2024年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

物流サービス事業 ITオートメーション事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
物流サービス事業 11,198 93.8 101 24.6 0.9
ITオートメーション事業 634 5.3 315 76.7 49.6
その他 106 0.9 -5 -1.2 -4.8

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、主にEコマース(注1)及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務を代行するEC・通販物流支援サービスを主たるサービスとして物流サービス事業を展開しております。

当該サービスを提供する中で、当社が取組んだ改善活動の結果、成果が出た活動をそのまま新しいサービスとしてお客様にご提供することで、受注管理業務代行サービス、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System、以下「倉庫管理システム」という。)「クラウドトーマス」やチェックリストシステム「アニー」等、サービス拡充を図りながら事業を展開しております。

いずれのサービスもEC・通販物流支援サービスにおける課題解決の活動から生まれており、そのEC・通販物流支援サービスは2000年頃のインターネット通販の黎明期からスタートし、センター運営のノウハウを蓄積してまいりました。

これらノウハウを当社が主催する「学べる倉庫見学会」等のセミナーの開催をとおしてお客様へご案内し、目で見て耳で聞いて実感いただくことで、更なるお客様獲得につなげております。

当社グループの具体的なサービスの特徴は、次のとおりです。

 

(1) 物流サービス事業

(EC・通販物流支援サービス)

 EC・通販物流支援サービスは、主にEコマース及び通信販売事業を展開するお客様の販売商品の入庫、在庫管理及び出庫等の配送センター業務をお客様から受託し、お客様に代わって配送センター業務を行うサービスです。

 当社グループは2000年頃のインターネット通販の黎明期から培ってきたノウハウをもち、そのノウハウを自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」に機能として搭載し、物流業務の自動化機器と連携させること等により、サービス提供を行っております。

 具体的には、自社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」を活用することで品質維持・改善を図り、また現場の個別作業においては、チェックリストシステム「アニー」を活用して、お客様別の作業ごとに手順をチェックリスト形式で作成し、これをマニュアルとして利用することで、品質の平準化を図るとともに、作業の標準化及び効率化を図り、作業ミスの予防につなげております。

 また、主要なお客様とは定期的にミーティングを開催し、当社が提供するEC・通販物流支援サービスの現状報告、お客様の声として現状の課題等をお聞かせいただき、お客様個別の課題等に対する改善活動に取組み、KPI等の指標の推移をご提示する等、改善状況の可視化を図り、お客様にご満足いただけるサービスレベルの向上に活かしております。

 2023年12月に、当社は完全子会社として関通ネクストロジ株式会社(以下「関通ネクストロジ」という。)を設立しました。関通ネクストロジは河出興産株式会社(以下「河出興産」という。)から、出版物の物流サービス事業及びEコマース事業者向けの物流サービス事業を譲受け、これらの事業を開始しております。当社グループがこれまで培ってきた物流ノウハウやITサービスを出版物流の分野に取り入れることで、河出興産が取り組んできた物流サービスの付加価値をより一層高め、またお客様へのサービスレベルの向上及び継続的なサービス提供を実現し、当社グループの企業価値向上を図っております。

 なお、物流センターを再編することにより余剰となった一部の倉庫を、第三者に転貸するサブリースのサービスを提供しております。

 

(受注管理業務代行サービス)

 受注管理業務代行サービス(以下「受注管理サービス」という。)は、EC・通販物流支援サービスの上流工程に位置し、Eコマースにおけるご購入者様の注文内容を確認し、電子メール対応や入金確認、出荷指示データ作成等の業務をお客様から受託しております。EC・通販物流支援サービスと連携することで、お客様から販売活動のバックヤード業務をワンストップでアウトソーシングいただくことが可能になっております。

 受注管理業務の改善活動の中で標準化された業務は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、注2)の活用による自動化、判断をともなう業務は受注処理を自動化するアプリケーション「e.can(イーキャン)」の活用による自動化を推進し、ミャンマー連邦共和国(以下「ミャンマー」という。)にある外注先の事務所「ヤンゴンBPOセンター」(注3)で業務を実施する等の効率化を推進しております。

