リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から、当社として必ずしも主要なリスクとは考えていない事項も含まれております。
当社としては、これらのリスクを予め十分に把握した上で、発生の予防及び対処に万全を期す所存でありますが、投資判断につきましては本項記載以外のものも含めて慎重に検討していただきたいと思っております。また、これらのリスク項目は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意願います。
なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 法的規制等について
(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:法改正時、影響度:大)
当社は、事業活動を行う上で、障害者総合支援法等、様々な法規制の適用を受けておりますが、これらの法規制を遵守するため、法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等の情報を遅滞なく収集し、かつ、これらの法規制に抵触することのないように監督官庁と適宜連絡や確認を取りながら事業を進めております。しかしながら、何らかの事情により法規制に抵触する事態が生じた場合、事業活動への制約が生じ、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。特に当社事業は、障害者総合支援法に基づき国及び各都道府県・市町村から報酬を得るサービスであり、当該報酬制度は3年に1回改定が行われるため、想定を超える改定が行われた場合、報酬単価に影響し、当社の売上高、損益及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
なお、各事業所は、都道府県知事、政令指定都市市長又は中核市市長から設置の指定(6年ごとの更新)を受けるものであり、その中でも就労移行支援事業所、自立訓練(生活訓練)事業所の指定には人員、設備及び運営に関する基準が規定されており、これらの規定に従って営業する必要があります。当社の提供する「指定障害福祉サービス事業」に必要な指定は、以下のとおりです。
取得 |
所轄官庁 |
許認可名称 |
許認可内容 |
有効期限 |
主な許認可取消事由 |
当社 各事業所 |
都道府県等 |
指定障害福祉サービス |
障害者総合支援法の就労移行支援 |
6年ごとの更新 |
障害者総合支援法第50条(指定の取消し等) |
障害者総合支援法の就労定着支援 |
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障害者総合支援法の自立訓練(生活訓練) |
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障害者総合支援法の特定相談支援 |
障害者総合支援法第51条の29の2(指定の取消し等) |
指定は事業所単位で取得しており、法人全体として組織的な不正が認められるといった場合を除き、指定の取消し等についても事業所ごとに検討されます。現時点において、当社の運営する事業所に指定取消しや営業停止は発生しておりませんが、今後何らかの原因によりこれらの指定が取消しされた場合や営業停止となった場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
特に、就労移行支援事業所、自立訓練(生活訓練)事業所が指定を受ける際の利用定員については、「障害者総合支援法」に基づく省令(注)1にて、「事業者は、利用定員を超えてサービスの提供を行ってはならないが、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない」ことが定められております。
また、厚生労働省の通知(注)2にて、報酬の減算対象は、単日で定員の150%、3か月の平均が定員の125%をそれぞれ超過する場合と定められております。そして、各都道府県知事は減算の対象となる定員超過
利用については指導すること、また、指導に従わず、減算対象となる定員超過利用を継続する場合には、指定の取消しを検討することと定められており、その運用は各自治体に委ねられております。
さらに、厚生労働省の通知(注)3には、「原則として利用定員の超過は禁止だが、適正なサービスの提供が確保されること」を前提として、地域の社会資源の状況等から新規の利用者を受け入れる必要がある場合等やむを得ない事情が存する場合に限り、利用定員を超過することが可能である旨定められております。
当社では、法規制への抵触リスクを低減するために上記省令及び各種通知等に抵触することのないように各自治体と適宜連絡や確認を取りながら事業を進めておりますが、今後、各自治体の運用方針や通知事項が変更され、何らかの事情により当社が遵守できない事態が生じた場合、これまでどおりの運営が困難となり、影響を受けた当該事業所の売上の減少等により、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(注)1.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの
事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年9月29日厚生労働省令第171号)
2.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等
及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(平成18年10月31日 障発第1031001号)
3.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの
