リスク
3【事業等のリスク】
(1) 当社グループのリスク管理
① リスク管理基本方針
当社グループは、持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造することを経営ビジョンに掲げ、その実現を阻害するあらゆる不確実性を「リスク」と捉え、リスク管理態勢を整備し、リスク管理を経営の最重要課題として取り組んでおります。
当社グループでは、「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」を定め、グループ内で共有された基本的な考え方のもとでリスク管理を実行しております。
「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」には、リスク管理の基本プロセスと体制、保険グループとして認識すべきリスクの定義や管理の考え方等が定められております。
グループ国内保険会社では、この基本方針に沿って各社の実態に合わせた「リスク管理方針」を制定し、主体的にリスク管理を行っております。
② リスク管理体制
当社では、取締役会の課題別委員会の1つであるERM委員会にてリスク管理に係るモニタリング等を行い、重要事項についてはERM委員会の協議を踏まえて、グループ経営会議及び取締役会に報告を行う体制としております。
グループ国内保険会社は、国内外の子会社も含め各社それぞれのリスク管理を実行します。リスク管理部は、グループ全体のリスク及び各社のリスク管理の状況をモニタリングし、グループ全体の統合リスク管理を行い、ERM委員会へその結果を報告しております。
さらに、2024年度より、連結子会社である三井住友海上火災保険株式会社及びあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の企業保険分野における独占禁止法に抵触すると考えられる行為及び同法の趣旨に照らして不適切な行為の発生等を踏まえ、当社グループに内在するリスクをフォワードルッキングに検知して、グループ内に展開し、自律的にリスクに対応していくため、当社及びグループ国内保険会社の役員が出席する「グループリスク対策会議」を新設しております。グループリスク対策会議には幅広い視点から助言・指導を受けるため、社外の有識者も出席します。また、グループリスク対策会議での論議事項について、必要と判断した事項は、当社の取締役会及びグループ経営会議に直接報告します。これらを通じ、リスクの検知力の強化及びリスク管理体制の強化を図ってまいります。
③ ERMをベースにしたグループ経営
ERM(Enterprise Risk Management)は、保険会社の経営において重要なリスク・収益(リターン)・資本という3つの経営指標をバランスよく管理していく機能を担っております。
当社グループでは、現中期経営計画の基本戦略を支える基盤の1つとして、ERMを位置づけ、リスク・収益(リターン)・資本のバランスを取った経営資源配分により、企業価値向上に取り組んでおります。
a.ERMの機能と役割
ERMでは、リスクを取って収益を求める際、リスク対比の収益性(ROR※1やVA※2)の高いものや高まる取り方を考え、資本の健全性(ESR※3)を維持しつつ、目標とする資本効率性(グループ修正ROE※4)の達成を図ります。これら3者の関係は下図のようになります。
※1 ROR(Return on Risk):後述b.(a)参照
※2 VA(Value Added):後述b.(b)参照
※3 ESR(Economic Solvency Ratio):経済価値ベースのソルベンシー・レシオ:後述b.(c)参照
※4 修正ROE(Return on Equity):後述b.(d)参照
b.ERMで注視する指標
※5 統合リスク量:200年に一度の確率で当社グループ全体が被る損失の予想額(時価)
※6 時価純資産:経営のバッファとしての純資産管理を徹底するために使用している指標(修正純資産+保険負債の含み損益+その他負債性資本等)
(a) ROR (Return on Risk)とは
リスク量に対して利益(リターン)がどの程度確保されているか(リスク量対比の収益性)を示す指標です。
リスクを引き受けるためには、それに見合う資本の確保が必要になります。したがって、RORが高い(すなわち、引き受けたリスクに対して得られる利益が大きい)事業は、必要な資本に対して、得られる利益がより大きい事業と言えます。
(b) VA (Value Added)とは
リスクを引き受けることによって、どれだけの付加価値が得られるかを示す指標です。資本コストは、資本資産価格モデル(CAPM)により推計しています。
(c) ESR(Economic Solvency Ratio)とは
リスク量に対する資本の充実度を示す指標(=「時価純資産」÷「統合リスク量」)です。リスク量は、事業や資産に係る損失や価値変動のリスクを統計的に数値化したものであり、統合リスク量は当社グループ全体のリスクの総額となります。
(d)修正ROE(Return on Equity)とは
