リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ここに記載した各リスクの発生可能性、発生時期、影響度は、当連結会計年度末現在における当社経営陣の分析に基づくものであり、また、発生可能性又は影響度が「低」又は「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又は当社の事業等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではなく、発生時期の記載と異なる時期に当該リスクが発生する可能性を否定するものではありません。なお、発生時期における「特定時期なし」は、短期から長期のいずれにおいても発生しうるリスクであり、現に一部顕在化しているリスクを含みます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業活動に関するリスク
① 費用の増加について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業においては、人件費が営業費用の相当部分を占めているところ、日本における労働人口の減少や人財不足により人件費がさらに増加し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業運営においては、廃棄物の収集運搬や廃棄物処理施設の運営等にあたって、燃料、電力、薬剤に加え、設備の保守管理に用いる部材等の消耗品を多く使用していることから、それらの価格変動の影響を大きく受けます。特に、燃料価格については、地政学的な要因、為替変動、石油輸出国機構(OPEC)を含む主要な石油供給者の生産計画、需要状況の変化、原油産出国の政情不安、豪雨等の天候不順等により、大きく変動する可能性があります。近時、ロシアによるウクライナ侵攻や日米金利差拡大を受けた円安の進行により、当社グループにおける燃料費は、上昇する傾向にあります。
これら費用の増加について、当社グループが顧客から受領する廃棄物の処理受託価格に適時に転嫁できない場合や、他の費用の削減ができない場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 労働災害について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、廃棄物の収集運搬や廃棄物処理施設の設置・運営を行っているため、事業運営の過程において事故、又は設備の欠陥もしくは誤作動等による死亡事故を含む労働災害が発生する可能性があります。当社グループは、車両及び機械設備の保守管理や防護具の使用等の対策に加え、事業本部において労働災害を一元管理し、各事業所で毎月実施する安全衛生委員会やグループ全体で実施する安全衛生大会において、起こりうる事故や発生した事故の情報共有と対策の立案・周知徹底を行っておりますが、このような施策が功を奏する保証はありません。
これらの労働災害の発生により、保険により填補される金額を超える損害賠償責任の発生、施設等の操業の停止もしくは中止、又は当社グループの社会的信用の低下が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 危険を伴う廃棄物の取扱いについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、可燃性廃棄物や特別管理廃棄物等の危険を伴う廃棄物を取り扱っているため、事業運営の中で火災その他の事故の発生により、人的被害が生じる可能性や、機械設備等が大きく損傷することにより長期にわたり事業活動に支障が生じる可能性があります。また、当社グループによるこれら危険を伴う廃棄物の取扱いが不適切であった場合には、法令違反として、業務改善命令、業務停止命令、許認可の取消し又は罰金等の制裁を受ける可能性もあります。そのような場合、当社グループの社会的信用が低下し、施設の周辺地域からの信頼を失い、許認可の新規取得や既存の許認可の維持に悪影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループでは、消火設備等のハード対策や従業員に対する安全教育等のソフト対策を実施しており、AIによる火花探知システムの事業所への導入を順次進める等の対策を講じることで、火災発生の未然防止に努めておりますが、かかる対策だけでは功を奏しない可能性があります。
④ 顧客との取引について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループの売上は、製造メーカー、ゼネコン、医療機関及び自治体等の主要顧客との間の継続的な取引によるものが大半を占めております。かかる顧客との取引に係る契約の更新に際しては、顧客との間で価格交渉が行われますが、競合他社との価格競争の結果によっては、既存顧客との取引を失う可能性や更新前の価格よりも低い価格で受注することになる可能性があります。また、契約条項の違反が生じた場合には、契約期間内であっても取引が解消される可能性もあります。
これらにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 競合他社との競争について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの属する廃棄物処理業界においては、全国的に大きなシェアを持つ大企業は存在せず、各地域に多くの中小企業が分散し、競合しております。当社グループは、関西、中部及び関東エリアを中心に事業を展開し、多角的な事業展開により、多くの事業者及び自治体等と継続的に取引を行っており、今後も地理的にも事業領域を拡大することを企図しておりますが、自治体や地域と強固な関係を構築している既存の事業者が存在する場合には、そのような地域への進出が困難となる可能性があります。