事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(平成18年12月6日 障発第1206001号)
② 競合について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が属する指定障害福祉サービス業界は、提供するサービス内容が人材の質に左右される傾向の強い業種であるため、当社の持つ採用力や人材育成のノウハウは短期間で構築することは難しいと考えております。当社では、中長期的な経営戦略(①幅広い受け入れ②「個別」と「支援」③ドミナント展開)を実行することで、競合に対する優位性を確保しながら事業を進めておりますが、本書提出日現在においては、サービス提供エリアにおける競争環境は激化する兆しもあり、更なる競合他社の事業の拡大や新規参入等によって他社に優位性を奪われた場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 特定サービスへの依存について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:法改正時、影響度:大)
当社の主力サービスは就労移行支援サービスであり、その売上高の構成比は2024年6月期で84.4%となっております。今後は新規事業である自立訓練(生活訓練)サービスの展開を進めていくことにより就労移行支援サービスに係る売上高の構成比率が低下していくように進めておりますが、当社の運営する就労移行支援事業所に指定取消しや営業停止が発生した場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 事業運営に関するリスク
① 個人情報保護について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社サービスの特性上、利用者及び保護者の氏名、住所、職業等の個人情報保護法に定められた個人情報を保持しております。当社では、これらの個人情報の保護を重大な経営課題と認識し、個人情報の適正な取得及び厳重な管理のために、2020年にプライバシーマークを取得した上で、社内システムにおいては、不正アクセス等を防止するためのセキュリティ対策・ネットワーク保護施策を行い、また従業員の人為的ミスによる個人情報漏洩を回避するために技術的対策を導入し、全従業員に対しては、各種規程の周知徹底、並びに社内教育を実施し、個人情報漏洩の防止に取り組んでおります。しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、何らかの原因によって個人情報が流出した場合、当社への社会的信用が失墜し、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 新規事業所の開設計画について
(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業所を賃借する形で運営しており、新規開設する事業所の賃借物件の確保については、取引先業者からも幅広く情報を入手するように努めておりますが、当社のニーズに合致する条件の物件が必ずしも確保されるとは限りません。また、仮に当社の計画に沿った物件を確保しても計画された利用者数を確保できない場合には、事業所の新規開設が計画どおり行われない可能性があります。当社では、新規開設する事業所の賃借物件及び利用者数確保の検討等、新規開設計画に則した運営に鋭意取り組んでまいりますが、上記の事情により、新規事業所の開設が計画どおり実行できない事態が発生した場合、事業成長のスピードが減速するなど、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業所の賃借物件について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業所を賃借する形で運営しており、定期建物賃貸借契約に基づく契約期間満了時に再契約できず事業所の運営が継続できない場合、事業所を運営休止せざるを得なくなる可能性があります。そのため、定期建物賃貸借契約の賃借物件については、再契約できない場合を想定し、事業所周辺の物件を恒常的にリストアップするようにしておりますが、契約期間満了までに契約更新ができず、当該事業所に代わる物件を近隣に確保できない場合、事業成長のスピードが減速するなど、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
④ 事業所における事故について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社では、事業所の運営に関し、利用者及びスタッフの安全確保を重大な経営課題として認識し、行政の指導内容に沿った厳格な運用により安全管理に努めております。しかしながら、事業所には机等の什器備品があり、それらに当たったり躓いたりすることで事故が発生する可能性や、事業所で食事提供を行う場合には、冷凍状態から温めてお弁当を提供しているため、食中毒や感染症等が発生する可能性があり、これらの事故が発生した場合、利用者の流出や指定取消しにより、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑤ 大規模な自然災害・感染症について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社では、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、当社の事業所運営地域は、神奈川県をはじめとした関東地区の割合が高く(本書提出日現在での全事業所数に対する関東地区の合計事業所数の割合は82.0%)、特に関東地区においての台風、地震、津波等の自然災害の発生や、また、新型コロナウイルス感染症等の感染症の流行が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、利用者の通所が困難となること、また政府の方針により事業所を閉所するなどにより、経営成績、財務状況に影響を与える可能性があります。