事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
発電・販売事業 | 2,281,054 | 61.6 | 220,201 | 71.4 | 9.7 |
送配電事業 | 858,067 | 23.2 | 60,701 | 19.7 | 7.1 |
建設業 | 321,782 | 8.7 | 14,658 | 4.8 | 4.6 |
その他 | 243,471 | 6.6 | 12,867 | 4.2 | 5.3 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社企業グループは、当社、子会社57社及び関連会社23社の計81社(2024年3月31日現在)で構成されております。
当社及び当社の関係会社は、火力・原子力及び再生可能エネルギーによる電力の安定的な供給や、小売販売・スマート社会実現事業を行う「発電・販売事業」、中立・公平な電力ネットワークサービスを提供する「送配電事業」、電気・通信・土木・建築工事及び電力供給設備の設計・製作、環境保全に関する調査・測量・測定分析を行う「建設業」において事業展開しております。
当社及び関係会社を事業系統図に示すと、以下のとおりであります。なお、次の事業区分は、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(注) 1 2023年4月3日付で東北電力トランスコスモスマネジメントパートナー㈱を新たに企業グループへ加えました。
2 2023年6月22日付でウィンドファーム野辺地(同)を新たに企業グループへ加えました。
3 2023年8月7日付で中頓別ウィンドファーム(同)を新たに企業グループへ加えました。
4 2023年10月2日付で東北電機製造㈱の株式を一部売却したことから、同社を連結子会社から持分法適用会社へ変更しました。
5 2024年2月7日付で今別ウィンドファーム(同)を新たに企業グループへ加えました。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)事業の経過
① 企業グループを取り巻く経営環境
2023年度のわが国経済は、緩やかに回復しているものの、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、東北地域経済においても同様の状況にあります。
近年、電力業界においては、新型コロナウイルス感染症による価値観の変容、カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えたGXの潮流加速、ウクライナ危機に伴うサプライチェーンの分断や燃料・電力取引に係る市場価格の変動拡大など、振れ幅が大きく先を見通すことが困難な事業環境が継続しております。
このような中、当社においては、2021年度以降の2年連続赤字により毀損した財務体質の早急な改善とともに、リスク耐性の強い経営基盤作りが求められております。このため、東北電力グループスローガン「より、そう、ちから。」のもと、電力供給事業の構造改革とスマート社会実現事業の早期収益化に向け、企業グループをあげて様々な取り組みを展開してまいりました。
② 電力供給事業の取り組み
基盤事業である電力供給事業については、収入と費用の両面から、2023年度の黒字必達に向け、全社をあげて取り組んでまいりました。
費用面については、経営全般にわたる徹底的な効率化に努めてまいりました。具体的には、燃料費の低減に向けて、燃料調達における市場の構造変化をとらえた価格体系の多様化や調達先の分散化、デリバティブ取引の活用など、調達ポートフォリオ全体の最適化を推進してまいりました。
収入面では、昨年6月に小売規制料金の値上げを実施し、再生可能エネルギーの導入拡大などによる需給構造の変化や、燃料・電力取引に係る市場価格の高騰などの影響を電気料金に反映しました。
一方で、お客さまのご負担軽減につながるよう、電気の効率的なご利用方法などのご提案に取り組んでまいりました。
具体的には、節電達成度合いに応じて特典を進呈する、夏・冬の節電アクションに加え、法人分野では、節電のコンサルティングや自家消費型太陽光オンサイトサービスなどの提案を、家庭用分野では、ヒートポンプ機器への買い替え費用の一部を補助するエコ替えキャンペーンなどを実施してまいりました。
東北電力ネットワーク株式会社では、自衛隊や東日本高速道路株式会社との道路寸断を想定した復旧作業訓練など、関係機関と連携のうえ様々な状況を想定した訓練を実施し、激甚化する自然災害への対応力強化に向けて取り組んでまいりました。本年1月に発生した「令和6年能登半島地震」では、新潟県内において延べ約7千戸の停電が発生しましたが、企業グループをあげて対応した結果、翌日には復旧することができました。また、被災した北陸地域への支援として当社と東北電力ネットワーク株式会社の一体体制による「能登半島地震復旧支援本部」を設置し、1ヵ月にわたる応援派遣を行いました。東日本大震災で多くのみなさまからいただいたご支援に対する恩返しの一心で、懸命に復旧作業等を進め、北陸地域の復旧の一翼を担いました。
③ スマート社会実現事業の取り組み
スマート社会実現事業については、「電気+サービス」と「次世代エネルギーサービス」を中心に事業化を進めてまいりました。
「電気+サービス」では、これまでご愛顧いただいている「すまい安心サポート」や、昨年11月に提供を開始した「東北電力のハウスクリーニング」をはじめとした、安全・安心なくらしの実現や、お客さまのくらしを彩る様々なサービス・商品を、東北電力フロンティア株式会社と一体となって提案しており、サービス全体で8万件を超えるご契約をいただいております。
