2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(1)原料調達支障による影響

都市ガスの原料である天然ガスの大半は海外から輸入しているため、原料調達先の設備や操業、輸送等に関する事故等により、供給途絶等が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社はロシアからもLNGを輸入しておりますが、今後、ロシアからのLNGの安定的な調達が困難になる可能性があります。その場合においても、安定供給を確保する事が我々の責務であります。

長期調達先の多様化や短期取引等による様々な調達方法、自社LNG船に加え、他社LNG船を利用した輸送等により、安定的かつ柔軟な調達を行っております。

万が一ロシアからのLNGの入荷が滞った場合には、当社が持つ他の契約による補填、他社からの融通、スポット市場からの調達等により、都市ガスの安定供給に努めてまいります。

 

 

 

 

(2)原材料等調達価格の変動

原油価格・為替相場の動きによる原料価格の変動については、販売価格へ反映するまでのタイムラグにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

原料購入代金固定化に伴うLNGスワップへのヘッジ会計適用において、ヘッジ手段(デリバティブ)に対応するヘッジ対象(LNG原料仕入の予定取引)が発生しない、又は不足する、ないし、ヘッジの有効性が保たれない状況となった場合には、ヘッジの終了及び中止により、時価の変動を損益に反映するため、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

電力事業において、電力調達の一部を卸電力市場から行っており、卸電力市場価格が変動した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

その他、当社の持分法適用関連会社である海田バイオマスパワー㈱において、燃料が想定どおりに調達できない場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

原料費調整により、原料価格を販売価格に反映して概ね相殺することが可能であります。

また、一部の原料購入代金に対しては、原油価格・LNG価格に関するスワップ、外貨建金銭債権債務に対して為替予約を採用し、原油価格変動リスクと為替変動リスクをヘッジしております。

原料価格変動リスクをヘッジする際には、ヘッジ会計の適用の判断、運用状況の把握、内部統制の整備等について慎重に分析・検討を行っております。

 

 

電力調達に、自社電源を活用し、卸電力市場の価格変動リスクの低減を図っております。

 

 

海田バイオマスパワー㈱において、安定的な事業運営ができるよう、業務執行状況を適切に把握し、監督しております。

 

 

 

 

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(3)脱炭素化への対応

国連気候変動枠組条約(COP21)において「パリ協定」が採択され、各国で批准されたことを機に、温室効果ガス削減のための取組みが世界的に進められております。

国内においても、2020年10月に、政府が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、脱炭素化の議論が活発化しております。

当社グループが主として展開するガス事業・LPG事業においては、石炭等と比較すると CO2等の温室効果ガスの排出の少ない天然ガス・LPガスを使用しておりますが、その排出がゼロではないため、化石燃料自体の使用が制限・禁止された場合には業績等に影響を及ぼす可能性があります。

カーボンニュートラル都市ガス及びグリーン電力をお客さまに販売しております。

また、メタネーションをはじめ、技術開発に向けた調査等にも取り組んでおります。

再生可能エネルギーの普及拡大に資する、新たな発電事業を検討・実施しております。

さらに、気候変動に関するリスク、機会について特定のうえ、公表するとともに、GXリーグへ参画する等、対応を強化しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

(4)気温・水温の変動及び

人口・世帯数の減少に

よるガス需要の変動

 

①気温・水温の変動

事業の性質上、気温・水温の変動によりガス需要は変動し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、気温・水温の低い冬期に売上高及び利益が偏る傾向にあり、通期業績に占める第4四半期の比重が高くなります。そのため、期中での業績傾向により通期業績を推し測れない可能性があります。

 

②人口・世帯数の減少、ライフ

スタイルの変化

人口・世帯数の減少や家庭における中食化の進展・節約意識の定着等によりガスの需要が減少し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

季節によるガス需要の変動を緩和するために、ガス空調による夏期の販売量の増大、年間を通して需要の変動が少ない工業用需要の開拓、コージェネレーションシステムの普及拡大に努めております。

 

 

 

 

 

供給エリアの拡大等によるお客さまの新規獲得及びガス器具の拡販による一戸当たりのガス販売量拡大に努めております。

 

 

 

 

(5)業務用のお客さまの動向

当社グループのガス販売量は、業務用のお客さまの占める割合が高く、経済情勢や産業構造の変化等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

業務用のなかでも商業用、工業用及び公用等、幅広い業種のお客さまを獲得し、リスク分散を図っております。

 

 

(6)自然災害・事故等による

影響

地震等の自然災害や事故等により、お客さま設備、当社グループの製造・供給設備や役職員等に対する被害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に、広島県沿岸部の当社供給区域内で自然災害が発生した場合は影響が大きくなります。

 

 

 

 

災害対策強化を図るため防災対策専門組織を設け、自然災害等に備えた対策、災害発生時の早期復旧に向けた取組みの強化を図っております。

また、影響を最小化に抑えるための導管網ブロックの細分化や耐震性に優れたPE管への入れ替え促進、災害対策マニュアルの策定、災害対応拠点(防災センタービル)の整備及び防災訓練の実施等の対策を講じております。

