2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    34名(単体) 848名(連結)
  • 平均年齢
    47.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    4.0年(単体)
  • 平均年収
    12,036,988円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

宇宙事業

314

(207)

メディア事業

379

(562)

全社

155

(54)

合計

848

(823)

 

(注) 従業員数は、就業人員(当社及び連結子会社から外部への出向者は除き、外部からの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。但し、業務委託契約に基づき派遣された人員については、就業時間を始め、就労に関する諸条件が当社グループの規程の適用範囲ではないため、臨時従業員数に含めておりません。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

34

(-)

47才 7ヶ月

4年 10ヶ月

12,036,988

 

(注1) 従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

(注2) 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(注3) 従業員は、スカパーJSAT㈱からの出向者(兼務出向を含む)であります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

  連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合

男性の育児休業等取得率

男女の賃金の差異

全従業員

うち、

従業員

うち、

臨時雇用者

スカパーJSAT㈱

10.8%

60.0%

83.9%

84.0%

75.2%

㈱スカパー・カスタマーリレーションズ

6.3%

66.7%

57.8%

83.7%

82.2%

 

(注1) 従業員は、正規雇用の従業員を指しております。

(注2) 臨時雇用者は、パートタイマー及び契約社員の従業員を含み、派遣社員を除いております。

(注3) 全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

(注4) 管理職に占める女性従業員の割合については、出向者を出向元の従業員として集計しております。

(注5) 男性の育児休職取得率については、出向者を出向元の従業員として集計しております

(注6) 男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差は無く、等級別人数構成の差によるものであります。また、出向者を出向元の従業員として集計しております。

(注7) 管理職に占める女性労働者の割合、男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

(注8) 男性の育児休業等取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ共通

① サステナビリティへの考え方

当社グループはグループミッション「Space for your Smile」を持続可能な社会に向けた活動を進めるための「サステナビリティ方針」としても掲げ、社会課題を解決するとともに、企業価値の向上を目的としてサステナビリティ経営を推進しております。すべてのSpaceが笑顔で満たされるためには、一人ひとりが関わる地球、社会、宇宙がよりよい世界であることが大切だと考え、SDGsやESGにも対応する9つの重要課題テーマについて事業活動を通じて取り組んでおります。その事業活動が当社だけでなく、気候変動・環境問題や人権尊重等、サプライチェーンやステークホルダーに与える影響に十分配慮して正しく行動するとともに、対話を通じて選ばれ続ける企業としての信頼を築くことにも努めております。

9つの重要課題テーマのもとには、2030年に目指すありたい姿と私たちのミッションと使命をより具体的に表現するマテリアリティをそれぞれ特定しており、事業推進による価値創造においてグループ共通の基軸となっております。

 

② サステナビリティへの取り組み

 

マテリアリティ の達成に向けては、年間の活動計画を策定し毎年PDCAのサイクルを回しております。

中間・期末にはグループ全体で実績レビューを行い、同業他社の事例や外部評価も参考にしながら第三者の視点を入れて見直すことにより、実効性の向上を図っております。年度末から年度始めにかけては通期での実績レビューを行い、次年度計画を策定しております。活動の詳細は④戦略並びに指標及び目標の項目をご参照ください。


 

 

サステナビリティに関する具体的な進捗や各種データ等については、毎年発行する統合報告書や当社ホームページにおいて開示しております。

・ 統合報告書

 https://www.skyperfectjsat.space/ir/library/jsat_report/(2024年9月末「統合報告書2024」(日本語版)発行予定)

・ スカパーJSATグループWEBサイト「サステナビリティサイト」https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/

 

③ ガバナンス及びリスク管理

<ガバナンス>

当社グループは、サステナビリティ委員会(2023年度実績:6回開催、委員長は経営管理担当取締役の松谷 浩一、委員は中核の事業会社であるスカパーJSAT㈱の各部門の執行役員含む複数名)を中心として、サステナビリティに関するガバナンス体制を構築しております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する全体方針及び目標の策定、各種施策の実施状況の把握及び評価、経営会議及び取締役会へ定期的に報告しております。サステナビリティ委員会からの報告を受け、取締役会による監督が適切に図られる体制をとっております。全体方針、及び目標策定等の重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会へ諮り、取締役による議論を経て承認を行っております。

なお、サステナビリティのリスク及び機会については、マテリアリティ実現に向けた戦略・実行計画の策定を担う経営企画部(注1)を中心に、各関係組織が連携してそれぞれの洗い出し、評価、施策を検討し実行しております。気候変動を含む環境に関するマテリアリティの実現については、2023年度は環境保全推進委員会(注2)が実行を担い、2024年度以降はサステナビリティ推進委員会が実行を担っております。これらの組織は、各部門組織、グループ会社とも連携しながら、サステナビリティに関するガバナンスに取り組んでおります。

 

(注1)2024年4月1日を効力発生日とする組織変更により、サステナビリティ推進部を経営企画部に統合いたしました。

(注2)2024年4月1日を効力発生日とする組織変更により、環境保全推進委員会を廃止いたしました。今後はサステナビリティ委員会において議題毎に必要な対応をしてまいります。

 

<サステナビリティに関するガバナンス体制>(2024年4月1日時点)


 

サステナビリティに係る会議体開催状況(2023年度)

・取締役会

日付

会議

主な協議事項・報告事項

2023/04/28

取締役会

マテリアリティ及び2030年目標・KPI見直し

2023/06/07

取締役会

2022年度活動報告及び2023年度活動計画の審議

2023/10/04

取締役会

人権方針/贈収賄・腐敗防止方針の制定及びグループ役職員行動規範の改訂に関する報告

2023/11/01

取締役会

Scope 1、2カーボンニュートラル目標の前倒し、サプライヤーサステナビリティガイドラインの制定に関する報告

2024/01/10

取締役会

サステナビリティ活動中間報告

 

 

