人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数698名(単体) 880名(連結)
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平均年齢43.5歳(単体)
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平均勤続年数13.8年(単体)
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平均年収7,610,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1.当社グループではセグメントごとの経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の事業に従事しております。
2.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。なお、嘱託社員数を従業員数に含めて記載しております。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
2.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。なお、嘱託社員数を従業員数に含めて記載しております。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.男女の賃金の格差は管理職に占める女性労働者の割合、職種や役職別の男女の構成の違い等が格差の主な要因となっております。女性管理職比率の向上は当社としても最優先の課題と認識しており、2023年度の6.7%を2025年度には10%にする目標を設定し、改善を図っていく計画です。また、女性採用の促進や外部教育機関へのこれまで以上の派遣等により、その候補者パイプラインを増やすこと及び多様な人材が活躍できる組織風土、制度面での環境整備を促進し、上位役職への昇進促進を図って参ります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社はサステナビリティ課題を自社の経営課題として認識すると共に、社会及びお客様の課題であると考えています。自社における取り組みを進めると同時に、当社ならではのサービスを提供し、事業を通して社会及びお客様の課題解決を図るCSV経営を実践することで、着実な成長を実現していきます。
当社グループのサステナビリティに関する情報、また本報告書発行日以降の変更につきましては、当期中に発行する統合レポート並びに当社webサイト(https://www.necap.co.jp/)をご参照ください。
(1) TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示
当社は、2022年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明すると共に、TCFDコンソーシアムへ参画しました。気候変動に関連する事項については、TCFD提言に沿った情報開示を進めてまいります。
当社は、グループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向け、「脱炭素社会・循環型経済の推進」等のマテリアリティを特定しています。当社の事業活動は、自社の環境負荷が製造業等に比べて少ないことから、事業を通じてお客様や社会の環境正価(成果)向上に注力するという考えのもと進めてまいりました。具体的には、「エコリース・エコファイナンスによる社会の低炭素化」「リースによる資源の循環」をコンセプトに、環境課題を解決して社会全体に対してプラスの影響を与えるエコビジネスに積極的に取り組んでいます。TCFD提言に沿って事業活動を実践することで、気候変動対応の取り組みを進化させてまいります。
2023年のCDP(Carbon Disclosure Project)気候変動質問書への回答では、リーダーシップレベルとなる「スコアA-」と評価されました。
①ガバナンス
当社は、当社グループにおけるサステナビリティの審議機関として、「サステナビリティ委員会」を設置しています。同委員会は代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、関連部門の担当執行役員及び部門長で構成しています。
サステナビリティ委員会は、原則として年2回開催し、気候変動対応をはじめとするサステナビリティに関する方針及び計画の策定、並びにPDCAサイクルの運用状況について議論します。
