人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数18,514名(単体) 29,282名(連結)
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平均年齢36.6歳(単体)
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平均勤続年数15.8年(単体)
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平均年収7,602,898円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
令和6年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
運輸業 |
流通業 |
不動産業 |
その他 |
合計 |
従業員数(人) |
19,313 [628] |
2,628 [5,341] |
612 [245] |
6,729 [1,056] |
29,282 [7,270] |
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。
2 従業員数欄の[ ]は外数で、臨時従業員の年間平均雇用人員を示しています。
(2) 提出会社の状況
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令和6年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
18,514 |
36.6 |
15.8(16.1) |
7,602,898 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
運輸業 |
18,414 |
不動産業 |
100 |
合計 |
18,514 |
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。また、臨時従業員については、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 平均勤続年数欄の( )内は、国鉄における勤続年数を通算した場合の平均勤続年数を示しています。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
当社には現在4つの労働組合があり、各労働組合の名称及び組合員数は次のとおりです。
令和6年4月1日現在 |
名称 |
組合員数(人) |
上部団体 |
東海旅客鉄道労働組合 (JR東海ユニオン) |
18,654 |
日本鉄道労働組合連合会 (JR連合) |
国鉄労働組合東海本部 (国労東海) |
189 |
国鉄労働組合 (国労) |
ジェイアール東海労働組合 (JR東海労) |
120 |
全日本鉄道労働組合総連合会 (JR総連) |
全日本建設交運一般労働組合東海鉄道本部 (建交労東海) |
2 |
全日本建設交運一般労働組合 (建交労) |
(注) ( )内は労働組合名等の略称です。
当社は、東海旅客鉄道労働組合、国鉄労働組合東海本部、ジェイアール東海労働組合及び全日本建設交運一般労働組合東海鉄道本部の全ての労働組合との間で労働協約を締結しています。この労働協約に基づき、経営協議会、団体交渉等を行っており、健全かつ安定的な労使関係の構築に努めています。
なお、当社の連結子会社の労働組合の状況について特記事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
指標名 |
実績 |
|
採用した労働者に占める女性労働者の割合(注1) |
26.0% |
|
労働者に占める女性労働者の割合(注2) |
12.7% |
|
係長級以上にある者に占める女性労働者の割合(注3) |
4.3% |
|
有給休暇取得率 |
91.7% |
|
育児休業取得率(注4) |
女性労働者 |
100% |
男性労働者 |
96% |
|
労働者の男女の賃金の差異 |
全労働者 |
76.3% |
うち正規雇用労働者 |
74.3% |
|
うちパート・有期労働者 |
80.6% |
(注) 1 採用した労働者に占める女性労働者の割合は、当事業年度に採用した従業員数(臨時従業員を含まない。)を基に算出しています。
2 労働者に占める女性労働者の割合は、令和6年3月31日時点の従業員数(臨時従業員を含まない。)を基に算出しています。
3 係長級以上にある者に占める女性労働者の割合は、令和6年3月31日時点の従業員数(臨時従業員を含まない。)を基に算出しています。なお、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による定義や計算方法とは異なっております。
4 育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しています。