サステナビリティ委員会

日付

会議

主な協議事項・報告事項

2023/05/19

第24回サステナビリティ委員会

2022年度マテリアリティ実績報告、2023年度マテリアリティ目標・KPI、TCFD対応状況報告

2023/07/07

第25回サステナビリティ委員会

社内浸透対応施策、有価証券報告書におけるサステナビリティ関連開示対応報告

2023/09/19

第26回サステナビリティ委員会

人権方針/贈収賄・腐敗防止方針の制定及びグループ役職員行動規範の改訂

2023/10/19

第27回サステナビリティ委員会

Scope 1、2カーボンニュートラル目標の前倒し、サプライヤーサステナビリティガイドラインの制定

2023/12/18

第28回サステナビリティ委員会

マテリアリティ中間報告、マテリアリティとSDGs169ターゲットとの紐付け見直し、人権方針等の社内研修アンケート結果の報告、外部評価報告

2024/03/01

第29回サステナビリティ委員会

2024年度マテリアリティ目標・KPIの検討、気候変動リスク対策計画の進捗状況及び対策見直し、外部評価報告、サプライヤーサステナビリティガイドラインの実施状況、価値創造ストーリー見直し

 

 

<リスク管理>

当社グループでは、リスクマネジメント委員会(年2回以上開催)で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでおります。その中には人権対応等も含まれております。詳細は、第2 事業の状況、3 事業等のリスクをご参照ください。気候変動に関するリスク管理については、(2)「気候変動への取り組みとTCFD提言に基づく情報開示」に記載しております。人的資本に関するリスクは(3) 「人的資本・多様性」③リスク管理をご参照ください。

 

④ 戦略並びに指標及び目標

<戦略>

当社グループのサステナビリティ経営は、経営方針・経営戦略に連動し、グループとして取り組むべきSDGsやESGにも対応する9つの重要課題テーマを基軸に、社会的課題を解決するとともに企業価値の向上を目指しております。重要課題テーマのもとには、2030年に目指すありたい姿及び実現に向けたアクションをより具体的に表現したマテリアリティを特定し、長期目標及び、年度ごとの短期目標・KPIを設定しております。

重要課題テーマとマテリアリティの特定プロセスでは、事業活動の現状把握と分析、SDGsの169ターゲットやISO26000といったグローバルな指針やガイドラインへの照会、取引先企業・団体へのヒアリングや、外部有識者とのダイアログ等を通じ、社内の全部門によるディスカッションを行っております。マテリアリティに対しては、当社グループの持続的な成長への寄与の観点と、ステークホルダーや社会からの要請を反映した視点の両評価軸で分析し、1年間のPDCAサイクルを通じて社内外の環境変化に応じて見直しを行っております。

重要課題テーマとマテリアリティの特定プロセスの詳細については、サステナビリティサイト「マテリアリティ」で開示しております。

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/materiality/

 

<指標及び目標>

2024年3月31日時点での9つの重要課題テーマとマテリアリティに関連する短期目標、2023年度実績の概要は下表のとおりです。長期目標・KPIを含む全文及び詳細はサステナビリティサイト「目標・KPI」をご参照ください。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/materiality/targets_kpis/

 

重要課題テーマ

レジリエントな放送・通信インフラの構築/情報格差の解消


短期目標

2023年度実績

・静止衛星フリートの利用帯域を前年度末より拡大する

・保有衛星以外も含めて衛星通信サービスの拡充を進める

・防災支援機関や企業等との耐災害パートナーシップを拡大する

・衛星フリート利用帯域:前年度比 112%

・事業提携先の主要衛星サービス(船舶向け)契約数はほぼ前年度並みを維持

・災害時等に重要な情報源となる光ファイバー経由の再送信サービスの累計契約件数を2024年(2023年度末)までに、273万件に拡大する

再送信サービスの累計契約件数 275万件

・放送及び配信サービスを安全且つ安定して提供できる環境を向上する

・放送を通じて災害情報をいち早く視聴者にしらせ、災害から人命を守る

・竣工15年大規模建物修繕を実行開始(24年度完了予定)

・㈱スカパー・エンターテイメントが日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策計画を策定し、防災対策を実行開始

重大なサービス断を毎年ゼロ件にする※ 重大なサービス断…電気通信事業法施行規則第58条に準じる

JSAT MOBILE Communications㈱が提供するサービスにおいて重大なサービス断が1件発生

 

 

重要課題テーマ

多様なコンテンツによる生活の豊かさの向上


短期目標・KPI

2023年度実績

・衛星放送だけでなく、配信サービスや双方向機能をより活用し、人々がコンテンツを楽しめる機会を増やす

・そのために配信サービスのコンテンツ数、放送及び配信サービスの契約者数、イベント開催数を増やす

・配信サービスのコンテンツ数:前年度比約2倍

・イベント開催数:ブンデスリーガジャパンツアー他3件

・人々がコンテンツを楽しめる機会を増やすためにSPOOX利便性向上に向け新アプリをリリース

・コンテンツ提供者にスタジオ機能、コンテンツの伝送、配信機能等を統合的に提供できる仕組みをつくる

・コンテンツデータベースサービスを2023年度内に開始する

・メディアソリューション事業の顧客数:前年度比増加

・コンテンツ伝送、コンテンツデータベースサービスを提供開始。コンテンツ提供者向けメディアソリューションサービス「メディアHUBクラウド」の利用拡大を推進

提供コンテンツのガイドラインに沿った適切な運用を実施し、時代の変化に合わせ随時改定を行う

・スカパーJSAT提供サービスのガイドライン(2021年度策定)に沿った運用を実施

・社員への啓蒙、理解促進のため考査勉強会を実施

 

 

 

重要課題テーマ

脱炭素社会と循環型経済の実現に向けた環境への寄与


短期目標

2023年度実績

・再生可能エネルギー使用比率を前年度よりも向上させる

・GHG排出量を前年度より70%削減する

・実質再生可能エネルギー使用比率:95.0%(2023年度末時点)※当社及び連結子会社(JSAT International Inc.除く)

