事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 5,751 | 100.0 | 704 | 100.0 | 12.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、創業以来、「指定障害福祉サービス事業」を行っており、主たるサービスである「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」のほか、「自立訓練(生活訓練)サービス」を提供しております。
主たるサービスである「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」のこれまでの実績といたしましては、2012年4月に神奈川県川崎市川崎区に就労移行支援事業所「Cocorport川崎Office」を開設したのを皮切りに、首都圏(1都3県)を中心に拠点を拡大し、2024年6月30日現在で、就労移行支援事業所を首都圏(1都3県)59か所、愛知県5か所、大阪府5か所、兵庫県2か所、福岡県2か所、群馬県1か所の計74か所(就労定着支援事業所は就労移行支援事業所内にて運営しており、2024年6月30日現在で61か所)まで拡大しております。就職者数は累計4,100名以上を輩出し、就労定着率は90.0%(注)1となっております。また、指定計画相談支援事業所は首都圏(1都3県)4か所(就労移行支援・自立訓練(生活訓練)事業所内にて運営)、福岡県1か所(自立訓練(生活訓練)事業所内にて運営)の計5か所となっております。また「自立訓練(生活訓練)サービス」のこれまでの実績といたしましては、2020年4月に神奈川県川崎市幸区に自立訓練(生活訓練)事業所「Cocorport College川崎キャンパス」、神奈川県横浜市西区に自立訓練(生活訓練)事業所「Cocorport College横浜キャンパス」を開設したのを皮切りに、2024年6月30日現在で、自立訓練(生活訓練)事業所を首都圏(1都3県)28か所・大阪府2か所の計30か所を運営しております。更に2024年4月に千葉県船橋市にリワーク専門の自立訓練(生活訓練)事業所「Cocorport Rework 船橋」を開設しております。
(注)1.2022年10月2日~2023年10月1日に、当社の就労移行支援サービスを利用して就職した方の中で、6か月以上継続して就労した方の割合
今後も、当社の理念である「私たちは一人ひとりの可能性を信じ、自分らしさと笑顔あふれる社会を共創します。」を実現するため、一人ひとりに適した支援を徹底的に提供するという『「個別」と「支援」』にこだわりながら、「就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス」で培ったノウハウを生かし、2020年4月から提供している「自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)」や2024年4月から新たに提供している「自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport Rework)」の拡大を行っていきます。
当社は、「指定障害福祉サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、主なサービスについてその特徴を記載します。
(就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス)
「就労移行支援サービス」とは、障害者総合支援法に定められた「指定障害福祉サービス」の一つであり、障害のある方が就労に向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるサポートを行うサービスであります。
(特徴)
①幅広い受け入れ
非就労フェーズ(通所が週2日程度で職業準備性(注)2が低い)の障害者も含めた幅広い受け入れを行っております。
(注)2.下記ピラミッド図で表現され、職種や障害を問わず、働く上で必要とされるものを身につけ、準備すること
・週2日程度の通所からでも支援
週4日以上の通所から受け入れる就労移行支援事業所が一般的ですが、個別支援を通じて少ない通所数からでも就職に導くノウハウが蓄積されており、本人の就労に向けての意志と行政の受給者証が発行されれば区別なく受け入れております。
②集団ではなく『個別』
一人ひとりの障害種別、性別、年齢、状態、個性に応じた支援を行っているため、『個別』で支援をするべきと認識しております。そのため以下のような特徴があります。
イ.プログラム数は555種類以上
一人ひとりに合った多種多様なプログラムを用意しております。
ロ.プログラムによる支援と個別支援を同時に実施
一般的な就労支援事業所では、プログラムが実施されているときは全員プログラムに参加するのが一般的です。ココルポートではそのような運用は行わず、一律ではなく、利用者の意志と状況により柔軟に支援方法(プログラムによる支援やプログラムに参加しない方には個々人の状況に合ったトレーニングに対する支援)を変えております。
③指導ではなく『支援』
利用者が将来自立して生活していけるように自己決定を尊重しております。例えば、プログラムに参加するかしないかは利用者に自己決定していただいております。また、利用者から「どうしたらいいか教えてください」という質問に対しても、「~をしてください」ではなく、「AとBとCという方法がありますが、どうされますか」というように指導ではなく、相手に決定していただく『支援』を実施しております。
つまり、自立を最終目的とした考えに基づき、 指導ではなく『支援』を徹底しております。
④その他
・きめ細かな初期定着支援
本格的な定着支援が始まる入社後6か月までの間が職場定着に最も重要な期間と考えております。入社後1か月間はほぼ毎週の面談を実施、その後徐々に面談回数を減らしていき、入社後6か月以降は就労定着支援サービスに引き継いでおります。
