事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
-
セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
運輸業 | 1,408,370 | 73.8 | 559,678 | 91.9 | 39.7 |
流通業 | 160,642 | 8.4 | 13,811 | 2.3 | 8.6 |
不動産業 | 83,239 | 4.4 | 20,260 | 3.3 | 24.3 |
その他 | 255,241 | 13.4 | 15,471 | 2.5 | 6.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループの営んでいる主要な事業内容は以下のとおりです。
(1) 運輸業
東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を行うほか、バス事業等を行っています。
[主な関係会社]当社、ジェイアール東海バス㈱
(2) 流通業
JRセントラルタワーズ内で百貨店事業を営むほか、主に、車内・駅構内における物品販売等を行っています。
[主な関係会社]㈱ジェイアール東海髙島屋、㈱JR東海リテイリング・プラス、ジェイアール東海商事㈱
(3) 不動産業
駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を行っています。
[主な関係会社]当社、ジェイアールセントラルビル㈱、ジェイアール東海不動産㈱、
新横浜ステーション開発㈱、東京ステーション開発㈱、名古屋ステーション開発㈱、
ジェイアール東海関西開発㈱
(4) その他
当社の主要駅等でホテル業を行うほか、旅行業、広告業等を行っています。
また、鉄道車両等の製造、各種設備の保守・検査・修繕、その他事業を行っています。
[主な関係会社]
ホテル・サービス業 ㈱ジェイアール東海ホテルズ、㈱ジェイアール東海ツアーズ、
㈱ジェイアール東海エージェンシー
その他 日本車輌製造㈱、ジェイアール東海建設㈱、日本機械保線㈱、
中央リネンサプライ㈱、東海交通機械㈱、新生テクノス㈱
以上に述べた事項及び当社の主な関係会社の概要図は次のとおりです。
(注) ※印は持分法適用の関連会社を示しています。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績の概要)
当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化に取り組みました。その上で、コロナ禍で加速した働き方の変化、労働力人口の減少等、当社を取り巻く環境が大きく変化していることを踏まえ、ICT等の最新の技術を活用して効率的な業務執行体制を構築する「業務改革」と新しい発想による「収益の拡大」の2つを柱とした経営体力の再強化に取り組みました。
東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、大規模改修工事や脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を進めるとともに、N700Sの投入及び既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を進めました。
在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、ハイブリッド方式を採用した新型特急車両HC85系について、一昨年の「ひだ」での営業運転開始に続いて、「南紀」での営業運転を開始し、全車両の投入を完了しました。さらに、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に進めました。
営業施策については、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスである「エクスプレス予約」及び「スマートEX」をより多くのお客様にご利用いただくため、乗車日当日まで新幹線を変更可能な旅行商品である「EX旅パック」、新幹線の予約内容に基づき観光プランやホテル等のおすすめ情報の提供を行い、EXサービスサイト内で予約・決済を完結できる「EX旅先予約」、東海道新幹線のご利用区間等に応じてポイントが貯まる「EXポイント」、最大1年先の指定席の予約が可能なサービスを開始しました。また、鉄道のご利用の拡大に向けた取組みとして、東海道新幹線を号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を実施できる「貸切車両パッケージ」のほか、ご自身の「推し」に会いに行く「推し旅」を、各種事業者と協力し、さらに充実させて提案する「推し旅」キャンペーンを展開するなど、魅力ある旅行商品等を販売しました。さらに、昨年で開始から30周年を迎えた「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンや、奈良にスポットをあてた「いざいざ奈良」キャンペーン、ビジネスユーザーの出張利用を促す「会いにいこう」キャンペーン等を展開しました。加えて、新幹線中間駅における二次交通確保及びCO2排出量削減による地球環境負荷の低減を目的とした、ENEOS株式会社との豊橋駅前駐車場における法人企業向け電気自動車カーシェアサービスの共同実証事業に取り組みました。
超電導リニアによる中央新幹線については、工事実施計画の認可を受けた品川・名古屋間について、用地取得等を進めるとともに、工事については、大深度地下をシールドマシンで掘削する第一首都圏トンネル東百合丘工区で、安全・安心の取組みを実地で確認する調査掘進を終えたほか、神奈川県駅(仮称)では駅構造物の構築に着手し、山梨県の第一南巨摩トンネルでは山梨リニア実験線を除いて初めて本坑が貫通するなど、沿線各地で精力的に工事を進めました。また、昨年12月に、全幹法第9条に基づき、国土交通大臣に、駅・車両基地の建築工事や設備工事、車両等を工事実施計画(その3)として申請するとともに、これまでに認可を受けた項目について、設計検討及び調査の深度化、協議及び工事の進捗等を踏まえ、工事予算や工事の完了の予定時期等の変更を申請し、認可を受けました。工事実施計画(その3)の認可により、品川・名古屋間の工事に必要な項目について全て認可されました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視し、コストを十分に精査しつつ、各種工事を精力的に進めます。
