リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価および財政状況等に影響を及ぼす可能性が考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応に努力する方針であります。また、以下の記載は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありません。
(1) 経済情勢の動向
当社グループが所有するオフィスビルや商業施設への需要は景気の動向に左右されうること、また住宅購入顧客の購買意欲は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすい傾向にあること、不動産市況の悪化による地価等の下落に影響を受けやすい傾向にあること、等から、今後、国内外の経済情勢が悪化したことにより、不動産への投資意欲の低下、不動産取引の減少、空室率の上昇や賃料の下落といった事態が生じた場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ってまいります。
(2) 災害等について
将来発生が懸念されている首都圏における大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には当社グループが投資・運用・開発・管理を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があるほか、被災による需要減少に伴うホテル稼働率の低下等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、グループ主要各社においてBCP(事業継続計画)を策定し、被災時でも重要な事業を継続または早期復旧できるよう準備を行っております。
(3) 有利子負債の依存度および金利の動向
当社グループの事業に係る土地、建物取得費および建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合および金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合には、資金調達コストの増加や資金手当への影響により、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合のほか、案件の売却時期の遅延や売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定や金利固定化を行う等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。
(4) 法的規制
① 法的規制
会社法や上場会社としての金融商品取引法の規制のほか、当社グループの事業において関連する主な法的規制は下表のとおりであります。
今後これらの法的規制が強化される場合には規制遵守に向けた対応のためのコスト増加の可能性があります。
② 免許、許認可等
当社グループの事業は、上表の法的規制に基づく以下の関連許認可等を得て行っております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消される、あるいは一定期間の営業活動停止等の行政処分等がなされた場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約された場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、関係法令の改廃情報および監督官庁からの発信文書の内容をリスク・コンプライアンス委員会等において共有、協議し、課題等の早期把握や対応に努めております。また、コンプライアンスに関する継続的な啓蒙活動や研修等により法令遵守の徹底を図っております。
(当社)
(トーセイ・コミュニティ㈱)
(トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱)
(トーセイ・ロジ・マネジメント㈱)
(トーセイ・ホテル・マネジメント㈱)
<トーセイホテルココネ神田>
<トーセイホテルココネ上野>
<トーセイホテル&セミナー幕張>
<トーセイホテルココネ浅草蔵前>
<トーセイホテルココネ上野御徒町>
<トーセイホテルココネ浅草>
<トーセイホテルココネ鎌倉>
<トーセイホテルココネ築地プレミア>
(㈱プリンセススクゥエアー)
(トーセイ・プロップテック㈱)
(トーセイ・アール㈱)
(岸野商事㈱)
(磯子アセットマネジメント㈱)
(芝浦レジデンシャル㈱)
(5) 会計基準・不動産税制の変更について
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、資産保有および取得・売却時のコストの増加等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、会計基準及び不動産税制の変更に関して適時に情報を収集することで、当社グループの経営成績、財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。
(6) 新規事業について
当社グループは、既存事業の拡大などを目的とした企業買収、子会社の設立等に加えて、新たにクラウドファンディングやセキュリティ・トークンを活用した不動産事業を推進しております。これら事業の業績には様々な不確実性を伴うため、想定しうるリスクに対する内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行っておりますが、想定を超えるリスクの発生、法令や諸規制の変更によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、可能な限りリスクを想定した内部管理体制の構築、人材の充実、保険の付保等を行うとともに、事業戦略の進捗状況や事業環境の変化等について定期的にモニタリングを行い、環境変化に応じた戦略の見直しを適時に行っております。
(7) 人事労務に関するリスク
当社グループの事業の特性に鑑み、人材は極めて重要な経営資源であり、事業継続、拡大のためには、優秀な人材を確保し、育成することが不可欠となります。
少子高齢化による人材確保難や労働市場の変化などによって、人材の流出、人材の継続的な確保や育成が不十分である場合には、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「人を経営の根幹とし、心豊かな真のプロフェッショナルを育成し続ける」という経営理念のもと、従業員の健康と安全を重要な経営課題と捉え、従業員がいきいきと働ける職場環境を整備し、健康維持・増進の施策を積極的に取り組んでおります。
(8) サステナビリティについて
サステナビリティに配慮したESG経営の重要性は、年々高まっております。当社グループの取組みが適切に行われず対応に遅れや不備が発生した場合、地域社会や顧客、取引先、従業員、投資家、市場からの信頼を損ない、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、環境分野においては世界的に気候変動の影響がより一層顕著となり、気候変動に伴う物理的な被害や気候関連の規制強化、脱炭素・低炭素社会への移行に対する適切な緩和策と適応策の取り組みに遅れや不備が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、社会分野では人材の多様性の確保を含む人材育成や登用、社内環境整備等、人的資本経営に関する体制整備や実行計画、情報開示等に遅れや不備が生じた場合、企業価値創造の源泉となる中核人材の確保や市場からの評価など、当社グループの人材戦略および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、「トーセイグループESG方針・ESG行動指針」、「トーセイグループ人権方針」、「トーセイグループ環境ポリシー」、「トーセイグループ健康経営方針」などを制定の上、「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ推進体制を整備、強化するとともに、ESG経営の実践および地球環境の負荷軽減への取り組みの推進を通じて、サステナビリティ課題のリスク低減に努めております。
配当政策
3 【配当政策】
当社の利益配分につきましては、安定的な配当の継続に努めていくとともに、収益性の高い事業機会の獲得による長期的な企業価値向上のために必要な内部留保と配当のバランスにつき、業績の推移、今後の経営環境、事業計画の展開を総合的に勘案して決定することを基本方針としております。
当社は、期末配当として年1回、剰余金の配当を行うことを基本方針としております。この剰余金の配当の決定機関は、株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり66円の配当を実施する旨を決定いたしました。この結果、当事業年度の連結ベースでの配当性向は30.0%となりました。
内部留保資金につきましては、今後の事業拡大並びに経営体質の強化に役立てる考えであります。
なお当社は、「取締役会の決議により、毎年5月31日を基準日として中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。