また、海外事業者や他産業からの新規参入に加えて、既存の競合他社による企業買収・提携等を活用した地理的な事業領域の拡大や、提供するサービスの多角化を含む業界再編に伴う競争環境の変化により、当社グループより価格競争力の高い競合他社が出現した場合には、価格競争が激化し、当社グループによる新規顧客の獲得や、契約更新を控えた自治体を含む既存顧客の維持ができなくなる可能性があります。また、上記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)環境関連事業」のとおり、産業廃棄物及び一般廃棄物の収集運搬、中間処理・再資源化及び最終処分に至るまでワンストップでサービスを提供することができるというのが当社グループの強みと考えておりますが、競合他社が企業買収・提携等を活用して、同様のワンストップサービスを実現するような場合には、当社グループの競争上の優位性が失われる可能性があります。
このように当社グループが競合他社との競争上優位に立つことができない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人財の確保・育成について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業においては、多様かつ優秀な人財の確保と育成が不可欠です。日本における少子高齢化及びそれに伴う労働人口の減少や人財不足等によって、優秀な人財の確保・育成ができない場合や予期しない規模の人財流出が起こった場合には、社内の重要なノウハウやリソースが失われ、また、当社グループの社会的信用が損なわれることにより、当社グループの競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループは、事業の見える化を推進し、業界と当社グループの認知度・ブランド価値を高めるとともに、ダイバーシティ経営を推進することで、優秀な人財が集まる会社を目指しております。また、「次世代リーダー層の育成」、「成長意欲のある社員への投資」、「多様性を活かす取組み」を柱とする人財育成を推進しておりますが、かかる施策は功を奏さない場合があります。
⑦ 廃棄物の排出量の減少について(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:大)
当社グループの事業は関西、中部及び関東エリアを中心とした日本国内でのみ行われており、日本の人口動態や経済の影響を強く受けます。日本の少子高齢化及び人口減少が進み、また、日本の景気後退によって消費・経済活動が停滞する場合には、建設業及び製造業を中心に廃棄物の排出量が減少し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、欧米を含む外国中央銀行と日本銀行における金利差の影響、日本と周辺諸国における地政学的な緊張の高まり、円安のさらなる進行等、今後の日本経済には種々の不確定要素が存在いたします。これらの要因により廃棄物の排出量が減少した場合には、廃棄物の処理受託価格の下落圧力がかかる可能性もあります。
さらに、日本におけるサステナビリティ、ESG、CSRに対する意識の高まり及びそれに伴う政府による廃棄物量の減少やリサイクル率の向上に向けた施策によって、廃棄物の排出量が減少することが長期的に見込まれるとともに、廃棄物処理の方法も循環経済への移行に向けて徐々に変化していくことが考えられます。当社グループがこうした廃棄物量や廃棄物処理方法の変化に適応したサービスを提供できない場合には、当社グループが顧客から受託する廃棄物量が減少する可能性があります。
当社グループは、ESG施策を通じて廃棄物のリサイクル等の資源循環システムの高度化を図るとともに、地域に根差した経営を推進し、信頼できるパートナー企業との連携等を通じ、事業エリアの拡大及び事業の多様化を図っておりますが、こうした施策が功を奏さず、当社グループが、上記のマクロ経済及び事業環境の変化に適切に対応できない場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 中期経営計画について(発生可能性:中、発生時期:短期から中期、影響度:大)
当社グループは、2022年5月30日付で新たな中期経営計画を策定しております。当社グループの中期経営計画における各種施策及びその経営指標については、新設・増設する施設・機械設備等が計画どおりの能力を有し予定どおり稼働開始すること、廃棄物の排出量・処理受託価格が当社グループの想定の範囲内であること、当社グループの計画どおりに施設・機械設備等の新設・増設及び稼働に関する許認可が得られること、燃料やその他の費用の変動が当社グループの想定の範囲に収まっていること、当社グループの社会的信用に悪影響を与える事象が発生しないこと、当社グループに適用される規制に変更がないこと、廃棄物処理業界における競争環境に著しい変更がないこと等、様々な前提や仮定に基づいて算定しております。しかしながら、これらの前提や仮定が実際の事実関係と異なる場合には、当社グループの中期経営計画における各種施策の遂行及び経営指標の達成が困難となる可能性があります。
⑨ ESGに関する目標について(発生可能性:中、発生時期:長期、影響度:大)