委員会で議論された結果は経営会議で審議の上、都度取締役会へ報告されるとともに、重要事項については取締役会で決議を行い、適宜中期計画や事業戦略に反映します。推進体制図は以下のとおりです。
当事業年度は、サステナビリティ委員会を3回開催しました。主な議題は以下の通りです。
・気候変動対応に関する取り組み状況および開示
・マテリアリティ見直し及び「中期計画2025」における非財務目標の設定※取締役会決議事項
・人的資本に関する取り組み状況および開示
・人権デュー・ディリジェンス実施に関する事項
②戦略
当社では、前事業年度において、全社的観点からシナリオ分析を実施し、リスクと機会を特定しました。当事業年度においては、開示済みのシナリオ分析の検証および今後の対応策の検討に向け、より実効性の高い取り組みとするべく各執行役員とのディスカッションを行いました。
□シナリオ分析の概要と対応策の検討
シナリオ分析は、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ」を参考に、2030年および2050年を時間軸に定性・定量の両面からリスクと機会の考察を行いました。いずれのシナリオにおいても一定のリスクは見込まれるものの、当社事業への影響は限定的であり、むしろ、ICTおよびリース需要の増加、気候変動対応に伴う新サービス、新規投資機会の拡大など、事業機会増大の可能性が高いとの結論に至りました。シナリオ別に整理したリスクと機会の概要は以下の通りです。
詳細の分析については、WEBサイトをご覧ください。
https://www.necap.co.jp/csv/environment/pdf/scenario.pdf
事業機会増大の可能性が大きいとするシナリオ分析の結果を踏まえ、当事業年度では、事業機会を適切に捉えた事業戦略の策定に向け、各執行役員とディスカッションを実施しました。今後、事業戦略への反映やKPIの設定などを進め、実効性の高い気候変動対策を進めるとともに、当社グループの事業の成長につなげてまいります。
③リスク管理
当社は事業活動に影響を与えるリスクを「ERMリスク※1」と「その他のリスク」に区分しています。信用リスク・市場リスク・オペレーショナルリスク等業務に係るERMリスクは、リスクマネジメント委員会で管理します。その他のリスクは、当社グループ事業に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとして経営会議で管理します。(代表的なリスクについては、3 事業等のリスクを参照ください。)
気候変動関連リスクについては、双方に影響する経営上の重要なリスクと考え、総合的リスク管理の観点から、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会で統合し管理します。具体的には、マクロトレンドや外部動向調査をもとに中長期を含む気候変動対応方針の策定・見直しを行う他、リスク対応を含む年間施策案の策定、その実行・モニタリング・評価・検証といったPDCAを行います。
なお、気候変動関連リスクによる重大な影響※2 が想定される場合は、速やかに対応方針を議論し、経営会議で審議の上、取締役会で決議し適宜事業計画に反映します。
※1 ERMリスク ERM(エンタープライズリスクマネジメント)における①信用リスク、②市場リスク、③オペレ
ーショナルリスク(事務リスク、システムリスク等)
※2 重大な影響 東京証券取引所の適時開示基準(利益に係る影響の見込額等)に準拠
※3 環境関連法に関するリスクはISO14001に基づく環境マネジメントシステムにおいて管理
なお、当事業年度においては、気候変動に関する与信関連費用についてのリスク分析を行いました。
□与信関連費用における気候変動リスクの分析
環境省が発表する銀行セクター向けTCFDシナリオ分析を参考に、物理リスクや移行リスクの発生による与信先の返済能力悪化のシナリオを作成し、当社の特性を加味したうえで、2023年3月期の与信残高をベースに与信関連費用の増加を試算しました。その結果、「物理リスク」による与信関連費用の増加が期間損益に与える影響は軽微であり、「移行リスク」に伴い追加発生する与信関連費用は認められませんでした。
今後も変化を続ける世界情勢に対し、社内関連部門および経営層と協議しながら随時リスクと機会を見直し、より実効性の高い対応策へと見直していきます。なお、当事業年度においてもリスク分析を行い、別途当社webサイトに掲載する予定です。
④指標と目標