当社としては、台風、地震、津波等の自然災害の発生については、策定しているBCPに則り、利用者及び従業員の安全を最優先に行いながらも事業継続する体制の整備を進めており、また新型コロナウイルス感染症等の感染症の流行に対しては、予め行政と密に連携して通所型訓練と遜色のない在宅型の個別訓練ができる環境を整備し、感染状況を踏まえつつ、即座に利用者の在宅型訓練への切り替え及び従業員の在宅勤務への切り替えを行うことで感染防止できるように取り組んでおります。ただし、事態が長期化し、事業所が開設できなくなった場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥ 情報システム障害発生について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は今後の事業拡大、業務の効率化を図るためシステム投資を積極的に行う方針であります。システムを活用するに当たっては、適正な情報システム運用環境を整え、また関連規程類の整備や利用者教育を推進することで業務効率化を推進しており、情報システム障害が発生した場合でも、迅速に各事業所の業務の通常化を図る対策と情報システムの冗長化を進める対策をしております。しかしながら、情報システムの利用が進むことで、万が一、大規模なシステム障害が発生し復旧に時間を要する等、何らかの理由でシステムの障害が発生し事業所の運営や本社業務が滞った場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑦ 訴訟等について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では発達障害や精神障害がある方を主たる対象としたサービスを提供しております。当社はサービスを提供する全従業員に対して教育研修を実施し、多様な状況に対応できるためのマニュアルの整備等により、事故の発生防止や緊急事態に対応できるように取り組んでおります。しかし、利用者の病状の悪化等による訴訟等で過失責任が問われるような事態が生じた場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑧ 風評等の影響について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業は、利用者やその家族に加え、就労先の企業や、行政、教育機関、医療機関等の関係機関、又は地域社会との連携により成り立っております。当社の従業員には、企業理念を浸透させ、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように従業員教育を徹底しております。しかしながら、従業員の不祥事等何らかの事象の発生や、当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
① 人材の確保及び育成について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が展開する事業は、発達障害や精神障害がある方を主たる対象としたサービスであり、新規拠点の開設に伴い、有資格者を含む専門的な知識や指導技術を持った人材の確保が急務となっております。このため当社では、経験者を対象とした通年での採用活動と並行して、適性を有する新卒学生や未経験者を採用し、研修部門による様々な研修や情報提供を行うことで一から人材を育成するなど、人材の拡充に取り組んでおります。
しかしながら、今後、人材の確保と育成が事業所開設のスピードに追いつかない場合や既存人員の流出等が生じた場合、事業成長のスピードが減速するなど、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 内部管理体制について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、企業価値を最大化すべく、事業拡大に遅れることなく従業員の育成、人員の増強を図ることで内部管理体制の一層の充実を図ると共に、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備・運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 特定経営者への依存について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は常勤の取締役3名がそれぞれの管掌領域において業務推進及び連携を図り、全社の事業推進をしております。代表取締役社長佐原敦矢は経営方針や事業戦略の決定など当社の企業活動全般の推進において、取締役岩元勝志は管理部門における業務推進及び社内体制の整備において、取締役長尾吉祐は指定障害福祉サービス事業全般の事業推進及び事業拡大において、重要な役割を果たしております。当社では事業の拡大に伴い各部門における中核従業員の採用や育成及び権限委譲を行い、常勤の取締役に依存しない体制構築を推進し、経営組織の強化に努めております。しかしながら、何らかの理由により常勤の取締役3名の業務遂行が困難となった場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(4) 財務状況に関するリスク
① 固定資産の減損について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、積極的な新規事業所開設の推進による新規拠点の内装工事や什器備品等の固定資産残高が増加しております。当社では、減損処理が発生しないよう、各拠点の収益管理を徹底し、採算性の悪い拠点に対しては業績回復に向けた対策を講じておりますが、事業所の業績動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
