2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 経営環境の変化が著しいなか、当社は事業活動に関わるリスクを的確且つタイムリーに把握するために、各事業会社における毎月の取締役会とコンプライアンス委員会による定期的なモニタリングによる短期的なリスクの把握のほか、当社代表取締役と社外取締役及び社外監査役によるガバナンス委員会と各種委員会による中長期的な事業価値向上とリスク把握を行っています。

 事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業リスク

①国内の経済環境、社会情勢に伴うリスク

 当社グループは主に日本国内において事業展開を行っており、国内景気や個人消費の動向など経済環境により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。スポーツやレジャーは、既にお客様のライフスタイルのなかで重要なポジションを占めていますが、いわゆる生活必需品という位置づけにならないため、景気動向や雇用環境が悪化した場合には、当社グループ内での小売事業における販売の不振や、クレジットカード事業における消費者向け売上債権の回収における貸倒れリスク増加という形で、グループの業績に影響を与える可能性があります。

 少子化に伴う人口減少の進行は、就学時の部活動の規模が縮小されるだけでなく、将来にわたって、スポーツ市場が縮小することが懸念されることから、中長期的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

②天候不順や異常気象に関するリスク

 近年の異常な気温上昇や降雪の減少、ゲリラ豪雨や冷夏などの想定外の異常気象といった天候要因は、アスレチックスポーツや、ゴルフ、キャンプ、スキーやスノーボードなどのレジャー用品の使用機会減少や、衣料品の消費動向に反映されるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③人材の確保に関するリスク

 当社グループの事業と成長には、販売現場に勤務する従業員(当社グループでは「スポーツナビゲーター(Sports Navigator)」と呼びます)の安定的な確保が重要な要素となっています。スポーツに携わることに喜びを感じながら接客販売や用品の加工業務に携わる人材の確保が想定どおり進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④取扱商品の瑕疵に関するリスク

 当社グループは、お取引先様を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報をお伝えするよう努めております。しかしながら、異物混入や健康被害を与える可能性のある商品、表示不良品の流通など、予想を超える重大な品質問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤情報システムに関するリスク

 当社グループは店舗POSシステムをはじめとして、商品の発注、営業の管理等の業務において、内部及び外部の情報並びに技術的システム、ネットワークを活用しております。当社グループが使用しております技術的システム及びネットワークに、自然災害、人為的過誤、停電、コンピューターウイルス、ハッカー等により障害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥フランチャイズ展開についてのリスク

 当社グループは、「ゴルフパートナー」業態をフランチャイズ方式で展開しています。当社グループでは加盟店に対する商材や販売ノウハウのほか、下取り価格の査定システムなどを提供することで、加盟店との信頼関係の上で相互メリットを享受しています。従って、加盟店企業の業績や出退店動向によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦海外での事業展開に関するリスク

 当社グループは、海外において小売と卸売事業を展開しております。海外市場における文化的・宗教的な違い、政情不安や経済動向の不確実性、現地のお取引先様との関係構築や売掛金回収などの商慣習の違い、特有の法制度や投資規制、税制変更、労使問題、テロ、戦争、伝染病の発生、その他の政治情勢を要因とする社会的混乱といった障害に直面する可能性があり、こうした様々な海外におけるリスクは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業継続に関するリスク

①自然災害リスク

 当社グループは、日本全国での商品販売を主たる事業として展開していますが、それを支える本社機能はゼビオ株式会社の本社がある福島県郡山市と、株式会社ヴィクトリアと株式会社ゴルフパートナーの本社がある東京都内に集中しています。大規模な地震や台風などの自然災害、或いは火災や停電、通信ネットワーク障害、原子力発電事故等が発生し、本社の施設等に損害が生じて本社機能が停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②サプライチェーンリスク