当社グループの中期経営計画においては、上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、ESGに関する長期的な目標を設定しており、その達成に向けた種々の投資計画を掲げておりますが、投資計画等の施策の遂行とその効果の発現には、様々なリスク及び不確実性が存在いたします。当社グループがかかる目標を達成できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績や社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、近時はESG投資の拡大を背景として、企業におけるESGに関する方針の策定及び実施、並びに気候変動関連リスク等の開示に対する意識が高まっておりますが、それらを適切に実践できない場合には、当社グループの社会的信用や投資家からの評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 企業買収・提携について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、事業エリアの拡大及び事業の多様化を図る手段の一つとして、企業買収・提携等を実施することがあります。当社グループは、企業買収・提携に際しては、対象企業の事業・財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを実施するとともに、企業買収・提携後も対象企業の経営状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて是正措置を実施しております。
しかしながら、デューデリジェンスにおいて全てのリスク、損失又は債務等が提示される保証はなく、提示されたリスクや債務に対する当社グループの評価が適切である保証もありません。企業買収・提携には、買収後の業務、技術、人事及び企業風土の統合が想定どおりに進まない、買収後に判明した偶発債務や簿外債務について十分な補償を受けることができない、当初想定していたシナジーが実現しない、買収先の主要な顧客及び役職員が離脱する、のれん等の無形固定資産の減損が生じる、買収・提携先との関係に拘束され当社グループにとって最適な施策を実施することができない、提携先が提携終了後に当社グループと競合する等のリスクがあり、これらが顕在化した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 外部委託について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループの「廃棄物処理・資源循環」においては、廃棄物の収集運搬、中間処理、再資源化又は最終処分など業務の一部を外部業者に対して委託しておりますが、かかる委託先が当社グループから委託を受けた業務を適時かつ適切に遂行することができない可能性があります。
加えて、廃掃法上、廃棄物処理業者は産業廃棄物の収集運搬や処分を委託する場合であっても、処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならず、委託先の産業廃棄物処理業者が法令の定める基準を満たす必要があるとされております(廃掃法第14条第15項、同法施行規則第8条の2の8、第8条の3)。そのため、委託先の外部業者が当社グループから委託を受けた廃棄物の処理に関して法令に違反した場合には、当社グループが業務停止命令等の制裁の対象となる可能性もあります。
これらの事象が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 固定資産の減損について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、収集運搬から中間処理・再資源化及び最終処分に至るまでのワンストップサービスを提供するために、多数の廃棄物収集車両、並びに顧客ニーズに合わせた多様な再資源化施設等の中間処理施設及び最終処分場を保有しており、多額の固定資産を計上しております。また、当社グループは、事業エリアの拡大及び事業の多様化を図る手段として過去に企業買収を実施しており、これにより生じたのれんを有しております。
投資時においては資金収支や内部収益率(IRR)に基づく評価を実施しております。投資後においては業績推移のモニタリングを徹底することで、減損の兆候の早期把握・改善対応に努めておりますが、当初の想定と異なり、これらの固定資産グループの収益性が低下し、将来キャッシュ・フローの見込額が減少した場合には、減損損失が計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 設備投資について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、競争力の維持・強化のため、営業活動によるキャッシュ・フローを恒常的に廃棄物処理施設・機械設備・車両の取得や維持等の設備投資に充当しております。また、当社グループの事業に適用される法令の基準等が変更された場合には、それに対応するため、想定外の設備投資が必要となる場合もあります。かかる設備投資により、他の投資への余剰資金が減少するほか、減価償却費の増加により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 有利子負債について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、廃棄物収集車両、中間処理施設及び最終処分場等の多額の固定資産を計上しており、当該機械設備等の取得や維持・修繕のための資金が必要であり、新設計画等の将来的な資金需要に応じて、今後も有利子負債で資金を調達する可能性があります。2024年3月末時点において、有利子負債残高は61,200百万円であり、有利子負債比率は69.9%、総資産に占める割合は35.4%、ネットD/Eレシオ((有利子負債-現金及び現金同等物)/自己資本)は0.1倍となっております。当社グループは、金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達を行っておりますが、今後金利が上昇する場合には将来の借入等に関する支払利息の負担が増加する可能性があります。