当社は、環境中長期目標として、2040年度の実質カーボンニュートラル実現を目指しています。また「中期計画2025」においては、「カーボンニュートラル実現に向けたCO2の削減」に加え、「ICTビジネス拡大に伴う循環利用の促進」、「気候変動対応の推進」等を非財務目標の一部として公表しています。これらの非財務目標に積極的に取り組むことで、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現を目指していきます。なお、これら非財務目標のPDCAについては、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて報告・議論し、実効性の高い取り組みを進めてまいります。
A. 環境中長期目標(2040年度の実質カーボンニュートラル実現)
当社は、環境中長期目標として、自社の事業活動に伴うCO2排出量(Scope1,2 提出会社+リサ・パートナーズ)を2025年度に2022年度見込み比20%削減し、2040年には、海外子会社を含む連結ベースでのCO2排出量(Scope1,2)の「実質ゼロ」を目指しています。当事業年度における自社の事業活動に伴うCO2排出量は下記の見込みです。
確定値および第三者検証の結果は、当社webサイト(https://www.necap.co.jp/)へ当期中に反映予定です。引き続き、社用車のEV(電気自動車)等への入れ替え、支店オフィスのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への移転、カーボンクレジットや非化石証書等の活用を検討し、2040年度の実質カーボンニュートラルを実現していく予定です。
当事業年度においては、自社の排出量把握を一段高いレベルで進めるため、Scope3排出量算定の精緻化に取り組みました。具体的には、既存公表値の第三者検証(SGSジャパン株式会社による)と、これまで開示できていなかったカテゴリー13の算出となります。この結果、2023年3月期における当社グループのScope3排出量は613,439t-CO2(第三者検証済み、ただしカテゴリー13の51,859t-CO2は除く)となり、既存公表値492,018t-CO2から121,422t-CO2の増加となりました。Scope3の精緻化につきましては検討課題として、引き続き取り組んでまいります。なお、当事業年度のScope3排出量は、別途当社webサイトに掲載する予定です。
B. 「中期計画2025」における非財務目標
当社は、「中期計画2025」において一部の非財務目標を公表しております。当事業年度における進捗は下記の通りです。
(2) 人的資本、人材の多様性に関する開示
①人材戦略(人材育成の基本方針および職場環境整備方針)
a.人材育成の基本方針
当社グループの事業においては、人材こそが最大の資産であり、人材の価値を最大限に引き出すことで当社の中長期的な企業価値の向上を図ります。そのため、事業戦略に連動した人材・組織・カルチャー変革戦略を立案し、それに基づき多様な人材が持てる力を最大限に発揮し、働きがいを感じ、誇りに思える会社を目指していきます。
当社グループは2023年4月に新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定しました。このグループビジョンのもと、既存事業のみならず周辺領域への事業拡大や新たな事業、循環型のサービス創出に挑戦していきますが、そのためにはグループビジョン実現に向け、自ら変革するために挑戦・成長し続ける従業員のWell-beingの向上を図り、多様な人材に選ばれる会社を目指していきます。
b.職場環境整備方針
上記の人材育成の基本方針に基づき、多様な人材が持てる力を最大限に発揮し活躍できる社内環境整備を進めていきます。育児や介護を始めとした様々な事情を抱える従業員が時間や場所の制約にとらわれずに力を発揮できる仕組み、経験年数や年齢にかかわらず担っている役割(仕事)と会社業績への貢献を基準とした処遇の仕組み、自由闊達で挑戦を重んじ、自分らしく活躍できる組織文化の形成、などにより従業員が誇りに思える会社、即ちエンゲージメントが高い従業員で満たされる会社・組織を目指し、種々の施策に取り組んでいきます。
②具体的取組(人材戦略の実践、施策)
新たに策定したグループビジョン2030実現に向けてマテリアリティ(重要課題)を再特定しました。そのマテリアリティの一つが「人的資本への投資」で、「エンゲージメントの向上」「人材の多様性確保」「健康経営の実現」「持続的成長を実現する人材・組織開発」「テクノロジー活用による働き方改革」の5つの領域につき以下の取り組みを進めていきます。
a.エンゲージメントの向上