「次世代エネルギーサービス」では、昨年4月、東北電力ソーラーeチャージ株式会社において、初期投資が不要な太陽光発電サービスである「あおぞらカーポート」の受付を開始しました。本年2月には、使用電力の脱炭素化を志向するお客さまからの要望を踏まえて、東北エリア初である、固定価格買取が終了した風力発電所を有効活用したオフサイト型コーポレートPPAサービスを導入しました。
引き続き、東北発の新たな時代のスマート社会の実現に貢献すべく、東北電力グループならではの価値をお客さまや地域のみなさまにご提供してまいります。
④ 新電力のお客さま情報等の不適切な取り扱い
東北電力ネットワーク株式会社が管理する当社以外の小売電気事業者のお客さま情報を、当社従業員などが閲覧していた事案等が確認され、昨年4月に、当社及び東北電力ネットワーク株式会社に対し、電力・ガス取引監視等委員会等からの業務改善勧告等がなされました。
これを受け、両社は、ハード・ソフト面の再発防止対策を着実に実行しているほか、社内のモニタリング体制強化に加え、外部の専門家をはじめとした評価も取り入れながら、二度と同様の事案を発生させないよう、引き続き再発防止の徹底に努めてまいります。
[発電・販売事業]
⑤ 発電事業における競争力強化の徹底
急激な燃料価格変動リスクに対応し、発電事業の競争力強化を図るため、特に収支影響が大きい燃料調達コスト低減に向けて、長期・短期・スポットなどを組み合わせたLNG調達方法を多様化するとともに、低品位炭の調達拡大等を進めてまいりました。
また、火力電源において、経年化した電源については休廃止を行う一方で、東新潟火力発電所第1号機及び第2号機については、よりCO2排出量の少ない高効率発電設備へのリプレースを検討するため、環境影響評価を開始するなど、電源の新陳代謝を図りながら、お客さまの電力需要に応じつつ、環境性及び競争力の確保を図ってまいりました。
加えて、戦略子会社である東北電力エナジートレーディング株式会社と連携のうえ、EEX(欧州エネルギー取引所)の電力先物に業界内でも先行的に参画し、昨年6月に新規上場された日次先物商品においても積極的に取引を行うなど、トレーディングを活用しながら燃料調達・発電・卸売のバリューチェーン全体で収益の拡大を図ってまいりました。
⑥ 原子力発電所の再稼働に向けた取り組み
原子力発電については、新規制基準への適合にとどまらず、より高いレベルでの安全確保に向けて最新の知見も取り入れながら、設備面と運用面の両面からさらなる安全性の向上に取り組んでまいりました。
東日本大震災で被害を受けた女川原子力発電所第2号機の再稼働は、当社の歴史に残る一大プロジェクトと認識しております。引き続き、安全確保を最優先に、本年9月頃の再稼働に向けて、地域のみなさまからのご理解をいただきながら、一つ一つの取り組みを着実に進めてまいります。
東通原子力発電所第1号機については、基準地震動や基準津波について概ね妥当と評価されるなど、審査は着実に進捗しており、今後の審査や安全対策工事につきましても適切に対応してまいります。
⑦ 再生可能エネルギーに関する取り組み
再生可能エネルギーについては、風力発電を主軸に200万kWの開発を目指し、当社が参画したグリーンパワー深浦風力発電所(青森県)が本年2月に新たに運転を開始いたしました。加えて、新たに3件の開発に取り組んでおり、北海道枝幸郡中頓別町における風力発電事業に参画したほか、当社が参画する事業体が、秋田県における2件の洋上風力発電事業(男鹿市・潟上市・秋田市沖及び八峰町・能代市沖)の選定事業者となりました。開発案件が事業化された場合の持分出力の累計は、2023年度末時点で約80万kWとなっております。引き続き、地域に豊富に賦存する再生可能エネルギーの開発に取り組んでまいります。
一方で、再生可能エネルギー導入の課題となっている発電量の変動に対応する調整力確保などの解決に向け、系統用蓄電池事業に参入することといたしました。具体的には、みずほリース株式会社と共同出資した坂東蓄電所1号合同会社において、埼玉県及び群馬県に系統用蓄電池を設置し、2025年6月までの運用開始を目指してまいります。
⑧ 電力小売を切り口としたサービス開発の強化
当社は、これまで70年以上の電気事業で培ってきた顧客基盤と「地域との絆」を強みとしながら、電力小売を切り口とする付加価値の高いサービスを開発しております。具体的には、個人のお客さまに対して、安全・安心につながる、くらしによりそうサービスとして、新たに庭の草刈り・剪定や害虫獣駆除などの提供を開始しました。
また、法人のお客さま向けには、昨年8月にビジネスマッチングサービス「東北電力Biz Sync(ビズシンク)」の提供を開始しました。本サービスでは、お客さまが抱える省エネ・節電やSDGs・脱炭素等の様々な分野の課題に対し、当社やビジネスパートナーとなる企業から様々なソリューションを提案しております。
[送配電事業]
⑨ 電力の安定供給に向けた取り組み
東北電力ネットワーク株式会社は、「電気を安定的に地域のみなさまにお届けする」という使命を果たすため、レジリエンス強化を目指し設備面と運用面の両面から取り組んでまいりました。
設備面については、リスク評価を踏まえた高経年化設備等の計画的な更新を進めるとともに、激甚化する災害に備えた変電所浸水対策や無電柱化などの取り組みを進めております。
