2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①  取引集中によるリスク

当社グループの顧客層は業種も多種多様で、物流エリアも東北地方から関西、九州地方に分散しているものの、インターネット通販に関連する取引の増加により、特定の取引先との取引が営業収益の30%以上を占めております。当社グループは、物流サービスの拡充により取扱業務を拡大することで、取引集中によるリスクの回避に努めてまいります。取引先との関係は良好かつ安定的に推移しておりますが、内外の状況により取引先を含めた事業環境が激変する可能性に加えて、主要な取引先との契約内容が変更あるいは解消された場合、当社グループの業績が影響を受けるリスクがあります。

 

②  燃料費変動のリスク

原油価格等の高騰により軽油価格が上昇した場合、燃料油脂費等の運送原価が増加します。集中購買やエコドライブの推進等により費用の削減に努めておりますが、これら費用の増加分を運賃に転嫁できない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

③  金利変動のリスク

当社グループは車輌の更新及び倉庫施設等の新設や更新のため、継続的な設備投資を行っております。有利子負債の圧縮に努めておりますが、必要な設備資金は主として外部借入により調達しております。主に固定金利での借入を行っておりますが、変動金利で調達している資金については金利変動の影響を受けることになります。また、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。

 

④  固定資産の減損リスク

当社グループは物流事業、不動産事業等を営んでおり、その業務の性格上、多額の固定資産を所有しております。今後、保有資産の時価下落や収益性の低下に伴う減損損失が発生する可能性があります。

 

⑤  法的規制及び環境規制に伴うリスク

当社グループは、一般貨物自動車運送事業、倉庫業等、国土交通大臣等の許可や登録に基づく事業を営んでおり、排ガス規制等、環境・安全に係る規制の影響を受けておりますが、低炭素社会への移行が社会全体の課題とされる中、規制強化の影響を受ける可能性があります。当社グループは、業界における各種の法的規制に適合した経営の遂行を最重要課題とし法令遵守の徹底を図っておりますが、万一、当該規制に抵触し、事業の停止、許可・登録の取消処分等を受けるような事態になった場合は、事業自体の遂行が困難となるケースも想定されます。また、法的規制が強化されることにより人的、資金的負担が増大する可能性もあります。

 

⑥  自然災害等のリスク

当社グループが主力地盤とする地域は東海地震の可能性が言及されている一帯に位置しています。大規模な地震、津波、風水害、火災等の発生により、当社グループの倉庫、車輌等の設備や道路、通信網等が重大な損害を受け、事業の一時的な中断、ひいては取引の縮小や解消、従業員の身体・生命に関わる安全レベルの低下、災害対策のための負担の増加等が発生する可能性があります。当社グループでは、社員の安否確認やBCPの策定、防災訓練の実施などの対策を講じておりますが、想定を超える規模で被害が発生した場合には当社グループの業績が重大な影響を受ける可能性があります。

 

⑦  感染症発生に関するリスク

当社グループは関東地区から関西地区にかけて事業所が点在しており、リスクの分散化が図られていると認識しておりますが、想定を超える規模で新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の未知の感染症が流行した場合、当社グループや取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態の発生により、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧  情報漏洩のリスク

当社グループは、物流業務の受託にあたり、取引先の各種情報を取り扱っております。このため、プライバシーポリシーの制定をはじめ、情報管理やコンプライアンスに関する教育・指導の徹底に努めております。万一、当社グループの責任により当該情報が漏洩し、取引先に損害を与えた場合は多額の損害賠償請求を受ける可能性があるため損害賠償保険に加入しておりますが、社会的信用を失うリスクがあります。

 

⑨  システムリスク

当社グループの業務はその大半をシステムに依拠しているため、自然災害、ウイルスの侵入、不正アクセスなどによりシステム障害が発生し、かつ長期間障害が継続した場合には業務に重大な支障を来たすおそれがあります。これについてはデータセンターの活用によりリスクの低減を図っているところですが、今後の多様な事業展開と情報量の飛躍的な増加も見据え、これら諸リスクに対処するため、基幹システムの統合刷新をいたしております。

 

⑩  重大な事故発生のリスク

当社グループは、貨物運送事業を営むうえで多くの車輌を使用し、日々運行を行っております。安全管理は当社グループの最重要課題として取り組んでおりますが、万一、重大な交通事故等を発生させてしまった場合は、取引先のみならず社会一般の信用も失墜することになり、多額な損害賠償請求、営業停止等の行政処分などにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

⑪  コンプライアンス違反に関するリスク

万一、会社や役員・従業員によるコンプライアンス違反に関する事項が発生した場合、取引先等の信頼を失うことにより事業活動に重大な影響を受ける可能性、あるいは過去の財務諸表等の修正を要する事態に発展する可能性があります。

当社グループは、コンプライアンス実践のため企業行動指針(10項目)を定め、平素より法令遵守の企業風土の醸成に努めております。また、法令や諸規程に基づく内部統制が機能するよう内部監査室や内部統制委員会等において、万一にも法令違反や重大な誤謬が発生しないよう監視・監督に努めております。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を常に念頭に置き、業績の推移、経営環境、配当性向等を総合的に勘案しつつ、安定した配当を継続することを基本方針としております。

上記方針に沿い、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としており、また、機動的な配当政策が実施できるよう、会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議をもって剰余金の配当等の決定ができる旨を定款に定めております。

内部留保金につきましては、現在及び将来に亘る設備投資や経営基盤強化のために有効に活用すべく、その充実を図っていく方針です。

このような方針に基づき、当中間期の株主配当金につきましては、1株当たり普通配当金を47円といたしました。当期末の配当金につきましては、1株当たり普通配当金を47円にて取締役会決議をいたしております。これにより、中間配当金47円を合わせた当期の年間配当金は94円となります。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月9日

350

47

取締役会決議

2024年5月10日

350

47

取締役会決議