 また、2023年2月期には、EC通販物流支援サービスのお客様に対して、商品のお問い合わせ等に対応するコンタクトセンター業務の提供を開始しております。

 

(物流コンサルティングサービス)

 当社は、EC・通販物流支援サービスで培われたノウハウを活用し、物流現場改善による生産性の向上による効率化等を目的としたコンサルティングサービスを提供しております。

 当社の物流コンサルティングサービスは、物流業務に関するお客様の課題をヒアリングし、お客様の現場を実際にお見せいただき、実際の作業を確認させていただいた上で課題を整理し、改善手法の立案を行います。

 改善手法の立案に当たっては、ワークサンプリング(注4)を実施して作業手順をフローチャート等として可視化し、レイアウト及び保管什器の変更、倉庫管理システムの導入、変更若しくは使用方法の改善、梱包単位に商品を仕分けするための仕分けシステムの導入等による効率的な物流業務の改善方法等を検討し、ご提案しております。

 また、改善を実行に移すための計画を策定し、その進捗管理を行うとともに、倉庫管理システムや仕分けシステムの導入支援、現場でのオペレーションにおける使用方法の説明、指導、教育等を行い、お客様の物流業務における改善効果の実現を支援しております。

 

 物流サービス事業に係る事業系統図は、次のとおりです。

[物流サービス事業の事業系統図]

(注)当社は、当社の子会社である株式会社関通ビジネスサービスにEC・通販物流支援サービスの一部を再委託しており、業務委託先には当該子会社が含まれております。

 

(2) ITオートメーション事業

 ITオートメーション事業は、主に当社で開発して利用し、成果につながったソフトウエアをお客様にご利用いただくサービスです。

(倉庫管理システム「クラウドトーマス」)

 倉庫管理システム「クラウドトーマス」は、倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内業務の効率化を実現するためのソフトウエアです。入荷から出荷、庫内での棚移動を含め、在庫のすべての動きを、バーコードとそれを読み取るスキャナにより物理的に管理することで、入出庫処理やロケーション管理などを一元的に行うことができるようになります。「クラウドトーマス」導入により、お客様の販売商品の正確な在庫管理、誤出荷の防止、倉庫内業務の標準化及び効率化を実現することが可能になります。

 2021年2月には、比較的規模の大きい物流センター向けに、お客様個別のカスタマイズ対応が可能な「クラウドトーマスPro」の発売を開始し、お客様がご利用する基幹システムとの連携を容易にするカスタマイズ開発のサービスを提供し、またお客様の物流センター運営の一層の効率化を図るため、お客様が運営される物流センターへの物流自動化機器の導入をご提案する等、「クラウドトーマスPro」の販売にあわせ、お客様の物流業務の効率化をサポートしております。

 2022年4月には、キヤノンITソリューションズ株式会社と資本業務提携契約を締結し、「クラウドトーマスPro」と、同社が提供する基幹システム「AvantStage」との連携を強化し、販売拡大に取組んでおります。

 また、2023年4月には、スパイスコード株式会社と資本業務提携契約を締結(2023年9月に持分法適用関連会社化)し、次世代汎用OMS(受注管理システム)「ECOMS」の共同開発、「クラウドトーマスPro」の機能強化に取組んでおります。

 

(チェックリストシステム「アニー」)

 チェックリストシステム「アニー」はクラウド型のチェックリストシステムです。「クラウドトーマス」と同じく、当社がチェックリストの運用を改善し続けた結果、生み出されたソフトウエアです。チェックリストに作業の手順を登録することで、作業の抜け漏れが少なくなり、業務の品質を落とさず、作業手順やノウハウが見える化され、業務の標準化を図ることができ、新人教育にもご利用いただけます。

 お客様による「アニー」の新規導入に当たっては、ご利用開始を支援する導入支援サービスをあわせて提供しております。

 

