リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループとして必ずしも重要なリスクとは考えていない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載事項は、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制ならびに許認可の更新と取消し要件について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは以下のとおり事業毎に法的規制及び条例・指導要綱(以下、「法的規制等」という。)を受けており、これら法的規制等の基準や要件に基づいて産業廃棄物収集運搬業及び処分業、汚染土壌処理業、建設業など必要な許認可を取得しております。
当社グループでは、コンプライアンスを周知徹底するため、従業員研修の定期的な実施、事例の共有、講習会の受講及び各種資格取得の奨励などを図っております。しかし、万が一、これら法的規制等の基準や要件に当社グループが適合しなくなった場合には、営業の停止命令や許可取消し、あるいは許認可の更新がなされなくなる等の行政処分が下され、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。また、これら法的規制等が改正又は新たに制定される場合、その内容によっては事業機会が減少する可能性も考えられます。
①産業廃棄物処理業関係
当社グループの環境事業は、建設工事現場等で発生した産業廃棄物の収集運搬及び破砕・脱水・造粒固化等の中間処理を行っており、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、本書全体において「廃掃法」という。)の規制を受けております。
(産業廃棄物処理業等:当社)
認可年月日 |
所管官庁等 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
許可番号 |
有効期限 |
2017年9月28日 |
東京都 |
産業廃棄物処分業 |
処分(中間処理) |
第1320009089号 |
2024年9月27日 |
2017年9月28日 |
東京都 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第1300009089号 |
2024年9月27日 |
2017年6月29日 |
埼玉県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01102009089号 |
2024年6月28日 |
2022年7月14日 |
神奈川県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01402009089号 |
2029年6月8日 |
2018年1月11日 |
千葉県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01200009089号 |
2024年9月18日 |
2018年7月10日 |
山梨県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01900009089号 |
2025年7月9日 |
2019年12月27日 |
静岡県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第02201009089号 |
2024年12月26日 |
2020年5月25日 |
群馬県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01000009089号 |
2025年5月24日 |
2020年7月2日 |
栃木県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第00900009089号 |
2025年7月1日 |
2020年7月3日 |
福島県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第00707009089号 |
2025年7月2日 |
2020年7月8日 |
長野県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第2009009089号 |
2025年7月7日 |
2020年8月27日 |
茨城県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第00801009089号 |
2025年8月26日 |
2020年9月15日 |
新潟県 |
産業廃棄物収集運搬業 |
収集・運搬 |
第01509009089号 |
2025年9月14日 |
2007年12月27日 |
東京都 |
廃棄物再生事業者登録 (あきる野工場) |
がれき類及び汚泥の再生事業 |
第10021号 |
なし |
2018年3月6日 |
東京都 |
廃棄物再生事業者登録 (城南島第一工場) |
がれき類の再生事業 |
第365号 |
なし |
2021年3月5日 |
東京都 |
一般廃棄物処理届出受理施設 |
がれき類の破砕施設 |
2環多廃-第30号 |
なし |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
・役員及び主要な株主が、禁固刑以上の刑に処せられた場合、廃棄物処理法その他生活環境の保全を目的とする一定の法令に違反し、又は刑法の傷害罪等の罪を犯し、罰金の刑に処せられた場合は、欠格要件に該当し、産業廃棄物処分業及び産業廃棄物収集運搬業の許可が取り消されます(法第14条第5項第2号)。 ・産業廃棄物処理基準、産業廃棄物保管基準に違反した場合には、改善命令・事業停止等の行政処分の対象となります(法第19条の5、法第13条の3)。 ・産業廃棄物管理票(以下「マニフェスト」という。)を交付せず、又はこれに虚偽の記載をした等の場合には、事業停止等の行政処分の対象となるほか、刑事罰の対象となります。 ・産業廃棄物処理施設の構造及び維持管理が、技術上の基準又は維持管理計画に適合していない等の場合には、改善命令の対象となります(法第15条の2の7)。 |
(一般貨物自動車運送事業:当社)
認可年月日 |
2002年9月19日 |