・Scope1、2におけるGHG排出量:前年度比90.9%削減

※当社及び連結子会社の国内拠点

・TCFDに基づく情報開示

・日射量予測/太陽光発電出力予測システムサービスをユーザーに提供開始し、ユーザー企業による再生可能エネルギーの活用効率や運用効率を向上させる

・チャレナジーの風力発電機と衛星通信サービスを組み合わせた脱炭素防災通信ソリューションを拡大させる

・日射量予測/太陽光発電出力予測システムユーザー企業の太陽光発電所の出力の総計:前年度比:約8倍

・チャレナジー風力発電案件の件数:1件

・廃棄物排出量を集計し、実績を開示する

・リサイクル推進に向けて、廃棄物の内訳を調査する

・廃棄物総排出量:141.1t(内、産業廃棄物は56.0%、一般廃棄物は44.0%)

※当社及び国内連結子会社(㈱スカパー・カスタマーリレーションズの一部拠点を除く)、グループ全体の実績把握には至らず

サービス関連製品に関わるリサイクル活動を拡大する

・番組情報媒体である会報誌の発行を終了し、デジタルコミュニケーションツールへの切り替えたことにより紙資源を削減。

・文具等消耗品におけるグリーン購入を開始する

・事業系へのグリーン調達導入に向けて検討を開始する

・文具等消耗品のグリーン購入を開始※スカパーJSAT㈱、㈱スカパー・ブロードキャスティング

・事業系へのグリーン調達に向けては継続検討

 

 

重要課題テーマ

宇宙環境の改善


短期目標・KPI

2023年度実績

技術研究開発を推進する

宇宙ごみ除去サービスを行う衛星システムの開発・製造及び本格的な事業展開に向けて、㈱Orbital Lasersを設立(2024年1月)

 

 

 

重要課題テーマ

環境や社会に寄与するイノベーションの推進


短期目標・KPI

2023年度実績

・リモートセンシング活用事例を拡大する

・地球観測(EO)事業者、データ解析プラットフォーム事業者、データ利用事業者とのパートナーリングを拡大する

・斜面・インフラモニタリング

「LIANA」サービスの契約数が順調に伸長

・盛土モニタリング

自治体向けに衛星画像を利用した盛土モニタリング業務をパートナー企業とともに実施

・衛星SAR画像

QPS研究所と幅広く連携しながら、SAR画像の応用範囲を広げるために複数の画像解析アルゴリズムを開発・実証中

・事業開発関係先とのパートナーシップを推進する

・事業計画を策定し(見直し含む)、アクションプランを実行する

・3GPPへの参加等を通じて標準化活動を推進する

・パートナー企業とともにHAPS(高高度プラットフォーム)を用いた携帯端末での高速通信を実用化することを目指して研究開発を推進。

・GEO/NGSOを連携させた将来のマルチオービット戦略を視野にLEO事業者との業務提携契約を締結

メディア事業において顧客価値を高める新たなサービスを毎年投入し続ける

・スカパーポイントプログラムを導入開始

・スカパー+(プラス)ネットスティック サービスのドングル(端末)を開発中

 

 

重要課題テーマ

強靭な経営基盤の整備


短期目標・KPI

2023年度実績

・コーポレートガバナンス・コードを遵守する

・重大な違反件数をゼロにする(前年度より継続)

・コーポレートガバナンス・コードを遵守すべく取組み実施:内部統制システムに基づき安定かつ実効性のある体制維持、プライム市場が求める基準適合に向けガバナンス体制を整備(詳細は以下)

-取締役会実効性評価を毎年度実施中

-2023年度開催取締役会への取締役平均出席率は100%

-取締役会の取締役構成人員は9名(男性7名・女性2名)(社外5名、うち独立3名)

-指名報酬委員会の構成人員は取締役5名。社外過半数を維持(議長を含め社外4名)

・重大な違反件数0件

開示内容を充実させ、ステークホルダーごとの対話実績や対話内容を開示する(前年度より継続)

・機関投資家や金融機関を含むステークホルダーとの対話を積極的に実施、対話回数は前年度比約1.5倍

・サステナビリティサイトのリニューアルを実施し、情報充実などステークホルダーとのコミュニケーションツールの利便性向上を企図

・ポジティブ・インパクト・ファイナンスによる資金調達を実施

・ISMS・Pマーク認証を毎年維持する

・サイバーセキュリティを強化する

・ISMS・Pマーク認証を維持

・社内セキュリティ講習会や標的型攻撃メール訓練等の啓蒙活動の実施

・当社及び連結子会社サーバへの不正アクセスを確認し、不正アクセス経路の遮断と再発防止に向けた対策を実施。引き続きサイバーセキュリティ対策の強化を実施

人権対応について方針を策定する

・「スカパーJSATグループ人権方針」を制定(2023年10月)

・グループ内での教育、浸透に向けた社員研修を実施

 

 

重要課題テーマ

多様な人財の活躍


短期目標・KPI

2023年度実績

・キャリア自律促進のために手挙げ式研修プログラムを増やす、参加率を高める

・スキルギャップを明らかにするためにスキルマップ構築を進める

・キャリア自律促進を目的とした手挙げ式研修プログラムを実施

・教育研修資格補助制度の拡充(DXスキル底上げのためIT系資格など)

・スキルマップの作成(部署毎のタスクとスキルの可視化)

・内発的動機を高める施策や働きかけにより、社員の意識変容を進める

・働きやすい環境整備とコミュニケーション活性化により、多様な働き方への理解浸透を図る

・育児休業復職率100%を維持する

・男性育休取得率を前年比プラスにする

・育児休業復職率100%を維持

・男性育休取得率:60.0%(前年度より7.8ポイント増)

・人事関連データ詳細は以下リンクにて掲載(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/esg/social/

・多様性尊重を促す情報発信を実施

・エンゲージメント指標を前年より改善する

・法定検診受診率100%を目指す

・ストレスチェック受検率100%を目指す

・エンゲージメントサーベイを実施

 肯定的回答率2023年度67%(前年度66%)

 ※スカパーJSAT㈱

・法廷検診受診率:98.9% ※スカパーJSAT㈱

・ストレスチェック実施率:95.3%(前年度93.7%)

 ※スカパーJSAT㈱

・労働実態の把握と適正化に向けた取り組みを実行

・マネジメント・コーチング力強化の施策実施

 

 