なお、南アルプストンネル静岡工区においては、静岡県の理解が得られず、トンネル掘削工事に着手できない状態が続いています。こうした中、大井川の水資源への影響について、国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議」の「大井川水資源問題に関する中間報告」を踏まえて、地域へのわかりやすい説明、リスク対応とモニタリングの具体化、工事の一定期間、例外的に県外へ流出するトンネル湧水量と同量を大井川に戻す方策の実現等に取り組んでいます。このうち、発電のための取水を抑制し、大井川に還元する方策について、昨年12月に発電事業者と基本合意書を締結しました。また、南アルプスの環境保全については、有識者会議において議論が進められ、昨年12月に「リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書(令和5年報告)~環境保全に関する検討~」が取りまとめられました。さらに、昨年9月に続いて、2月に大井川流域市町首長との意見交換会を開催しました。その後、水資源、環境保全に関する有識者会議の報告書で整理された対策について、科学的・客観的観点から、その状況を継続的に確認することを目的として、2月に国土交通省の「リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議」が設置され、3月に開催された第2回の会議で、静岡工区の工事計画を示し、工事契約締結から既に6年4か月が経過している静岡工区が品川・名古屋間の開業の遅れに直結しており、2027年の開業は実現できない旨を説明しました。引き続き、静岡工区のトンネル掘削工事の早期着手に向けて、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に取り組みます。
一方、超電導リニア技術については、高温超電導磁石の営業車両への投入を前提に、山梨リニア実験線における走行試験と小牧研究施設における検証を実施したほか、ICT等の最新の技術を活用した効率的な運営体制の実現に向けた開発・実証等を進めるなど、一層のコストダウンとブラッシュアップに取り組みました。また、中央新幹線の開業に向けて期待感を醸成するため、従来の超電導リニアの体験乗車に加えて、お子様連れ限定で体験乗車や展示等をお楽しみいただけるイベントや、体験乗車中に車内プロジェクションにより新たな車内空間を体感いただけるイベントを初めて実施しました。
海外における高速鉄道プロジェクトへの取組みについては、米国における高速鉄道プロジェクトについて着実に取り組んだほか、台湾高速鉄道において技術コンサルティングを進めるとともに、台湾高速鉄道を運営する台湾高速鐵路股份有限公司と、さらなる協力関係の強化を目的とした協力覚書を締結しました。また、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めました。
鉄道以外の事業については、JRセントラルタワーズとJRゲートタワーを一体的に運営し、収益の拡大を図りました。また、連結子会社の東海キヨスク株式会社と株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズを昨年10月に合併して株式会社JR東海リテイリング・プラスを発足させ、駅売店等について、土産品、弁当等をワンストップで購入できるようにするなど、便利で魅力ある店舗づくりを進めました。さらに、「アスティ静岡」、「キュービックプラザ新横浜」、「アスティ京都」等の駅商業施設のリニューアルや高架下開発を行うなど、競争力、販売力の強化に努めました。加えて、当社グループの共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」を開始しました。
上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、前期比21.9%増の611億5千1百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比22.1%増の1兆7,104億円、経常利益は前期比77.9%増の5,469億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比75.2%増の3,844億円となりました。
これをセグメントごとに示すと次のとおりです。
運輸業
東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して、需要にあわせた弾力的な列車設定を行いました。また、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めるとともに、地震対策については、脱線防止ガードの敷設を進めるなど、東海道新幹線全線を対象にした脱線・逸脱防止対策に取り組んだほか、鉄道設備の浸水対策について、ハザードマップ等を踏まえて進めました。さらに、N700Sの投入や既存のN700Aタイプに対してN700Sの一部機能を追加する改造工事を進めたほか、「特大荷物コーナーつき座席」のサービスや、グリーン車をご利用のお客様向けの「東海道新幹線モバイルオーダーサービス」及び「東海道新幹線サポートコールサービス」を開始しました。加えて、お客様により便利に安心してご利用いただくため、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始の3大ピーク期において、「のぞみ」を全席指定席として、1列車あたりの普通車指定席を従来より約3割増やして運行することとし、本年度の年末年始期間から開始したほか、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」で予約可能な車椅子対応座席を拡大するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