(その他)

 ECサイトの受注処理を自動化するシステム「e.can(イーキャン)」は、ECサイトの受注処理(注文受付から、物流現場の出荷作業用データ生成、カスタマーへの完了報告等の事務作業)内で発生する、受注伝票の書換え作業を自動化するシステムで、ECサイトでの受注処理業務の効率化を実現することが可能になります。

 

 

 物流サービス事業に係る事業系統図は、次のとおりです。

[ITオートメーション事業の事業系統図]

(注)当社は、当社の持分法関連会社であるスパイスコード株式会社にソフトウエア開発の一部を再委託してお

り、ソフトウエア開発委託先には当該持分法適用関連会社が含まれております。

 

(3) その他の事業

(外国人技能実習生教育サービス)

外国人技能実習生教育サービス(以下「外国人教育サービス」という。)は、当社がミャンマーから外国人技能実習生(以下「実習生」という。)受入れを行う際に、ミャンマーで行った現地教育カリキュラムを、お客様にもご利用いただくサービスです。

実習生の受入れを希望されているお客様に、現地ミャンマーでお客様が希望される職種にあった、就業上必要と

なる技能訓練のほか、会社の文化等の教育を行い、日本で就業時に即戦力の人材として採用いただける教育を行うサービスです。

 

(福祉・教育サービス)

 障がいをお持ちのお子様向け教育事業として、放課後等デイサービスの教室を運営し、発達障害を抱える児童

の学童保育と呼ばれる放課後デイサービスを通じて発達に課題を抱えるお子さまの成長と自立をサポートしております。

 そのほか、企業主導型保育事業として保育園を運営しております。

 

(注)1.Eコマースとは、Electronic Commerceの略で、インターネットを通じた電子商取引のことをいい、ECと表

記されることもあります。WEBサイト上のオンラインショップを利用した物品販売等がこれに当たります。

2.RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、これまで人間のみが対応可能と想定され

ていた作業をワークフロー自動化ツール等を用いて、人間に代わって自動処理する仕組みをいいます。

3.ヤンゴンBPOセンターは、当社と業務委託契約を締結する外注先企業が運営しております。

4.ワークサンプリングとは、作業者の作業の発生状況、及び設備の稼働状況を把握するかどう分析の一つで

す。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2023年3月1日から2024年2月29日まで)における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やイスラエル・ハマス紛争などの地政学的リスク、欧米における政策金利の高止まり等大きな動きを伴う中で今後の見通しに対する不透明感が高まっております。日本経済ではコロナ禍明けの需要回復もひと段落する中で日経平均株価が史上最高値を更新し、コスト増の価格転嫁の進展やインバウンド需要の拡大により物価が上昇に転じ、雇用の拡大や賃金上昇が見受けられデフレ脱却の素地が整いつつあります。

 当社グループと関わりの深い物流業界におきましては、コロナ禍からの脱却による訪日外国人観光客の回復などによる小売やサービス分野での流通量の増加がみられる一方、Eコマース市場ではアパレル分野における外資系ファストファッションの進出加速の影響が徐々に波及し始め、国内物価高や円安による調達コストの上昇、2024年問題の影響など、今後の動向を注視していくべき状況にあります。

 このような環境のもと、当社グループは物流サービス事業、ITオートメーション事業それぞれの事業で、「お客様がやりたいことを実現できるサービスを提供する」ことを第一に、サービスレベルの向上に取組み、また協力先及び仕入先とのパートナーシップを強化し、事業拡大につなげるとともに、当社グループの中長期的な企業成長に寄与いただける企業のM&Aを実行し、持続的な企業価値の向上に取り組んできました。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が11,938,208千円(前期比13.8%増)、営業利益は410,384千円(前期比4.7%増)、経常利益は406,135千円(前期比12.6%増)、クラウドトーマスのバージョンアップ開発に伴う旧バージョンの除却として179,705千円・物流センター内における特定機器の使用終了に伴う除却として129,237千円をそれぞれ特別損失として計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は49,693千円(前期比92.1%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業利益をベースとしております。