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の 割合 |
男性労働者の 育児休業取得率 |
労働者の男女の賃金の差異 |
||
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・ 有期労働者 |
|||
ジェイアール東海物流㈱ |
5.3% |
200% |
59.3% |
69.7% |
66.2% |
ジェイアール東海バス㈱ |
0.0% |
75% |
64.7% |
77.0% |
45.1% |
㈱東海交通事業 |
7.7% |
75% |
71.3% |
74.0% |
127.8% |
㈱ジェイアール東海髙島屋 |
13.3% |
25% |
50.7% |
62.5% |
49.7% |
㈱JR東海リテイリング・プラス(注3) |
23.3% |
(注4)71% |
80.6% |
78.2% |
104.7% |
ジェイアール東海 フードサービス㈱ |
10.0% |
0% |
39.1% |
69.9% |
113.5% |
ジェイアール東海不動産㈱ |
7.1% |
100% |
208.4% |
85.3% |
69.1% |
ジェイアール東海関西開発㈱ |
0.0% |
100% |
56.2% |
71.8% |
48.7% |
㈱ジェイアール東海ホテルズ |
3.2% |
(注4)80% |
52.8% |
62.8% |
60.1% |
㈱ジェイアール東海ツアーズ |
38.6% |
0% |
77.0% |
79.3% |
51.2% |
㈱ジェイアール東海 エージェンシー |
5.3% |
83% |
74.8% |
73.6% |
102.6% |
日本車輌製造㈱ |
0.0% |
(注4)64% |
75.6% |
78.2% |
71.8% |
ジェイアール東海建設㈱ |
0.8% |
6% |
51.4% |
59.0% |
24.5% |
ジェイアール東海 情報システム㈱ |
7.5% |
81% |
72.9% |
73.1% |
(注6) |
日本機械保線㈱ |
2.6% |
41% |
38.8% |
81.8% |
75.0% |
中央リネンサプライ㈱ |
30.8% |
(注5) |
69.9% |
96.7% |
(注7)74.9% |
東海交通機械㈱ |
0.0% |
56% |
91.4% |
92.3% |
27.0% |
ジェイアール東海 コンサルタンツ㈱ |
0.0% |
100% |
77.7% |
74.3% |
78.3% |
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき公表をしているまたは公表予定の連結子会社のみを記載しています。
2 男性労働者の育児休業取得率は、㈱JR東海リテイリング・プラス(正規雇用労働者83%、パート・有期労働者0%)、㈱ジェイアール東海エージェンシー(正規雇用労働者100%、パート・有期労働者0%)、日本車輌製造㈱(正規雇用労働者64%、パート・有期労働者100%)を除き、パート・有期労働者に対象者がいないため、全労働者のものを記載しています。
3 ㈱ジェイアール東海パッセンジャーズは、令和5年10月1日に東海キヨスク㈱と合併し消滅しています。東海キヨスク㈱は同日に㈱JR東海リテイリング・プラスに商号変更しています。
4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。
5 対象者がいないため記載していません。
6 女性のパート・有期労働者がいないため記載していません。
7 正規雇用労働者の所定労働時間を参考として換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念の下、中長期的な展望に立ち、安全の確保を最優先に日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させつつ、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により「三世代の鉄道」を運営するとともに、グループ会社と一体となって鉄道と相乗効果のある関連事業を展開していくことを基本方針としています。
そして、すべてのステークホルダーからの信頼を高めるという確固たるガバナンスの下、この基本方針に基づく事業戦略により、利益、キャッシュ・フローといった「経済的価値」を創造しながら、同時に持続的かつ豊かな社会を実現するという「社会的価値」を創造する「ESG経営」を実践し、健全経営と安定配当、さらには企業としての持続的な成長を実現してきました。
鉄道事業を中核とする当社グループにおいては、長期的展望を持ち、人材育成、設備投資、技術開発等を行い、安全の確保を最優先に、競争力を強化していくことが不可欠です。そのために、①安全対策、②サービス向上策、③効率化、④環境優位性の追求に重点を置いて事業活動を行っています。
「ESG経営」の好循環
(1) カーボンニュートラルに向けた目標とTCFDの提言への取組み