「就労定着支援サービス」とは、2018年4月に新たに創設された障害者総合支援法に基づく「指定障害福祉サービス」の一つであり、一般就労をしている障害のある方が長く職場に定着できるよう、障害のある方との相談を通じて生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との連絡調整やそれに伴う課題解決に向けて必要となる支援を行うサービスであります。障害のある方が就職した後も、笑顔で長く働き続けられるよう、「就業面」はもちろん、「生活面」や「体調面」も含めて、土台からしっかりサポートするところが特徴で、そのために月1回以上の面談を行っております。
「指定計画相談支援サービス」とは、障害のある方が自分らしく生活していくために福祉サービス利用についての相談と目標に合わせた計画を作成するサービスであります。
(自立訓練(生活訓練)サービス)
「自立訓練(生活訓練)サービス」とは、障害者総合支援法に定められた「指定障害福祉サービス」の一つであり、障害のある方が自立した日常生活や社会生活がおくれるよう、生活能力の維持・向上のための訓練や助言などのサポートを行うサービスであります。
(Cocorport Collegeの特徴)
社会課題である「引きこもり」の解消を意図し、2020年4月より自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport College)を開始し、自立訓練(生活訓練)事業所(以下「Cocorport College」という。)を開設いたしました。障害特性が要因で社会に馴染めない非就労フェーズの方々を支援することにより、就労移行支援サービスにつながり、また、就労移行支援サービスの提供を通じて、「引きこもり」であった方々が就職し、社会的自立ができるようになります。
イ.Cocorport Collegeという名称
本人や家族の方々にとって受け入れやすい名称にしております。
ロ.社会性を身に着けていただくことにフォーカス
いわゆる学習指導する学校ではなく、社会性を身に着けていただけるように、自己決定を尊重し、小さな意思決定を積み重ねられるような支援をしております。
ハ.豊富なプログラム
様々な障害のある方々を支援できるように、現在450種類以上のプログラム(注)を用意しております。
(注)プログラムは以下5つのカテゴリーで構成
ニ.多様な進路
当社のノウハウを生かし、一般就労、就労移行支援、就労継続支援A型(注)1、就労継続支援B型(注)2、など様々な進路に向けて支援をしております。
(注)1.就労継続支援A型は、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービス
2.就労継続支援B型は、年齢や体力などの面で雇用契約を結んで働くことが困難な方が、軽作業などの就労訓練を行うことができる福祉サービス
ホ.就労移行支援サービスとのシナジー効果
卒業後は、就労移行支援事業所に通所される方々が多くなる予定です。結果として、当社就労移行支援サービスとのシナジー効果が期待できます。
(Cocorport Reworkの特徴)
精神的な不調により休職した方の復職支援ニーズに応えるため、2024年4月よりリワーク専門の自立訓練(生活訓練)サービス(Cocorport Rework)を開始し、休職されている方々への復職支援も開始いたしました。ココルポートのリワーク支援では、「Re:Myself」自分と自信を取り戻すプロセスを支援します。
イ.Will Can Mustの3つの円
「働く」ための支援として「Will Can Must」の視点を大切にしています。
ロ.3つの円のバランスを取り戻す
リワークを 「 Will Can Must 」の視点で捉えると、就労中は3つの円がバランスよく保てており、「働く」に適した状態です。一方、休職時には円のバランスが崩れてしまい、仕事の継続が困難な状態になっています。ココルポートのリワーク支援では、3つの円を元の形へ戻す、あるいは新しい円を見つけていくことで、「働く」ための自信を取り戻します。
ハ.復職に向けた4つのステップ
復職までのプロセスを4つのステップに分け、555種類以上のプログラムからリワークに適したプログラムを厳選して用意しています。
当社サービスの全体的な流れは以下のとおりであります。
流れ |
内容及び特徴 |
集客 |
・行政、各種支援機関、医療機関、各種学校からの紹介・問い合わせ ・ホームページ、WEB広告、求人広告などからの問い合わせ |
自立訓練(生活訓練) ※Cocorport College |
・開所時間は10時~15時(昼食時間は12時~13時) ・利用者個々のニーズに沿ったきめ細やかな個別支援 ・生活・コミュニケーション・研究・イベント・仕事の5つのカテゴリーから450種類以上の豊富なプログラムを開発・実施 ・一般企業、特例子会社(注)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型 など様々な進路先 ・行政、各種支援機関、医療機関、各種学校との連携を密に実施 |
就労移行支援 |
・開所時間は10時~15時(昼食時間は12時~13時) ・利用者個々のニーズに沿ったきめ細かな個別支援 ・555種類以上のプログラムを開発・実施 ・行政、各種支援機関、医療機関との連携を密に実施 |
就職 |
・ハローワークへの同行など寄り添うかたちでの就職先選び、アドバイス ・就職先企業開拓(障害者職業斡旋会社と提携・連携) ・応募書類のアドバイス ・模擬面接を通した面接対策 |
就労定着支援 |
・企業訪問や来所による利用者との定着面談、アドバイス ・企業への定着支援・アドバイス |
指定計画相談支援 |
・指定計画相談支援サービスは自立訓練(生活訓練)※Cocorport Collegeから就労定着支援までの期間において随時実施 |
自立訓練(生活訓練) ※Cocorport Rework |
・開所時間は10時~15時(昼食時間は12時~13時) ・利用者個々のニーズに沿ったきめ細やかな個別支援 ・ココルポートにある555種類以上のプログラムからリワークに適したプログラムを厳選して実施 ・行政、各種支援機関、医療機関、企業との連携を密に実施 |
(注) 特例子会社とは、障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社
