2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 14,884 100.0 1,048 100.0 7.0

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、宴会場・結婚式場・レストランの経営と洋菓子等の販売を行っております。
  当社の事業系統図は次のとおりであります。

 


 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束により社会経済活動が正常化し、回復基調のなかで推移しました。一方、常態化する円安やコストプッシュ型の価格上昇、不安定な国際情勢や自然災害等の影響など、景気の下振れリスクが存在しており、先行き不透明な状況が継続しております。

このような状況の下、当社はコロナ禍により遂行が阻まれていた「現有資産の収益力を最大限に引き出す」という経営課題に対してスピード感をもって取り組みました。コロナ禍では多くの需要が消失したため、短期的な視点での事業ミックスやオペレーションを余儀なくされましたが、感染症が収束した当事業年度は、三代目本舘建築計画で描いた本来的な姿での収益力の最大化を指向した運営への転換を図るとともに商品・サービスの付加価値向上に努め、ブランド力の強化を図りました。また、持続的成長のための「経営基盤の強化」が重要であるとの認識の下、その柱の一つである人的資本分野においても環境整備に取り組み、業績の急回復を支える従業員の報酬アップや各部門における業務の質の向上など、「働きがいがある」組織づくりのための諸施策を実行し、継続的な組織力向上を図ってまいりました。

当事業年度の売上高は、宴会・食堂・売店その他の全ての部門で前期に比べて増加し、14,883百万円(前期比1,998百万円増加)となりました。コロナ禍からの回復は前事業年度後半から勢いが増しましたが、当事業年度は更に加速してコロナ禍以前の売上高を超えるに至りました。回復が遅れていた営業所も本舘と遜色がない水準まで回復が進み、本舘および各営業所が足並みを揃えて売上高の向上に寄与しました。経費面では、仕入価格高騰や供給不安があるなか、原材料を計画的に合理的なコストで調達する工夫をおこない、人材については全社横断で機動的に再配置をおこなうなど、その効率性を高めてまいりました。その結果、営業利益は1,047百万円(前期比818百万円増加)となり、経常利益は986百万円(前期比710百万円増加)となりました。また、繰延税金資産の評価を見直したことなどにより当期純利益は前事業年度から大幅に増加し、1,535百万円(前期比1,285百万円増加)となりました。

 

これを部門別にみますと

宴会部門につきましては、コロナ禍収束後の法人需要を取り込むべく継続してきた営業活動が結実し、法人需要を中心に一般宴会の売上高が大幅に増加しました。また、前事業年度において既にコロナ禍前の水準を超える売上高を計上した婚礼も引き続き好調に推移しました。この結果、一般宴会、婚礼合計の宴会部門売上高は10,576百万円(前期比15.9%増) となりました。

食堂部門につきましては、人流の回復がさらに顕著となり来客数も大幅に増加し、季節感豊かなメニューの考案や各種フェアの実施、ニーズに合わせたプランの提案等を積極的におこなうなど創意工夫に励んだ結果、各店舗で連日の賑わいを見せました。また、本舘「プルニエ」が「ミシュランガイド東京2024」において一つ星を連続して獲得するなど、ブランドの価値向上への取り組みが成果として発現しました。

その結果、東宝日比谷プロムナードビルに新規開店したレストラン「Drape」の売上も加わり、売上高は3,164百万円(前期比19.1%増)となりました。

売店・その他の営業につきましては、舘内販売では、宴会部門での引き菓子が伸びたほか、環境への配慮から生まれたアイデア商品も好評価をいただき、食品部門では、顧客の店舗回帰が顕著となった百貨店等において伝統の焼菓子や半生菓子を中心に店舗での販売が好調でありました。また、オンラインショップでは個人・法人の各お客様へ訴求できるサイトを構えており、その販売も引き続き好調でありました。その結果、売上高は1,143百万円(前期比3.3%増)となりました。

 

②財政状態の状況

総資産は、前事業年度末に比べて1,210百万円増加し26,430百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が794百万円、有価証券が500百万円、投資有価証券が861百万円それぞれ増加し、有形固定資産が830百万円、長期前払費用が134百万円それぞれ減少したことであります。

