2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 出店・閉店について

当社グループの出店政策は、パワー、PRO、ハード&グリーン及びアテーナを商圏規模に応じて「船団方式」で出店し、更なる店舗網の拡大及びドミナントを進めるものですが、「都市計画法」「大規模小売店舗立地法」等の法令又は条例等の規制により、住民や自治体との調整のため、出店に要する時間の長期化等により当初の計画通りに出店ができない場合や建築コスト等の出店コストが増加した場合等は、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、少子高齢化による労働力人口を含む人口減少により、出店地域の市場規模の縮小や人件費等のコスト上昇の影響等により店舗の営業が継続できず閉店が発生する場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、損益分岐点が低い店舗づくり、及びその仕組みづくりを目指し、より小商圏で成立する店舗出店と改装や人材育成による既存店舗の活性化をすすめ、標準化された店舗の多店舗展開を行ってまいります。

(2) 気候変動について

当社グループの販売商品は園芸・農業用品をはじめとして、きわめて季節性の高い商品が多く、四季の特徴が早い時期より顕著に現れるほど販売が好調となる傾向がありますが、反面、冷夏、暖冬等により商品の動きが鈍くなると、売上高の減少、売価変更の増加による利益率の減少、過剰在庫の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、商品力の強化、商品展開時期の調整、在庫調整等を行い、天候不順や気候により変動するお客様のニーズに対応した売場展開や商品運営を行うことで、機会ロスの防止及び収益の確保を行っております。

なお、災害発生時におきましては、従業員やお取引先様、お客様等の安全を確保した上で営業の継続又は再開できる体制の整備に努めております。

また、自然災害等が発生した場合は、下記(3)の影響が発生する可能性もあります。

さらに、商品や店舗運営、物流等、商品の調達から販売に至るまでのすべての過程において、CO2排出量削減やプラスチック包装容器の削減、廃棄物排出削減等の環境に関する社会課題の解決にも努めております。連結子会社の北星産業株式会社におきましては、運送トラックの求車情報と空車情報のマッチングを図り、配送効率の改善に努め、CO2排出量及び燃料使用量の削減に取り組んでまいります。CO2排出量可視化に基づく気候変動による将来リスクや事業機会の把握を行い変化対応型の事業展開を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも行ってまいります。

(3) 流通ネットワーク障害について

当社グループは、商品開発のグローバル化を推進するとともに、物流網及び情報システムを整備し、全国をカバーできる流通ネットワークの整備を行い、ローコストオペレーション体制を構築してまいりました。

しかしながら、自然災害、停電・火災、戦争・テロ、コンピュータウィルス及び人為的な誤り等による継続的な情報システムの障害、又は新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症拡大に起因する政府等の移動自粛等の要請又は指示による物流遮断や停滞による流通ネットワークの障害が発生する可能性があります。また、海外における新型コロナウイルスの感染拡大による厳しいロックダウンにより、プライベートブランド商品をはじめとする商品等の調達に影響を及ぼす可能性もあります。

このような事態が発生した場合、当社グループの事業運営に支障が生じ、商品等の供給が滞り、売上高の減少、レジシステムの停止、データの消失、復旧に関する費用の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 感染症拡大について

新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症が拡大した場合、一時的に店舗閉鎖や営業時間短縮等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクに対応するため、従業員の安全・衛生・健康を重視した働きやすい環境の整備に努め、平時より、感染症予防対策を行っております。新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に変更された後におきましても、引き続き、コロナ禍で変化したライフスタイルに対応した商品やサービスの開発を推進しております。Eコマースの強化によるネットとリアルの融合、取り置きサービスや置き配等の非接触の商品やサービスの拡大、店舗作業のDX化と連動したセルフ販売の推進等、お客様の利便性の向上に資する取り組みを推進し、感染症拡大した場合でも、お客様と従業員の安全を考慮した営業を継続できるための体制整備にも努めてまいります。

(5) 競合について

ホームセンター企業各社は、プロ需要やリフォーム・ホームファッションなどに対応するため店舗の大型化を進めて競争が激化する中、更に業種・業態の垣根を越えた競争が激しくなるなど、小売業全体において企業間競争が熾烈化しております。

当社は多店舗展開によるドミナントエリア化を進めておりますが、競合商品分野において有力な競合他社店舗によるエリア内への大型店舗の出店等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

業種業態を超えた競争に対応するため、当社では、新規出店に加え、既存店舗の改装を推進し、生産性の高い棚割を積極的に導入する等の取り組みを行うとともにローコストオペレーションを推進し、店舗の収益性の向上に努めております。更に、営業時間中にシフト表にEラーニングの時間を確保する投資やマイスター制度をはじめとする各種教育研修制度の充実を図る投資等の積極的な人材教育投資を行い、「何々ならコメリ」とお客様に真っ先に思い浮かべていただける会社を目指し、EラーニングやOJTで培った営業力でお客様のお困りごと解決できる従業員の営業力・接客力の向上を行い、商圏内のナンバーワンを目指し、競合各社との差別化の戦略を行ってまいります。

(6) 情報の流出について

当社グループでは、社内体制を整備し、お客様及びお取引先様等のデータ並びに売上・仕入等の営業上のデータを保有し、管理しております。

しかしながら、犯罪行為やコンピューターシステムの障害等により情報の漏洩・流出の起こる可能性は否定できず、そのような事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用に影響を及ぼし、情報流出に起因する被害に対する損害賠償義務を負う等の可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報漏洩リスクの低減に努め、情報セキュリティ委員会を定期的に開催し、情報セキュリティ関連の情報の共有や教育・指導、適切な情報セキュリティ体制の構築等を行っております。

(7) 為替変動等について

当社グループは、海外から商品の輸入を行っており、為替予約等により為替リスクの低減を行っております。

しかしながら、想定以上に為替変動が生じた場合又は原油市場の価格が変動した場合等には輸入商品の調達に支障をきたし、商品原価率の上昇やオペレーションコストの上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、為替リスク管理規程に基づき、為替リスク管理委員会を開催し、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引に関して為替変動による影響を抑えるように努めております。

当事業年度におきましては、為替リスク委員会を1回開催するとともに、定期的に、為替変動によるリスクの低減に努めました。

配当政策

3【配当政策】

当社グループは、資材・建材、園芸・農業資材市場の流通近代化を実現していくことが、企業価値の向上、株主利

益の増大に寄与するものと考えております。利益配分につきましては、経営基盤や財務体質の強化を図りつつ、配当については安定的・継続的に向上することを基本としております。

また、市場環境や資本効率を踏まえ、自己株式の取得も機動的な実施を検討してまいります。

内部留保資金は、新規出店、既存店舗の改装、物流センターの新設・増強に向けた投資、リフォーム事業・Eコマ

ース事業の拡大にともなうシステム環境の整備、人材育成のための教育環境の整備、お客様の利便性向上と従業員の業務生産性向上の両立を目的とするDX推進のための投資等、経営基盤強化のための成長投資に活用し、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 当事業年度の期末配当金につきましては、2023年4月25日に公表いたしました通り、2023年5月16日開催の取締役会決議により、1株あたり26円(支払開始日2024年6月24日)とさせていただきました。また、すでに、中間配当金一株あたり26円を実施いたしておりますので、当事業年度の年間配当金は、中間配当金26円とあわせて、1株あたり52円となりました。

また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としており、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める旨を定款に定めております。

当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年10月24日

1,258

26

取締役会決議

2024年5月14日

1,258

26

取締役会決議