⑮ 自然災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、関西、中部及び関東エリアを中心とする日本各地の事業所において、多数の廃棄物処理施設、再資源化施設、最終処分場、機械設備等を有しております。これらの当社グループの施設は、特に日本における大規模な地震、津波、台風、集中豪雨、降雪、洪水、火災、落雷等の自然災害により、甚大な被害を受ける可能性があります。
そのため、当社グループにおいては、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、事業所間連携を強化し、自然災害の有事の際にも事業への影響が小さくなるよう努めておりますが、上記のような事象が発生した場合には、施設の操業停止や廃棄物の収集運搬・処理の遅滞が生じ、修繕費用等も発生する可能性があります。また、これらの自然災害の発生により、当社グループの顧客の事業活動に悪影響が生じ、当社グループの事業に対する需要が減少する可能性もあります。これらの結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 感染症について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
新型コロナウイルス感染症のような感染症の拡大・継続により、企業の生産活動が停止し又は制約を受け、建設業及び製造業を中心に廃棄物の排出量が減少することで、当社グループの売上が減少する可能性があります。また、当社グループが行う「廃棄物処理・資源循環」には社会や経済活動を維持する上で、必要不可欠なサービスとして臨機応変かつ柔軟な対応が求められることから、感染症に対する基本的対処方針を定め、感染対策を徹底することで事業の継続性を確保するよう努めておりますが、かかる施策にかかわらず、当社グループの従業員の多くが感染症等に感染した場合には、施設等の操業に支障が生じ、当社グループは適時かつ十分に廃棄物を受け入れることができない可能性があります。これらの事象により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)法務、規制、コンプライアンス、レピュテーションに関するリスク
① 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの営む事業においては、「廃掃法」に基づく廃棄物収集運搬業許可、廃棄物中間処理業・最終処分業許可、廃棄物処理施設設置許可、「土壌汚染対策法」に基づく汚染土壌処理業許可、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づく特定再資源化物品の再資源化認定、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づく再商品化事業者認定、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」に基づく再生利用事業計画の認定、「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」に基づく再資源化事業計画の認定、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に基づく再資源化事業計画の認定や、それらの許認可を取得する上で必要となる「都市計画法」に基づく開発許可等、各種環境法令に基づく多くの許認可の取得が必要であり、それぞれの法的規制等を受けております。
当社グループは、全役職員に対するコンプライアンス教育等を実施し、法令遵守の徹底を図るとともに、事業本部において許認可を一体的に管理する体制を構築することを通じて、法改正等を適時に把握し、迅速な対応に努めておりますが、上記の環境法令に違反した場合には、当社グループが損害賠償義務を負い、又は業務改善命令、業務停止命令もしくは罰金等の制裁を受ける可能性があります。
また、国内外の環境法令の改正やその運用の変更があった場合には、当社グループの事業運営に支障が生じる可能性、追加の費用が必要となる可能性、既存施設の改修が必要となる可能性、廃棄物処理の需要に悪影響を及ぼす可能性があります。
<廃掃法>
当社グループの営む主要な事業を規制する廃掃法には、許可の取消し要件(廃掃法第7条の4、第14条の3の2、第14条の6)が定められております。当社、当社役員及び5%以上の株式を保有している株主が廃掃法の罰則規定に該当する場合はもちろん、刑法、浄化槽法、その他生活環境の保全を目的とする法律、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、暴力行為等処罰ニ関スル法律のいずれかに違反し、罰金刑に処せられた場合等欠格要件(廃掃法第7条第5項第4号、同条第10項第4号、第14条第5項第2号、同条第10項第2号、第14条の4第5項第2号、同条第10項第2号)に該当した場合には、当社の許可の取消し要件に該当いたします。また、当社グループの子会社や関連会社が欠格要件に該当した場合、当該グループ会社が取得している許可の取消し要件に該当するとともに、一定の条件を満たした場合には当社が取得している許可の取消し要件にも該当することとなります。
