設備投資やIT投資およびFood&Wellness軸における食品関連分野の事業領域拡大のための投資などに有効活用し、企業価値向上に努めます。

 

当社は、毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めています。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月8日

1,507

46

取締役会決議

2024年6月26日

1,834

56

定時株主総会決議