運用面については、総合技能大会の訓練等を通じて災害対応力の維持・強化や技術力継承に取り組んでおります。本年1月に発生した「令和6年能登半島地震」での応援隊の派遣による復旧作業の経験を踏まえ、今後、半島部固有の停電復旧への制約などの課題を整理することにより、東北電力ネットワーク株式会社管内における半島部等での迅速な対応に備えてまいります。
また、昨年4月には、配電設備の効率的な維持・管理に向け、電柱をはじめとする配電設備の写真を地域のみなさまから収集いただき、収集した写真を確認することで、東北電力ネットワーク株式会社の巡視点検業務への代替可能性を検証する実証試験を開始いたしました。
⑩ 再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組み
再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、東北・東京エリア間の50万ボルト送電線を2ルート化し、送電容量の拡大を図るなど基幹系統の整備・拡充に係る工事を計画的に進めております。佐渡島においては、太陽光と蓄電池、内燃力発電、エネルギーマネジメントシステムを組み合わせた最適な需給制御の実現に向けた取り組みを進めております。
また、再エネ発電量の予測精度向上への取り組みやオンライン出力制御の推奨による再エネ抑制量の低減を進めてまいりました。
これらの取り組みを通じさらなる再生可能エネルギーの導入拡大を目指してまいります。
⑪ 徹底的なコスト削減
経営環境の変化に対応するとともに、レベニューキャップ制度のもとで掲げた事業計画を達成するため、全社が一丸となって、徹底的な効率化・コスト削減に取り組んでまいりました。具体的には、社長を議長とする「効率化推進会議」及びCKO(チーフ・カイゼン・オフィサー)を委員長とする「カイゼン推進委員会」のもと、既存業務の見直しや全社への施策の水平展開により効率化を進めております。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度の販売電力量の状況については、当社において、前連結会計年度に比べて夏季の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、産業用のお客さまの稼動減や節電の影響などから、販売電力量(小売)が減少するとともに、販売電力量(卸売)が減少したことなどから、販売電力量(全体)は、792億kWh(前年度比 3.2%減)となりました。
売上高は、高圧以上のお客さまなどの電気料金見直しによる増加などがあったものの、燃料価格の低下による燃料費調整額の減少や卸電力取引市場価格の低下に伴う他社販売電力料の減少などにより、2兆8,178億円となり、前連結会計年度に比べ、1,893億円(6.3%)の減収となりました。
経常利益については、燃料費調整制度のタイムラグ影響が利益を大きく押し上げたことや、電気料金見直しに加え、高効率の上越火力発電所通年運転による燃料費抑制など効率化の取り組みにより、前連結会計年度に比べ、4,912億円増加し、2,919億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、3,536億円増加し、2,261億円となりました。
また、当連結会計年度における連結キャッシュ利益※は4,203億円となりました。
※東北電力グループ中長期ビジョン「よりそうnext」において「連結キャッシュ利益」を財務目標として設定しております。(2024年度に3,200億円以上を目標)
「連結キャッシュ利益」= 営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益
(営業利益は、燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)
なお、東北電力グループ中長期ビジョンにおける今後の経営展開「よりそうnext+PLUS」において、財務基盤の早期回復及び「利益・投資・成長」の好循環の形成を目指すための定量的な目標として、以下のとおり財務目標を新たに設定しております。
※目標達成時の連結ROEは8%以上
当連結会計年度におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりであります。
[発電・販売事業]
当社の販売電力量(小売)は、前連結会計年度に比べ夏季の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、産業用のお客さまの稼動減や節電の影響などから、2.7%減の641億kWhとなりました。このうち、電灯需要は、1.1%減の197億kWh、電力需要は、3.4%減の444億kWhとなりました。また、販売電力量(卸売)は、東北6県及び新潟県以外への卸売が減少したことなどから、5.0%減の151億kWhとなりました。
この結果、当社の販売電力量(全体)は、3.2%減の792億kWhとなりました。
これに対応する供給については、引き続き原子力発電所の運転停止継続や渇水による供給力の減少があったものの、火力発電所の稼働増などにより安定的に確保しました。
売上高は、高圧以上のお客さまなどの電気料金見直しによる増加などがあったものの、卸電力取引市場価格の低下に伴う他社販売電力料の減少などにより、2兆2,810億円となり、前連結会計年度に比べ、332億円(1.4%)の減収となりました。
経常利益は、燃料価格の低下による燃料費調整制度のタイムラグ影響が利益を大きく押し上げたことに加え、電気料金見直しなどにより、前連結会計年度に比べ、4,386億円増加し、2,202億円となりました。
[送配電事業]
