事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
映画事業 | 195,460 | 66.9 | 44,709 | 68.1 | 22.9 |
演劇事業 | 20,263 | 6.9 | 3,115 | 4.7 | 15.4 |
不動産事業 | 74,700 | 25.6 | 17,610 | 26.8 | 23.6 |
その他 | 1,557 | 0.5 | 174 | 0.3 | 11.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社の企業集団は、当社、子会社52社、関連会社10社(うち連結子会社43社、持分法適用関連会社3社)で構成され、映画事業、演劇事業、不動産事業及びその他の事業に携わっております。
各々の事業内容と、当社及び当社の関係会社の、当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
なお、当社の企業集団が営んでいる事業内容と、セグメントにおける事業区分は同一であります。
映画事業
当社、子会社24社(うち連結子会社20社)、関連会社7社(うち持分法適用関連会社2社)で構成されております。
事業の内容は、①映画営業事業と②映画興行事業及び③映像事業であります。
①映画営業事業
当社、子会社7社(東宝東和㈱等)、関連会社3社で構成され、当社は、製作した映画の他、国内の製作会社から配給業務を委託された映画を、東宝東和㈱は海外の映画を、当企業集団を始めとする国内の興行会社に配給しております。また、共同製作した劇場用映画の映像配信権の許諾を行っております。
②映画興行事業
子会社3社(TOHOシネマズ㈱等)で構成され、これらが経営する映画館等で、当社及び東宝東和㈱並びに当企業集団以外の配給会社が配給する映画を上映しております。
③映像事業
当社、子会社14社(㈱東宝映像美術、東宝舞台㈱等)、関連会社4社で構成され、共同製作したテレビアニメ作品に関する映像配信権・商品化権の許諾、映像パッケージソフト等の企画・制作・販売等、映画などの美術セット等の製作、各種イベント、広告等の企画・製作から販売に至る各分野に携わっております。
演劇事業
当社、子会社2社(うち連結子会社2社)、関連会社1社で構成されております。
演劇の製作及び興行は主に当社が行っており、㈱東宝エージェンシーは当社が公演する演劇の入場券販売を、東宝芸能㈱は芸能プロダクションの経営を行っております。
不動産事業
当社、子会社24社(うち連結子会社20社)、関連会社2社(うち持分法適用関連会社1社)で構成されております。
事業の内容は、①不動産賃貸事業と②道路事業及び③不動産保守・管理事業であります。
①不動産賃貸事業
当社、子会社4社、関連会社1社で構成され、保有不動産の賃貸を主体とする不動産業に携わっております。
②道路事業
子会社17社で構成され、スバル興業㈱とスバル興業㈱の企業集団が、道路の維持管理・清掃等を主たる事業としております。
③不動産保守・管理事業
子会社3社、関連会社1社で構成され、東宝ファシリティーズ㈱及び東宝ビル管理㈱はビルの管理・清掃・警備等に携わっております。
その他事業
子会社3社(うち連結子会社2社)で構成され、東宝共榮企業㈱はスポーツ施設等の経営に、TOHOリテール㈱は物販業に携わっております。その他で㈱東宝ビジネスサポートが会計業務のコンサルティング及び指導等に携わっております。
以上に述べた事項の、当社を中心とした概要図は次のとおりであります。
セグメントごとの非連結子会社及び関連会社の会社数と会社名は次のとおりであります。
(連結子会社については、第1 企業の概況 4 関係会社の状況を参照。)
(注) ※1持分法適用会社
※2「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(平成18年9月8日 企業会計基準委員会実務対応報告第20号)の適用により、非連結子会社に含めております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気は、緩やかな回復の動きがみられる一方、海外景気の下振れリスクや物価上昇の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下にあって当社グループの当連結会計年度における経営成績は、営業収入は2833億4千7百万円(前年度比16.0%増)、営業利益は592億5千1百万円(同32.0%増)、経常利益は630億2千4百万円(同31.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は452億8千3百万円(同35.5%増)となり、2022年4月策定の「中期経営計画 2025」で掲げた数値目標である「営業利益の最高益(528億円)更新」を2年目で達成することが出来ました。なお、㈱東京楽天地の普通株式を公開買付けにより取得し連結子会社化したことに伴う「段階取得に係る差益」及び、オーエス㈱の普通株式について阪急阪神ホールディングス㈱による公開買付けに応募し売却したことに伴う「関係会社株式売却益」を特別利益に計上しております。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
映画事業
映画営業事業では、東宝㈱において、ゴジラ70周年記念作品「ゴジラ-1.0」を製作し、日本及び北米等において公開、大きな話題となりました。そのほか、共同製作や配給した作品のうち、「名探偵コナン 黒鉄の魚影」が興行収入100億円超えを記録、「君たちはどう生きるか」「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」「キングダム 運命の炎」「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」「ミステリと言う勿れ」「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」などヒットいたしました。また、東宝東和㈱等が配給した「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が大ヒット、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」などヒットいたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は46,505百万円(前年度比13.7%増)、営業利益は17,908百万円(同32.3%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映画館への配給が33,630百万円(前年度比25.4%増)、劇場用映画の国内配信が1,333百万円(同60.1%減)となりました。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品のほか、バラエティに富んだ邦洋画作品を上映いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は40,893千人と前年度比4.2%の増加となりました。なお、TOHOシネマズ㈱では、エネルギー価格の高騰や人件費増加等により2023年6月1日から映画鑑賞料金を改定いたしました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は78,440百万円(前年度比10.4%増)、営業利益は11,083百万円(同49.9%増)となりました。当連結会計年度中の劇場の異動につきましては、TOHOシネマズ㈱が2023年4月17日に大阪府門真市「TOHOシネマズ ららぽーと門真」(9スクリーン)、11月30日に北海道札幌市中央区「TOHOシネマズ すすきの」(10スクリーン)をそれぞれオープンいたしました。一方、オーエス㈱の経営する18スクリーンは当社グループから外れたことにより減少いたしました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は全国で1スクリーン増の722スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像事業では、東宝㈱において「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー!!」