許認可等の名称 |
一般貨物自動車運送事業 |
許可番号 |
関自貨第448号 |
所管官庁等 |
国土交通省 |
許認可等の内容 |
貨物自動車による運送業務を行うもの |
有効期限 |
なし |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「貨物自動車運送事業法」に規定された過労運転の防止その他輸送の安全を確保するため適切な計画を有しない等の基準に適合しない場合(第6条)や欠格事由(第5条)に該当する場合、もしくは有償で旅客の運送を行い、「道路運送法」第83条により許可の取消しを受けた場合等。 |
②汚染土壌処理業及び指定調査機関関係
当社グループの環境事業は、産業廃棄物処理業と同様に、建設工事現場等で発生した特定有害物質を含む汚染土壌等に洗浄・不溶化等の中間処理を行い、セメント原料となる改質土としてセメント会社へ提供しており、「土壌汚染対策法」(以下、「土対法」という。)の規制を受けております。
また、工場跡地等の不動産の売買や再開発等に際して、「土対法」に基づく土壌汚染状況調査は環境大臣による指定を受けた「指定調査機関」が行うこととされており、当社グループは当該指定を受けております。
(汚染土壌処理業:当社)
認可年月日 |
所管官庁等 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
許可番号 |
有効期限 |
2021年3月31日 |
東京都 |
汚染土壌処理業許可(城南島第一工場) |
浄化等処理施設(浄化(抽出-磁力選別)・不溶化) 分別等処理施設(異物除去・含水率調整) |
第0131001001号 |
2026年 3月30日 |
2022年1月23日 |
東京都 |
汚染土壌処理業許可(城南島第二工場) |
浄化等処理施設(浄化(抽出―洗浄処理)・不溶化) 分別等処理施設(異物除去・含水率調整) |
第01310010003号 |
2027年 1月22日 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「土対法」に規定された無許可の事業内容変更、委託契約、管理票虚偽記載等の違法行為(第23条、第24条、第25条)ならびに欠格要件(第22条第3項第2号)に該当する場合等。 |
(指定調査機関:当社)
認可年月日 |
所管官庁等 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
許可番号 |
有効期限 |
2019年2月12日 |
環境省 |
指定調査機関 |
土壌汚染対策法に規定する 指定調査機関 |
環2019-3-0001 |
2024年 2月11日 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「土対法」に規定された変更の届出(第35条)、業務規程(第37条第1項)または帳簿の備付け等(第38条)に違反した場合ならびに欠格条項(第30条第1号及び第3号)に該当する場合等 |
③計量証明事業関係
当社グループは土壌中の有害物質の分析や廃棄物の成分分析等を行う「計量証明事業」の認定を受けており、「計量法」の規制を受けます。
(計量証明事業:当社)
認可年月日 |
所管官庁等 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
許可番号 |
有効期限 |
2017年1月5日 |
東京都 |
計量証明事業登録 |
区分;濃度(水又は土壌中の物質の濃度) |
第1398号 |
なし |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「計量法」に規定された事業所の所在地の変更等の届出(第59条第1項)、事業規程の届出(第110条第1項)を行っていない場合、計量証明事業についての不正の行為をした場合等 |
④建設業関係
当社グループは、建設事業について「特定建設業」及び「一般建設業」の許可を取得しております。
区 分 |
当 社 |
認可年月日 |
2023年5月12日 |
所管官庁等 |
国土交通省 |
許認可等の名称 |
特定建設業 |
工事の種類 |
土木工事業 とび・土工工事業 舗装工事業 水道施設工事業 造園工事業 解体工事業 |
許可番号 |
国土交通大臣許可(特-5)第22651号 |
有効期限 |
2028年5月11日 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「建設業法」に規定された経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること等により許可要件を満たさなくなった場合(第7条、第15条)、許可申請書またはその添付資料に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている等により欠格要件に該当した場合(第8条、第17条)、もしくは建設業許可の更新手続きを取らなかった場合(第3条第3項)等。 |
区 分 |
令友工業㈱ |
|
認可年月日 |
2023年3月20日 |
2020年9月8日 |
所管官庁等 |
東京都 |
国土交通省 |
許認可等の名称 |
特定建設業 |
測量業 |
工事の種類 |
土木工事業 とび・土工工事業 舗装工事業 水道施設工事業 |
測量業 |
許可番号 |
東京都知事許可(特-4)第150027号 |
登録第(1)-36213号 |
有効期限 |
2028年3月19日 |
2025年9月7日 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
「建設業法」に規定された経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること等により許可要件を満たさなくなった場合(第7条、第15条)、許可申請書またはその添付資料に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている等により欠格要件に該当した場合(第8条、第17条)、もしくは建設業許可の更新手続きを取らなかった場合(第3条第3項)等。 |
⑤警備業関係
当社グループは、その他について「警備業」の許可を取得しております。
(警備業:成友セキュリティ㈱)
認可年月日 |
所管官庁等 |