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リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(7)ガス消費機器・設備の

トラブルによる影響

ガス消費機器・設備に重大なトラブルが発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

不具合発生時に迅速かつ適切な対応を図れるよう十分なメンテナンス体制を構築しております。

 

(8)コンプライアンス違反

法令等に反する行為が発生した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

内部監査部門による定期的な監査の実施、広島ガスグループ相談報告制度等の相談窓口による自浄機能の強化、定期的なコンプライアンス教育及び意識調査を実施することにより、従業員にコンプライアンス意識を根付かせ、法令違反等を許さない企業風土を醸成しております。

(9)基幹システムの障害及び

情報漏洩

高度なサイバー攻撃等により、業務に支障をきたした場合やお客さまの個人情報が外部へ漏洩した場合、対応に要する費用の支出や社会的信用力の低下等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

情報セキュリティ委員会を中心とした体制を構築し、個人情報の取り扱いに関する教育活動をはじめ、情報漏洩事故の防止に努めるとともに、発生時における情報開示等の指針を整備し、機動的な対応を図っております。

(10)エネルギー間競争の

激化・制度変更等

①競争激化

エネルギー間競争の激化によるお客さまの離脱や販売価格低下のリスクが併存しております。

 

 

 

 

 

②制度変更等

ガス事業はガス事業法の許認可等を受けております。ガス事業法においては、同法等に違反した場合で公共の利益を阻害すると認められる時、事業許可を取り消されることがある旨が定められており、現時点においては取消しとなるような事象は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により事業許可が取り消された場合には、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

また、事業遂行において、ガス事業法、その他の法令や制度等に従っているため、それら法令・制度等の変更等による、対応コスト発生等が業績等に影響を及ぼす可能性があります。

お客さま獲得の好機と捉え、グループシェア及びエネルギー供給量拡大の実現に向け、積極的に営業活動を行っております。

更に、2024年1月からグリーン電力の一般販売を開始し、事業領域の拡大を図っております。

 

ガス事業遂行に際しては、コンプライアンスの観点からも、社内外において、法令や制度等を遵守することを周知・徹底しております。

法令・制度等の変更等が発生する場合には、関連する情報を収集し速やかに対応していくとともに、対応コストを最小化するよう努めております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リスク項目

リスクの説明

主要な取組み

該当セグメント

ガス事業

LPG

事業

その他

(11)投資・出資の未回収

当社グループは事業拡大のため、買収・出資・提携等を行っております。当該株式やのれん等の時価低下により減損損失が発生し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは当該株式やのれん等について、取得時点における事業価値や収益性を適切に反映したものと考えておりますが、将来の事業環境や競合環境の変化、外国為替の影響等により、期待する収益が得られないと判断される可能性があります。

投資・出資判断を行うに際しては、事業性や税制等の様々な観点からデューデリジェンスやリスク評価を行っております。加えて、期中における評価見直し、投資・出資・提携先の経営状況及びリスク分析を行い、それらに応じた対応策を検討・実施しております。

 

 

 

 

 

 

(12)感染症の流行

感染症が大規模に流行した場合は、感染拡大による経済活動の停滞や従業員の感染による事業所の一時的な閉鎖等により、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

通常の防疫対応に加え、BCPの観点から災害対応拠点(防災センタービル)や製造施設への役職員を含む関係者以外の立ち入りを制限するとともに、可能な職場においては、テレワーク・フレックス勤務等の推奨や出張(国内外問わず)の制限等、状況に応じた対策を実施することとしております。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、株主の皆さまに対する利益還元を重要な政策と位置付け、安定配当を継続してまいりました。今後とも、徹底した経営効率化と積極的な営業活動の展開により、安定配当を継続することを基本方針としつつ、将来を見据えた設備投資や財務状態、中長期の利益水準等を総合的に勘案し、成長に合わせた配当を実施いたします。

配当の実施にあたっては、安定的・継続的に配当を行う基本方針のもと、短期的な利益変動要因を除き、連結配当性向30%以上を目指してまいります。

当事業年度の剰余金の配当については、当事業年度の業績、経営環境その他諸般の事情を勘案して、2024年5月10日開催の取締役会において、1株当たり6円の期末配当を実施することを決議し、中間配当(6円)と合わせて12円の年間配当を実施いたしました。

内部留保資金については、製造・供給基盤の整備等の設備資金に充当いたします。

なお、当社は、株主総会決議によらず取締役会決議により剰余金の配当を行う旨、及び取締役会決議により毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。配当の回数は、中間配当及び期末配当の年2回を基本方針としており、配当の決定機関は取締役会であります。

 

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当

 

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たり配当額
(円)

2023年11月2日

取締役会

410

6.00

2024年5月10日

取締役会

410

6.00