当社グループにおいては、現在許可の取消し要件に該当する事象は生じておりませんが、万一、許可の取消し要件に抵触し、許可が取り消される場合には、事業停止に陥り、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、廃掃法における許可の取消し事由及び当社グループが取得している許認可の概要は以下のとおりであります。
(廃掃法における許可の取消し事由)
第七条の四 市町村長は、一般廃棄物収集運搬業者又は一般廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。
一 第七条第五項第四号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条まで若しくは第三十二条第一項(第二十五条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに該当するに至つたとき。
二 第七条第五項第四号リからルまで(同号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条までの規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに係るものに限る。)のいずれかに該当するに至つたとき。
三 第七条第五項第四号リからルまで(同号ホに係るものに限る。)のいずれかに該当するに至つたとき。
四 第七条第五項第四号イからトまで又はリからルまでのいずれかに該当するに至つたとき(前三号に該当する場合を除く。)。
五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
六 不正の手段により第七条第一項若しくは第六項の許可(同条第二項又は第七項の許可の更新を含む。)又は第七条の二第一項の変更の許可を受けたとき。
2 市町村長は、一般廃棄物収集運搬業者又は一般廃棄物処分業者が前条第二号又は第三号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。
第十四条の三の二 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。
一 第十四条第五項第二号イ(第七条第五項第四号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条まで若しくは第三十二条第一項(第二十五条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに係るものに限る。)又は第十四条第五項第二号ロ若しくはヘに該当するに至つたとき。
二 第十四条第五項第二号ハからホまで(同号イ(第七条第五項第四号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条までの規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに係るものに限る。)又は第十四条第五項第二号ロに係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
三 第十四条第五項第二号ハからホまで(同号イ(第七条第五項第四号ホに係るものに限る。)に係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
四 第十四条第五項第二号イ又はハからホまでのいずれかに該当するに至つたとき(前三号に該当する場合を除く。)。
五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
六 不正の手段により第十四条第一項若しくは第六項の許可(同条第二項又は第七項の許可の更新を含む。)又は第十四条の二第一項の変更の許可を受けたとき。
2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が前条第二号又は第三号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。
3 前二項の規定により許可を取り消された者であつて当該許可に係る産業廃棄物の収集、運搬又は処分を終了していないものは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、許可を取り消された旨を当該収集、運搬又は処分を終了していない産業廃棄物の収集、運搬又は処分を委託した者に書面により通知しなければならない。
4 第十四条の二第五項の規定は、前項の規定による通知をした者について準用する。
(取得している主要な許認可の概要)
大栄環境株式会社
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
一般廃棄物処分業許可 |
市町村 |
一般廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年10月13日 (最後に期限を迎えるもの)2026年3月31日 |