許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
許可番号 |
有効期限 |
2021年2月9日 |
東京都公安委員会 |
警備業認定 |
第2号警備業務(交通誘導及び雑踏警備) |
第30002059号 |
2026年 2月8日 |
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
不正な手段による認定や欠格事由に該当している場合(警備業法第8条) |
⑥その他配慮すべき法令
その他、当社グループが事業を行う上で配慮すべき主な法令は、次に記載のとおりであります。当社グループがこれらの規制に抵触することになった場合には、何らかの行政処分や損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
(当社)
規制法 |
監督庁 |
大気汚染防止法 |
東京都 |
水質汚濁防止法 |
東京都 |
下水道法 |
東京都 |
騒音防止法 |
東京都 |
振動規制法 |
東京都 |
(2)首都圏における土木・建設工事への依存について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループが事業基盤としている首都圏ではリニア新幹線関連工事、東京外かく環状道路整備事業をはじめとする大型プロジェクトに加え、老朽化したインフラの更新工事が目白押しであるだけでなく、東京圏国家戦略特別地域で計画されている多くの都市再生プロジェクトも控えております。
当社グループの環境事業、建設事業ともに、これらにかかる土木・建設工事に依存しております。
今後これらのプロジェクトに大きな変更等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。プロジェクトに変更がないか適宜行政協議の見通しを確認しております。
(3)入札の指名停止等について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
建設事業において、自治体に対しては、業者登録が必要であり、登録事業者が入札に参加することが可能となります。
しかしながら、入札手続及び施工において、不正または不誠実な行為があった場合には、業者登録が取り消される、あるいは入札の指名が停止され、自治体との契約ができなくなる可能性があり、これにより当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
<指名停止基準>
① 指名競争又は一般競争参加資格審査申請
地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)上、指名競争入札及び一般競争入札には参加要件が定められております。また、指名競争入札又は一般競争入札に参加しようとする者が、契約の履行にあたり、故意に工事、製造その他の役務を粗雑に行い、又は物件の品質もしくは数量に関して不正の行為をしたとき等に該当すると認められるときは、地方自治体はその者について3年以内の期間を定めて指名競争入札又は一般競争入札に参加させないことができます。
また、必要があるときは、指名競争入札及び一般競争入札に参加する者に必要な資格として、あらかじめ、契約の種類及び金額に応じ、工事、製造又は販売等の実績、従業員の数、資本の額その他の経営の規模及び状況を要件とする資格を定められる可能性があります。 指名競争入札及び一般競争入札へのかかる参加資格の認定にあたっては、あらかじめ地方自治体に資格審査申請を行う手続が定められていることがあります。
このような資格審査申請手続において、虚偽の記載等があった場合は、指名競争入札及び一般競争入札参加資格の認定は受けられず、認定後に発覚した場合には取り消されることがあります。かかる入札参加資格として、当社グループは省庁及び都道府県を含む地方自治体における指名競争入札及び一般競争入札に参加するための資格として、複数の資格を取得しております。かかる資格に関しては、各省庁や各地方自治体が定める指名停止等の措置要領に定められた一定の事由(指名停止事由)に該当した場合には、指名停止措置を受け、一定期間入札に参加することができなくなります。指名停止事由はこれを定める省庁又は地方自治体により異なりますが、入札参加資格審査申請書等に虚偽の記載があった場合、安全管理措置の不適切による事故により死亡者又は負傷者を生じさせる等した場合、入札妨害・談合を行った場合、関連業法に違反した場合等が定められることがあります。
② 入札行為
独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除措置命令が行われます。排除措置命令を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国及び自治体から指名停止の処分が科せられます。
(4)施工物の瑕疵について
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
建設事業において、施工品質の管理には細心の注意を払い徹底した施工管理を行っておりますが、万が一施工物に瑕疵が生じた場合には、損害の賠償や修補費用などが生じるほか、工事成績評点への影響などが生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は安全・品質・環境部を設置し、ISO規格に基づく徹底した品質管理を実施するとともに、社員教育の充実による施工技術の更なる向上を図り、リスク低減に努めております。
(5)協力会社の減少について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループが所属する建設業界及び産業廃棄物処理業界においては多数の代替業者が存在しますが、職員の高齢化や新規入職者の確保難などにより慢性的な人材不足のほか、運送車両の不足により、当社グループが必要とする時期に外注業者を確保することが出来なかった場合、機会損失により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)収益変動リスクについて
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