人材育成の基本方針に則った「働きがいを感じ、誇りに思える会社」への変革の状況をモニタリングし、改善のPDCAサイクルを回すため、定期的に従業員エンゲージメントサーベイを実施しています。サーベイは毎年1回本サーベイを実施することに加え、2023年度から年3回のミニサーベイも実施し、タイムリーに状況把握を行い、改善のPDCAを早く回していくこととしています。全社のエンゲージメントスコアおよびエンゲージメントスコア改善のポイントを全役員で共有するとともに、部門別の結果を管掌役員及び部門長で共有し、改善に取組んでいます。今中期計画の最終年度(2025年度)には、参加エンゲージメントサーベイにおいて日本国内参加企業の上位1/4レベルを目標に改善を加速させていきます。また、従業員エンゲージメントスコアは役員報酬の業績評価に連動させる仕組みとしており、その改善に経営陣もコミットして取組をすすめています。
2023年度は新たなグループビジョン2030と中期計画2025を社内外に公表し、経営陣が従業員との直接対話を35回にわたって全社員と実施し、その理解、浸透を図るとともに従業員との意見交換を行いました。また、11月30日の当社創立記念日には創立45周年イベントとして丸1日を使って東京と大阪の2会場に全社員が集まり、部門を超えた交流や互いの事業紹介などを通じ一体感の醸成とビジョン実現に向けた結束を固めるイベントを行いました。加えて、2024年2月からは経営陣と従業員の直接対話の第二弾として役職階層別の対話会を実施中です。
また、社員からの発案で社員の任意の申込による「社長とのランチ会」を始め、1年で24回、70名の社員との対話も実施しています。率直な意見を聞く中でタイムリーな改善アクションにつなげることも行っています。こうしたオープンコミュニケーションの場も含めてビジョン実現に向けた風通しがよく自律的に挑戦するカルチャーづくりを促進しています。
2023年度のエンゲージメントスコアは21%と前年度と変わらない結果となりましたが、個々の要因別でみたスコアは17領域中14領域が改善しています。特に上記の取組もあり「経営陣」「ダイバーシティ」「顧客志向」の領域で改善ポイントが大きくなっています。一方で依然課題とみられる領域もあり、2024年度も引き続き人材マネジメントの改善等目標達成に向けた施策を展開していきます。
<従業員エンゲージメントスコア(提出会社)>
※グローバル人事コンサルティング会社「Kincentric社」サーベイによる。
スコア34%は日本国内参加企業の上位25パーセンタイルのスコアレベル。
b.人材の多様性確保
当社は、新たな事業領域への事業拡大を通じて様々な分野から専門性・経験を持つ人材を採用してきました。その結果、下表に示す通り、ダイバーシティのある組織となっています。今後はさらにDiversity, Equity &Inclusion の観点から多様な人材が真に活躍できる環境整備を制度面・組織風土面の両面から進めていきます。
その一つとして、育児や介護をはじめとする様々な事情を抱えている従業員が時間的・場所的制約にかかわらず活躍できる環境を整えるため、コロナ禍で進んだテレワークの仕組みを今後も継続し積極活用することに加え、2023年4月には勤務途中の中抜け(例:育児のための勤務中断)を可能とする柔軟な働き方が出来る制度を導入しました。なお、これらの施策は女性だけでなく男性も含めたすべての従業員が持てる力を最大限に発揮することに資するものであるとの認識で今後も取り組んでいきます。
また、ポストコロナに入り、2023年7月には各職場の業務特性に応じた「柔軟な働き方の実現に向けてのガイドライン」を作成し、それをもとに職場単位でチーム効率も考慮した最適な働き方のルールを話し合い、「働き方に関する職場ルール」を定め、全社共有を図るなど働き方の見直し、改善を図っています。加えて、2024年4月には介護等個別事情を抱える社員の継続就業を可能とする「遠隔地勤務制度」を導入し、多様な人材が働き続けられる環境の整備も図っています。
このような事情を抱えた人材が活躍し続けられるための環境整備に加え、これからは多様な価値観、多様な考え方の人材がそれぞれの力を活かし活躍し続けられる会社・組織を目指していきます。それにより、多くの人材が活躍し続けられることと同時に、多様な価値観、多様な強みを活かして議論や意思決定の質を高め業績の向上につなげていきます。
<従業員のダイバーシティの状況(提出会社)>
①女性活躍
これまでも職種転換の推進、外部教育機関への派遣、専門知識の習得支援、自分らしさや働くための軸を探求することを目的としたワークショップの開催等による人材育成施策と、法の要請を超えた育児と仕事の両立支援制度の拡充、在宅勤務制度やフレックスタイム制度の改定などにより柔軟な働き方を可能とする制度を導入し、女性活躍につなげる施策を推進してきました。しかしながら、女性管理職比率は以下に示すとおり改善してきているもののいまだ意思決定における多様性には課題があります。当社はこれを最優先の経営課題の一つとして、職場環境整備と人材の確保・計画的育成の両面から改善に取組み、2026年3月末で女性管理職比率10%達成を目標に取組んでいきます。