産業廃棄物収集運搬業許可 |
都道府県、 政令市 |
産業廃棄物の収集・運搬 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年8月4日 (最後に期限を迎えるもの)2031年6月17日 |
産業廃棄物処分業許可 |
都道府県、 市町村 |
産業廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年7月26日 (最後に期限を迎えるもの)2031年6月17日 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業許可 |
都道府県、 政令市 |
特別管理産業廃棄物の収集・運搬 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年10月11日 (最後に期限を迎えるもの)2030年3月28日 |
特別管理産業廃棄物処分業許可 |
都道府県、 市町村 |
特別管理産業廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2028年4月3日 (最後に期限を迎えるもの)2030年7月24日 |
三重中央開発株式会社
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
一般廃棄物収集運搬業許可 |
市町村 |
一般廃棄物の収集・運搬 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年6月19日 (最後に期限を迎えるもの)2026年3月31日 |
一般廃棄物処分業許可 |
市町村 |
一般廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2025年3月11日 (最後に期限を迎えるもの)2026年3月31日 |
産業廃棄物収集運搬業許可 |
都道府県、 政令市 |
産業廃棄物の収集・運搬 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年7月31日 (最後に期限を迎えるもの)2031年6月5日 |
産業廃棄物処分業許可 |
都道府県 |
産業廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2026年8月27日 (最後に期限を迎えるもの)2031年6月12日 |
特別管理産業廃棄物収集運搬業許可 |
都道府県、 政令市 |
特別管理産業廃棄物の収集・運搬 |
(最初に期限を迎えるもの)2024年11月15日 (最後に期限を迎えるもの)2031年6月5日 |
特別管理産業廃棄物処分業許可 |
都道府県 |
特別管理産業廃棄物の中間処理・最終処分 |
(最初に期限を迎えるもの)2029年6月30日 (最後に期限を迎えるもの)2029年6月30日 |
<その他関係法令>
当社グループは、廃掃法等の環境法令以外に、建設業法、古物営業法、刑法や労働安全衛生法等による規制を受けております。これらの法規制の改廃や新たな法規制、条例等の制定による規制強化がなされた場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 入札の指名停止等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは2024年3月期において、467の自治体と一般廃棄物処理や災害支援に関する契約を締結しております。自治体に対しては、業者登録が必要であり、登録事業者が入札に参加することが可能となります。しかしながら、入札手続において虚偽記載等があった場合、談合を行い競争法に違反した場合や従業員の労働衛生が不十分であった場合には、業者登録が取り消される、あるいは入札の指名が停止され、自治体との契約ができなくなる可能性があり、これにより当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
<指名停止基準>
a.指名競争又は一般競争参加資格審査申請
地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)上、指名競争入札及び一般競争入札には参加要件が定められております。また、指名競争入札又は一般競争入札に参加しようとする者が、契約の履行にあたり、故意に工事、製造その他の役務を粗雑に行い、又は物件の品質もしくは数量に関して不正の行為をしたとき等に該当すると認められるときは、地方自治体はその者について3年以内の期間を定めて指名競争入札又は一般競争入札に参加させないことができます。
また、必要があるときは、指名競争入札及び一般競争入札に参加する者に必要な資格として、あらかじめ、契約の種類及び金額に応じ、工事、製造又は販売等の実績、従業員の数、資本の額その他の経営の規模及び状況を要件とする資格を定められる可能性があります。
指名競争入札及び一般競争入札へのかかる参加資格の認定にあたっては、あらかじめ地方自治体に資格審査申請を行う手続が定められていることがあります。このような資格審査申請手続において、虚偽の記載等があった場合は、指名競争入札及び一般競争入札参加資格の認定は受けられず、認定後に発覚した場合には取り消されることがあります。
