2024年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    401名(単体) 3,617名(連結)
  • 平均年齢
    39.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.8年(単体)
  • 平均年収
    10,307,932円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年2月29日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

映画事業

1,763

 (2,144)

演劇事業

121

 (15)

不動産事業

1,579

 (1,236)

その他

31

 (81)

全社(共通)

123

 (-)

合計

3,617

 (3,476)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 従業員数には嘱託・契約社員529人を含んでおります。

3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

4 前連結会計年度末に比べ臨時従業員数が610名増加しております。これは主に、株式会社東京楽天地等を連結子会社としたことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年2月29日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

401

(4)

39.1

12.8

10,307,932

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

映画事業

172

 (1)

演劇事業

74

 (3)

不動産事業

32

 (-)

その他

 

全社(共通)

123

 (-)

合計

401

 (4)

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 従業員数には嘱託・契約社員14人を含んでおります。ただし、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には嘱託・契約社員を含んでおりません。

4 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

5 前事業年度末に比べ従業員数が44名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は、全国映画演劇労働組合(略称 全映演)東宝支部と称し、2024年2月29日現在の組合員数は160人であります。また、当社グループには合計で9の労働組合がありますが、労使間で特筆すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

提出会社及び

連結子会社

管理職に占める女性労働者の

割合

(%)

(注)1

男性労働者

の育児休業

取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

補足説明

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

東宝㈱

14.9

100.0

76.7

80.6

52.1

(注)3

TOHOシネマズ㈱

9.7

90.0

60.6

81.8

101.3

(注)3

東宝ファシリティーズ㈱

8.9

66.0

74.5

67.9

(注)3、4

東宝ビル管理㈱

12.5

100.0

51.9

84.5

63.0

(注)3

㈱東京楽天地

15.8

(注)4

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。なお、2023年3月1日~2024年2月29日中に育児休業等(育児を目的とした休暇制度を含む)を取得した男性従業員数÷2023年3月1日~2024年2月29日中に育児休業等を取得する権利を有していた男性従業員数(配偶者が出産した男性従業員数)として算出しております。

3 労働者の男女の賃金の差異については、計算期間を2023年3月1日~2024年2月29日までとしております。なお、賃金において男女間の差異が生じている理由は、管理職に占める男性労働者が多いことに起因しております。

4 「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)において選択公表をしていない、もしくは開示義務のない場合、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務がない場合を示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

① ガバナンス

当社グループは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、「サステナビリティの基本方針」を「東宝グループは、エンタテインメントの提供を通じて、誰もが幸福で心豊かになれる社会の実現に向けて“朗らかに、清く正しく美しく”貢献します」と定めています。また、当社グループのモットー(行動理念)である「朗らかに、清く正しく美しく」を元に4つの重要課題及びその具体的な取り組み目標を設定しております。

東宝グループが取り組む4つの重要課題

朗らかに 重要課題①  誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります

清く   重要課題②  地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します

正しく  重要課題③  人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します

美しく  重要課題④  豊かな映画・演劇文化を創造し、次世代への継承に努めます

 

その推進体制として、経営会議の下にサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長、委員:経営会議メンバー、オブザーバー:常勤監査等委員)及び専任部署(総務部サステナビリティ推進室)を設置し、年3回程度の開催頻度でサステナビリティ委員会を開催しております。

同委員会においては、上述の当社グループのサステナビリティの4つの重要課題に関連する「①人的資本 ②気候変動 ③人権 ④文化継承」を含むリスクや機会の把握、それぞれの目標・施策の策定、進捗状況の確認等を実施しています。本委員会で協議した内容は、取締役会にて報告され、当社グループ全体のサステナビリティに関する方針の決定及び監督、進捗の確認を行っております。


 

 

② 戦略

当社グループでは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」や「中期経営計画 2025」に連動する形で策定した「サステナビリティの基本方針」に則り、4つの重要課題を設定しております。当社グループのサステナビリティ活動にあたっては、これらの重要課題に沿った施策を推進し、その進捗状況については「東宝グループ サステナビリティ・レポート 2023」にて開示しております。今後も当社グループのサステナビリティ活動を通じてステークホルダーの皆さまとの対話を活性化させ、社会課題に対する解決策を見出してまいります。