資本に対する利益の割合で、資本の効率性を示す指標です。
④ ERMとリスク管理
当社グループでは、リスク選好方針に沿って経営計画を策定し、ERMサイクルをベースに、健全性の確保と、収益力と資本効率の向上を図っております。ERMサイクルに沿って、リスクに見合った資本の配賦を行い、引き受けたリスクに対するリターン(ROR)のモニタリングを通じて、リスクコントロールやアンダーライティングの強化等を行っております。
a.ERMサイクル
ERMは、企画・執行・モニタリングのサイクルを通じて実践しております。
b.ROR向上に向けた取組み
引き受けたリスクに対しどれだけの利益が得られるかを示すRORの推移は、当社グループのリスクポートフォリオの収益力の状況を表しております。当社グループでは、ERMサイクルをベースにRORの向上に取り組んでおります。
c.ストレステストの実施
当社グループは自然災害の発生、資産価値の下落など、様々な事象の発現による影響を分析して、資本の十分性、期間損益への影響、ポートフォリオの脆弱性の確認を行うためにストレステストを実施しております。
また、事象発現時の状況を分析し、資本を毀損する因子の洗い出しを行い、リスク耐性の向上に有効な対策の検討にも活用しております。
(2) 当社グループの主要なリスク
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① グループ重要リスク
グループ各社が洗い出した主要なリスク事象リストに基づき、下表のように発生可能性と影響度を目安として、総合的な判断により、経営が管理すべき重要なリスク事象を「グループ重要リスク」として選定し、グループ重要リスク管理取組計画を策定した上で、リスク対策の実行や各リスクの状況を定期的にモニタリングしております。
※7 発生可能性:当面(5年以内)の発生可能性。統計的な発生頻度(確率)に加え、統計的手法で捉えきれない切迫度、予兆等を勘案し、総合的に判断。
※8 影響度:「経済的損失」「ブランド力・信用力への影響」等を勘案し、総合的に判断。
2024年度は、ロシアのウクライナへの侵攻、イスラエルとハマスの衝突、台湾への関与を含む米国と中国の緊張状態、世界各地での暴動の発生等の地政学的な緊張の高まりが継続しており、保護主義の台頭等によりサプライチェーンや経済面での不安定、安全保障に関するリスクに波及する可能性があります。また、米国大統領選挙をはじめとして各国で選挙が実施されますが、上記の状況と相まって、政治的・社会的な分断が加速する懸念(生成AI等の技術進展に伴った誤報・デマの流布によって助長される可能性を含みます)、さらにはグローバルサウスの台頭に伴って国際的な分極化が進む懸念があります。これらを踏まえ、これまで各グループ重要リスクに包含していたこれらのリスク要素を括り出し、「国家間・他国内等での対立激化や政治・経済・社会的な分断・分極化、安全保障の危機」としてグループ重要リスクに追加しております。
また、連結子会社である三井住友海上火災保険株式会社及びあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の企業保険分野における独占禁止法に抵触すると考えられる行為及び同法の趣旨に照らして不適切な行為の発生等を踏まえ、法令違反リスクや、不作為を含むコンダクトリスク等、リスクへの感度をより一層高め、リスクを早期に検知して対応を図るためのリスク管理態勢を強化してまいります(前述(1)②参照)。この一環として、グループ重要リスク「グループの企業価値の著しい毀損や社会的信用の失墜につながる行為の発生」を「グループ事業に関連する法令等違反行為、重大な労務問題、人権侵害・多様性の排除、データガバナンスの不備等」及び「お客さま等のステークホルダーの視点の欠如・不徹底や社会規範等からの逸脱、当社グループの行動指針・行動基準に反する行為等(コンダクトリスク等)」の2つに分類し、それぞれについて「主な想定シナリオ」を明示することでグループ内の管理強化に繋げてまいります。
さらに、下表のリスクの高まりや変化については、「主な想定シナリオ」に明示することで管理を強化しております。
なお、主な想定シナリオの策定においては「気候変動」「インフレーション」「デジタライゼーション」「少子高齢化」に留意しております。
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主な領域 |
「主な想定シナリオ」に明示する環境変化 |
外的変化 |
社会 |
・資金決済インフラ(全国銀行データ通信システム等)の停止 |
経済 |
・インフレーションへの継続的な注視の必要性 |
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環境 |
・循環型社会における新たな健康被害や環境被害の発生、グリーンウォッシングに関するリスク認識の高まり |
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技術 |