「Dr.STONE」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信・商品化権収入に加え、各種配分金収入がありました。パッケージ事業では「すずめの戸締まり」「わたしの幸せな結婚」に加え、TOHO animation作品の「呪術廻戦」「ウマ娘 プリティーダービー」「お兄ちゃんはおしまい!」の販売が伸長いたしました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて、TOHO animation作品「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」や「ゴジラ-1.0」「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」「君たちはどう生きるか」といった当社グループ配給作品の販売が好調に推移いたしました。また、TOHO animation作品のキャラクターグッズ販売が営業収入に寄与いたしました。ゲーム事業では、TOHO Gamesが「呪術廻戦 ファントムパレード」をリリースし、400万ダウンロードを突破するなど好調に推移いたしました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務に関して受注持ち直しの動きに加え、原価抑制に努めました。これらの結果、映像事業の営業収入は67,849百万円(前年度比47.3%増)、営業利益は15,717百万円(同92.9%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、アニメコンテンツの利用が29,179百万円(前年度比66.5%増)、パッケージの販売が7,094百万円(同26.8%増)、映像作品等に係る美術製作が9,166百万円(同7.1%増)となりました。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は192,794百万円(前年度比22.0%増)、営業利益は44,709百万円(同53.8%増)となりました。
演劇事業
演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、大人気コミック「SPY×FAMILY」初のミュージカル化を実現し全席完売、日本初上演として話題となった「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」が満席となりました。そのほか、「Endless SHOCK(Endless SHOCK/ Endless SHOCK Eternal)」「DREAM BOYS」「チャーリーとチョコレート工場」「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」「ABC座星(スター)劇場2023~5 Stars Live Hours~」「Act ONE」「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」を上演いたしました。シアタークリエにおきましては「RENT」「She Loves Me」「SHOW BOY」「M.クンツェ&S.リーヴァイの世界~3rd Season~」「のだめカンタービレ」「VOICARION XVII~スプーンの盾~」「Yuichiro & Friends -Singing! Talking! Not Dancing!-」「ATTENTION PLEASE!2」等を上演し、日生劇場では「ラグタイム」「ベートーヴェン」「トッツィー」が大入りとなりました。また、社外公演として「キングダム」「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」等を全国へ展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に推移いたしました。
以上の結果、演劇事業の営業収入は20,153百万円(前年度比10.7%増)、営業利益は3,115百万円(同12.3%増)となりました。
不動産事業
不動産賃貸事業では、新規物件の取得に加え、その他全国に所有する不動産が堅調に稼働し、事業収益に寄与いたしました。一方で、減価償却費等の費用は増加しております。賃貸用不動産の空室率は、当連結会計年度末において0.2%となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は29,387百万円(前年度比4.9%増)、営業利益は11,588百万円(同0.3%増)となりました。
道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、建設技能者の不足に加えて、労務費・資機材価格の上昇が継続する等、依然として予断を許さない状況が続きました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、積極的な営業活動を行うとともに、積算精度の向上や入札における総合評価方式への対応強化を図り受注増に努めましたが、前期と比べ採算性の高い工種が減少したこともあり、道路事業の営業収入は29,245百万円(前年度比1.2%増)、営業利益は4,900百万円(同3.8%減)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等26,617百万円(前年度比0.7%増)であり、またその他の収益818百万円(同2.0%増)が含まれております。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、人手不足や人件費・原材料費の増加が継続する一方、資材の供給不足等により延期となっていた工事の実施があったほか、新規受注確保に努めました。その結果、営業収入は10,509百万円(前年度比5.3%増)、営業利益は1,122百万円(同21.1%増)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は69,142百万円(前年度比3.3%増)、営業利益は17,610百万円(同0.2%増)となりました。
その他事業
東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」やTOHOリテール㈱の劇場売店等において、積極的な営業活動に努めました。その結果、その他事業の営業収入は1,256百万円(前年度比8.0%増)、営業利益は174百万円(同33.3%増)となりました。
(財政状態の概況)
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は81,729百万円増加し、615,826百万円となりました。これは主に、現金及び預金で5,526百万円、現先短期貸付金で29,999百万円の減少がありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産で9,153百万円、建物及び構築物(純額)で18,682百万円、土地で24,064百万円、投資有価証券で45,676百万円の増加があったこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から20,665百万円増加し、131,071百万円となりました。これは主に、未払法人税等で2,219百万円、繰延税金負債で11,098百万円、長期預り保証金で2,195百万円の増加があったこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して61,064百万円増加し、484,755百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益45,283百万円の計上及び剰余金の配当10,494百万円等による利益剰余金35,696百万円の増加の他に、その他有価証券評価差額金で17,123百万円の増加があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ29,697百万円減少し、82,424百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が67,002百万円、減価償却費が10,256百万円ありましたが、売上債権及び契約資産の増加が8,279百万円、法人税等の支払額が18,882百万円あったこと等により、43,350百万円の資金の増加(前年度比2,054百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が76,600百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が54,593百万円、有形固定資産の取得による支出が21,685百万円、投資有価証券の取得による支出が13,929百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が15,935百万円、関係会社株式の取得による支出が32,297百万円あったこと等により、62,706百万円の資金の減少(前年度比53,530百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、配当金の支払額が10,490百万円あったこと等により、11,630百万円の資金の減少(前年度比7,495百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。