「東宝グループ サステナビリティ・レポート 2023」はこちらからご確認ください。

https://www.toho.co.jp/files/223eaa008eccc7547dd4e6eeec93b98a744f55bc790a26b294620becd67e9351

 

 

③ リスク管理

当社グループでは、グループ全体の事業の継続と経営の健全性を維持するため「リスクマネジメント基本規程」を定め、代表取締役社長を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置しております。本会議は総務部が事務局を担い、年2回開催されております。気候変動に関するリスクや機会の識別・評価及び管理にあたっても同体制に包含されております。

リスクの識別・評価にあたっては、各事業所における潜在リスクを調査・把握し、グループへの影響が大きいリスクを定量・定性の両面で総合的に評価し、優先度の高いリスクを選定後、リスクの顕在化の予防とリスク発生時の対応策について検証しております。そのうえで内部監査室においてはリスク対応策の実施状況の評価を行うなど、組織的なリスクマネジメントの観点から、グループ全体でのPDCAサイクルを回しております。なお、同プロセスによって特定された気候変動に関するリスクは「サステナビリティ委員会」に報告され、同委員会を中心に議論されたのち、重要度が高いと判断されたものについては取締役会へ報告される体制となっております。

また、当社グループでは、不平等を許容せず、グループ事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重しなければならないと考え、多様性と包摂性のある持続可能な社会の発展に貢献すべく、サステナビリティの重要課題③に「人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します」と設定しています。

また、2023年3月には「東宝グループ人権方針」を制定し、グループポリシーである「東宝憲章」と当社グループの役員・従業員の行動基準である「東宝グループ行動基準」を改訂いたしました。社内研修や説明会を通じてグループの役員・従業員にこれらを周知徹底するとともに、「リスクマネジメント基本規程」に基づき「リスクマネジメント会議」を通じたリスクの識別・評価・対応のPDCAサイクルにより、グループ全体でのリスク管理体制を構築・強化し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 


 

 

 

④ 指標及び目標

当社グループは、長期的な社会課題を幅広く検討した後、当社グループにとっての重要な要素を抽出し「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」「中期経営計画 2025」の策定と連動する形で特定した4つの重要課題<マテリアリティ>ごとに、具体的な取り組み目標を設定いたしました。

 

重要課題 <マテリアリティ>

取り組み目標

誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります

●ジェンダー、キャリア(職歴)、年齢、国籍、障がいの有無を問わない多様性のある活力にあふれた組織の形成

●健康経営の推進と社内コミュニケーション活性化によるウェルビーイングの追求

地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します

●脱炭素の実現に向け、再生可能エネルギー等を活用したCO2排出量の削減

※削減目標:

・2030年度までに2017年度比50%削減

・2050年度までに実質排出量ゼロ

●事業活動における環境負荷の少ない素材の活用や廃棄物の削減等、環境課題の解決

人権を尊重し、健全で公正な企業文化を形成します

●誰一人取り残すことなく、すべてのお客様がエンタテインメントを楽しめる環境づくり

●あらゆるステークホルダーの人権を尊重し、持続的に「健全な娯楽」の提供ができる体制の追求

豊かな映画・演劇文化を創造し、次世代への継承に努めます

●映像原版の保全、演劇作品の継承、知的財産権の保護に努め、日本の映画・演劇文化に貢献

●子どもたちへの原体験の提供やクリエイターの支援・育成による、将来のお客様と未来の才能の創出

 

 

(2)気候変動

<TCFDに基づく情報開示>

当社グループは、サステナビリティの基本方針の重要課題②に「地球環境に優しいクリーンな事業活動を推進します」と設定し、脱炭素の実現に向け、再生可能エネルギー等を活用したCO2排出量削減、事業活動における環境負荷の少ない素材の活用や廃棄物の削減等を推進しております。

地球温暖化への適応及び脱炭素化の推進をはじめとした気候変動課題への取り組みは、2015年のパリ協定の採択や2021年のCOP26における1.5℃目標達成に向けた世界的合意も踏まえ、サステナビリティに関わる社会的な諸課題の中でも特筆して重大なテーマの一つとして認識しております。また、TCFDのフレームワークに即した気候変動リスク及び機会が及ぼす影響の評価と対応策の検討及び事業戦略への統合は、当社グループの企業価値向上と持続可能な社会の実現に資するものと考え、TCFDの提言に賛同し、このフレームワークに基づいた情報開示をいたしました。引き続き、経営の強靭化と持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