② 有利子負債について
(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は運転資金及び新規事業所開設の設備投資資金を金融機関からの借入金で調達しており、2024年6月末時点の有利子負債依存度は0.4%となっております。今後当社としては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことによりリスクの低減に努める方針ですが、現行の金利水準が変動した場合や計画どおりの資金調達ができなかった場合、当社の事業成長のスピードが減速するなど、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) その他のリスク
① 新株予約権行使による株式価値希薄化について
(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権(以下「ストックオプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとしてストックオプションを付与する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
なお、2024年6月末時点におけるストックオプションによる潜在株式数は158,000株であり、発行済株式総数3,618,150株の4.4%に相当します。
② 配当政策について
(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題と認識しており、健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるために内部留保のバランスを図りながら、各期の経営成績及び財政状態を勘案して、利益配当による株主に対する利益還元の実施を基本方針としております。当事業年度までは、将来の利益還元実現のための事業所拡大等の先行投資を進めることが経営上の最重要課題であったことから、配当を実施しておりませんでしたが、2024年8月14日付「配当政策の基本方針の変更及び定款一部変更に関するお知らせ」にありますとおり、今般、当社の経営環境及び今後の経営計画を踏まえ、引き続きの健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるための内部留保を確保しつつも、株主の皆様への利益還元が可能と判断し、配当政策の基本方針を変更いたしました。変更後の配当政策の基本方針は2025年6月期より適用いたしますが、変更後におきまして、外部環境等様々な要因により、想定どおりの配当を実施することができない等の状況が生じ、配当政策の基本方針に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資金使途について
(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
上場時の公募増資等により調達した資金の使途については、主に「指定障害福祉サービス事業」拡大のための新規事業所開設費、人材採用費、IT環境の整備強化費等に充当する予定です。しかしながら、当社が属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を投資した場合においても、想定した投資効果が得られない場合、当社の売上高、損益及び財務状況に影響を与える可能性もあります。なお、資金使途計画に重大な変更が発生した場合には、適時適切に開示してまいります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題として認識しております。配当政策につきましては、健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるための内部留保とのバランスを図りながら、各期の経営成績及び財政状態を勘案して、利益配当による株主に対する利益還元を実施することを基本方針としております。内部留保資金につきましては、経営体質の強化と事業拡大を目的とした中長期的な事業原資として利用していく予定であります。
また、当事業年度の配当につきましては、今後の事業拡大に備えて内部留保の充実を図る観点から配当を実施しておりません。
なお、2024年8月14日付「配当政策の基本方針の変更及び定款一部変更に関するお知らせ」にありますとおり、当社は、今般、当社の経営環境及び今後の経営計画を踏まえ、引き続きの健全な財務体質の維持及び将来の事業拡大に備えるための内部留保を確保しつつも、株主の皆様への利益還元が可能と判断し、配当政策の基本方針を変更することとなりました。今後の配当政策の基本方針につきましては、下記の通りとなります。変更後の配当政策の基本方針は2025年6月期より適用いたします。
(変更後の配当政策の基本方針)
当社は、企業価値を継続的に拡大し、株主に対する利益還元を行うことを重要な経営課題として認識しております。今後の配当政策につきましては、引き続きの健全な財務体質の維持及び事業拡大のための内部留保を確保しつつ、配当性向30%を目安に、事業の成長に沿った継続的かつ安定的な配当を実施する方針であります。
剰余金の配当にあたっては、2024年9月19日開催の第13回定時株主総会決議により、資本政策及び配当政策を機
動的に遂行できることを目的として剰余金の配当等の決定機関を取締役会とする定款の一部変更を行いました。それにしたがい、2025年6月期より、取締役会を決定機関として各期の決定を行ってまいります。期末配当の基準日は毎年6月30日、中間配当の基準日は毎年12月31日となっております。