上記のうち環境優位性の追求について、当社ではこれまで、地球環境保全を経営上の重要なテーマとして、省エネ型の車両や設備を積極的に導入することで、他の輸送機関に比べてエネルギー効率が高く、環境負荷が少ないという鉄道の環境優位性を不断に高めてきました。
これに留まらず、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてより一層のCO2排出削減にも取り組んでおり、当社及び当社グループは、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減とすることを目指します。
これらに加え、当社は、2021年5月にTCFD(注)の提言に賛同し、TCFDの提言を踏まえて気候変動に関するリスクと機会の分析を進めています。今後も、リスク分析をさらに深度化することで、長期にわたる安定的な事業運営に活かすとともに、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。
(注) TCFDはTask Force on Climate-related Financial Disclosuresの略で、気候関連の情報開示等を検討するため、金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースです。その最終報告書では、企業等に対し、気候変動が事業に与えるリスク及び機会の把握と開示等を推奨しています。
① ガバナンス
当社では、それぞれ経営部門、技術部門を統括する総合企画本部と総合技術本部が中心となり、環境施策を立案・推進しています。代表取締役社長及び関係役員は、気候変動に関する検討内容を経営に反映するとともに、取組みを監督しています。また、重要な事項は、取締役会等にて審議・報告することとしています。
② 戦略
気候変動に関するリスクと機会に対する戦略は、次のとおりです。
a 移行リスク
当社が排出するCO2125万t(2022年度)のうち、約5%は「燃料等の使用に伴う直接排出」が、残りの約95%は「電力使用に伴う間接排出」が占めています。
約5%を占める「燃料等の使用に伴う直接排出」については、環境負荷の低減を実施したHC85系を順次投入しました。また、模擬走行試験を通じて、水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進めるとともに、蓄電池車及びカーボンニュートラル燃料について、調査研究を継続します。残りの約95%を占める「電力使用に伴う間接排出」については、国内の電源部門全体の脱炭素化の動きに加え、N700S及び315系といった省エネ型車両の投入を進めるほか、東海道新幹線の周波数変換装置を電力損失の少ないタイプに切り替える工事を順次進めるなど、さらなる省エネルギー化に取り組んでいます。また、東海道新幹線の「のり面」を活用した太陽光発電システムの施工を開始するなど、再生可能エネルギーの活用にも取り組みます。
b 物理的リスク
気候変動に伴う物理的リスクのうち、鉄道業においては風水害による影響が大きいと考えられます。そのため、これまでにも様々な対策を実施してきましたが、TCFDのフレームワークを用いた気候変動による影響の分析を行うことで、さらなるリスクの管理に努めています。
その一環として、河川氾濫の発生確率増加に伴う東海道新幹線の設備損害額及び大雨の発生頻度増加に伴う運休・遅延による収益減少額について、定量的に分析し、当社HPに開示しています。
c 機会
昨今の脱炭素に向けた環境意識の高まりは、元来環境優位性の高い交通機関である鉄道のさらなるご利用促進の機会と捉えています。
当社は、鉄道各社と連携しながらPRを強化するなど、鉄道の環境優位性への社会的な理解を広め、鉄道のご利用を促進することで、脱炭素社会への移行に貢献していきます。
③ リスク管理
当社では総合企画本部及び総合技術本部が、関係部署と十分連携の上、気候変動に伴うリスク及び機会が当社に及ぼす影響を評価・分析し、対策を立案・推進しています。
物理的リスクの低減策としては、会社発足以来、気候変動起因に限ることなく実施してきた自然災害全般に対する設備強化等のほか、大規模災害への抜本的な備えとして、超電導リニアによる中央新幹線建設にも取り組んでいるところです。
当社は、引き続き気候変動に関するリスク分析を深度化させることを通じて、長期かつ安定的に鉄道事業を運営し、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。
④ 目標と指標
当社及び当社グループは、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指すとともに、2030年度のCO2排出量についても、同政策を前提として、2013年度比で46%削減とすることを目指します。これにより、鉄道の環境優位性をさらに高め、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
(2)当社の持続的な成長を支える人材への取組み