a. 受注実績
(注) 映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業における受注実績
を記載しております。
b. 販売実績
(注) 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある
相手先がないため記載を省略しております。
映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、不動産事業についても総販売
実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行され、社会経済活動の正常化が進む中、当社グループは2022年4月に策定した「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」に基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し取り組んでまいりました。当連結会計年度における当社グループの経営成績は、主力の映画事業において、「名探偵コナン 黒鉄の魚影」や「君たちはどう生きるか」、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」等が大ヒットし、製作・配給した「ゴジラ-1.0」は日本のみならず北米においても大きな話題となり業績に寄与いたしました。TOHOシネマズ㈱では、ゴールデンウィーク期間の興行収入が歴代最高記録を達成するなどヒット作に恵まれたほか、映画鑑賞料金の改定もあり収益が改善いたしました。また、TOHO animation作品が大きく伸長し、「SPY×FAMILY」「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」等の国内外における配信・商品化権収入等に加え、「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」のヒットが収益に寄与、スマートフォンゲーム「呪術廻戦 ファントムパレード」も好調に推移し、映画事業の業績に大きく貢献いたしました。演劇事業では、日本初上演「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の帝劇3カ月公演が満席となったほか、大人気コミック「SPY×FAMILY」初のミュージカル化に取り組むなど顧客層の拡大にも努めました。不動産事業では、労務費や資機材価格の上昇による影響はありましたが、新たに取得した物件も含め、全国に保有する不動産物件が低い空室率で推移し堅調に稼働いたしました。この結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ39,052百万円増収の283,347百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ14,371百万円増益の59,251百万円となり、中期経営計画で掲げた数値目標である「営業利益の最高益(528億)更新」を達成することができました。
(a) 営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ39,052百万円増収の283,347百万円となりました。
(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ17,109百万円増加の152,779百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ7,570百万円増加の71,316百万円となりました。これは人件費が3,585百万円、広告宣伝費が1,373百万円、減価償却費が359百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ14,371百万円増加の59,251百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ15,634百万円増益の44,709百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ341百万円増益の3,115百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ37百万円増益の17,610百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ43百万円増益の174百万円でした。
なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ902百万円増加の3,859百万円となりました。これは主として、持分法による投資利益が前連結会計年度に比べ218百万円減少しましたが、前連結会計年度と比べ受取利息が604百万円、受取配当金が361百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ64百万円増加の86百万円となりました。これは主として、当連結会計年度に子会社清算損を51百万円計上したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ15,209百万円増加の63,024百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、㈱東京楽天地の株式を公開買付けにより取得し連結子会社化したことに伴う段階取得に係る差益2,281百万円、オーエス㈱の普通株式について阪急阪神ホールディングス㈱による公開買付けに応募し売却したことに伴う関係会社株式売却益1,866百万円等を計上いたしましたが、前連結会計年度と比べて598百万円減少の4,398百万円となりました。これは主として、前連結会計年度に助成金収入を2,729百万円計上したことや、投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ1,703百万円減少したこと等によるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ1,901百万円減少の420百万円となりました。これは主として、減損損失が前連結会計年度と比べ897百万円減少したことや、前連結会計年度に割増退職金を812百万円計上したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税20,676百万円、法人税等調整額△444百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,486百万円を計上し、前連結会計年度と比べ11,852百万円増加の45,283百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の190.37円から259.51円に増加しました。
2) 財政状態の分析
(a) 資産