当連結会計年度のエリア電力需要は、省エネ・節電の影響や産業用における生産動向などから、2.1%減の754億kWhとなりました。
売上高は、再生可能エネルギー電気卸供給の減少などにより、8,580億円となり、前連結会計年度に比べ、2,668億円(23.7%)の減収となりました。
経常利益は、需給調整市場取引での調達費用の減少などにより、607億円となり、前連結会計年度に比べ、493億円(433.0%)の増益となりました。
[建設業]
売上高は、空調管工事や配電・送電工事が増加したことなどから、3,217億円となり、前連結会計年度に比べ、182億円(6.0%)の増収となりました。
これにより、経常利益は、146億円となり、前連結会計年度に比べ、14億円(11.3%)の増益となりました。
[その他]
売上高は、ガス事業における取引量及び単価が減少したことなどから、2,434億円となり、前連結会計年度に比べ、27億円(1.1%)の減収となりました。
これにより、経常利益は、128億円となり、前連結会計年度に比べ、9億円(6.8%)の減益となりました。
(3) 財政状態の分析
資産は、女川原子力発電所第2号機の安全対策工事などにより建設仮勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、1,768億円(3.4%)増加し、5兆3,887億円となりました。
負債は、社債の償還等により、有利子負債残高が、前連結会計年度末に比べ846億円(2.5%)減少し、3兆2,909億円となったことなどから、負債総額は、前連結会計年度末に比べ、1,031億円(2.3%)減少し、4兆4,776億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ、2,799億円(44.4%)増加し、9,110億円となりました。
これにより、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.9ポイント上昇し、15.4%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
電気料金見直しによる収入増加に加え、電力調達支出が減少したことなどから、前連結会計年度の支出から収入に転じ、4,501億円の収入(前連結会計年度は937億円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
女川原子力発電所第2号機の安全対策工事などによる固定資産の取得支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ支出が577億円(20.9%)増加し、3,335億円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行による収入が減少したことなどから、前連結会計年度の収入から支出に転じ、960億円の支出(前連結会計年度は5,984億円の収入)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ214億円(4.2%)増の5,293億円となりました。
フリー・キャッシュ・フロー※は前連結会計年度に比べ4,921億円増の1,396億円となりました。
※ フリー・キャッシュ・フロー
<算出方法>
営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー - 利息及び配当金の受取額
- 利息の支払額
(単位:億円)
また、キャッシュ・フロー指標の変動は次のとおりであります。
(注) 1 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
2 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
3 前連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
① 資金調達方針並びに状況
当社は、電気事業における安定供給に必要な設備投資、社債などの償還資金への充当及び東北電力グループ中長期ビジョンに掲げた再生可能エネルギー事業、スマート社会実現事業への投資などの資金需要に対し、資金調達環境の動向や有利子負債、現金及び現金同等物の適正な保有額を総合的に勘案し、社債の発行及び、金融機関からの借入金等を組み合わせて安定的に資金を調達しております。
一般担保付社債については、当連結会計年度において、総額950億円発行しております。これらは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりA+、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAAの長期債格付を取得しております。なお、当社は、2020年3月27日に「電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号)」(平成27年6月成立)に基づき、経済産業大臣の認定のもと、2020年度から5年間に限り、一般担保付社債の発行が可能となる経過措置を受けております。
また、「東北電力グループ“カーボンニュートラルチャレンジ2050”」の実現に向けた取り組みを一層加速していくため、グリーン/トランジション・ファイナンスを実施するなど、持続可能な社会の実現に向けたカーボンニュートラルへの積極的な挑戦を資金調達面から支えるとともに、さらなる資金調達の多様性や安定性の確保に努めております。