在来線については、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせた弾力的な増結や増発を行いました。また、ハイブリッド方式を採用した新型特急車両HC85系について、一昨年の「ひだ」での営業運転開始に続いて、「南紀」での営業運転を開始し、全車両の投入を完了しました。通勤型電車315系の投入も進め、中央本線の名古屋駅・中津川駅間の快速・普通列車について、全て315系に統一したことにより、最高速度130km/hへの速度向上を実施し、所要時間を短縮しました。さらに、車側カメラを設置した車両を営業列車に投入し、お客様の接近等を検知する画像認識技術の確立に向けた検証を進めました。加えて、名古屋車両区検修庫の建替や高架橋柱の耐震化等の地震対策を進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に進めました。このほか、刈谷駅における下りホームの拡幅工事や名古屋駅における東海道本線下りホームへの可動柵の設置工事を進め、名古屋駅の東海道本線下りホームのうち6番線ホームで可動柵の使用を開始するとともに、「お客様サポートサービス」を東海道本線の名古屋駅・米原駅間と中央本線の勝川駅に導入するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
新幹線・在来線共通の取組みとしては、自然災害や不測の事態等の異常時に想定される様々な状況に対応すべく実践的な訓練等を実施しました。また、地震対策として、駅の吊り天井の脱落防止対策を進めるとともに、駅のプラットホーム上家の耐震補強工事を実施しました。
営業施策については、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」をより多くのお客様にご利用いただくため、「EX旅パック」、「EX旅先予約」、「EXポイント」、1年前予約といったサービスを開始しました。鉄道のご利用の拡大に向けては、「貸切車両パッケージ」について販売を進め、企業の報奨旅行等、様々な形でご利用いただいたほか、「推し旅」キャンペーンについて特設サイトやX(旧Twitter)アカウントにて発信するとともに、沿線自治体や各種事業者と連携しながら、魅力ある旅行商品等を販売しました。また、京都、奈良、東京、飛騨等の観光資源を活用した各種キャンペーンの展開を行いました。さらに、お客様のパーソナルスペースがより広くなり、より快適に仕事をしていただける「S WorkPシート」の導入や、一時的な打ち合わせやWeb会議等にご利用いただける個室タイプの「ビジネスブース」の順次本格導入といった、車内のビジネス環境の整備に取り組みました。加えて、ビジネスユーザーの出張利用を促す取組みとして「会いにいこう」キャンペーンを展開し、新幹線の車内チャイムについて、キャンペーンにあわせて書き下ろされた楽曲をアレンジしたチャイムに変更しました。このほか、「エクスプレス予約」法人会員に対する、東海道・山陽新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化のサービス開始に向けた準備を進めました。訪日外国人のお客様に向けては、鉄道での日本周遊に便利な「ジャパン・レール・パス」の商品内容の拡充及び価格改定等を実施しました。
当期における輸送実績(輸送人キロ)は、東海道新幹線は前期比24.4%増の527億5千1百万人キロ、在来線は前期比8.2%増の84億人キロとなりました。
バス事業においては、安全の確保を最優先として顧客ニーズを捉えた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比24.2%増の1兆4,083億円、営業利益は前期比65.3%増の5,596億円となりました。
また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。
区分 |
単位 |
前事業年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
当事業年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
||||||
新幹線 |
在来線 |
合計 |
新幹線 |
在来線 |
合計 |
||||
営業日数 |
日 |
365 |
365 |
365 |
366 |
366 |
366 |
||
営業キロ |
キロ |
552.6 |
1,418.2 |
1,970.8 |
552.6 |
1,418.2 |
1,970.8 |
||
客車走行キロ |
千キロ |
970,018 |
227,590 |
1,197,608 |
1,022,423 |
228,322 |
1,250,745 |
||
旅 客 輸 送 人 員 |
定期 |
千人 |
11,275 |
236,132 |
245,535 |
12,140 |
245,092 |
255,232 |
|
定期外 |
千人 |
120,060 |
115,003 |
226,858 |
146,066 |
129,858 |
266,002 |
||
計 |
千人 |
131,335 |
351,135 |
472,393 |
158,206 |
374,949 |
521,234 |
||
旅客輸送人キロ |
百万人キロ |
42,418 |
7,765 |
50,183 |
52,751 |
8,400 |
61,151 |
||
旅 客 運 輸 収 入 |
旅 客 運 賃 ・ 料 金 |
定期 |
百万円 |
12,909 |
30,183 |
43,092 |
13,957 |
31,275 |
45,233 |
定期外 |
百万円 |