建設事業及び環境エンジニアリング事業の工事請負契約では、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)によっています。
適切な原価管理に取り組んでおりますが、原材料価格や輸送費、労務費の上昇リスクを内在しており、これらの見直しが必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)資材の高騰について
(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
資材や薬剤の価格が高騰したにもかかわらず、請負金額に転嫁することが困難である場合、工事原価や処理原価の上昇により利益率が低下する可能性があり、これにより当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このリスクに対応するため、代替品や新たな処理方法の模索を継続的に行っております。
(8)環境事業における業界競争の激化について
(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)
環境問題への意識が高まる昨今の状況下、環境ビジネスの一角として廃棄物処理業への注目は今後一層高まるものと予想され、他業界からの新規参入に加えて、既存の競合他社による企業買収・提携等を活用した地理的な事業領域の拡大や、提供するサービスの多角化を含む業界再編に伴う競争環境の変化により価格競争が激化する可能性があります。
特に当社グループが事業基盤としている首都圏では、リニア新幹線関連工事、東京外かく環状道路整備事業をはじめとする大型プロジェクトに加え、老朽化したインフラの更新工事が目白押しとなっている一方、他地域にはそのような大型プロジェクトは限られていることから、他地域の同業者が首都圏に参入する動きがみられております。
当社グループでは首都圏に産業廃棄物処理施設3工場を有しており、優位性があると考えておりますが、受注競争の激化や受託単価の低下によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)セメント会社との取引関係について
(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)
当社グループが受け入れた汚染土壌等は浄化・不溶化等を行ったうえで、セメント原料となる改質土に再資源化して当社が処理費用(運搬費を含む)を負担して全国各地のセメント工場へ提供しております。2023年9月期連結会計年度における当該処理費用は3,311百万円となっており、処理費用の単価については各セメント会社との交渉にて決定しておりますが、セメントの需給状況等によっては変動し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内各地のセメント工場では設備の定期修理等に伴う半月から1ヶ月程度の生産停止を行う場合があります。その停止時期は各工場で異なるため、当社グループは全国各地のセメント工場を確保しリスクを回避しておりますが、万一、セメント工場の生産停止時期が重なった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)廃棄物及び汚染土壌の受入量や受入時期が想定と相違する可能性について
(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)
廃棄物及び汚染土壌は主に大手総合建設業者(会社)から受入れておりますが、現場毎の発生量を事前に予測することが困難なうえ、何らかの事情で工事の着工時期や施工スケジュールが遅れる場合もあり、結果として当社グループが処理する廃棄物及び汚染土壌の受入量や受入時期が想定と相違した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)取引先の信用不安リスクについて
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、新たな取引先については契約前に取引先の反社調査及び信用調査を実施し、リスクの軽減を図っていますが、発注者・協力業者などの取引先に信用不安が発生した場合には、貸倒れの発生や引当金の計上、工程の遅延などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は与信管理規程に基づき、取引先の状況把握を定期的に実施し、回収懸念の早期把握や軽減を図り、リスクの低減に努めております。
(12)借入金への依存度について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
産業廃棄物処分業及び汚染土壌処理業は装置産業であり、施設設置には多額の資金を要します。当社グループにおきましては、2017年1月に城南島第二工場を建設・稼働させたことにより有利子負債残高は2023年9月期連結会計年度において約4,704百万円(有利子負債依存度約40.5%)となっております。そのため、金利の上昇傾向が続いた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)固定資産の減損について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当社グループが有する固定資産について、今後収益性が悪化したと判断される場合や市場価格等が著しく低下した場合は、減損損失を認識する必要があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)従業員の育成・確保について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業は「廃掃法」、「土対法」及び「建設業法」並びに「警備業法」等の法的規制を受けております。いずれの事業も公共性が高く、専門的な知識・技術・ノウハウ等が必要であることから、当社では優秀な従業員の育成・確保が重要な経営課題であると認識しております。
このため、当社グループでは毎月開催している中央安全衛生委員会を通じて法令遵守意識を高め、適法適正かつ安全な業務を周知指導するとともに、社内外の勉強会、講習会の受講及び各種資格取得の奨励等による人材育成に努めております。