かかる入札参加資格として、当社グループは省庁及び都道府県を含む地方自治体における指名競争入札及び一般競争入札に参加するための資格として、「全省庁統一資格」を含む複数の資格を取得しております。かかる資格に関しては、各省庁や各地方自治体が定める指名停止等の措置要領に定められた一定の事由(指名停止事由)に該当した場合には、指名停止措置を受け、一定期間入札に参加することができなくなります。指名停止事由はこれを定める省庁又は地方自治体により異なりますが、入札参加資格審査申請書等に虚偽の記載があった場合、安全管理措置の不適切による事故により死亡者又は負傷者を生じさせる等した場合、入札妨害・談合を行った場合、関連業法に違反した場合等が定められることがあります。
また、全省庁統一資格は、破産手続開始の決定を受けた場合や暴力団員等に該当するに至った場合等、所定の場合に取り消されるものとされております。
b.入札行為
独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除措置命令が行われます。排除措置命令を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国及び自治体から指名停止の処分が科せられます。
③ 環境影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの営む事業においては、当社グループが現在又は過去において所有・運営する廃棄物処理施設等における廃棄物等の中間処理や最終処分の過程で、騒音、振動、排気ガス、粉塵、排水、悪臭が発生し、また、危険性を伴う廃棄物を取り扱っていることにより、周辺の土壌・地下水・地表水等に有害物質が流入し環境汚染が生じる可能性もあるため、周辺住民その他の関係者に対して法的責任を負う可能性があります。当社グループは、かかるリスクを最小化するために、適切な設備を配置し環境保全対策を実施し、また、施設の稼働に伴う環境への影響をモニタリングしておりますが、これらの対策には追加費用を要するうえ、奏功する保証はありません。また、当社グループが過去の所有者等から、契約等において施設の所在する土地等の環境リスクに係る表明保証を得ていたとしても、その違反があった場合の補償額や期間制限が当社グループの負う損害賠償責任を填補できず、また過去の所有者等が十分な資力を有していない可能性もあります。加えて、有害物質に関する新たな規制の導入や規制の改正により、追加費用が必要となり、法的紛争のリスクが増加する可能性もあります。
不測の事態により環境汚染が発生した場合、人的被害、資産もしくは天然資源への損害を理由とする損害賠償請求を受け、又は周辺の調査や浄化に係る義務を負うこととなる可能性があり、これにより当社グループの社会的信用が低下し、施設の周辺地域からの支持を失い、新規の許認可の取得や既存の許認可の維持に支障を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループの社会的信用について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業運営においては、周辺住民との良好な関係を含む社会的信用が非常に重要であり、これを維持・向上するための様々な施策を講じていますが、当社グループの事業活動やCSR活動、従業員又は委託先に関する風評等が生じる可能性は否定できず、その場合、風評等が正当なものかどうかに関わらず、当社グループの社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの社会的信用が低下した場合には、顧客からの受注が減少する可能性、自治体から事業上必要な許認可を新規に取得できない可能性、社会的信用の回復に追加の費用等を要する可能性があります。
⑤ 新規施設計画の遅延・中止について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業上・財務上の経営指標を達成するためには、新規施設に係る許認可取得等が必要不可欠であり、許認可取得等についての規制当局等による承認を得られない場合、新たな中間処理施設や最終処分場の設置等が禁止される可能性があります。廃棄物処理施設の新規開設を行う場合は、周辺住民その他の関係者との合意形成が求められるため、新規施設に関する説明会を開催することなどにより良好な関係を構築し、円滑な開発に努めておりますが、それが実現できない場合には、施設の周辺住民その他の関係者が当社グループによる許認可の新規取得に反対する可能性があります。
これらの事情により合意形成が遅れる場合には、新規施設計画が遅延し、売上の計上が後ろ倒しとなり、先行して発生する費用負担が増大する可能性があります。また、最終処分場の新規計画が遅延し、当社グループの既存の最終処分場で処理しきれない場合には、より高いコストで外部業者へ最終処分を委託しなければならない可能性もあります。さらに、新規施設計画が中止になる場合においては、先行して発生した費用の回収が困難となるだけでなく、全体の事業計画の見直しが必要となるおそれもあります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 訴訟等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小から大)
当社グループは、施設の周辺住民その他の関係者、顧客その他の取引先、競合他社、従業員等から、環境被害、契約違反、労働問題、知的財産権侵害や機密情報漏洩等を理由として、訴訟その他の法的手続を提起される可能性があります。
特に当社グループは、労働基準法を遵守するとともに、勤務条件等について従業員に対して丁寧な説明を行うことで、労働訴訟の未然防止に努めておりますが、従業員及び労働組合等の団体から、勤務条件等に関して労働訴訟が提起されております。