 

(物流サービス事業)

 物流サービス事業におきましては、EC・通販物流支援サービスを中心に、引続き品質及び生産性向上のための改善活動に取組み、お客様満足度の一層の向上を推進しました。一方、倉庫内で作業する人員の人件費が国内賃金上昇の影響を受け下期を中心に拡大、特に派遣関連費用は大きく上昇することとなりました。

 加えて、東京主管センターを中心とした貸借料負担額の増加(前期比735,146千円増)により、売上総利益率が低下する結果となりました。お客様には物流事業の環境を踏まえ、作業料金の値上げ交渉を既にはじめております。

 これらの結果、物流サービス事業に係る当連結会計年度の売上高は11,197,640千円(前期比13.8%増)、セグメント利益は100,796千円(前期比46.7%減)となりました。

 

(ITオートメーション事業)

 ITオートメーション事業におきましては、倉庫管理システム「クラウドトーマス」及び「クラウドトーマスPro」について、新規のお客様獲得は堅調に推移しました。一方、お客様の規模の大型化により設計・テストにかかる時間が大幅に長くなっており、月額利用料の発生が数か月遅くなるケースも発生することとなりました。これに対応するべく、クラウドトーマスのバージョンアップ開発をすすめており、今後は外部システムとの連携について汎用性を拡大していくことが可能となっております。

 これらの結果、ITオートメーション事業に係る当連結会計年度の売上高は634,373千円(前期比16.1%増)、セグメント利益は314,646千円(前期比59.2%増)となりました。

 

(その他の事業)

 その他の事業におきましては、障がい者のお子様向けの放課後等デイサービスが堅調に推移しました。

 この結果、その他の事業に係る当連結会計年度の売上高は106,194千円(前期比3.2%減)、セグメント損失は5,058千円(前期は5,354千円のセグメント利益)となりました。

 

[2024年2月期 セグメント別連結経営成績]                                             (単位:千円,%)

セグメント区分

売上高

セグメント損益(営業損益)

 

サービス区分

実績

百分比

前期

増減率

実績

売上高営業利益率

前期

増減率

 

EC・通販物流支援サービス

10,955,555

91.8

13.9

 

受注管理業務代行サービス

175,298

1.5

38.7

 

その他

66,786

0.6

△28.0

物流サービス事業

11,197,640

93.8

13.8

100,796

0.9

△46.7

ITオートメーション事業

634,373

5.3

16.1

314,646

49.6

59.2

その他の事業

106,194

0.9

△3.2

△5,058

△4.8

セグメント合計

11,938,208

100.0

13.8

410,384

3.4

4.7

 

② 財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は10,309,473千円(前連結会計年度末比837,959千円の増加)、負債は7,284,494千円(前連結会計年度末比1,072,795千円の増加)、純資産は3,024,978千円(前連結会計年度末比234,836千円の減少)となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。

 