しかしながら、こうした指導や人材育成が十分である保証はなく、また計画どおりに従業員を確保することができなかった場合、業務や事業計画の遂行に支障が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、働き方改革を推進した労働環境の構築や、採用後の資格取得への積極的な支援及び左記に基づく採用活動の実施により、リスクの低減に努めております。
(15)当社の代表取締役社長である細沼順人への依存について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の代表取締役社長である細沼順人は、経営方針や戦略の決定、事業推進において中心的役割を果たしております。当社では同氏に過度に依存しない経営体制を構築するため、職務権限の委譲、合議制の推進等により同氏に依存しない業務運営の実施に努めておりますが、同氏が何らかの理由により当社の経営に携わることが困難になった場合には、業務の停滞等により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)建設施工及び処理施設における労働災害及び事故について
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、建設現場での施工、廃棄物の収集運搬や廃棄物処理施設の設置、運営を行っているため、事業運営の過程において、事故又は設備の欠陥もしくは誤作動等による死亡事故を含む労働災害が発生する可能性があります。建設業法、労働関係法令その他関連法令を遵守するとともに、安全教育の実施、危険予知活動や点検パトロール等に加え、各事業所でも毎月安全衛生協議会を実施しているほか、グループ全体で開催する安全大会等において、労働災害及び事故を撲滅するため、起こりうる事故や発生した事故の情報共有と対策の立案、周知徹底を行っておりますが、万一、法令違反又は人身や施工物等に関わる労働災害及び事故が発生した場合、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。
なお、最近において、当社が下請け業者として参加している工事で、当社従業員に労働災害が発生しております。当該工事の事実関係は明らかになっており、その事実関係では 、当社が業法、施工上ならびに労働契約上の責任を負うことはないと考えておりますが、何らかの事由により、当社が関係者から何らかの請求を受ける可能性があります。
(17)処理施設3工場における環境保全について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
環境事業は廃棄物及び汚染土壌等を扱っており、処理施設3工場では騒音、振動、粉塵、排水が発生いたします。当社グループでは、これらが周辺の生活環境に害を及ぼさないように日常的に施設点検等を行っているほか、地元自治体と取り交わした環境保全協定書に基づいて定期的な環境モニタリングを実施しております。
しかしながら、万一、天変地異や人的過失等の不測の事態により環境汚染等が発生した場合、損害賠償請求を受け、又は周辺の調査や浄化に係る義務を負うこととなる可能性があり、これにより当社グループの社会的信用が低下し、施設の周辺地域からの支持を失い、新規の許認可の取得や既存の許認可の維持に支障を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)自然災害・火災等の発生について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの処理施設3工場は東京都に集中しておりますが、大型の台風、地震、津波等の自然災害に見舞われた場合、建設現場の施工遅延、施設の操業停止や廃棄物の収集運搬・処理の遅滞が生じ、復旧に多額の費用を要すなど甚大な被害を受ける可能性があります。
そのため、当社グループにおいては、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、事業所間連携を強化し、自然災害の有事の際にも事業への影響が小さくなるよう努めておりますが、上記のような事象が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(19)代表取締役社長及びその親族等の当社株式保有について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の代表取締役社長細沼順人及びその一族は、本書提出日現在で発行済株式総数の87.68%を所有しております。その結果として、当社の事業活動に影響を及ぼす重要な意思決定に対して影響力を行使することができます。また、これらの株主は、現在までのところ安定保有を維持しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主であるこれらの株主の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(20)業績の季節変動について
(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:小)
当社グループの建設事業は、公共関連事業が多いため、特に年度末1月から3月に受注が集中する等の季節変動があります。工事進行基準を適用していることにより業績の季節変動はやや緩やかになっておりますが、建設事業の売上高も上半期に多く計上されるため、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。近年、上半期の売上高は年間の53%から58%程度で推移しております。
(21)反社会的勢力との取引に関するリスクについて
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、反社会的勢力を排除するため、基本方針として、対応部署の設置、外部専門機関との連携、反社会的勢力調査マニュアルの制定、暴力団排除条項の導入、暴追都民センターに賛助会員として加入すること、その他必要な体制を確立することを定めています。