重要課題テーマ

次世代教育・地域共生などの社会貢献


短期目標・KPI

2023年度実績

アセットを活用した社会貢献活動を継続及び企画し推進する

■東南アジア教育支援支援PJ

ブンデスリーガジャパンツアーの実施に合わせ、SNS等を通じて賛同を募り、スカパーJSATスクールへのサッカーゴールを寄贈。スカパーJSAT杯を開催

■次世代教育支援

・高校生を対象としたワークショップを開催。スカパーJSAT㈱の事業についてサステナビリティ視点で動画制作を行い、次世代教育へ貢献

・例年に続き「科学の甲子園」へ参加し、中高生へ当社グループ事業の紹介を通じて、科学への探求心や創造性の育成へ貢献

■Satellite Crayon Project

・「海のクレヨン」「山のクレヨン」を展開中

・児童向けイベント参加、ワークショップ等複数開催

・タイガー魔法瓶とのコラボボトルを発売

・地域活性化促進を目的に、福岡ソフトバンクホークスと連携した中学生の野球大会の生中継、女子硬式野球九州大会決勝の生中継を無料放送・配信

・コロナ禍で中止となった夏の甲子園大会を取り戻す交流試合「あの夏を取り戻せプロジェクト」を無料放送・配信

スカパー東京メディアセンターにおける災害時の地域貢献のため地方公共団体との連携を強化する

スカパー東京メディアセンターが在する江東区との災害協定締結について継続検討中(スカパー東京メディアセンターにおける災害時の近隣住民の避難受入は整備済)

 

 

重要課題テーマ「パートナーシップの促進」は、全てのマテリアリティに関わるため、個別の目標は設定しておりません。


 

2024年6月には重要課題テーマとマテリアリティに以下の改訂を行っております。

    TCFDにて開示したカーボンニュートラル達成目標(2025年度までにScope 1、 Scope 2、2050年までにScope 1~Scope 3全体)を反映

    表現・範囲の見直しを反映

 

2024年度の重要課題テーマ及びマテリアリティと「2030年にむけて」ありたい姿と長期目標、短期目標・KPIの一覧は、サステナビリティサイト「目標・KPI」をご参照ください。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/materiality/targets_kpis/

 

各部門組織/グループ会社が各々の業務や事業を通じて、マテリアリティに係る目標・KPIを指標及び目標として達成に取り組む中、2023年度はサステナビリティ委員会及びサステナビリティ推進部を中心に、「環境(気候変動を含む)」「人的資本」「人権」の3つの重点領域と5つのテーマに関してグループ共通の施策も実行いたしました。

 

2023年度重点領域

主要な実行施策(実施時期)

環境(気候変動を含む)

・「環境基本方針」「グリーン調達方針」策定(4月)

・TCFD提言に基づく気候変動対応の見直し(6月)

・Scope 3の一部データ集計・開示(9月)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/library/data_e/

・Scope 1、2カーボンニュートラル達成目標を2025年度へ5年前倒し宣言(10月)

・グループ実質再生可能エネルギー利用率95.0%達成(3月)

人的資本

・人財戦略の策定・見直し(4月・通年)

・人事制度の改訂(4月)※スカパーJSAT㈱

人権

・「人権方針」の策定と社員研修(10月)

 

 

2023年度活動テーマ

主要な実行施策(実施時期)

マテリアリティ/目標・KPIの達成に 向けた実行サイクルの着実な進行

・事業ビジョンや戦略の見直しを反映したマテリアリティの見直し(4月)

・「贈収賄・腐敗防止方針」の策定と社員研修(10月~11月)

・「サプライヤーサステナビリティガイドライン」策定と重要サプライヤーに対する調達アンケートの実施(11月~3月)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/esg/social/procurement_survey/

外部評価対応継続

・各種調査への対応、外部評価等のフィードバックを踏まえた改善(通年)

-CDP気候変動対応に関する調査「A-」

-FTSE Blossom Japan Sector Relative Index 初選定

-MSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数 初選定

対外発信強化

・「サステナビリティサイト」リニューアル(9月)

・ESGデータの開示項目拡充(通年)

-連結データの一部データ、コンプライアンスデータの開示開始

社内浸透

・社内報等のインターナルコミュニケーションの活用、勉強会・講演会開催

・グループ会社への展開と浸透へ向けた連携強化(通年)

-取締役と有識者とのダイアログ実施(6月)

 https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/materiality/

SDGs起点の新事業創出

社会課題解決意欲向上

・サステナビリティ視点での新事業創造ワークショップ開催(8月)

 

 

(2) 気候変動への取り組みとTCFD提言に基づく情報開示

① 気候変動への取り組み

当社グループは、「脱炭素社会と循環型経済の実現に向けた環境への寄与」を重要課題テーマの1つに掲げ、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでおります。2023年10月には、Scope 1、2におけるカーボンニュートラル達成目標を2030年から2025年度に5年前倒しを決定し、2023年度末に当社グループの使用電力に占める実質再生可能エネルギー比率は95.0%に到達いたしました(注1)。今後はグループ会社や海外拠点の実質再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを推進することに加え、国際的に認められた各種オフセット手法も活用し、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みをすすめてまいります。環境問題に取り組む国際的な非営利団体CDPからは、「気候変動対応に関する調査」において、2024年2月に「A-スコア」に認定されております。

さらに、気候変動への対応は、衛星通信・地球観測分野において大きなビジネス機会であると捉えております。人工衛星は太陽光発電を利用しており、衛星通信システムは、地上機器も含めた効率的な電力利用により地上回線に比べて約3分の1の消費電力で通信が可能になります(注2)。環境に配慮したサービスを提供することにより、当社グループのみならずお客様のCO2排出削減にも寄与してまいります。地球観測分野では、気候変動に関連する様々な地球データや地表画像を取得し、防災・減災に役立てることが可能です。将来的に人工衛星にエッジコンピューターを搭載する宇宙データセンターの事業も進めており、大量の消費電力を必要とする地上のデータセンターの課題に対し、宇宙の技術で貢献してまいります。

 

(注1)2023年度の使用実績をベースに算出

(注2)当社調べ

 