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は4,828,705千円(前連結会計年度末比325,559千円の減少)となりました。主な要因は、売掛金が287,084千円増加した一方で、現金及び預金が、有価証券及び投資有価証券、有形固定資産及び自己株式の取得、並びに法人税等の支払、事業譲受けによる支出等により、1,071,742千円減少したことによるものです。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は5,480,768千円(前連結会計年度末比1,163,518千円の増加)となりました。主な要因は、投資有価証券が192,010千円増加したほか、物流センターの新設にともなう敷金の支出により敷金及び保証金が422,550千円増加したことによるものです。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は1,957,629千円(前連結会計年度末比202,780千円の減少)となりました。主な要因は、買掛金が250,490千円、1年内返済予定の長期借入金が170,354千円増加した一方で、未払法人税等が306,665千円、事業構造改善引当金が321,967千円減少したことによるものです。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は5,326,864千円(前連結会計年度末比1,275,576千円の増加)となりました。主な要因は、長期借入金が1,230,720千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の部の残高は3,024,978千円(前連結会計年度末比234,836千円の減少)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益49,693千円を計上した一方で、配当金の支払額が103,080千円あったこと等により利益剰余金が54,941千円減少し、また自己株式が173,894千円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,085,981千円減少し、2,128,241千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は54,305千円(前連結会計年度は216,642千円の資金を獲得)となりました。主な要因は、減価償却費357,094千円及び固定資産除却損309,293千円を計上した一方で、売上債権の増加額310,751千円、事業構造改善引当金の減少額201,088千円、法人税等の支払額490,775千円があったことによるものです。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2,120,759千円(前連結会計年度は1,005,532千円の資金を獲得)となりました。主な要因は、事業譲受けによる支出699,634千円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出602,143千円、有形固定資産の取得による支出450,505千円、敷金及び保証金の差入による支出320,701千円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,089,084千円(前連結会計年度は1,020,907千円の資金を使用)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出1,098,926千円、自己株式の取得による支出182,184千円があった一方で、長期借入れによる収入2,500,000千円があったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年3月1日

至 2024年2月29日)

前年同期比(%)

物流サービス事業(千円)

11,197,640

13.8

ITオートメーション事業(千円)

634,373

16.1

報告セグメント計(千円)

11,832,014

13.9

その他の事業(千円)

106,194

△3.2

合計(千円)

11,938,208

13.8

 (注)1.セグメント間の取引については該当事項ありません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績等の状況に関する認識及び検討内容

 当社グループは物流サービス事業を主たる事業としておりますが、これらのサービスにかかわる分野は競合他社との競争に優位性を獲得する必要があり、サービスラインアップ、サービスレベル、サービス品質及び価格等の面において、お客様に常に新しい価値を提供することが求められます。当社グループは、新しい価値の創造のため、継続的な教育を通じた物流サービスの品質向上はもとより、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への取組み、物流ロボットをはじめとする自動化機器の導入、倉庫管理システム「クラウドトーマス」のバージョンアップ等の省人化を目的とした設備投資を積極的に推進し、人と物流ロボットとの組み合わせの最適化を推進するほか、M&Aによる事業の拡大を図ることで、当社グループの持続的な発展を図ってまいります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

③ 財政状態の分析

 財政状態の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。

 

 

 

④ 経営成績の分析

(売上高)

 物流サービス事業においては、既存のお客様に係る売上高が前年同期を約15%上回って推移する中、2022年12月に新設のアグリベース(兵庫県尼崎市、総床面積約4,300坪)、2023年11月に新設のDXセンター(兵庫県尼崎市、総床面積約8,700坪)を中心に、新規のお客様獲得のためSEO対策等のインターネットを通じた効果的なお客様の獲得を推進し、またITオートメーション事業においては、倉庫管理システム「クラウドトーマス」について、新規のお客様獲得はお客様の規模拡大に伴うテスト・設計期間にかかる時間が長くなったことに伴い、月額利用料の発生が数か月遅くなるケースが発生しながらも堅調に推移し、当連結会計年度の売上高は前年同期比13.8%増の11,938,208千円となりました。

 

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、前年同期比14.9%増の10,486,673千円となりました。

これは主に、労務費2,314,343千円、発送運賃及び運送費用3,180,472千円、賃借料3,063,605千円を計上したことによるものです。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年同期比6.7%増の1,041,150千円となりました。

これは主に、人件費392,002千円、広告宣伝費51,463千円、賃借料71,187千円、租税公課88,105千円、減価償却費51,215千円、支払手数料67,977千円を計上したことによるものです。

 

(営業外収益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前年同期比33.8%増の52,276千円となりました。

これは主に、受取利息24,767千円、助成金収入8,958千円を計上したことによるものです。

 

(営業外費用)

 当連結会計年度の営業外費用は、前年同期比19.8%減の56,524千円となりました。

これは主に、支払利息37,797千円、持分法による投資損失10,133千円を計上したことによるものです。

 

(特別利益)