上記による資金調達の結果、当連結会計年度末の社債発行残高及び借入金残高はそれぞれ1兆6,707億円、1兆6,202億円となっております。
短期的な資金需要に対しては、機動的なつなぎ資金調達の手段としてコマーシャル・ペーパーなどを活用しております。コマーシャル・ペーパーは、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりa-1の短期債格付を取得しており、当連結会計年度は3,000億円の発行限度枠を設定しております。
② 資金の流動性に係る情報
当社は、月次での資金計画などにより、資金需要を的確に把握することに努めるとともに、金融機関との間に当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結していることから、電力需要の変動などに伴い、営業活動によるキャッシュ・フローが減少した場合でも、必要に応じて極度枠の範囲内で速やかに資金調達ができる体制を整えることにより、充分な流動性を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社企業グループは、固定資産の減損、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であります。また、建設業においては請負形態をとっており、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(2)経営成績の分析」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
なお、当社個別の事業の状況は次のとおりであります。
① 供給力実績
(注) 1 停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。
2 融通・他社受電電力量には、連結子会社からの受電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 6,240百万kWh、酒田共同火力発電㈱ 3,688百万kWh、東北自然エネルギー㈱ 455百万kWh 他)、送電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 5,830百万kWh 他)を含んでおります。
3 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しております。
4 揚水発電所の揚水用電力量等とは貯水池運営のため揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であります。
5 出水率は、1992年度から2021年度までの30ヶ年平均に対する比であります。
6 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。
② 販売実績
(注) 1 停止中発電所の所内電力量は、自社事業用電力量として、販売実績に記載しております。
2 小売には自社事業用電力量(29百万kWh)を含んでおります。
3 卸売には特定融通等を含んでおります。
4 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。
③ 資材の状況
石炭及び燃料油等の受払状況
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社企業グループの報告セグメントは、当社企業グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源を配分し業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社企業グループは、電力供給事業を中核とし、お客さまの豊かさの最大化を目指すエネルギーサービス企業 グループとして事業活動を展開しており、「発電・販売事業」、「送配電事業」、「建設業」の3つを報告セグメントとしております。
[発電・販売事業]
・火力・原子力及び再生可能エネルギーによる電力の安定的な供給や、小売販売・スマート社会実現
・コーポレート・間接機能
[送配電事業]
・中立・公平な電力ネットワークサービスの提供
[建設業]
・電気・通信・土木・建築工事及び電力供給設備の設計・製作、環境保全に関する調査・測量・測定分析
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。報告セグメントの利益又は損失は、経常損益ベースの数値であります。セグメント間の売上高は、第三者間取引価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高に分類した額が、連結損益計算書の売上高の90%超であるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の90%超であるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高に分類した額が、連結損益計算書の売上高の90%超であるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の90%超であるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、該当事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。