② TCFD提言に基づく情報開示

当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、TCFD提言に基づく当社グループの体制・取り組み等について積極的に開示することで、ステークホルダーの皆様との対話を進めております。TCFDの提言に従って気候変動が及ぼす事業への影響について、シナリオ分析に基づいたリスクと機会を評価し、その結果を経営施策に反映することにより戦略策定を進めております。

 

<ガバナンス>

当社グループは、気候関連のリスク及び機会について、サステナビリティ委員会の事務局である経営企画部を中心に、社内関連部署が連携してリスク及び機会の洗い出し、ならびに評価等の詳細な検討を行っており、その検討結果につきましては、サステナビリティ委員会に報告され、同委員会において議論しております。重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会へ諮り、取締役による議論を経て承認を行っております。同委員会で議論された内容は、定期的に取締役会にて問題提起・報告がなされ、取締役会による監督が適切に図られる体制を取っております。

また、特定したリスクについては、取締役会で取締役の中から任命されたリスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会へも報告され、議論しております。リスクマネジメント委員会は、気候関連リスクを含む、グループ全体のリスクを管理しております。なお、当社グループは気候変動のリスク及び機会の一部を重要課題テーマ及びマテリアリティとして定めており、その推進に当たっては、サステナビリティ委員会が実行しております。

 

<ガバナンス体制>(2024年4月1日時点)

 


 

<戦略>

当社グループは、気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5/2℃未満に抑制することを目指す動きに対して貢献していくことが重要であると考えております。1.5/2℃未満目標への対応力を強化すべく、気候関連のリスク・機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めるため、2021年度より当社グループを対象にTCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と気候関連リスク・機会の選定、財務インパクトの評価を実施しております。

 

<シナリオ分析>

シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の社会経済シナリオ「共通社会経済経路(SSP、Shared Socioeconomic Pathways)」やIEA(国際エネルギー機関)の「World Energy Outlook(WEO)2022」等、専門機関が描く1.5/2℃未満と4℃のシナリオを使用しております。シナリオは以下をご参照下さい。

・ IEA Stated Policies Scenario (STEPS)

・ IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario (NZE)

・ IPCC:AR6 SSP1-1.9, AR5 RCP2.6, SSP2 RCP4.5, SSP3 RCP8.5

 

■時間軸

当社グループでは、気候変動に関する戦略の策定にあたり時間軸を定めて検討しております。2030年以降を長期、1年未満を短期、その間を中期と設定し、時間軸を分けて分析を実施しております。

 

■対象事業・地域

分析対象事業は、全ての事業(宇宙事業・メディア事業)とし、対象地域はグローバルとしております。また、当社グループが保有する各拠点は、気候変動に伴い異常気象が増加した場合には、物理的リスクの顕在化による影響を受ける可能性があります。そのため、国内に保有する各拠点及び海外を含む事務所等、全13拠点の洪水リスクを算定いたしました。その結果、山口ネットワーク管制センターの周辺にて2030年時点で河川由来の洪水リスクが確認されました。一方で、山口ネットワーク管制センターは高台にあり、停電には非常用電源等の備えがあるため、重大な影響が発生する可能性は想定し難いと考えております。対応として事業継続計画(BCP)の強化を行っております。

 

■気候関連リスクに関する重要性評価

TCFDが提唱するシナリオ分析に基づき、気候関連リスクの特定をしたうえで、そのなかで重要度の高いリスク・機会によってもたらされる事業インパクトをシナリオごとに定量・定性評価を行っております。各リスク・機会の発現時期及びインパクトの多寡を勘案したうえで財務計画・事業戦略への影響を踏まえて優先的に取り組む項目について、当社グループの対応状況の把握、対応策の検討、具体的アクションを経営層とも議論し検討を行っております。

 

■移行計画

スカパーJSATグループは、2025年度までにScope 1、2のカーボンニュートラル達成を目標として掲げ、グループの使用電力を実質再生可能エネルギーに切り替え、省エネ施策の拡大を通じて確実に温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組んでまいります。またScope 3については、調達先に対してグリーン調達の浸透を中心にサプライヤーと協働してGHG削減を図ることで、2050年のScope 1~Scope 3全体のカーボンニュートラル達成に向けて取組んでまいります。なお、Scope 3の取り組みについては、今後多様化させていく必要があると認識しております。

さらに、当社グループの強みである衛星関連サービスを積極的に展開していくことで、社会全体の脱炭素化への寄与と事業の成長の双方の実現を目指しております。

 


 

■1.5 /2℃未満/4℃シナリオにおける気候関連リスク・機会

当社グループでは2022年以降、継続的にシナリオ分析を行うことで見直し、リスク・機会の分析の高度化を図っております。リスクについては事業や財務への影響は限定的であります。機会については当社グループ事業の財務インパクトの分析を行い、環境価値を定量化しております。抽出した各機会はチャンスとみなし、事業戦略(対外発信含む)に気候変動観点を取り入れていくことを検討しております。

1.5 /2℃未満/4℃シナリオにおける気候関連リスク・機会評価結果について、重要度中以上の移行リスクと機会は以下のとおりです。なお重要度については緊急度と影響度によるマトリクス評価で低・中・高に分類しております。

 

リスク

分類

内容

詳細

時間軸

重要度

対応策

移行

リスク

技術

製品・サービスの脱炭素化に伴う投資の増加

[宇宙]脱炭素素材を機器や設備、衛星やロケットに使用することにより、新規研究開発に要する追加費用が上乗せされることによる、調達コストの増加

中・長期

・複数調達先による安定調達と適正価格での調達
・製造メーカーや業界の市場動向及び技術動向のモニタリング
・調達における技術リスクを軽減するための長納期の確保や費用増を配慮した長期的な調達計画の策定

[メディア]脱炭素素材を放送関連機器や設備に使用することにより、新規研究開発に要する追加費用が上乗せされることによる、調達コストの増加(※本項目のみ重要度低)