973,264 |
53,621 |
1,026,885 |
1,234,010 |
63,583 |
1,297,594 |
||
計 |
百万円 |
986,173 |
83,805 |
1,069,978 |
1,247,968 |
94,858 |
1,342,827 |
||
小荷物運賃・ 料金 |
百万円 |
- |
2 |
2 |
- |
1 |
1 |
||
合計 |
百万円 |
986,173 |
83,807 |
1,069,980 |
1,247,968 |
94,860 |
1,342,829 |
||
鉄道線路使用料収入 |
百万円 |
- |
- |
3,798 |
- |
- |
3,809 |
||
運輸雑収 |
百万円 |
- |
- |
52,944 |
- |
- |
53,608 |
||
収入合計 |
百万円 |
- |
- |
1,126,724 |
- |
- |
1,400,247 |
||
輸送効率 |
% |
座席利用率 52.9 |
乗車効率 26.2 |
- |
座席利用率 62.6 |
乗車効率 28.2 |
- |
(注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。
2 輸送効率の算出方法は次のとおりです。
新幹線座席利用率= |
旅客輸送人キロ |
×100 |
|
座席キロ(編成別列車キロ×座席数) |
在来線乗車効率 = |
旅客輸送人キロ |
×100 |
|
客車走行キロ×平均定員 |
3 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。)による発売額の構成比は、次のとおりです。
会社名 |
前事業年度(%) |
当事業年度(%) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
19.7 |
19.7 |
|
西日本旅客鉄道株式会社 |
15.6 |
15.3 |
|
流通業
流通業においては、「ジェイアール名古屋タカシマヤ」においてラグジュアリーゾーンの大規模リニューアルを完了したほか、「タカシマヤ ゲートタワーモール」において開業以来最大規模となるリニューアルを進めるなど、収益力の強化に努めました。また、連結子会社の東海キヨスク株式会社と株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズを昨年10月に合併して株式会社JR東海リテイリング・プラスを発足させ、駅売店等について、土産品、弁当等をワンストップで購入できるようにするとともに、多様なニーズに対応した商品を取り揃えることで、便利で魅力ある店舗づくりを進めました。さらに、駅やホテルの人気商品やオリジナル鉄道グッズ等を取り揃えた多彩なオンラインショップが集うショッピングサイト「JR東海MARKET」では、引退した新幹線車両のアルミニウムを再利用した「東海道新幹線再生アルミ」を用いた商品を販売するなど、商品力の強化に取り組みました。加えて、ミズノ株式会社と「東海道新幹線再生アルミ」を用いた子供用の金属バットを共同開発しました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比15.8%増の1,606億円、営業利益は前期比66.1%増の138億円となりました。
不動産業
不動産業においては、「アスティ静岡」、「キュービックプラザ新横浜」、「アスティ京都」等の駅商業施設のリニューアルや高架下開発を行うなど、競争力、販売力の強化に取り組みました。また、社宅跡地等の開発において、春日井市内の宅地分譲「セントラルガーデン・ステージ春日井出川町」の販売、岐阜市内の賃貸住宅「アヴァンセ加納」の賃貸等を進めました。さらに、駅構内や駅直結ビルにおけるワークスペース事業「EXPRESS WORK」のさらなる拡充を進めました。加えて、中央新幹線神奈川県駅(仮称)付近で、イノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」を開所しました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比7.5%増の832億円、営業利益は前期比16.7%増の202億円となりました。
その他
ホテル業においては、高品質なサービスの提供に努めたほか、名古屋マリオットアソシアホテルのスイートルームを全面改装するなど、需要の喚起に向けた取組みを進めました。
旅行業においては、京都、奈良、東京、飛騨等の各方面へ向けた魅力ある旅行商品に加えて、「貸切車両パッケージ」や「推し旅」キャンペーン等に関する新たな旅行商品を販売しました。
鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比2.3%増の2,552億円、営業利益は前期比54.0%増の154億円となりました。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績
① 営業収益
営業収益は、前期比3,101億円(22.1%)増の1兆7,104億円となりました。
運輸業においては、当社の運輸収入は前期比2,728億円(25.5%)増の1兆3,428億円となりました。東海道新幹線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比24.4%増加した結果、運輸収入は前期比26.5%増の1兆2,479億円となりました。また、在来線では、輸送実績(輸送人キロ)が前期比8.2%増加した結果、運輸収入は前期比13.2%増の948億円となりました。
運輸業以外の流通業、不動産業、その他の事業においても、それぞれ前期比15.8%、7.5%、2.3%増加し、すべての事業区分において増収となりました。
② 営業費
営業費は、前期比772億円(7.5%)増の1兆1,030億円となりました。
③ 営業利益
営業利益は、前期比2,328億円(62.2%)増の6,073億円となりました。
④ 営業外損益
営業外損益は、前期と比べて65億円改善しました。
