人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,238名(単体) 2,645名(連結)
-
平均年齢37.7歳(単体)
-
平均勤続年数15.7年(単体)
-
平均年収7,722,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内インテリア |
1,681 |
(314) |
国内エクステリア |
225 |
(10) |
海外 |
739 |
(6) |
合計 |
2,645 |
(330) |
(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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1,238 |
(301) |
37.7 |
15.7 |
7,722 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
国内インテリア |
1,229 |
(300) |
海外 |
9 |
(1) |
合計 |
1,238 |
(301) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
クレアネイト株式会社については、日本化学エネルギー産業労働組合連合会化学一般クレアネイト労働組合があり、組合員数は14人であります。クレアネイト株式会社において、経営者と従業員は良好な関係を維持しており、特記すべき事項はありません。当社および上記以外の当社の関係会社には労働組合はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める 女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
21.2 |
82.8 |
69.7 |
73.6 |
71.8 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、2024年4月1日時点の割合であります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、対象期間は2024年3月期(2023年4月1日から2024年3月31日)であります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、対象期間は2024年3月期(2023年4月1日から2024年3月31日)であります。なお、短時間勤務の取扱いについては、通常勤務に人工換算して算出しております。
<提出会社の各数値に関する補足説明>
・上記指標を含む人材に関する指標は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 3.人的資本に関する考え方及び取組」に記載しております。
・「男性労働者の育児休業取得率」については、厚生労働省の定める定義に基づいた2023年度の男性育児休業取得率は82.8%となります。一方、当社が中期経営計画において定量目標としている男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定を含めて100%となります。
・「労働者の男女の賃金の差異」について、属性(勤続年数、役職等)が同じ男女労働者間での賃金差異はありません。正規雇用労働者における差異の主な要因は、①相対的に高い役職に就いている年代において男性比率が高いこと、②賞与には勤務日数を反映しており、育児休職等の女性の取得期間が男性よりも長期にわたることが影響しています。①について、正規雇用労働者における賃金差異を年代別で見ると、男女比率が拮抗している20代の賃金差異はほとんどありません(表1参照)。②については、産前産後休暇・育児休業等の休職者を算出対象から除いて賃金差異を算出すると、全労働者の賃金差異は、69.7%から74.9%となります(表2参照)。これらを踏まえ、①に対しては女性管理職比率25%以上、②に対しては男性育児休業2週間以上取得率100%といった中期経営計画の定量目標達成が賃金差異の解消に資するものと考えており、達成に向けて引き続き取り組んでまいります。
表1 正規雇用労働者における年代別の賃金差異
区分 |
労働者の男女の賃金の差異(%) |
10代 |
97.5 |
20代 |
98.7 |
30代 |
75.9 |
40代 |
79.8 |
50代 |
78.3 |
合計 |
73.6 |
表2 産前産後休暇・育児休業等の休職者を算出対象から除いた男女の賃金の差異
労働者の男女の賃金の差異(%) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
74.9 |
81.6 |
72.4 |
②連結子会社
当事業年度 |
|||||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の 割合(%) (注)1、3 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)3 |
||||
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
全労働者 |
正規雇用 労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||
株式会社 サングリーン |
- |
100.0 |
100.0 |
0.0 |
- |
- |
- |
クレアネイト 株式会社 |
13.7 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