・生成AI等の技術の進展・グローバルな規制環境の変化・社会実装段階でのトラブルの発生、サイバー攻撃の巧妙化や影響範囲の拡大 |
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外的・内的変化 |
― |
・保険料調整行為等の発生を踏まえた保険市場や販売チャネルの変化の可能性 |
内的変化 |
― |
・お客さま・代理店向けシステムにおける障害の複数同時発生 ・カスタマーハラスメントに対する組織的対応の必要性 ・経済価値ベースの資本規制の導入 |
2024年度グループ重要リスクは下表のとおりであります。
これらのリスクが発現することにより、多額の保険金・給付金の支払、保有資産の価値の低下、競争環境や評判の変化等が生じ、当社グループの業績や財務状況に影響が生じるリスクがあります。当社グループでは、これらのリスクに対して、グループ重要リスク管理取組計画を策定(取締役会で決議)した上で、リスク対策の実行を通じて、リスクの軽減やコントロールを実施しております。
No. |
グループ重要リスク (点線枠内は「主な想定シナリオ」/「留意事項」は主な想定シナリオの策定において留意する事項) |
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1
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大規模自然災害の発生 (留意事項:気候変動) |
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・気候変動の影響も受けた国内及び海外の大規模な風水災・森林火災・雪雹災・干ばつや地震・噴火等の発生による保険金支払の増加 ・大規模自然災害の発生等に伴う出再保険料の高騰や再保険会社の引受キャパシティの減少等により、方針どおりのリスクコントロールが困難になる事態の発生 ・大規模自然災害の発生により当社グループが適切にビジネス・サービスを実行できない状態の発生 |
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2 |
金融マーケットの大幅な変動 (留意事項:インフレーション) |
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・世界的な景気・経済活動の停滞懸念による株式等の保有資産価値の下落 ・物価動向を踏まえた各国の金融政策の変更や財政規律の欠如に伴う各国の国債の格下げ等に伴う 金利・為替の変動による資本余力の低下 |
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3 |
信用リスクの大幅な増加 (留意事項:気候変動) |
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・実体経済の悪化や脱炭素社会への移行に向けた規制の強化・対応の遅延等による投融資先企業の業績悪化やデフォルト ・世界経済の減速懸念等に伴う投資家のリスク回避姿勢の強まり等による保有債券等の価値の下落 |
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4 |
グループの企業価値の著しい毀損や社会的信用の失墜につながる行為の発生 (留意事項:デジタライゼーション、気候変動) |
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①グループ事業に関連する法令等違反行為、重大な労務問題、人権侵害・多様性の排除、データガバナンスの不備等 |
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・国内関係法令等及び事業を営む海外現地の法令等への違反(不当な取引制限や優越的地位の濫用を含む)、長時間労働・ハラスメント等の重大な労務問題等の発生 ・当社グループ又は外部委託先等における人権・知的財産権等の侵害や情報漏えい等の発生 ・生成AIの活用推進・規制変更・社会的な認識の変化等に伴う権利侵害・不適切な情報開示・関係当局等が策定するガイドライン等への抵触・評判の低下等の発生 ・国際財務報告基準(IFRS)ベースの連結財務諸表の開示や経済価値ベースの資本規制の導入に向けた態勢整備の遅延・不備等による開示情報の重大な誤りの発生 |
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②お客さま等のステークホルダーの視点の欠如・不徹底や社会規範等からの逸脱、当社グループの行動指針・行動基準に反する行為等(コンダクトリスク等) ※不作為によるものを含む |