具体的には、職場での多様性への理解と受容促進としてアンコンシャスバイアス研修を全社員に実施するとともに働き方改革も含めた職場環境整備を図っています。加えて、新卒採用女性比率毎年50%、経験者採用での女性比率を2025年度までに30%以上にして女性管理職の候補者のパイプラインを拡充させること、候補者層には個別育成計画を策定・実行するとともに外部研修への派遣などを通じて動機づけや必要な知識の習得を図る取組を進めています。
②シニア人材の活用
これまでも本人や上司との事前面談を通して、蓄積したキャリアや適性、希望する業務、チャレンジ意欲を踏まえ配置を行い、成果に応じて処遇する制度の運用を進めてきました。今般、全社での適所適材配置およびより一層の活用促進を図ることを目的に、これまで以上にアサイン業務の職責の大きさと成果に応じた処遇とすべく雇用延長制度の運用見直しを図り、2024年度から新たな運用を開始しました。
③障がい者雇用
障がいの有無にかかわらず活躍できる会社を目指し、障がい者には、その状況に合わせて様々な合理的配慮を行っています。たとえば、オフィスは段差のないフラットな構造になっているほか、オフィス内の導線についても、デスク間の幅を広くとることで車いすでの移動を容易にするなど様々なバリアフリー対策を講じています。
また、2021年7月からは「障がい者が安心して長く働ける環境の提供」「障がい者就業機会の創出による地域貢献」を目的として当社の農園を開設し、障がい者の雇用の促進につなげています。
また、2024年度にはオフィス業務における就業領域の拡大を予定しており、実施に向けて職場受入れの準備を進めています。
<障がい者雇用率(提出会社)>
④LGBTQ+への対応
より多様な人材が活躍できる環境整備の一つとして、これまで法律婚に限定してきた休暇・手当等の対象範囲に同性パートナーを追加し、関連する規程類を2023年8月に全て見直しました。これにより法律婚にとらわれない多様な家族の在り方を会社として受け入れていくという姿勢を社員に示すとともに、今後全社員を対象とした研修等の施策を通して、多様な家族の在り方、性的マイノリティへの理解促進への取組を推進していきます。
c.健康経営の実現
事業活動の源泉は生き生きと働く社員であり、全ての従業員の心身の健康と安全は最も大切なものと考えています。当社は健康経営の推進にあたって、社長を推進責任者として、当社、産業医・保健スタッフ、健康保険組合と連携を図り、三位一体で社員とその家族の健康維持・増進に取組んでいます。2024年3月には昨年度に引き続き「健康経営優良法人認定2024(大規模法人部門)」を受けました。
①疾病予防・健康増進対策
<各種健康診断>
疾病の予防および早期発見等の観点から、法定の定期健康診断項目の受診に加え、年齢に応じ、健康保険組合と協働して「人間ドック」「がん検診」の受診推奨および費用補助を実施しています。2024年度から「人間ドック」「がん検診」の自己負担無料化および20歳以上の女性を対象に「子宮がん検診」の無料化を実施し、その受診率の促進を図っています。また、健診結果に対する産業医の判定に基づき、精密検査等が必要な対象者への医療機関受診推奨など、事後措置管理の強化を行っています。
②メンタルヘルスケアへの取組み
当社では、社員の身体的な健康だけでなく精神的にも健康で、自分らしく生き生きと働くことができる職場環境づくりを重要課題と位置づけ、産業医・保健スタッフと連携をとってメンタルヘルス対策に取り組んでいます。具体的には、1次予防(啓発活動・未病対策)としてストレスチェックの実施やWEBを使ったメンタルヘルス研修、長時間勤務者の個別フォローを、2次予防(早期発見・早期対応)として上司および本人との産業医面談の実施と通院・経過観察中のフォローを、3次予防(再発防止)として職場復帰支援カウンセリングの実施や復帰後の経過支援面談など、きめ細かな対応を実施しています。
③ 健康意識・リテラシー向上への取組
健康に対する意識やヘルスリテラシーの向上を目的として、社員とその家族を対象に「オンライン健康セミナー」を定期的に開催しています。運動・睡眠・食事・がん・女性特有の病気などの様々なテーマのセミナーを実施し、健康増進およびセルフケアの強化を図っています。
<健康経営モニタリング指標と実績(提出会社)>
d.持続的成長を実現する人材・組織開発
当社は、自らチャレンジすることで会社の変革・成長に貢献し続け、かつ、お客様満足の追求に力を発揮できる人材の育成に取り組み、社員一人ひとりが高い専門性と自律的な行動、さらに市場環境の変化に対応できる能力を身につけることを目指しています。今後グループビジョン2030に基づき、事業戦略に合致した人材ポートフォリオを策定し、そのギャップを埋めるため人材・組織開発に計画的に取り組んでいきます。そのために必要な研修には費用・時間を積極的に投資してまいります。