① ガバナンス

当社グループでは、執行側として、当社執行役員をメンバーとする経営会議の下部組織として、同メンバーから構成される「サステナビリティ委員会」を設置しています。同委員会では代表取締役社長が委員長を務め、気候変動によるリスクや機会の把握、リスクマネジメント上の観点から、脱炭素やエネルギー効率の向上などの気候変動に関する目標・施策の策定、進捗状況の確認等を実施しています。また、本委員会で協議した内容は、取締役会にて報告されます。取締役会は原則として月1回開催され、当社グループ全体の気候変動に関する方針の決定及び監督、進捗の確認を行っております。

 

 

② 戦略

当社グループでは、気候変動に起因して将来起こり得る不確実な影響因子及びリスクと機会の特定にあたって国際エネルギー機関(IEA)と気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の仮説を参考に、シナリオ分析を実施しています。2023年度時点における考察では、地球温暖化が深刻化する世界及び脱炭素化への移行が推進され2050年までにカーボンニュートラルが達成されるとした世界の2つのシナリオ(1.5℃シナリオ*1と4℃シナリオ*2)を設定し、それぞれの前提条件を踏まえた2030年時点における分析評価を実施しております。

また、当社グループでは創立100周年を迎える2032年をターゲットとした「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」を発表する中で、お客様の価値観やライフスタイルの変容を踏まえた成長戦略を検討しています。さらに、各シナリオに基づき、比較的影響が大きい物理的リスクなどに対応するため、気候変動に対するレジリエンス性を確保した戦略の検討を進めてまいります。当社グループの企業価値向上には脱炭素化への貢献が不可欠と考え、CO2排出量の削減目標を設定し、LED照明への切り替えや再生可能エネルギーへの転換、新規開発物件での環境認証の取得など、その取り組みを推進しております。

(*1参考シナリオIPCC:RCP2.6 IEA2021:SDS/NZE2050 *2参考シナリオIPCC:RCP8.5 IEA2021:STEPS)

 

③ リスク管理

リスク管理については「(1)サステナビリティ全般」の「③リスク管理」に記載のとおりです。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、映画館運営をはじめとして、業務遂行上、保有不動産の稼働やサービスの提供に伴い電力を主として多くのエネルギーを消費しています。これらのエネルギー消費活動から多くのCO2排出量があることを認識しており、これを受け当社グループでは再生可能エネルギーの利用や保有物件の環境認証取得を通し、CO2排出量を指標とした削減努力を推進しております。

当社グループでは、近年最もCO2排出量の多かった2017年度(第129期)を基準に、毎年その排出量削減の進捗を管理しております。その結果、2022年度(第134期)時点のCO2総排出量が2030年度の当初目標であった「2017年度比30%削減」を達成したことを受け、2023年度(第135期)において新たに削減目標の見直しを実施し、2030年度の目標を「2017年度比50%削減」に変更いたしました。なお、2050年度までに「実質排出量ゼロ」を目指すという目標に変更はなく、引き続きCO2削減活動に注力してまいります。

 



(3)人的資本

① 戦略

1) 多様性の確保を含む人材育成方針

当社グループは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、成長戦略の推進役となる多様で優秀な外部人材の採用を強化するとともに、よりクリエイティブな組織に進化すべく人材育成と働く環境の整備を推進していくことを「人材と組織の戦略」の基本方針として掲げております。

これに基づき、「キャリア採用の拡大・強化」「エキスパート社員制度の拡充」「多様なキャリアパスと成長支援」「公正な評価と成果に報いる処遇」を具体的施策として、多様性の確保を含む人材育成に積極的に取り組んでおります。

特に当連結会計年度においては「キャリア採用の拡大・強化」に力を入れて取り組み、2023年3月~2024年2月の1年間の実績で、当社では59名のキャリア(中途)採用を実施し、2024年2月末現在で従業員全体に占めるキャリア採用者の割合は31.9%(前年同期24.8%)に達しております。また、職制上の課長職以上の地位に占めるキャリア採用者の割合は20.1%(前年同期18.5%)であり、管理職への登用も進めております。今後も、事業領域の拡大や業務内容の高度化に伴い、外部でキャリアを積んだ専門性の高い人材の採用を拡大・強化するとともに、それらの人材を積極的かつ計画的に中核人材として育成・登用するための仕組みを構築してまいります。