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・業界慣行等に基づく行動がお客さま等の視点を欠くこと等による当社グループの社会的信用の失墜 ・グループ戦略遂行上の組織改編・業務変革・システム開発に伴う業務混乱やそれに起因する苦情の増加 ・リモートワーク等に伴う社内コミュニケーション不足等による業務品質や効率の低下 ・当社グループにおける気候変動対応等のサステナビリティに関わる開示や課題への対応不備やそれに伴う訴訟等による評判の低下や財務的な負担 |
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5 |
サイバー攻撃による大規模・重大な業務の停滞・情報漏えい (留意事項:デジタライゼーション) |
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・デジタライゼーションの進展等に伴う世界的なサイバー攻撃被害の拡大、サイバー攻撃の巧妙化・多様化(技術進展が著しい生成AI等を利用したものを含む)、クラウドの活用やサプライチェーンの拡大に伴うサイバー攻撃による影響範囲の拡大等による当社グループ及び外部委託先等における業務の停滞・情報漏えいの発生 |
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6 |
システム障害の多発や重大なシステム障害の発生、大規模システム開発の進捗遅延・未達・予算超過・期待効果未実現 (留意事項:デジタライゼーション) |
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・デジタライゼーションの進展に伴うお客さま・代理店向けシステムにおける障害の複数同時発生、大規模自然災害の発生等に伴うシステム関連施設の罹災、資金決済インフラの停止、宇宙天気現象の影響も懸念される通信衛星・通信回線の不具合・事故等に伴う通信障害によるビジネス・サービスの停滞 ・休日や営業時間外に稼働するお客さま・代理店向けシステムの大規模な障害発生によるお客さま等への対応の遅れ ・大規模システム開発の進捗遅延・未達・予算超過・期待効果未実現による経営計画の未達成 |
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7 |
新型インフルエンザ等の感染症の大流行 (留意事項:気候変動) |
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・地球温暖化の影響も受けた新種の感染症の大流行・影響長期化等に伴い当社グループが適切にビジネス・サービスを実行できない状態の発生 ・世界的な感染拡大による保険金・給付金支払の増加や感染症の影響長期化に伴う経済活動の長期停滞等による収益の低下 |
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8 |
保険市場の変化 (留意事項:デジタライゼーション、気候変動、少子高齢化、インフレーション) |
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・デジタルプラットフォーマーの台頭、消費者意識の変化、社会的要請への対応等によるビジネスモデル・販売チャネルの大きな変革、運転支援・自動運転技術の進展による自動車事故の減少等による収益構造への影響 ・補償・保障前後のサービス拡大に伴うアプリ・システム・IoT機器等の不具合、業務委託先・事業提携先の不正・事務ミスによる風評被害、機器等の供給制約等による販売戦略への影響 ・低炭素・脱炭素技術等の気候変動への対応に係る新たな保険引受、循環型社会の進展や化学物質等の健康被害・環境被害等による保険金支払の増加 ・少子高齢化の進展・人口減少等に伴う市場規模・構造の変化による事業ポートフォリオへの影響 ・外部環境変化(社会的要請の変化、企業等の建物・設備の老朽化、気候変動リスクやサイバーリスクといった国・地域をまたがるリスクの出現を含む)に伴うリスクの高まり・集積やインフレ(ソーシャル・インフレーションを含む)等による保険金・事業費の増加 |
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9 |
人財を取り巻く環境の変化 (留意事項:少子高齢化、デジタライゼーション) |
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・人財市場・労働需給等の外的な変化やDX推進等の戦略実行に必要なスキル・専門性の変化等による、経営戦略と人財ポートフォリオのギャップ及びその解消に向けた人財の確保・育成の不足 ・自律的なキャリア形成機会・柔軟で多様な働き方・多様性の尊重等に対する社員の意識の変化を的確に捉えた環境整備やハラスメント(カスタマーハラスメントを含む)に対する組織的対応の不足による社員のエンゲージメントの低下や人財の流出 |
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10 |
国家間・他国内等での対立激化や政治・経済・社会的な分断・分極化、安全保障の危機 |