当社の「指定障害福祉サービス事業」は障害のある方がサービスを利用して、行政及び利用者から報酬を受領するビジネスモデルとなっております。以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、経済活動の正常化に伴い個人消費に回復の動きがみられています。一方で、長期化するウクライナ情勢や円安にともなう物価上昇が継続しており、当面不透明な状況が続くものと見込まれております。
当社を取り巻く障害福祉サービス業界においては、障害者数は増加傾向にあり1,160.2万人となっております(内閣府「令和6年度版障害者白書」)。また、障害者の法定雇用率(民間企業に義務付けられている障害者の雇用率)は段階的に引上げられ、2024年4月には2.5%となりました(1976年時点の法定雇用率は1.5%)。2018年には精神障害者が障害者雇用義務の対象に加わりました。厚生労働省「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数「64万2,178人」、実雇用率(民間企業に実際に雇用されている障害者の雇用率)「2.33%」はともに過去最高を更新しております。一方で、法定雇用率達成企業の割合は50.1%となっていることや、法定雇用率自体も2026年7月に2.7%に引上げられる(厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」)ことから、今後も障害者雇用の拡大は見込まれ、それを支援する障害福祉サービスの拡大余地も引き続き大きいと考えられます。
このような環境の下、当事業年度においても社会課題解決に応えるべく拠点数増加を推進し、前事業年度末の93拠点(就労移行支援事業所69拠点、自立訓練(生活訓練)事業所(Cocorport College)23拠点、指定計画相談支援事業所1拠点)から12拠点増加し合計105拠点へと拡大し(就労移行支援事業所74拠点、自立訓練(生活訓練)事業所(Cocorport College、Cocorport Rework)31拠点)、サービスの拡大を図ってまいりました。
これらの結果、当事業年度における経営成績は、売上高5,750,811千円(前期比13.1%増)、営業利益704,041千円(前期比15.0%増)、経常利益718,720千円(前期比20.5%増)、当期純利益525,584千円(前期比16.0%増)となりました。
また、当社は指定障害福祉サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は2,459,975千円となり、前事業年度末に比べ555,119千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が436,704千円、売掛金が123,237千円増加したこと等によるものであります。固定資産合計は708,993千円となり、前事業年度末に比べ105,350千円増加いたしました。これは主に新規拠点増加に伴い有形固定資産が62,676千円、敷金及び保証金が32,768千円増加したこと、並びに繰延税金資産が12,044千円増加したこと等によるものであります。
この結果、資産合計は、3,168,968千円となり、前事業年度末に比べ660,470千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は654,193千円となり、前事業年度末に比べ75,021千円増加いたしました。
これは主に1年内返済予定の長期借入金が26,296千円減少した一方で、未払費用が59,809千円、預り金が21,894千円、役員賞与引当金が12,060千円増加したこと等によるものであります。
固定負債合計は165,075千円となり、前事業年度末に比べ45,991千円増加いたしました。これは主に長期借入金が8,738千円及びリース債務が3,083千円減少した一方で、賃借不動産の退去に備えた資産除去債務が57,779千円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、819,268千円となり、前事業年度末に比べ121,012千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,349,700千円となり、前事業年度末に比べ539,457千円増加いたしました。
これは主に新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ6,936千円増加したこと、及び当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が525,584千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度末の自己資本比率は74.1%(前事業年度末は72.2%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末と比べて436,704千円増加し、1,271,469千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は562,618千円(前事業年度は421,415千円の獲得)となりました。
これは主に売上債権の増加による123,237千円及び法人税等の支払額204,746千円等の支出があった一方で、税引前当期純利益718,720千円、減価償却費59,739千円をそれぞれ計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は101,383千円(前事業年度は139,161千円の使用)となりました。これは主に新規拠点開設に伴う有形固定資産の取得による支出67,213千円並びに敷金及び保証金の差入による支出31,328千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は24,530千円(前事業年度は505,325千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使に伴い、株式の発行による収入13,439千円があった一方で、長期借入金の返済による支出35,034千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