 当社グループで販売する商品は、多数のお取引先様からのナショナルブランド商品と自社が工場に生産を発注する開発商品で構成されていますが、多くの商品はアジアを中心とした海外の工場で生産され、各社の物流ルートを経由して、店舗や倉庫に納品されています。従いまして、生産国での政治情勢やテロ、及び大規模な自然災害の発生などにより商品調達やサプライチェーンの寸断が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③感染症等によるパンデミックリスク

 当社グループは、主に日本国内において店舗、物流施設等を使用して事業展開を行っておりますが、新型コロナウイルスの感染再拡大や、同じような感染症等によるパンデミックや異常事態が発生し、政府や自治体による外出自粛や営業制限、休業要請等が実施される場合には、部活動やスポーツ観戦への影響に伴うスポーツ用品需要の変化や減少、或いは店舗の休業や営業時間短縮に起因した客数の減少などが発生することが考えられます。この場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)財務リスク

①敷金・保証金の貸倒れリスク

 当社グループは出店に際して、店舗賃借先に対して相当額の敷金並びに保証金を預託する形式が主体となっています。契約に際しては、相手先の信用状態を十分判断した上で出店の意思決定をいたしますが、その後の経済環境の変化や契約先の信用状態の悪化により差し入れた敷金・保証金の貸倒れリスクがあります。

②為替リスク

 当社グループは、スポーツ用品・用具や衣料の一部を海外から直接輸入しており、間接的な輸入を含め、輸入商品が多く含まれるため、一般的には円高になれば仕入価格は逓減傾向になり、円安になれば仕入価格は逓増傾向にあります。これにより、売上総利益率は変動を受けるリスクがあり、為替相場等の変動による一般的な市場リスクを当社グループは有しております。

③店舗をはじめとする営業施設等の減損リスク

 実質的価値が下落した当社グループの保有資産(投資有価証券を含む)や、収益性の低い店舗等について減損処理が必要となった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)コンプライアンスリスク

①個人情報の取扱いに関するリスク

 当社グループでは、「ゼビオカード」でのクレジットカード事業のほか、小売各社におけるポイントカード会員、デジタルポイント会員関連での個人情報を保有しております。個人情報保護については、経済産業省のガイドラインに沿い、方針・規程の整備、従業員の教育、個人情報の漏洩防止対策等の安全対策をとっておりますが、外部からの不正アクセスや人為的なミスや委託先の管理不備などにより、万一、個人情報が流出した場合には、その対応に当社グループの信用が低下し、損害賠償の請求を受けるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。

②下請法に関するリスク

 当社グループでは、一部の商品調達において当社グループ会社が発注者(親事業者)となり、当社オリジナルの商品の生産を委託などで、下請法規制対象の業務を委託する場合があります。商品発注に関しては、システム上で下請法区分を設けた登録を行ってチェックを行い、従業員に対して下請法に関する教育を行っていますが、双方が合意した取引条件でも下請法に禁止されている行為となっている場合には、重要性の如何では公正取引委員会から勧告を受け、企業名の開示などが行われることで、社会的信用を失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③労務管理リスク

 当社グループは法令に基づく適正な労務管理などにより、労務関連のリスクの低減に取り組んでいますが、労務関連の各種コンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、当社グループの企業イメージ低下や争訟の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④係争・訴訟に関するリスク

 当連結会計年度において、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争・訴訟は提起されておりません。しかしながら、業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、長期にわたる安定的な経営基盤の確保を目指し、業績に応じた適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針としており、内部留保につきましては、安定成長に向けた財務体質の強化と今後とも予想される競争の激化に対処するため、①店舗の新設及び改装や増床への投資、②新規事業への投資、③経営の効率化に向けた情報システムへの投資などに活用し、経営基盤の安定と拡大に努めてまいります。
 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としておりますが、このほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができることとしております。

  これらの剰余金の配当等の決定機関は取締役会であります。

 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は次のとおりであります。

決議年月日

配当金総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月10日

663

15.00

取締役会決議

2024年4月16日

663

15.00

取締役会決議