かかる訴訟等の提起がなされ、当社グループに不利な決定又は和解がなされた場合には、例えば労働問題の場合には当社グループの従業員の採用が困難となり又は既存の従業員の離脱が発生するなど、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性や、当社グループの社会的信用が低下し又は顧客との関係が毀損する可能性があります。また、仮に当社グループに不利な決定が下されなかった場合でも、訴訟対応のため、時間、費用その他の経営資源を費やす結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報管理について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、経営情報や顧客情報等の機密情報及び個人情報を取り扱っております。これらの情報が、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、社内設備の故障、システム障害、人為的・技術的な過失、自然災害等により、外部に漏洩・消失する可能性があります。
当社グループでは、情報管理システムを整備しており、個人情報の保護に関する法律を遵守し、情報システム管理規程の制定や情報管理に係る社内教育の実施等により、情報セキュリティ対策を講じる等、上記のような事態の未然防止に努めておりますが、そのために多くの時間と費用を要する可能性があるうえ、かかる予防策が奏功せず、予期せぬ事態により情報が漏洩・消失する可能性があります。今後機密情報及び個人情報の取扱いに係る規制が変更された場合には、それに対応するために、システム開発等の費用が必要となる可能性もあります。
当社グループは、情報システムの運営及び保守の一部について第三者に委託しているため、当社グループの管理の及ばないところでシステム障害その他の問題が発生する可能性があり、その開発、維持及び拡張に要する費用が将来大幅に増加する可能性もあります。また、当社は事業継続計画(BCP)を定めているものの、情報システムの障害をもたらす可能性のある全ての事態に対処できるとは限りません。
これらにより、当社グループに対する社会的信用の失墜、事業活動の制約、損害賠償責任の発生等が生じる可能性があります。
(3)当社株式に関するリスク
① 大株主との関係について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ウイングトワ株式会社は、当連結会計年度末現在、当社の発行済株式総数(自己株式を除く)の61.91%を保有しております。同社が当社株式を売却しようとする場合には、売却時の市場環境等により、当社株式の市場価格等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、同社は、当面の間引き続き相当数の当社株式を保有する予定とのことであり、当社の取締役の選解任を含む株主の承認を必要とする事項について引き続き一定の影響力を有します。また、同社は、当社グループの運営その他の事項に関し、当社の一般株主と異なる利害関係を有している可能性があり、同社が保有する株式に係る議決権については、一般株主の利害と異なる議決権の行使が行われる可能性があります。
② 当社株式の流動性について(発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:小)
当社は、2022年12月に株式会社東京証券取引所プライム市場に上場しており、上場後も公募増資等によって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は2024年3月末時点において36.67%となっております。
今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達や大株主への一部売出しの要請による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場維持基準に抵触した場合にはプライム市場から他の市場に移行し、当社株式の市場における流動性が減少する可能性があり、それにより当社株式の株価が不安定となる可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、事業環境や財務状況等を総合的に勘案し、事業運営上必要な資金を維持・確保することを前提に、M&A、公民連携及び研究開発などの成長投資とのバランスも勘案しつつ株主への安定的な利益還元を行うことを基本方針としており、連結配当性向は30%以上を目安に持続的かつ安定的な配当を目指し、原則として年1回の期末配当を行ってまいりましたが、2025年3月期より、株主への利益還元の機会を充実させるため、中間配当、期末配当の年2回の剰余金の配当を行う方針であります。
内部留保資金につきましては、設備の処理能力の向上・合理化のための設備投資やM&A、公民連携及び研究開発などの成長投資等に活用してまいります。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当を行うことができる旨定款に定めております。
また当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、当期の業績及び今後の事業展開等を勘案し、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年6月26日 |
4,165 |
42 |
定時株主総会決議 |