また、当社では女性管理職比率(職制上の課長職以上の地位に占める女性割合)の目標を20%と設定し、女性活躍推進のための取り組みとして、男女の公正な配置・評価・昇格を進めるとともに、アンコンシャスバイアスに関する研修などを通じて従業員一人ひとりの意識改革にも取り組んでおります。部長職をはじめ女性の活躍が徐々に拡大しており、2024年2月末現在での女性管理職比率は14.9%となっております。

「多様なキャリアパスと成長支援」「公正な評価と成果に報いる処遇」に関しては、当社において、2025年度の実施を目指し人事制度改革を実施すべくプロジェクトを推進中です。これも「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」と連動した人材戦略の一環であり、人材の多様性拡大を前提に、新しい時代の価値観に適合した「全員活躍」のためのサステナブルな制度の構築を目指し、従来の諸制度を根本から見直すべく取り組んでおります。

 

2) 社内環境の整備に関する方針

当社グループでは、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、サステナビリティの基本方針の重要課題①に「誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります」と設定し、従業員のエンゲージメントを高める社内環境の整備について、様々な施策に取り組んでおります。

当社における具体的施策は次のとおりです。

 

<健康経営への取り組み>

当社では「朗らか健康経営」に取り組んでおり、「心のケア 働きがい」「生活習慣改善」「健康診断」「働き方」各項目において目標数値を設定し、その進捗状況を毎年確認しております。また社内研修をはじめとした様々な施策を実施し「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に3年連続で認定されております。

従業員が心身ともに健康で、持てる能力を最大限に発揮できる職場環境の実現が企業と従業員を共に成長させることに繋がると考えており、今後も積極的に健康経営に取り組んでまいります。

 

<働き方・職場環境の改善>

当社では、働き方のガイドラインである「TOHO WORK STYLE」を制定し様々な施策を通して、全従業員が“仕事も私生活も楽しむことで「朗らかライフ」を実現”することを目指しております。そのために長時間労働の是正を目的とした時間管理の徹底、有給休暇をはじめとする休暇取得促進のための社内施策「ゆうゆうProject」等に取り組んでおります。また、働く時間を自身の都合で決めることができるフレックスタイム制の導入や、働く場所を自分で決めることができるテレワーク勤務を週2日まで取得できるよう整備することで、時間と場所にとらわれない多様で柔軟な働き方を実現しております。

職場環境においては、新たな時代の多様なワークスタイルに対応するため、2022年8月から本社オフィスの改革「シン・レイアウト作戦」を実施いたしました。オフィスのフリーアドレス化により部門の枠を超えたコミュニケーションの活性化を実現するとともに、いつでも食事や休憩がとれるリフレッシュルームを新設することで従業員が適切な環境で業務に従事することができるなど、業務の効率化と生産性の向上にも取り組んでおります。

 

<エンゲージメントの向上>

当社グループでは、「人材と組織の戦略」において「エンゲージメントの高い職場環境の整備」を重要な基盤と位置づけており、当社では従業員の主観・感じ方の言える化・見える化とそれらに基づいた組織内の対話・コミュニケーション促進を目的として、全従業員を対象としたエンゲージメント調査を実施しております。

2022年から2023年にかけては、エンゲージメント調査結果の分析に基づき、「チャレンジ・挑戦を称賛し、失敗を責めない風土の醸成」という目標を設定し、その取り組みの1つとして、「多くの人に感知されず埋もれたチャレンジ」に光を当て全社で称賛し合うことを目的とした「TOHO CHALLENGE AWARD」を開催いたしました。また、エンゲージメント向上においては経営層と社員、部署や役職・年代を越えたコミュニケーションが不可欠であると考え、「ミッション・ビジョンを理解し共感できる機会の創出」を重要項目として注力し、経営トップと社員が対話を行うワークショップ「タウンホールMTG」を複数回実施いたしました。さらに自社の提供するコンテンツから生まれる「感動」を従業員自身が体験し共感することを目的として、当社グループ全従業員とその家族を対象に帝国劇場公演「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」への招待企画を実施いたしました。今後もエンゲージメント向上に向けて様々な施策に取り組んでまいります。

