2023年10月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク及びそれらに対する対策は下記のとおりであります。

 なお、本項目に含まれる将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 経済情勢・需要変動等について

 当社グループの商品需要は国内の経済情勢及び景気動向の影響を受け、特に主要取扱商品である電線・ケーブルは設備投資向けであるため、建設需要の動向、企業の設備投資動向の程度によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 販売先を工事、建設、機械設備、自動車・液晶・半導体製造設備等、特定の業種に絞らず幅広い業種とすることで、建設需要の落ち込み時にも他業種でカバーできる事業展開をしており、業績への影響を最小限にするように努めております。

 

(2) 銅価格の変動について

 当社グループの主要取扱商品である電線・ケーブルは主材料が銅であるため、銅の国際相場の変動により仕入価格が大きく変動することがあります。販売価格も銅の価格にスライドする慣習となっておりますが、仕入価格がすぐに販売価格に転嫁できない場合は損益に影響を及ぼす可能性があります。また、損益には影響がない場合でも売上高は大きく変動する可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 銅価格が下落した場合のリスクヘッジとして、早い回転率で在庫を販売すること、銅価格に影響を受けない商材の拡販などに力を入れております。

 

(3) 保有有価証券の時価下落について

 当社グループは企業間取引の維持・強化のため、取引先の株式を保有しており、また資金運用のため一定額の有価証券を保有しており急激な株式市況の悪化により、損益を悪化させ、また、純資産を減少させる可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 有価証券及び投資有価証券については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、市況や取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直し、時価下落リスクの低減に努めております。

 

(4) 事業内容悪化による減損について

 当社グループは、各営業拠点に係る有形固定資産を保有しており、営業損益の継続的な悪化や、主要な資産である土地の市場価格の著しい下落等により減損損失が発生する可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 事業所用資産の取得に際しては、第三者評価や事業計画に照らし合わせた適切な価格での取得に努めるとともに、所有用地に関しては会計基準に則り適切に処理し、減損損失を認識した際には、財務諸表に計上することとしております。

 

(5) 取扱商品の品質について

 当社グループの取扱商品は、電線・各種部材類の商品販売(商社機能)と加工製品の提供(製造機能)に大別されます。

 当社グループが販売した商品に品質不良が発生した場合、原則製造元が当該商品の不良原因調査、再発防止策を行うことになっておりますが、このような場合においても当社グループが顧客に販売した商品について、訴訟等により損害賠償請求等を受ける可能性があります。

 他方、当社グループが提供した加工製品に発生した品質不良については、当社グループで不良原因調査、再発防止策を行う必要があります。

 いずれの場合についても、取扱商品の品質に関わるリスクは当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 上記の品質不良のリスクを最小限にするため、源流管理の考え方に基づき、商品の企画段階から不良発生をさせない仕組み作りへの取り組みに重点を置いております。

 商品の仕入先に対しては発注前段階で品質保証体制の監査を行い、当社グループの仕入先としての適合性の確認を行っております。仕入先商品において不良が発生した場合には、その原因調査及び再発防止策が適切であるかの確認を行い、必要な場合には品質保証体制の改善支援も行っております。

 加工製品につきましては、万全な品質保証体制を構築するため、品質保証部が主体となり受注段階から可能な限り参画を行っております。加工製品におけるグローバルでの品質確保の重要性に鑑み、海外拠点での品質保証体制の確認、改善を継続的に実施しております。

 

(6) 海外事業について

 当社グループの海外拠点は中国、東南アジア及び北米地区に設立しており、当該地区における経済動向や政治・社会情勢等の変化、法律や規制の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 当社グループでは、夫々の国で政治体制、社会・経済体制が異なる海外における事業は常にリスクが伴うものと認識しており、国際本部及び関係会社管理部を中心に、法律や会計の専門家と連携をして変化に迅速に対応できる体制を目指しております。

 また、各取引先及び各仕入先とは密接な情報交換を行うことにより、リスクの軽減を図っております。

 なお、国内における輸出管理については、管理本部に営業部門から独立した「輸出管理室」を設け、客観的な立場で管理を実施しております。

 

(7) 情報管理について

 当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」の下、情報流出の防止、外部からのシステム侵入への対応に努めております。しかしながら予期せぬ事態により情報システムの停止や情報流出等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 予期せぬ事態に備える体制を強化するため、リスク低減の取り組みを実施し、定期的な社内教育を行ってまいります。

 

(8) 自然災害等について

 大規模な地震やその他の自然災害及び感染症等が発生し、当社グループの事業拠点が人的・物的被害を受けた場合は、営業活動や顧客に対する商品供給の停止・遅延等により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

<上記リスクに対する対策>

 2020年10月に事業継続計画(BCP)を策定し、毎年7月のリスク管理委員会で必要に応じて見直しを行い、更新しております。基本方針は「社員の人命確保を最優先」に行動するとともに、「物的被害の低減」、「事業の早期復旧」に向けて、全社を挙げて組織的に対応することとしております。

 概要といたしましては、被害の実態を早期に把握し、必要に応じて対策本部の設置と拠点間のサポート体制等、ケースバイケースの対応が求められる自然災害や感染症拡大等の緊急事態において、迅速かつ柔軟な対応が実施できるものとしております。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、利益配分につきましては、安定的な配当を維持することを基本方針として、当期の業績、内部留保の水準等を考慮し、総合的に判断してまいります。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり110円の配当(うち中間配当50円)を実施することを決定いたしました。

 また、内部留保資金につきましては、経営基盤の強化並びに事業展開の拡大に必要な資金として有効活用してまいりたいと存じます。

 当社は、「取締役会の決議によって、毎年4月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年6月5日

886

50

取締役会決議

2024年1月26日

1,061

60

定時株主総会決議