当社は、人材こそが最大の経営資源と考えています。経営理念や行動指針を社員一人ひとりが自身の仕事に落とし込み、それをチームとしてまとめ上げ、しっかりとやり抜くことが、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念をより高いレベルで実現することにつながります。このような考え方の下、当社では人材育成と働きがいのある職場づくりに向けて、現場での教育訓練や各種研修、女性活躍推進の取組みや各種改善活動をはじめ、エンゲージメント調査の結果等も活用しながら、社員の意欲と能力を高め、企業価値の最大化に取り組んでいます。
なお、各戦略の詳細については、当社HPにある統合報告書2023 p25~30をご参照ください。また、2024年秋に公表する統合報告書2024にも記載予定です。
a 人材育成
鉄道事業は、社員一人ひとりが自分の役割を完遂するための強い心構えを持ち、高い技術力と確かな知識を身に付け日々の業務に真摯に取り組むとともに、各部門が連携して高いレベルで様々な専門技術が統合されることにより、初めてトータルとして安全かつ健全なシステムとして機能します。
このことから、当社では、特に鉄道現場において「規律」「技術力」「一体感」の3つを人材育成の基本理念として掲げ、当社の社会的使命を長期にわたり安定的かつ十分に果たし続けるための人材育成に取り組んでいます。具体的には、各職場における日常的な仕事を通じて、業務知識や技術を学ぶ「職場内教育訓練(OJT)」をすべての教育訓練の基本とし、総合研修センター等で実施する「集合研修」と、社内・社外通信研修制度等で知識・技能を習得する様々な「自己啓発」により補完しています。
また、主にオフィス部門においては、多様な社員の能力を活かし、新たな視点や柔軟な発想で、社内外の様々な環境変化に対応し、新たな価値を創造していくことが必要です。
当社では鉄道現場、オフィス部門問わず、長期雇用を前提として、社員が必要な能力を備え、意欲を持ってその能力を発揮できるよう、人事運用も広く視野に入れ、計画的な人材育成に取り組んでいます。
なお、総合研修センターには、車両の実物大シミュレータや本線と同等の設備を備えた実験線等を配備するとともに、VR技術や立体投影システムを用いた訓練教材を活用するなど、専門的な技量・技術の深度化につながる取組みを積極的に行っています。2023年度、総合研修センターにおける集合研修の利用実績は延べ約8,900人・約62,500人日で、従業員一人当たりの年間教育時間は25.3時間でした。
自己啓発についても、各種支援制度等を充実させ、意欲のある社員の能力開発を積極的に支援しています。当社では日常業務で必要となる専門知識や技能を体系的に習得できる社内通信研修(約30講座)を整備しており、毎年5,000人程度の社員が利用しています。また、業務に役立つ200種類以上の資格について受験料相当額を支給する資格取得奨励金制度、eラーニングを含む社外の通信研修を修了した際に受講料半額相当を支給する社外通信研修修了奨励金制度等についても多くの社員が活用しており、2023年度は延べ約3,900人を対象に、約2,800万円を支援しました。
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念を将来にわたってより高いレベルで実現し続けるためには、経営環境の変化にも適切に対応するための多様な人材を質・量ともに充足させる必要があります。当社は、意欲ある社員に知識と経験を積む機会を提供することで、多様な知識と経験を持つ人材を当社の経営資本として育成しています。
(グローバル人材の育成)
企業を取り巻く経済・社会環境が益々国際化し、複雑化する中で、将来の経営を担い、国際社会においても通用する人材の育成を目的に、全額社費負担による海外留学制度を設けています。
また、社員を海外の企業等に派遣して先端技術等の調査に当たらせ、帰国後に調査結果を当社業務に役立たせることを目的に、海外調査派遣制度を設けております。
これらの制度は公募制であり、幅広い職種から意欲ある社員を募ることでこれからの社業の推進や組織の変革に寄与する人材を戦略的に育成しています。
(公募型の研修や制度によるキャリア開発)
当社では、多様な人材が意欲に応じて様々な知識と経験を積み重ねられるよう、公募型の研修や制度の充実を図り、社員の意欲と能力を高めるとともに人材ポートフォリオの多様化を進めています。
将来、マネジメント層として活躍が期待できる社員には、職場の核となり、けん引するために必要な素養を身に付ける「キャリア・アップ研修」をはじめとした教育機会や、異業種女性交流研修への参加、社外の社会人向けプログラムへの社員派遣等、視野や社外人脈を広げるための機会を拡充しています。
また、意欲・能力ある社員を見出して適材適所の登用を実現するとともに、これを契機として社員各々の自己研鑽意欲や挑戦心を喚起することを目的として、2022年より社内公募によるキャリア開発を導入しています。
(ICT人材の育成)