また、新規の取引にあたって反社会的勢力との関係の有無についての確認や反社会的勢力ではない事を各種契約書に記載し締結する等の手続きを行っております。しかしながら、当社グループとしてのチェックを行っているにもかかわらず、反社会的勢力を含む犯罪集団との取引を排除できない可能性があります。その場合、詐欺や違法性のある取引に巻き込まれる可能性があり、当社グループの社会的な評価が失墜することにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(22)財務制限条項について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。財務制限条項の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)※3 財務制限条項」に記載のとおりであります。
(23)新型コロナウイルス感染症の拡大について
(発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中)
新型コロナウイルス感染拡大の当社業務への影響は今のところ軽微なものと判断しております。しかしながら今後、感染の再拡大が深刻化した場合には、工事現場の工事延期、中間処理工場の稼働率低下や、従業員・協力業者への感染によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的に検温や消毒を行うことによって感染防止に努めるとともに、必要に応じて時差出勤やリモートワークといった勤務形態を行うことによってリスクの最小化に向けた施策を実施しております。
(24)情報管理のリスクについて
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは経営情報や顧客情報等の機密情報及び個人情報を取り扱っております。通信ネットワーク、データベース、パソコンやタブレット等の情報端末等には最新のセキュリティ対策を施し、「情報セキュリティ管理規程」に規定されているとおり各システムに関しては職務遂行上必要な者にのみアクセス権限を付与しています。
グループ社員を対象としたセキュリティ研修等による意識徹底を図っておりますが、外部から想定を超えるコンピュータウイルス感染、重要データの抜取り、改ざん等の不測の事態が発生する可能性があります。
また、当社グループは、情報システムの運営及び保守について第三者に委託しているため、当社グループの管理の及ばないところでシステム障害その他の問題が発生する可能性があり、その開発、維持及び拡張に要する費用が将来大幅に増加する可能性もあります。
これらの重大なセキュリティ事故が発生した場合、情報流出等による賠償責任、対策のための多大な支出、当社グループに対する信頼性の低下等が発生する可能性があります。この結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(25)訴訟等について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、施設の周辺住民その他の関係者、顧客その他の取引先、競合他社、従業員等から、環境被害、契約違反、労働問題、知的財産権侵害や機密情報漏洩等を理由として訴訟の提起を受ける可能性があります。
特に従業員に対しては勤務条件等について丁寧な説明を行うことで、労働訴訟の未然防止に努めておりますが、重大な訴訟が提起された場合、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性や、当社グループの社会的信用が低下し顧客との関係が毀損する可能性があります。
また、仮に当社グループに不利な決定が下されなかった場合でも、訴訟対応のため、時間、費用その他の経営資源を費やす結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、訴訟等について、顧問弁護士等外部の専門家と緊密に連携し対応できる体制を構築することで、リスクの低減に努めております。
(26)過積載による法的規制違反の影響について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
産業廃棄物収集運搬車両及び一般貨物自動車運送車両について、過積載が行われた場合、廃掃法及び貨物自動車運送事業法に基づく行政処分又は刑事処分の対象となる可能性があります。その場合事業停止及び許可の取消しとなり事業に大きく影響を及ぼします。
(27)その他留意すべき事項について
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
「廃掃法」第14条の2第3項の規定を受けた施行規則第10条の10第1項第2号ハでは、「発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者」の変更を廃棄物処理事業者の届出事項と定めております。また、許可の新規取得や更新の申請時においても、同様に届出事項となっております。
したがいまして、当社株式の5%以上を取得した株主が生じた場合、当社は当該株主の住民票の写し、登記事項証明書等を所管官庁に対して提出する必要があります。さらに当該株主が欠格事由に該当した場合、当社の許可が取り消しになる可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様へ利益還元を経営上の最重要課題のひとつと考え、今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移、財務状況、今後の事業・投資計画などを総合的に勘案し、内部留保とのバランスを取りながら、配当性向30%程度を目指して、配当による株主への利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針であります。
当社は、期末配当として年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
内部留保資金については、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させるための資金として、有効に活用していく所存であります。
当社の剰余金の配当につきましては、期末配当は株主総会が、中間配当は取締役会が決定機関となっております。中間配当につきましては、取締役会の決議によって、毎年3月31日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年12月22日 |
62,805 |
50 |
定時株主総会 |