⑤ 経常利益
経常利益は、前期比2,394億円(77.9%)増の5,469億円となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
上記に法人税等などを加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比1,649億円(75.2%)増の3,844億円となりました。
(2) 財政状態
当期末の資産残高は、前期末から4,274億円増加し9兆9,418億円となりました。また、セグメント別の資産残高について、運輸業は前期末から2,085億円増加し8兆7,678億円、流通業は前期末から129億円増加し1,493億円、不動産業は前期末から98億円増加し3,764億円、その他は前期末から460億円増加し4,664億円となりました。
当期末の負債残高は、前期末から109億円増加し5兆7,182億円となりました。なお、長期債務の当期末残高は、4兆8,461億円となりました。そのうち、中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆8,461億円となり、前期末と比べ1,036億円減少しました。
当期末の純資産残高は、前期末から4,165億円増加して4兆2,236億円となり、自己資本比率は前期末の39.5%から当期末は41.9%になりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ1,111億円増の8,217億円となり、資金の流動性を確保していると判断しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,728億円の資金の増加となりました。前期が4,867億円の資金の増加であったことと比べ、当社の運輸収入が増加したことなどから、1,861億円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,365億円の資金の減少となりました。前期が1,750億円の資金の減少であったことと比べ、資金運用による支出が増加したことなどから、2,615億円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,251億円の資金の減少となりました。前期が2,206億円の資金の減少であったことと比べ、短期社債の償還による支出が減少したことなどから、954億円の増加となりました。
② 重要な資本的支出の予定及びその資金の源泉
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。
③ 株主還元
「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
④ 資金調達
資金調達については、中央新幹線などの設備投資計画や債務償還計画等を考慮し、経済情勢、金融市場動向を踏まえた上で、必要な資金を安定的、機動的かつ低利に確保することを基本としています。
設備投資や債務償還等の資金については、自己資金のほか、社債の発行や金融機関からの借入金により調達しており、当期は、国内普通社債(グリーンボンド)200億円を発行し、長期借入金により699億円を調達しました。
なお、中央新幹線の建設については、平成28年度、平成29年度に財政投融資を活用した長期借入を行い、当面必要となる資金を確保しています。
当社では、円滑な資金調達を行うため、当期末時点でムーディーズ・ジャパン株式会社よりA2、株式会社格付投資情報センターよりAA、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社よりA+、株式会社日本格付研究所よりAAAの格付けを取得しています。
また、短期的な流動性確保のため、当期末現在1,000億円のコミットメントラインを設定しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループにおける見積りのうち、退職給付に係る負債及び退職給付費用については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)」において割引率、長期期待運用収益率等を記載しています。なお、割引率、長期期待運用収益率等に変動が生じた場合には、退職給付債務が増減することに伴い、退職給付に係る負債及び退職給付費用に増減が生じます。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために当社の取締役会に定期的に報告される対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「運輸業」、「流通業」及び「不動産業」の3つを報告セグメントとしています。
「運輸業」は、東海道新幹線及び東海地方の在来線における鉄道事業を行うほか、バス事業等を行っています。「流通業」は、JRセントラルタワーズ内で百貨店事業を営むほか、主に、車内・駅構内における物品販売等を行っています。「不動産業」は、駅ビル等不動産賃貸事業のほか、不動産分譲事業を行っています。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理方法は、注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部売上高及び振替高は第三者間取引価格に基づいています。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位 百万円) |
|
|
運輸業 |
流通業 |
不動産業 |
その他 (注1) |
計 |
調整額 (注2) |
連結 財務諸表 計上額 (注3) |
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
1,123,437 |
131,456 |
45,398 |
99,992 |
1,400,285 |
- |
1,400,285 |
セグメント間の内部 売上高又は振替高 |