<人材育成体系>
<研修関連指標と資格保有者数(提出会社)>
1.次世代リーダー候補者育成
当社では経営幹部候補者から若手のハイポテンシャル人材まで、次世代リーダー候補者を他社や海外現地法人への派遣も含めた戦略的な人事ローテーションの実施と、選抜による外部教育機関への派遣等により計画的な育成に取り組んできました。そして、2022年度からその取組を強化し、サクセッションプランとして計画的な取組を開始しました。更に2023年度から本格的な年間の活動として取組み、内容を指名・報酬委員会で共有しております。具体的には、上期に候補者の定期見直しと強み・育成強化ポイントの議論とそれに基づく育成計画を話し合い、下期に育成状況の進捗確認とそれに基づく翌年度の人事異動案を議論することとし、そのサイクルを毎年回していく仕組みとし、実行しました。これにより若手から幹部直前の層まで次世代リーダー候補者一人ひとりの育成状況と成長・育成に向けた業務アサインについて経営幹部で議論し、配置・業務アサインにつなげています。加えて、候補者へ外部専門コーチの付与や外部機関のリーダー育成プログラムへの派遣を実施し、計画的に育成を図っています。これらの取組みにより2024年度には40歳代の執行役員が2名誕生する成果も出ています。
また、社長のサクセッションプランについても、後継者の選定・評価・育成の視点を整理するとともに年間スケジュールを定めて定期的に指名・報酬委員会でレビューしていくことにしています。
2.キャリア自律を促す人材育成制度の拡充
キャリア自律を促進させるため、従来から実施していた自己申告制度を元にした希望の叶う人事育成配置に加えて、2022年度に人材公募制度を導入しました。導入時は3ポジションの募集であったものを2023年度は17ポジションに増やすとともに、募集部門の部門紹介ビデオ作成、説明会の実施を行うなど、キャリア自律の機会拡大を行いました。
また、キャリア形成支援施策として自己理解、キャリアの棚卸、キャリアコンサルタントとの相談を通じた「キャリアを考える機会」ワークショップを、30歳代全員125名を対象に実施し、キャリア自律に関する意識向上を促進しました。2024年度は引き続き、20歳代、40歳代の実施を計画しています。
研修においては、個々人の多様な業務・役割に則した自律的な学習・キャリア形成を支援できるよう外部教育機関と提携して専門性を高める研修を含め幅広いニーズに応える研修メニューを提供し、金融関連有資格者の計画的育成を図っています。
<2023年度末資格保有者数(提出会社)>
3.組織カルチャーの変革とマネジメントの強化
2023年4月に策定したグループビジョン2030、中期計画2025の実現に向け、2023年4月に従業員に期待する行動基準の策定とそれに基づく行動評価の仕組みを新たに導入しました。ビジョン実現に向けた行動基準は「顧客志向」「自ら進化」「挑戦」「スピード」「オープンコミュニケーション」の5つのカテゴリーとし、それぞれにおいて期待行動の事例を示すことにより、一人ひとりの言動を変え、それにより組織カルチャーの変革につなげていきます。制度導入後に全管理職を対象にワークショップを実施し、制度の理解浸透を図るとともに運用上の課題と対策について議論を重ね、評価・育成の向上につなげています。
また、挑戦・変革の組織カルチャーを現場で効果的に実践する上では、マネジメント力とオープンで心理的安全性の高い職場風土が欠かせないことから、マネジメント力の強化と心理的安全性を高めるための施策を実施してきており、今後も継続的にその取組みを強化、実践していきます。
e.テクノロジー活用による働き方改革
社員一人ひとりが、自律的に働き方や働く場所を選択できるように、全社員にモバイルパソコンやスマートフォンを配備し、自宅やサテライトオフィスなど、状況に合わせて柔軟に業務が行えるようIT環境を整備しています。また、生産性の向上、BCP、環境配慮の面で紙を削減・廃止し、デジタルを用いて仕事が進められるよう承認プロセスの電子ワークフロー化の促進なども進めてきました。今後はDX基盤となるコアシステムの立ち上げやRPA(Robotic Process Automation)の活用、生成AIの活用などDX活動をより推進し、高い生産性の実現を目指していきます。2024年4月にDX推進室を設置し、生成AIの活用、IT関連スキル教育の企画、促進を図っています。
本社オフィスは、社員間のコミュニケーションを促すコラボレーションスペース、個人が集中して作業やWEB会議を行えるブースなど、様々な機能を兼ね備えたオフィスデザインとし、働き方に合わせて最適な場所を選ぶことができる環境を整えています。自律性を高め、新たな発想が生まれることを期待するフレキシビリティの高いオフィスとしています。