[宇宙]衛星打ち上げ燃料が水素等非化石燃料への変更に伴うロケット調達費用の増加

市場・評判

気候変動対応に関する消費者/顧客行動(調達条件の変化等)・ステークホルダーからの懸念の増加

[共通]電力が再生可能エネルギーを使用していない場合に評判低下や顧客が再生可能エネルギーを使用している他の事業者に移るリスク

短・中期

・再生可能エネルギーの使用率の向上
・脱炭素に資する事業展開とそれらに関わる積極的な情報発信
・事業継続計画(BCP)の継続的な見直しと対応
・GHG排出削減の目標(ロードマップ)策定と戦略への統合
[メディア]・SDGsに関連する番組/イベントの提供(環境等の啓蒙番組の制作や編成)

[メディア]企業として気候変動への取り組み意識が低い場合、環境関連の情報やコンテンツ等への要請に応じた企業へ消費者が流出することに伴い、新規契約の減少・解約の増加

[共通]入札条件や企業の調達方針に含まれる環境配慮の条件に対して、対応が不可能なことによる収益の減少

[共通]BCP対応を含む気候変動への取り組み意識が低いことや設定した目標が達成されないことに起因するサービスや企業に対する評判低下や収益の減少

 

 

機会

分類

内容

詳細

時間軸

重要度/財務インパクト

機会

資源

効率

低炭素排出を可能にするリサイクルの活用

[宇宙]リサイクルされたロケットの活用による調達コストの削減

短・中期

市場

行政補助を通じた気候変動対応の促進

[共通]環境活動に対する行政補助の拡大による収益の増加

短期

積極的な気候変動対応による市場評価の向上

[共通]気候変動に積極的に取り組むことで、企業評価にプラスの影響を与え、投資家からの支持獲得を通じた資金調達機会の拡大

短期

製品

及び

サービス

気候変動の緩和に資する新サービスの拡大に伴う新たな収益源の獲得

[宇宙]Mission YAMATOによる宇宙太陽光発電サービスの拡大

中・長期

中/
~10億円

 

気候変動への適応に資する新サービスの拡大に伴う新たな収益源の獲得

[宇宙]河川の氾濫等における浸水域の把握、土砂災害のリスク評価・被害状況の把握等、自然災害における被害状況の予測、早期把握と対応の迅速化に資する観測サービスの拡大

短・中期

中/
~50億円

[宇宙]電力設備や港湾等の社会インフラの安定運用に資する観測サービスの拡大

[宇宙]災害に強い衛星通信の特長を活かした、自治体や電力・ガス等の重要ライフラインを担う企業向けの災害対策・BCP関連サービスの拡大

環境意識の高い顧客へのサービス提供の機会増加

[宇宙]排出量の少ない衛星やHAPS等により環境負荷の低いサービスを提供することで、環境意識の高い官庁や民間企業からの受託件数が増加

短・中・長期

中/
~50億円

[メディア]環境負荷の低いサービスを提供することで、環境意識の高い企業から、メディアソリューション事業の受託件数が増加

[宇宙]CO2を排出しない宇宙データセンターの運営による、サービス拡大に伴う収益の拡大

 

 

 

 

気候関連リスク・機会分析結果の一覧はサステナビリティサイト「TCFD提言に基づく情報開示」をご参照ください。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/esg/tcfd/

 

<リスク管理>

当社では、当社グループにおける気候関連リスク及び機会を洗い出し評価するために、サステナビリティ委員会の事務局である経営企画部を中心に、グループ内関連部署が連携してシナリオ分析等を行い、気候関連リスク及び機会を識別・評価しております。さらに、リスク及び機会におけるそれぞれの項目に対して対応策を検討しております。検討されたリスク及び機会の重要度評価につきましては、サステナビリティ委員会に報告され、議論しております。重要事項については、サステナビリティ委員会から取締役会へ諮り、取締役による議論を経て承認を行っております。

また、特定したリスクについては、取締役会で取締役の中から任命されたリスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会へも報告され、議論しております。リスクマネジメント委員会は気候関連リスクを含む、グループ全体のリスクを管理しております。

 

■リスク評価項目及び気候変動リスクの管理プロセス

当社グループは、気候変動をはじめ、業務における潜在的なリスク評価を実施しております。リスク評価の基準を定めるに当たっては、関連法令、国際基準、類似ビジネスにおける過去の事故事例等も参照し、ビジネスの業種・業態や事業を行っている国・地域に応じて、それぞれの評価項目における潜在リスクの重要度と影響度を判断しております。

気候変動リスクについては、事業におけるリスクとの時間軸や性質の違いを踏まえて、サステナビリティ委員会にて対応・改善策・管理・評価等を行っております。リスクマネジメント委員会では、サステナビリティ委員会で行っている気候変動対応プロセスを確認し、全社的なリスク管理の網羅性を担保しております。

 

<指標と目標>

 気候変動に関する指標と目標指標について、以下に示しております。

(a) 気候変動に関する指標と目標指標

 

指標

目標

GHG排出量(Scope 1,Scope 2)

2025年 カーボンニュートラル

当社及び連結子会社

再生可能エネルギー使用比率

2030年 100% 

当社及び国内連結子会社

 

 

(b)GHG排出量実績推移(単位:t-CO2)

 

主要な事業会社

 スカパーJSAT㈱

指標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope 1

8

10

13

13

Scope 2

11,415

10,218

5,535

315

合計

11,423

10,228

5,548

328

 

 

 

 

 

 

当社及び国内連結子会社

指標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

Scope 1

-

-

51

47

Scope 2

-

-

5,720

480

合計

-

-

5,771

527

 

 

(注1) GHG排出量は、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)及び、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づく報告書を提出するため、環境省が公表している係数を利用して算出し開示しております。令和6年度報告(2023年度実績の報告)から、温対法に基づく算定方法の見直しと法令等の改正(令和6年4月1日施行)が適用となりますが、新たな各係数での算出に向けて集計中のため、上記GHG排出量実績は従来の係数で算出しております。新係数によるGHG排出量実績は、後日サステナビリティサイト「環境データ」にて開示いたします。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/library/data_e/

(注2) GHG排出量のScope 3実績については、現在算出中のため後日サステナビリティサイト「環境データ」にて開示いたします。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/library/data_e/

 

(c)実質再生可能エネルギー使用比率(推移の表)