負債は、前事業年度末に比べて854百万円減少し16,832百万円となりました。その主な要因は、未払金が108百万円、未払法人税等が138百万円それぞれ増加し、長期借入金が240百万円、リース債務が229百万円、前受金が119百万円、繰延税金負債が572百万円それぞれ減少したことであります。

純資産は、当期純利益の計上などにより、前事業年度末に比べ純額で2,065百万円増加し9,597百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は前事業年度末に比べて6.4ポイント増加して36.3%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ794百万円増加し、5,512百万円となりました。

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,936百万円の純収入(前事業年度は1,073百万円の純収入となりました。これは主に税引前当期純利益882百万円に、減価償却費783百万円、減損損失104百万円等の非資金取引による増加、売上債権の増減額80百万円による運転資本の増減によるものであります。

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、624百万円の純支出(前事業年度は333百万円の純支出)となりました。これは主に有価証券の取得による支出800百万円、保険積立金の積立による支出168百万円、有価証券の償還による収入300百万円、保険積立金の払戻による収入190百万円によるものであります。

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、517百万円の純支出(前事業年度は465百万円の純支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出240百万円、リース債務の返済による支出210百万円によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社は、主としてレストラン・宴会サービスを提供しているため、生産及び受注に替えて仕入実績を記載しております。

イ 仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

仕入高(千円)

前期比(%)

料理飲料材料

1,712,554

22.13

洋菓子等製造材料

112,570

9.86

サービス仕入

2,885,082

△1.22

4,710,207

6.43

 

(注) 当社の提供する製商品及びサービスは、各売上部門間に複雑に関連し、売上部門単位で生産実績を記載するこ

  とができないので、基礎的な材料およびサービスの仕入額を記載しております。

 

ロ 販売実績

前事業年度、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

 

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

宴会

9,122,678

58.5

10,576,297

15.9

食堂

2,656,223

61.9

3,164,331

19.1

売店他

1,106,788

10.2

1,143,151

3.3

12,885,690

53.4

14,883,779

15.5

 

(注) 前事業年度において、販売実績に著しい変動(前期比53.4%)がありました。これは、コロナ禍からの回復が

  さらに進んだためであります。

 

 

(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度の売上高は、新型コロナウィルス感染症の収束による社会経済活動の正常化により、個人消費や企業収益の改善が加速するなかで宴会・食堂・売店その他の各部門において前事業年度に比べて増加し14,883百万円(前期比15.5%増)となりました。営業利益は、売上高の増加および調達コストのコントロールならびに人的資源の効率化などにより前期比818百万円増加の1,047百万円(前期比357.8%増)となり、経常利益は986百万円(前期比257.2%増)となりました。また、繰延税金資産の評価を見直したことなどにより当期純利益は1,535百万円(前期比515.3%増)となりました。

総資産は、営業活動による資金の増加や投資有価証券の時価評価による増加などの増加要因及び有形固定資産の減価償却、減損損失などの減少要因により、前事業年度末に比べて1,210百万円増加し26,430百万円となりました。負債は、長期借入金、リース債務の約定返済や繰延税金資産の評価見直しによる繰延税金負債の減少などにより、前事業年度末に比べて854百万円減少し16,832百万円となりました。これらの結果、流動比率は218.8%、固定長期適合率は83.7%となり、前事業年度に引き続き、高い安全性指標となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益に減価償却費、減損損失などの非資金取引や運転資本の増減などにより、1,936百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券や有形固定資産の取得などにより、624百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金などの有利子負債の返済や配当金の支払いなどにより、517百万円の純支出となりました。これらの結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末から794百万円増加して5,512百万円となりました。

当社は営業活動から生じるキャッシュ・フローを主たる資金の源泉としており、この内部生成資金が通常の事業活動、設備投資、法人税や配当の支払いなどをまかなうに足りると考えております。加えて、金融機関との間にコミットメントライン等を設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。コミットメントライン等の状況については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載のとおりです。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。