就労移行支援・就労定着支援・指定計画相談支援サービス |
4,850,909 |
113.0 |
自立訓練(生活訓練)サービス |
898,543 |
113.8 |
その他 |
1,358 |
― |
合計 |
5,750,811 |
113.1 |
(注)1.当社は「指定障害福祉サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
神奈川県国民健康保険団体連合会 |
1,646,011 |
32.4 |
1,784,897 |
31.0 |
埼玉県国民健康保険団体連合会 |
1,130,206 |
22.2 |
1,265,601 |
22.0 |
東京都国民健康保険団体連合会 |
977,814 |
19.2 |
1,122,307 |
19.5 |
千葉県国民健康保険団体連合会 |
869,445 |
17.1 |
909,409 |
15.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損処理
財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.資産除去債務
財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、資産除去債務については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価、売上総利益)
サービス拡大を目的に、当事業年度は就労移行支援事業所を前事業年度と比べて5事業所増加(前事業年度69事業所から74事業所)し、自立訓練(生活訓練)事業所の事業所数を8事業所増加(前事業年度23事業所から31事業所)いたしました。事業所数の増加に伴い、前事業年度と比べて通所数は35,142通所増加となり、447,029通所となりました(前事業年度比8.5%増)。売上高については、前事業年度と比べて667,007千円増加し、5,750,811千円(同13.1%増)となりました。売上原価については、従業員数増加に伴う労務費が328,194千円増加、事業所数増加に伴う地代家賃が85,654千円増加、利用者増加に伴う利用者研修費が36,982千円増加したこと等により、前事業年度と比べて499,539千円増加し、4,072,716千円(同14.0%増)となりました。その結果、売上総利益は、前事業年度と比べて167,468千円増加し、1,678,095千円(同11.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費については、広告宣伝費が30,216千円増加したこと等により、前事業年度と比べて75,776千円増加し、974,054千円(同8.4%増)となりました。その結果、営業利益は704,041千円(同15.0%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、助成金収入が8,858千円増加したこと等により、前事業年度と比べて9,948千円増加し、16,475千円(同152.4%増)となりました。営業外費用は、株式交付費11,864千円並びに上場関連費用7,964千円の減少等により、前事業年度と比べて20,717千円減少し、1,795千円(同92.0%減)となりました。
その結果、経常利益は718,720千円(同20.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、当期純利益)
特別利益及び特別損失は発生せず、また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は、前事業年度と比べて49,676千円増加し、193,135千円(同34.6%増)となりました。
これらの結果、当期純利益は525,584千円(同16.0%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、障害福祉サービスの提供及び事業所の運営に係る人件費及び外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。投資を目的とした資金需要は、新規事業所開設に伴う設備投資が主なものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は13,487千円となっております。
また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,271,469千円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)」に記載のとおり、売上高及び経常利益を重要な経営指標と位置付けております。そして、重要な経営指標である売上高と経常利益の向上のため、事業所数、利用者数(通所数)、就職者数、定着者数(定着率)等を重要指標として、各経営課題に取り組んでおります。なお、定着者数の目標は2年以上経過している各Officeは年間10名以上(就職者数は最低限年間10名以上)が目標となります。
第13期については、事業所数は前事業年度と比べて、就労移行支援事業所は5事業所増加(前事業年度末69事業所から74事業所)、自立訓練(生活訓練)事業所は8事業所増加(前事業年度末23事業所から31事業所)となりました。事業所数の増加に伴い、前事業年度と比べて通所数は35,142通所増加(前事業年度比8.5%増)となりました。これらの結果、売上高は667,007千円増加(同13.1%増)、経常利益は122,358千円増加(同20.5%増)となりました。
a.重視する経営指標の推移
|
前事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
当事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
売上高(千円) |
5,083,804 |
5,750,811 |
経常利益(千円) |
596,362 |
718,720 |
b.売上高を構成する主要な経営指標