指標

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

実質再生可能エネルギー

使用比率

-

-

約30%

93%

95.0%

  当社及び国内連結子会社

 

 

(注) 各年度における3月31日時点での数値

 

(3) 人的資本・多様性

① 人的資本への考え方

当社グループは、社会と会社の持続的な成長を実現するために、人的資本が非常に重要であると考えます。そのため、当社グループでは人材を人財と称しております。経営戦略である「既存事業の収益性強化」「新領域事業の展開」を実現するために、「人的資本強化」は、「経営基盤拡充」とあわせて、企業価値向上に必要不可欠な基盤とし取り組みを強化してまいります。「多様な人財の活躍」を重要課題テーマの一つとしても掲げ、それに連なるマテリアリティとして「環境の変化に対応し、変革を推進しうる人財の確保・育成」、「多様な人財の活躍を促すDE&Iの実現」、「互いを尊重する安心安全な組織づくり」をそれぞれ定め、長期・短期計画及び施策を策定し、実行してまいります。

 

② 戦略

「人的資本強化」の実現に向けては、各事業の注力分野への積極的な人的資本投下や人と組織の活性化を図るため、「人財戦略」と人財が力を発揮するための「エンゲージメント強化」の2つを柱としております。

下図に、当社グループにおける経営戦略と、中核事業会社であるスカパーJSAT㈱における人的資本強化に紐づいた取り組み方針「人財戦略」と「エンゲージメント強化」を示します。なお、以降、特段の説明がない限りはスカパーJSAT㈱について記載いたします。

 



 

<人財戦略>

人財戦略では、環境の変化に対応し、変革・成長・改善の原動力となる人財を求める人財像とし、「社員一人ひとりの能力を引き出し、最大化して事業に貢献する」という人財育成方針のもと、求める人財を採用・育成すること、及び、注力分野への積極的な配置やハイパフォーマーの早期抜擢等により、個々のパフォーマンスの最大化、生産性向上を図ります。その一環として、2023年4月に人事制度を改訂いたしました。新人事制度では、当社グループの社員が持つタスク・スキルに応じた成長機会を創出し、タレントマネジメントや最適な人財配置に繋げていくことを目標とし、組織や等級を超えたアサインを可能とするジョブ型採用や、役割と等級を分離し、機動的な人財登用の促進を可能にしております。

 

 

採用・育成

2023年度活動内容

・採用ルートの拡充(新卒・キャリア)

・教育研修資格補助制度の拡充等、リスキリングを支援できる体制の確立

・異業種交流・選抜型研修による変革を推進するリーダーシップ醸成

・システミック・コーチングを用いた組織変革の実行

2024年度取組目標

・多様な成長機会の提供

 (e-learningプログラムや公募型プログラムの提供等)

・事業ビジョン実現のため部門特化型の能力開発プログラムの継続

・ITリテラシーの全体底上げ(DX、ビジネススキル)

・自律的キャリア形成を促進する研修・セミナー、キャリアディベロップメントの継続実施

・最適な組織運営を行うためのマネジメント向けプログラム実施

 (部長研修、コーチング等)

 

 

抜擢・配置

2023年度活動内容

・組織や等級を超えたアサインを可能とし、ハイパフォーマーの早期抜擢を実現できる

  人事制度の制定

・部署毎に必要なタスクとスキルの可視化(スキルマップ構築)

・アセスメントを用いたポテンシャル人財の輩出

・ポートフォリオ毎での必要人財の整理

2024年度取組目標

・人事制度の適切な運用(評価者向けトレーニングの実施等)

・スキルマップを用いたスキルチェックの実施とスキルデータの活用

・アセスメントを活用したマネジメント人財の育成と人財プールの形成

・人財ポートフォリオの策定

 

 

<エンゲージメント強化>

エンゲージメント強化では、人財戦略にて確保・育成した人財が最大限に力を発揮できるよう、「安心安全な組織づくり」を通じて、組織の活性化を目指しております。

エンゲージメント強化では、役職員一人ひとりが持つ力を最大限に発揮して、全員がイキイキと活躍している会社を目指しております。

当社グループは、安心安全な組織には、互いを尊重し、心理的安全性のある環境が必要であると考えます。「従業員の心身の健康を維持し、パフォーマンスを最大化して、生産性を高める」という健康経営方針を定め、それぞれのライフスタイルに合った多様な働き方の実現や従業員一人ひとりのメンタルヘルス・フィジカルヘルスの維持と向上に努めてまいります。また、多様な働き方の実現に向けた社内環境の整備や、女性・シニア世代の活躍の推進、キャリア採用の拡充等による多様性のある環境を実現し、国籍等の外面的な違いや価値観等の内面的な違いに関わらず、個々の社員の能力が公正に評価、処遇されている状態を目指してまいります。

 

安心安全な組織づくり

健康経営

・ 労働安全衛生管理体制の確立

・ 人事部・産業保健(産業医・保健師)による健康維持活動の推進

・ 労働状況の実態把握と改善

・ 全社員のストレスチェック実施(毎年)

・ 従業員一人ひとりの健康リテラシー向上施策の実施

環境整備

・ 多様性を活かすハイブリッドな働き方の実現

  (完全フレックス制度、テレワーク勤務制度、居住地制限の緩和等)

・ 感染予防や安全衛生を講じたオフィス環境の整備(座席事前予約システムの活用等)

多様性の確保

・ 女性活躍や次世代育成支援を推進していくための一般事業主行動計画(※1)の策定と施策

   実行。「えるぼし」「くるみん」認定の継続維持

・熊本農園導入による障がい者の雇用機会創出

・介護や育児、治療と仕事の両立を支援する社内制度の案内とセミナーの開催

・コア領域の強化に向けて即戦力を確保するためのキャリア採用の拡充

・シニア世代の活躍を促す等級体系・報酬体系の見直し

・社員のLGBTQ+理解促進のためのセミナー等の実施

組織文化

・ 1on1コミュニケーションを通じた信頼関係の構築

・ 360°フィードバックの実施

・ 組織診断(スマイルサーベイ)結果を元にした組織単位の改善活動の継続

 

 