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・国家間・他国内等での対立激化や政治・経済・社会的な分断・分極化(各国大統領等のグローバルリーダーの交替やグローバルサウスの台頭等に伴うものを含む)等に伴う経済活動の停滞懸念による株式等の保有資産価値の下落 ・各国の経済安全保障関連規制の強化等によるサプライチェーンの分断等に伴う実体経済の悪化等による投融資先企業の業績悪化やデフォルト ・当社グループ又は外部委託先等における経済安全保障上の問題等による当社グループの評判の低下 ・大国間の対立激化等に伴う世界的なサイバー攻撃被害の拡大等による当社グループ及び外部委託先等における業務の停滞・情報漏えいの発生 ・大国間の対立激化や保護主義の台頭等に伴う規制変更や軍事的行動等による特定の国や地域での事業の制限・中断・撤退、戦争危険等を担保する特約等の保険金支払の発生 |
② グループエマージングリスク
中長期的な視点から当社グループ経営に影響を与える可能性のある事象や、現時点では当社グループ経営への影響の大きさ、発生時期の把握が難しいものの、経営が認識すべき事象を次のとおり「グループエマージングリスク」として特定し、定期的にモニタリングしております。
2024年度は国家内の政治的・経済的・社会的な緊張の高まりを想定していたエマージングリスク「国家統治・政治の大きな混乱・機能不全、安全保障の崩壊」について、大統領選挙を巡る米国内の状況等のリスクの高まりを踏まえ、新設するグループ重要リスク「国家間・他国内等での対立激化や政治・経済・社会的な分断・分極化、安全保障の危機」に包含(グループ重要リスクに移行)しております。
No. |
グループエマージングリスク |
1 |
経済・消費者行動・ビジネスモデルの大きな変化・変革を及ぼす新たな仕組みや革新的な技術の出現・台頭 |
2 |
自然資本の毀損(資源の枯渇、生態系の劣化・危機、環境に甚大な損害を与える人為的な汚染や事故) |
3 |
当社グループに大きな影響を及ぼす可能性がある国内外の法令・制度・規制等の新設・改廃 |
4 |
社会資本(橋梁・トンネル・河川施設・港湾施設・下水道等)の維持管理・更新の大幅な停滞・遅延、エネルギー等の大幅かつ恒常的な供給不足 |
③ グループ重要リスクとグループエマージングリスクの管理
概要は下図のとおりです。
配当政策
3【配当政策】
当社は、財務健全性の確保を前提として、持続的な成長により企業価値を高めていくとともに、継続的・安定的な株主還元を実施することにより、株主の皆さまのご期待にお応えしていきたいと考えております。
これを踏まえ、中期経営計画(2022-2025)においては、1株当たりの配当水準の安定性を維持しつつ、グループ修正利益の50%を基本として、配当と自己株式の取得により株主還元を行う方針としております。基本的還元は、利益成長に応じて1株当たり配当を増加させてまいります。それに加え、市場動向、事業環境、資本の状況などを踏まえ、機動的・弾力的に追加的還元を実施します。なお、中期経営計画(2022-2025)の第2ステージ(2024~2025)においては、基本的還元の方針を維持し、原則として、普通配当は減配を行わず、政策株式の売却加速影響による利益に基づき特別配当として還元します。
また、毎期の配当の回数については、中間配当及び期末配当の年2回を基本としております。なお、これらの配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。
当事業年度の期末配当金につきましては1株当たり150円とし、年間配当金は中間配当金120円と合わせて1株につき270円といたしました。
当社は2024年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。当事業年度の期末配当金につきましては、配当基準日が2024年3月31日となりますので、当該株式分割前の株式数を基準として配当を実施いたします。
内部留保資金につきましては、財務健全性に留意しつつ、経営基盤の更なる強化に向け、成長性・収益性の高い領域へ積極的に投資してまいります。
当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
当事業年度の剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年11月17日 |
63,832 |
120.0 |
取締役会決議 |
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2024年6月24日 |
79,515 |
150.0 |
定時株主総会決議 |
(注)1 グループ修正利益は、当社グループ全体の経常的な収益力を示す当社独自の指標であり、連結当期純利益を
基礎に、異常危険準備金等繰入額(繰入の場合は加算・戻入の場合は減算)などの加減算を行うことにより算
出しております。
2 特別配当とは、決算期ごとに実施する通常の普通配当に加えて、特別な利益が出た際などに実施する配当の
ことをいいます。