リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループが行っている不動産賃貸事業、不動産販売事業、完成工事事業及び不動産流通事業は、景気動向や企業業績、個人所得等の動向、人口動態、地価動向、原材料価格や建築費の動向、金融情勢、税制等の影響を受けやすい傾向にあり、これらが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その中で、経営者が、当連結会計年度末現在において、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に特に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)災害その他不可抗力の事態に関するリスク
当社グループは、災害その他不可抗力の事態に備えるため、保有資産において、免震・制振構造の採用や非常用発電機の設置による無停電対応などにより事業継続性を高めるとともに、当社事業活動において、各種事態を想定したマニュアルの策定と訓練の実施による継続性の確保に努めております。また、サステナビリティ委員会の下部組織であるBCP対策協議会において、当社グループにおけるBCP対策整備の具体的方針を定め、整備状況のモニタリングを行っております。
しかしながら、想定をはるかに凌駕する規模の不可抗力の事態が発生した場合、保有資産の復旧費用負担の発生や営業活動の停滞等に伴い、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2)コンプライアンスに関するリスク
当社グループが行う事業は、宅地建物取引業法、建設業法、建築基準法、労働基準法をはじめとして、様々な法規制の下に置かれており、その改正動向を注視しつつ、適時適切に対応するよう努めております。また、サステナビリティ委員会の下部組織である内部統制会議において、当社グループにおけるコンプライアンス推進活動のモニタリングを行うとともに、当社内部監査室が子会社を含めた内部監査を実施、更に、社内外に複数の内部通報窓口を設置し、不正、違法行為の発見、抑止に努めております。
しかしながら、法律等の改正による事業活動への影響を通じて、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社グループやその役職員によるコンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの信用が損なわれ、当社グループの商品需要が低下することにより、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
(3)気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するため、TCFDフレームワークに基づき、ガバナンス・戦略・リスク・目標の4つの観点から、気候変動がもたらす財務影響とその対応を整理・分析し、開示するとともに、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進協議会において、様々な取り組みを推進しております。社会資産を供給する事業者として、事業活動を通じた気候変動対策の推進に向け、特に環境性能が高い物件や商品の新規開発や、運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等に注力し、脱炭素の取り組みを推進しております。
しかしながら、想定を超える規制や事業環境の急激な変化等により、建築コストや事業運営コストが高まり、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
(4)サプライヤーに関するリスク
当社グループは、建設事業者をはじめとして、賃貸資産の管理に係る清掃員・係員・警備員・設備保守点検事業者など、多くのサプライヤーとともに事業を推進しており、サプライヤーに起因するリスクを低減するため、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進協議会において、新規取引開始時におけるデューデリジェンスや「サステナブル調達ガイドライン」の周知徹底、当社職員による監理、サプライヤー向け安全研修などを実施しております。
しかしながら、想定外の事態の発生等により、サプライヤーに起因して、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
(5)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、各事業において、個人情報を含む多くの重要な情報を保有しており、情報流出を防ぐためのサイバーセキュリティを導入しているほか、職員に対して情報セキュリティに関する研修を実施しております。
しかしながら、サイバー攻撃や職員の不注意により情報が流出した場合、補償の発生や、信用の喪失による当社グループの商品需要の低下などにより、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
(6)ファイナンスに関するリスク
当社グループが行っている不動産賃貸事業および不動産販売事業は、まず用地を取得し、かつ建物が竣工しなければ収益に計上できない投資先行型の事業であるため、事業資金を金融機関等からの借入や社債等により安定的に賄う必要があります。
これに対し、連結有利子負債の借入期間の長期化、固定金利化を進めるとともに、多様な金融機関※との安定的な関係性の構築を進め、資金調達の安定化を図っております。
しかしながら、金融環境の急速かつ大幅な変化、借入先の経営状況の変化等により、借入利息の上昇、資金繰りの悪化等、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
※報告書提出日現在、当社は117の金融機関と取引を行っております。
<連結有利子負債他の推移> (百万円)
配当政策
3 【配当政策】
当社の利益配分の基本方針は、長期的な収益基盤強化のため賃貸ビル投資に優先配分し、配当は利益成長に沿った「持続的増配」に努めていくこととしております。
当社は、市況に左右される資産売却益に依存せず、安定収益であるビル賃貸料を収益の要にしています。本年5月9日公表の「持続的成長戦略の積極的見直し」に記載の通り、賃貸事業の見通しの回復・改善傾向が明らかとなり、次期中期経営計画での経常利益3千億円突破への足取りがはっきりと見えてきましたので、株主還元を一段と強化し、毎年の持続的増配ペースを一株当たり7円から10円へ引き上げ、昨年掲げた「7年以内に倍増、100円配」を2年前倒しで実現します。
これに伴い、業績が好調に推移して11期連続の純利益最高益更新となった当期の年間配当金を一株当たり60円(中間配当29円、期末配当31円)といたしました。(24/3期は60円、以降毎年10円増配し、28/3期には100円配へ)
経常利益3千億円突破後も、利益の増加状況を考慮し適切かつ積極的な株主還元を継続してまいります。
内部留保資金につきましては、上記利益配分の基本方針に記載のとおり、今後の長期的な収益基盤強化のため賃貸ビル投資に活用してまいります。
なお、当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
また、当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回としており、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
(注)当期を基準日とする剰余金の配当の取締役会または株主総会の決議年月日ならびに各決議
ごとの配当金の総額および1株当たりの配当額は以下のとおりであります。