 当連結会計年度の特別利益は8,802千円となりました。

これは、事業構造引当金戻入額8,802千円を計上したことによるものです。

 

(特別損失)

 当連結会計年度の特別損失は311,932千円となりました。

これは主に、クラウドトーマスのバージョンアップ開発に伴う旧バージョンの除却、及び物流センター内における特定機器の使用終了に伴い固定資産除却損309,293千円を計上したことによるものです。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、発送運賃費及び運送費用、賃借料等があります。また、設備投資需要としては、物流センターの新設または増床、ソフトウエア開発及びマテハン機器の導入等があります。

当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保を蓄積すること、資本市場からの資金調達並びに金融機関からの借入を行うことで、流動性を確保することとしております。

 

⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社グループは、ROE(自己資本利益率)を持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉え、ROE15%以上を維持し、かつ中長期的に向上させることを目標としております。

最近3事業年度におけるROEの推移は次のとおりです。

指 標

2022年2月期

2023年2月期

2024年2月期

ROE(自己資本利益率)[連結]

21.0%

1.6%

ROE(自己資本利益率)[個別]

21.5%

(注)2023年2月期から連結財務諸表を作成しているため、2023年2月期以降は連結財務諸表を用いて、それ以前については個別財務諸表を用いて算出しております。

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。

 

報告セグメントの主なサービスの内容は次のとおりであります。

(物流サービス事業)

・EC・通販物流支援サービス

・受注管理業務代行サービス

・物流コンサルティングサービス

・サブリース等

(ITオートメーション事業)

・倉庫管理システム「クラウドトーマス」

・チェックリストシステム「アニー」

・受注処理業務自動化システム「e.can」

・RPA作成代行サービス「ippo!」等

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の振替高はありません。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表計上額

 

物流サービス事業

ITオート

メーション

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

9,837,558

546,477

10,384,036

109,685

10,493,721

10,493,721

セグメント間の内部売上高又は振替高

9,837,558

546,477

10,384,036

109,685

10,493,721

10,493,721

セグメント利益

189,128

197,665

386,793

5,354

392,148

392,148

セグメント資産

5,178,880

200,603

5,379,483

74,862

5,454,345

4,017,168

9,471,514

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

368,683

40,836

409,520

1,370

410,890

410,890

持分法投資損失(△)

持分法適用会社への投資額

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

976,733

74,309

1,051,042

425

1,051,468

1,051,468

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、外国人技能実習生教育サービス及びその他教育サービスを含んでおります。

2.セグメント資産の調整額4,017,168千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産4,017,168千円であります。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない現金及び預金等の資産であります。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務諸表計上額

 

物流サービス事業

ITオート

メーション

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

11,197,640

634,373

11,832,014

106,194

11,938,208

11,938,208

セグメント間の内部売上高又は振替高

11,197,640

634,373

11,832,014

106,194

11,938,208

11,938,208

セグメント利益又は損失

100,796

314,646

415,443

△5,058

410,384

410,384

セグメント資産

6,531,565

316,823

6,848,389

64,174

6,912,563

3,396,909

10,309,473

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

307,289

36,147

343,436

1,298

344,734

344,734

持分法投資損失(△)

△10,133

△10,133

△10,133

△10,133

持分法適用会社への投資額

192,010

192,010

192,010

192,010

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

509,575

109,328

618,904

1,320

620,225

620,225

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、外国人技能実習生教育サービス及び福祉・教育サービスを含んでおります。

2.セグメント資産の調整額3,396,909千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産3,396,909千円であります。全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない現金及び預金等の資産であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

1.製品及びサービスごとの情報

  単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

  本邦の売上が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

  本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 当連結会計年度につきましては、売上高に占める割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

1.製品及びサービスごとの情報

  単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

  本邦の売上が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

  本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 当連結会計年度につきましては、売上高に占める割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

物流サービス事業

ITオートメーション事業

その他

合計

当期償却額

当期末残高

104,539

104,539

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)

 該当事項はありません。