新しい発想による新たなサービスの創出や業務改革推進のためには、ICT等の新しい技術を積極的に活用できる人材の育成と、それらを業務において最大限活用する社内文化の醸成が急務であると考えています。当社では、データ分析やシステム開発など実践的なスキルを習得する教育を実施し、ICTを活用して新たな価値を創造する人材の育成を強化しています。また、階層別研修において、ICTの技術動向と当社における活用可能性を考察するカリキュラムを実施しているほか、2023年度より順次、全社員を対象にICTリテラシーの向上を図る教育を実施しており、これらを通じてICT活用の社内文化醸成に努めています。
(事業系専門人材の育成)
当社では、長期雇用を前提として計画的に人材を育成すべく、ジョブローテーションを行っています。他方、新規事業開発など、専門性を磨くことで質の高いアウトプットが期待できる職務については、適性の高い人材を見出し、事業推進本部やグループ会社を中心に人事運用を行うことで、専門性のある人材を育成しています。
b 働きがいのある職場づくり
公共性の高いオープンなサービスを提供する当社は、多様なお客様に喜ばれるサービスを提供し続ける使命を担っています。お客様の多様なニーズに応え続けるためには、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりがその能力をいかんなく発揮する必要があります。社員一人ひとりが働きがいを感じられる職場をつくることで、個々のアウトプットを引き出し、組織の成果の最大化を図っています。
(女性活躍推進プロジェクト)
当社では、社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる職場づくりのための取組みとして、女性活躍推進に力を入れています。
男女雇用機会均等法等の趣旨を踏まえ、採用・配置等、人事面の取扱いにおいて男女の区別なく行っており、現在女性社員は、管理部門の業務、駅のフロント業務、新幹線・在来線の車掌・運転士業務、病院の看護業務をはじめ、広範な業務に従事しています。鉄道事業では、その業務の特性上、いわゆる深夜労働(22時から翌日5時にかかる時間帯の労働)が不可欠ですが、当社発足時の労働基準法では、一部の限定的な職種を除き、女性の深夜労働は原則として禁止されていました。そのため、1996年末における当社の女性社員の割合は、わずか1.3%にとどまりました。その後、1997年の労働基準法改正を受け、本格的に女性社員の採用を開始し、2023年度末時点で女性社員数は2,353人(全社員に占める割合は12.7%)と大幅に増加しています。2021年には当社で初めて女性が執行役員に、2022年には取締役に就任したほか、部長·課長等、多方面で女性が活躍しています。
これまでも多様かつ柔軟な働き方を実現するための各種制度の充実に積極的に取り組んできましたが、これに加えて2020年7月に立ち上げた人事部長直轄の女性活躍推進プロジェクト主導の下、これまで以上に男女を問わずすべての社員が仕事と子育てを両立させ、働きがいを持って十分に能力を発揮できる会社とすべく、2021年4月から取り組む女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しました。
この行動計画では、新卒採用における女性の採用率を25%以上とする、女性の管理職の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にするといった数値目標を掲げており、計画期間が終了する2026年3月31日までに目標を達成できるよう、全社的に取組みを推進しています。
<女性活躍推進のためのポジティブアクション>
男女を問わず全ての社員が働きがいをもって十分に能力を発揮できる会社となることを目指し、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき以下の行動計画を策定しています。
計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日
1.女性の採用率を拡大します。
目標:新卒採用における女性の採用率を25%以上とする。
・女性が鉄道会社で働くイメージを持てるよう訴求する採用広報を強化する。
・全職種において女性の採用を強化する。
2.女性の配置箇所を増やし、働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大します。
目標:女性の配置箇所を増やす。
・女性用設備の整備状況等をふまえ、女性の配置箇所を増やす。
目標:働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
・育児等により働き方に制約のある社員の活躍できる場を拡大する。
3.女性管理職を増やします。
目標:女性の管理職(※)の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
※「ライン課長」及び「課長より上位の役職(役員を除く)」にある社員の合計。
・社外研修への派遣等を通じて、女性リーダーのキャリア意識の醸成や社外ネットワークの形成を支援する。
目標:係長・助役クラス以上の女性の人数を1.5倍以上(2020年度末比)にする。