 

 

② 指標及び目標

当社グループは、サステナビリティの基本方針の重要課題①に「誰もが健康でいきいきと活躍できる職場環境をつくります」と設定し、多様性のある活力に溢れた組織づくりを目指して様々なKPIを定め、目標達成に向けて取り組んでおります。

なお、当社グループの連結子会社は業種・業態が多岐に渡り、現時点においては当社グループとして統一されたKPIを設定することが困難なため、当該期間では当社のみの指標及び目標としております。将来的には連結子会社を包含した指標や目標を設定できるよう努めてまいります。

また、多様性の確保を含む人材育成において、キャリア採用につきましては、当社の掲げる経営戦略及びそれに基づく事業戦略に連動する形で機動的に実施されるものと考えており、具体的な数値目標等は設定しておりませんが、年2回開催される「人材戦略会議」において、各部門の人材の需給状況について把握・検討しており、今後もキャリア採用を含めた多様な人材の確保と育成を柔軟に検討・実施してまいります。

 

「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」(2026年3月31日まで)

 

KPI(当社)

1.    職制上において課長職以上の地位に占める女性割合を20%にする

2.    男性を含む全員(100%)が、育児関連休暇または育児休業を取得する

3.    有給休暇と夏期休暇の合計取得日数を1人あたり平均15日以上(年間)にする

 

 

当社の女性管理職比率は、2024年2月末現在で14.9%となっており、厚生労働省発表の女性管理職比率12.7%(令和4年度)を上回っておりますが、上記KPIの20%には達しておりません。今後も引き続き、女性が働きやすい職場環境の整備に努めるとともに、女性の管理職登用の機会創出に積極的に取り組み、目標数値の達成に向けて取り組んでまいります。

 

「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」(2024年3月1日~2026年2月28日まで)

 

KPI(当社)

1.    育休関連休暇取得を促進し、以下の取得割合を達成する

 取得要件に該当する社員(男女共に)100%

2.    仕事と育児の両立を推進するための環境整備を継続して行う

 

 

当社では、以前より法令を上回る育児関連諸制度を整備しておりましたが、2022年10月に育児関連休暇制度のさらなる拡充を図るとともに、「出産・育児のガイドブック」を作成・周知するなど、育児関連休暇の取得推奨に努めてまいりました。その結果、2年連続で男性育休、女性育休ともに2024年2月29日までのKPI(男性社員:休業または休暇取得率70%以上・女性社員:休業取得率100%)を達成することができました。そこで、2024年3月1日より上記のとおり新たなKPIを設定いたしました。引き続き全従業員が育児との両立を図ることができる働きやすい環境整備を推進し、目標数値の達成に向けて取り組んでまいります。

 

「朗らか健康経営」推進計画(2025年達成に向けて)

 

 

心のケア 働きがい

生活習慣改善

健康診断

働き方

目標

① エンゲージメント調査「健康スコア」で全職場のスコア50以上(最高スコア100)

② メンタル不調での1カ月以上の欠勤者0人

・運動習慣で、1日1時間の歩行と同程度の運動を行っている人の割合 60%

・食生活改善で、

血中脂質/BMI異常なしの割合 70%

① 1人あたりの時間外勤務

月平均22.2時間以下

(2019年比5%減)

② 年次有給休暇取得日数

全員が12日以上

 

 

当社では、健康経営において2025年の達成に向けて、「心のケア 働きがい」「生活習慣改善」「健康診断」「働き方」の4項目において目標数値を設定しております。組織内の対話・コミュニケーション促進を目的として導入されたエンゲージメント調査については、「健康スコア」の項目において全職場でのスコアを50以上とすることを目標にしており、2024年3月時点で調査対象となる当社内84セクションのうち72セクションで達成しております。引き続き全職場での目標達成に向けて取り組んでまいります。また、1人あたりの時間外勤務時間の目標を月平均22.2時間以下としており、2023年(自然暦)の月平均26.3時間からの改善を目指しております。これからも従業員一人ひとりが朗らかにいきいきと働くことができる健康な職場づくりに努めてまいります。