(※1) 一般事業主行動計画(対象期間:2020年4月1日~2025年3月31日)

目標

 

・在宅勤務やテレワークの利用を現在の42%から80%に上げて、柔軟な働き方を定着させる

・産休、育休からの復職率100%を維持する

・女性のキャリア形成を支援する教育訓練を、計画期間内に3回以上実施する

取り組み内容

 

・在宅勤務やテレワークをしやすい環境と仕組みを整備し、提供する

・育休復職者に対してキャリアコンサルタントによるキャリア面談を実施する

・経営層、管理職を対象とした、ダイバーシティ、キャリア形成支援教育を実施する

 

 

③ リスク管理

人的資本に関するリスク管理は、第2 事業の状況、3 事業等のリスクに記述のリスクマネジメント委員会で取り組んでおります。主なリスクの概要及び対策は以下の通りです。

 

リスクの概要

概要

対策

1

労務管理の不備

時間外労働の法定超過、サービス残業等の発生、勤務状況の実態との乖離・把握困難、リモートワーク等における労務管理の不備等

・フルフレックス制度、テレワーク下における正しい働き方の啓蒙、勤怠研修の実施

・勤怠分析、勤怠管理、業務の平準化

・健康支援体制の強化

2

労働年齢構成の偏り

人員配置の困難

年齢構成の偏り等による適材適所への人員配置の困難化

 

・再雇用による労働力の継続確保

・中途採用による必要スキル・人財の補充、カムバック施策

・新人事制度運用による人財配置の適正化

・現存社員のスキルの可視化と必要人財の採用と内部育成

 

 

④ 指標及び目標

人的資本に関する指標及び目標は、当社グループのマテリアリティに対する目標・KPIとして設定しております。人的資本は、9つの重要課題テーマのうち「⑧多様な人財の活躍」に該当し、その中で、人財戦略において示した重要課題「事業環境の変化に対応し変革を推進しうる人財の確保・育成」、「多様な人財の活躍を促すDE&Iの実現」、及び「互いを尊重する安心安全な組織づくり」の3つをマテリアリティとして特定しております。

各マテリアリティには長期目標として、2030年にありたい姿を定めております。また、2030年達成を目指す長期のKPIとして「労働生産性(一人当たり利益)」の向上、「女性管理職比率」を社員男女構成比相当にすること、「エンゲージメント指標」の継続的な向上を実現することを設定しております。

 

重要課題
(マテリアリティ)

長期

2030年にありたい姿

KPI

環境の変化に対応し、変革を推進しうる人財の確保・育成

一人ひとりの能力アップのための環境が整備され、個々の能力の総和としての人的資本が拡大し、変革の推進、労働生産性の向上が実現している状態

労働生産性
(一人あたり利益)
※労働生産性を22年度よりも向上させる

多様な人財の活躍を促すDE&Iの実現

多様性のある環境を実現することで、活発にイノベーションを創出している状態

女性管理職比率
※女性管理職比率は、社員男女構成比相当を目標とする

互いを尊重する、安心安全な組織づくり

心理的安全性が高く、一人ひとりが力を発揮できる職場環境・制度が整っている状態

エンゲージメント指標
※継続的な向上を実現する

 

 

短期のKPIには 、「育児休業復職」の100%維持、「男性育休取得率」の前年比プラス、「エンゲージメント指数」の前年比改善、「法定健診受診率」の向上、「高ストレス者割合」の前年比改善を設定しております。

 

重要課題
(マテリアリティ)

短期

短期達成目標

KPI

環境の変化に対応し、変革を推進しうる人財の確保・育成

キャリア自律促進のために手挙げ式研修プログラムを増やす、参加数を増やす

スキルギャップを明らかにするためにスキルマップ構築を進める

-

多様な人財の活躍を促すDE&Iの実現

内発的動機を高める施策や働きかけにより、社員の意識変容を進める

働きやすい環境整備とコミュニケーション活性化により、多様な働き方への理解浸透を図る

育児休業復職率100%を維持する

男性育休取得率を前年比プラスにする

育児休業復職率

男性育休取得率

互いを尊重する、安心安全な組織づくり

エンゲージメント指標を前年より改善する

法定検診受診率100%を目指す

高ストレス者割合を前年より改善させる

エンゲージメント指標

法定検診受診率

高ストレス者割合

 

 

人的資本に関する長期・短期の達成目標とKPIは、長期目標達成に向けた視点とともに、女性活躍推進法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法、労働安全衛生法、障害者雇用促進法等の法律やコーレポート・ガバナンスコードも踏まえて設定し、公表しております。

 

長期・短期達成目標/KPI(注1)

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2020年3月末

2021年3月末

2022年3月末

2023年3月末

2024年3月末

労働生産性 (注2) 

-

-

-

51.1百万円

52.6百万円

男性育児休業取得率 (注3)

-

-

28.6%

52.2%

60.0%

育児休業復職率 (注4)

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

法定健診受診率 (注5)

-

-

98.9%

98.9%

98.9%

ストレスチェック受検率 (注6)

-

-

-

93.7%

95.3%

エンゲージメント指標(注7)

-

-

64.4%

66.4%

67.1%

 

(注1) 長期・短期達成目標/KPIの数値につきましては、スカパーJSAT㈱を集計しております。

(注2) 付加価値/従業員数(派遣社員を含む)

       付加価値は、経常利益、人件費、賃借料、減価償却費、金融費用、租税公課を合計して算出しております。

(注3) 該当年度内に育休開始した男性社員/該当年度内に配偶者出産した男性社員

(注4) 復職者数/年度中における育児休業終了者数

(注5) 当該年度末までに受診した社員/健診の対象者(役員、正社員、契約社員)

(注6) ストレスチェックを実施した社員/ストレスチェック対象者(正社員、契約社員)

 (注7)エンゲージメント調査各設問における肯定的回答割合

 

管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金4の差異については、第1企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異をご参照ください。

KPIは設定していないものの、実績を開示している指標もあり、詳細はWEBサイトのサステナビリティサイト「社会データ」をご参照ください。(2024年7月公開予定)

https://www.skyperfectjsat.space/sustainability/library/data_s/