当連結会計年度末の総資産は、㈱東京楽天地の連結子会社化に伴い50,920百万円の増加があったこと等により、前連結会計年度末と比べ81,729百万円増加して615,826百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ16,205百万円減少して208,503百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ現先短期貸付金は29,999百万円減少し34,999百万円、受取手形、売掛金及び契約資産は9,153百万円増加し42,075百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ47,400百万円増加の224,851百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、土地は24,064百万円増加し104,539百万円、建物及び構築物(純額)は18,682百万円増加し104,116百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ2,064百万円増加の7,017百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ48,470百万円増加し175,454百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ45,676百万円増加し154,175百万円となったこと等によるものであります。
(b) 負債
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ20,665百万円増加の131,071百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ3,379百万円増加の69,141百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払法人税等は2,219百万円増加して12,002百万円、買掛金は1,992百万円増加して32,765百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて17,286百万円増加して61,929百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が11,098百万円増加して21,527百万円、長期預り保証金が2,195百万円増加して25,120百万円となったこと等によるものであります。
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて61,064百万円増加し、484,755百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益45,283百万円の計上及び剰余金の配当10,494百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が35,696百万円増加、その他有価証券評価差額金が17,123百万円増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.1ポイント減少し、74.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。また、必要に応じて金融機関等から機動的に資金調達を行ってまいります。
(資金需要の内容及び経営資源の配分)
当社グループの資金需要は、2022年に策定した「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」内の「中期経営計画 2025」にて成長投資を掲げており、主な内容はコンテンツ関連投資(映画・アニメ・演劇製作・新規IP創出・人材獲得)として500億円、不動産関連投資(保有物件再開発・新規物件取得)として500億円、新規シネコン出店として50億円、海外展開・DX関連ほかに50億円の計1,100億円程度の投資額を2025年までの3カ年で見込んでおります(大型M&Aに要する投資は別枠)。また、年間40円の配当をベースに配当性向30%以上かつ機動的な自己株式取得の実施により株主還元の充実に努めることとしております。
(資金調達)
短期及び中期の投資資金としては自己資金を充てることを前提としつつ、必要に応じて銀行借入等金融機関からの調達を行います。一方、大型M&Aに要する資金や大規模な設備投資資金については、案件の特性に応じた最適な手法により資金調達を行います。そのため、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持向上を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。また、当社グループは当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高82,424百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は4,487百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しておりますが、今後更なる成長投資に向け、借入及び社債による調達も検討することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「映画事業」、「演劇事業」及び「不動産事業」の3つを報告セグメントとしております。
「映画事業」は、映画館への配給、劇場用映画の国内配信、映画館の経営、アニメコンテンツの利用、パッケージの販売、映像作品等に係る美術製作等を行っております。「演劇事業」は、演劇の製作・興行を行っております。「不動産事業」は、不動産の賃貸、道路の維持管理・清掃等、不動産の保守・管理等を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は営業利益をベースとした数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、スポーツ施設の経営事業等を含んでおります。
2 セグメント利益又は損失(△)の調整額△4,673百万円は、セグメント間取引消去6百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△4,680百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
セグメント資産の調整額206,666百万円は、セグメント間取引消去△17,863百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産224,529百万円であります。その主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券、現先短期貸付金)、長期投資資金(投資有価証券)であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、スポーツ施設の経営事業等を含んでおります。
2 セグメント利益又は損失(△)の調整額△6,358百万円は、セグメント間取引消去3百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△6,361百万円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
セグメント資産の調整額206,290百万円は、セグメント間取引消去△21,325百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産227,616百万円であります。その主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金、有価証券、現先短期貸付金)、長期投資資金(投資有価証券)であります。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には新規連結に伴う増加額を含んでおりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載しておりません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。