10,578 |
7,294 |
31,999 |
149,435 |
199,308 |
△199,308 |
- |
計 |
1,134,016 |
138,751 |
77,398 |
249,427 |
1,599,593 |
△199,308 |
1,400,285 |
セグメント利益 |
338,502 |
8,316 |
17,361 |
10,048 |
374,229 |
274 |
374,503 |
セグメント資産 |
8,559,242 |
136,386 |
366,526 |
420,476 |
9,482,631 |
31,778 |
9,514,409 |
その他の項目 |
|
|
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|
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|
減価償却費 |
196,041 |
3,807 |
15,710 |
4,054 |
219,614 |
- |
219,614 |
持分法適用会社への投資額 |
11,176 |
- |
- |
- |
11,176 |
- |
11,176 |
有形固定資産及び無形固定 資産の増加額 |
435,450 |
4,676 |
17,394 |
5,128 |
462,650 |
- |
462,650 |
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ホテル業、旅行業、広告業、鉄道車両等製造業及び建設業等を含んでいます。
2 調整額は、以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額274百万円は、セグメント間取引消去です。
(2) セグメント資産の調整額31,778百万円には、セグメントに配分していない全社資産646,707百万円(主な内容は当社の長期投資資産(投資有価証券)及び余資運用資金(預金等))及びセグメント間消去△614,928百万円(セグメント間の債権の相殺消去等)が含まれています。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日)
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(単位 百万円) |
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運輸業 |
流通業 |
不動産業 |
その他 (注1) |
計 |
調整額 (注2) |
連結 財務諸表 計上額 (注3) |
売上高 |
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外部顧客への売上高 |
1,391,569 |
153,144 |
49,522 |
116,170 |
1,710,407 |
- |
1,710,407 |
セグメント間の内部 売上高又は振替高 |
16,800 |
7,497 |
33,716 |
139,071 |
197,086 |
△197,086 |
- |
計 |
1,408,370 |
160,642 |
83,239 |
255,241 |
1,907,493 |
△197,086 |
1,710,407 |
セグメント利益 |
559,678 |
13,811 |
20,260 |
15,471 |
609,222 |
△1,840 |
607,381 |
セグメント資産 |
8,767,826 |
149,372 |
376,404 |
466,479 |
9,760,083 |
181,812 |
9,941,896 |
その他の項目 |
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減価償却費 |
193,633 |
3,704 |
14,987 |
4,081 |
216,406 |
- |
216,406 |
持分法適用会社への投資額 |
11,809 |
- |
- |
- |
11,809 |
- |
11,809 |
有形固定資産及び無形固定 資産の増加額 |
414,841 |
6,113 |
10,370 |
5,886 |
437,212 |
- |
437,212 |
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ホテル業、旅行業、広告業、鉄道車両等製造業及び建設業等を含んでいます。
2 調整額は、以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額△1,840百万円は、セグメント間取引消去です。
(2) セグメント資産の調整額181,812百万円には、セグメントに配分していない全社資産841,365百万円(主な内容は当社の長期投資資産(投資有価証券)及び余資運用資金(預金等))及びセグメント間消去△659,552百万円(セグメント間の債権の相殺消去等)が含まれています。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
1 製品及びサービスごとの情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において、セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
前連結会計年度及び当連結会計年度において、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
前連結会計年度及び当連結会計年度において、本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要性がないため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度及び当連結会計年度において、該当事項はありません。