・活躍する女性が登壇するセミナーを実施し、ロールモデルを紹介する。
・女性を対象としてキャリア意識醸成のための研修を実施する。
4.女性が能力を発揮しやすい職場風土の醸成と制度の充実を図ります。
目標:女性が能力を発揮しやすい職場風土を醸成する。
・管理職等を対象とした研修を実施する。
目標:仕事と育児の両立を支援するための制度の充実を図る。
・勤務制度等の充実を図る。
目標:年次有給休暇取得率を80%以上にする。
・社員に年次有給休暇取得の慫慂を行う。
5.男性の育児参画を促します。
目標:育児休職又は育児目的休暇を取得した男性社員の割合を30%以上とする。
・男性社員に対して育児関連制度についての情報発信を強化する。
※次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月~)においては、「男女ともに、子が生まれた社員が育児休職又は育児を目的とした休暇をその取得可能期間において100%取得」することを目標としております。
(育児・介護等と仕事の両立支援制度)
すべての社員が仕事と育児・介護を両立させ、意欲や働きがいを持って長きにわたり活躍するため、各種制度の一層の充実に努めてきており、多くの制度が法律の定めを上回る水準となっています。
例えば、産前休業、育児休業、介護休業を法定の期間よりも長く取得することができます。特に育児休業等に関しては、取得率の維持・向上を目指すため、計画を定めて取り組んでおり、2023年度の育児休業等の取得率は女性が100%、男性が96%です。
また、仕事と子育ての両立を支援するため、非現業と一部の現業機関の社員を対象としたフレックスタイム制や、現業機関等において小学6年生以下の子を養育する社員が月に複数日の無給休暇を取得できる短日勤務制度等、より柔軟に働くことができる勤務制度を整備しているほか、企業主導型保育園の利用斡旋やベビーシッター等の利用時に給付する子育て支援補助金等、各種の福利厚生制度を導入しています。また、2024年1月からは、非現業社員を対象に「スマートワーク」という新しい働き方を導入し、東海道新幹線の全区間で新幹線通勤を可能とするとともに、新幹線での通勤時執務、リモートワークの拡大、フレックスタイム制の柔軟化を実施しています。これにより、社員がより高いパフォーマンスを自律的に発揮できる環境を整備するとともに、子育て世帯の負担軽減を図っています。
加えて、育児や介護等を理由に退職した場合において、一定の条件を満たした時に再雇用を行う制度や、勤務地域限定の社員が希望した場合には地域を跨いで異動ができるエリア・チェンジ制度等も整えており、ライフステージに応じて、社員が能力を発揮できるような環境づくりを進めています。
(障がい者雇用)
多様な人材活用や企業の社会的責任の観点から、障がいのある方の雇用促進に積極的に取り組んでおり、個別の障がいの程度等に配慮しながら、事務部門や現業部門を含めて幅広く適材適所に配置しています。
2006年10月には、「障害者雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社である「株式会社ジェイアール東海ウェル」を設立し、主な事業として当社グループ内の印刷業務及び封入封緘業務を行っています。
このような取組みの結果、2023年6月1日時点の障害者雇用率は、2.7%と法定雇用率を上回る雇用を維持しています。
今後も、改正障害者雇用促進法の趣旨に基づき、募集・採用の場面で差別を行わないことはもちろん、採用後も障がいによる制約に配慮しつつ、個人の能力を有効に発揮してもらうべく就労環境の整備を適切に進めていきます。
c 健康経営
当社が社会的使命を将来にわたって果たしていく上での基盤となる社員の健康保持・増進を図るため、健康経営を積極的に推進しています。
(健康経営推進の目的)
経営理念に示す「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という使命を担うためには、社員一人ひとりがその持てる力を最大限発揮することが大切であると考えています。その基盤となる心身の健康の保持・増進を図るため、2018年4月に当社の健康施策の全体方針となる「健康づくり指針」を制定するとともに、人事担当役員をトップとする健康経営推進体制を整備し、健康経営を積極的に推進しています。
(数値目標)
2024年度から、社員が豊かですこやかな人生を送るための基本的な生活習慣に着目し「食事」「運動」「睡眠」「適正飲酒」「禁煙」の5点について新しい数値目標を設定しています。
各項目の具体的な目標は以下のとおりです。
行動項目 |
内容 |
当社現状 (2023年度) |
当社目標 (2024年度~2026年度) |
食事 |
朝食を週5回以上 |
75% |
85% |
運動 |
①汗をかく運動を週2回以上 ②平均8,000歩/日以上 |
56% (①or②) |
65% (①or②) |
睡眠 |
睡眠で十分な休養がとれている |
73% |
75% |
適正飲酒 |
適正な飲酒 |
77% |
90% |
禁煙 |
たばこを吸わない |
80% |
88% |