- |
- |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、2024年4月1日時点の割合であります。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。対象期間は、株式会社サングリーンが2023年1月1日~2023年12月31日、クレアネイト株式会社が2023年4月1日~2024年3月31日であります。なお、株式会社サングリーンにおけるパート・有期労働者の取得率0.0%は、育児休業の対象となる子の出生がなかったことによるものです。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づく公表義務の対象ではない連結子会社は、記載を省略あるいは「-」と記載しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組
当社グループは2014年以来、新しい経営体制のもと事業体制・経営戦略の見直しや諸施策の実行を通じ、経済価値・社会価値両面での企業価値の向上に努めてきました。一方、新体制となって約10年が経過し、グループ会社の拡大や事業領域の拡張、新たなメンバーの参画が進む中で、今後の成長に向けた新たな課題認識を持つようになりました。そこで、これまで取り組んできた事業モデルの変革、そして次元を超えた成長の達成を目指すとともに、気候変動や生物多様性の棄損、人権侵害や貧困などの課題が拡大・深刻化していく社会に対して、当社グループの果たすべき役割を明確化し、ステークホルダーとともに具体的なアクションに結び付けていくためにはサンゲツグループの価値観を示す、企業理念の全面的な見直しが必要であるとの意見が高まりました。これに基づき、2022年12月以降、有志社員による「企業理念検討・浸透プロジェクト」を立ち上げ、グループ各社・各組織での議論ならびに取締役会においても検討を続け、2024年1月に新たな企業理念を公表いたしました。
新たな企業理念は、最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとして定めました。2023年5月に公表した中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]においても、5つの施策の一つに「社会価値の向上」を定め、事業の中心である空間創造を通じた企業活動による経済価値と社会価値の創出を通じて「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指しています。
(1)ガバナンス
当社は、2016年4月にCSR推進課を新設、2017年4月には社長を委員長として、全社を横断的に統括するCSR委員会を設置しました。2020年11月からはESG委員会に名称を変更し、ESGに関する国際的なガイドライン(ISO26000、GRI、SASB)などを参考に、実効的なESGマネジメントを行い、社会的課題解決に向けた取り組みを進めています。
ESG委員会では、ISO26000で示された中心課題を活動テーマとして、5つの分科会にて活動を推進しています。各分科会は、テーマにおける主管部署だけでなく、コーポレート部門やロジスティクス部門、事業部門、スペースプランニング部門、海外事業部門および社長直轄組織も含めた幅広いメンバーで構成し、議論の多様性を高めています。ESG委員会は、各マテリアリティに対して取り組み目標を設定し、実際に業務を行う社内各部門の業務計画に落とし込みます。また、取り組み状況については、年4回、四半期ごとに、分科会からの報告による進捗管理を行うとともに、課題解決のための意見交換や議論を行っています。組織体制においては、委員長を社長が、統括責任者を担当執行役員が務め、さらに監査等委員である社内取締役の出席のもと運営しています。
ESG委員会の活動内容に関する取締役会への報告は、年2回の定期報告を行う仕組みとしており、取締役会のより強い監督のもとでESG活動を展開しています。
ESG委員会体制図
■当社グループのサステナビリティに関する主な審議事項(2023年度)
取締役会 |
企業理念の策定 |
CEO後継課題 |
|
全社組織体制の議論、幹部人事 |
|
ESG委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会など各委員会の進捗 |
|
新工場に関する議論(BCP関連を含む) |
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事業活動における環境負荷低減について |
|
社員の能力開発と健康増進について |
|
コミュニティへの参画について |
|
指名報酬委員会 |
次年度の取締役会構成メンバーおよび社長執行役員を含む経営執行体制 |
取締役(監査等委員である取締役を除く)のうち執行役員を兼務する者および執行役員の貢献度評価 |
|
次年度の役員報酬のあり方、報酬水準の妥当性 |
|
社長執行役員の中長期サクセッションプランの検討 |
|
中長期的な執行役員や幹部社員候補の検討 |
|
ESG委員会 ※各マテリアリティに基づく審議を実施 |
マテリアリティの見直し |
事業活動における環境負荷低減 |
|
見本帳リサイクル |
|
社員の能力開発と健康増進 |
|
品質安定性 |
|
コミュニティへの参画 |
|
コーポレートガバナンス強化 |
|
コンプライアンスの徹底 |
|
供給安定性 |
(2)戦略
当社グループは、社会的要請や当該業界の重要テーマを踏まえ、社会および長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマテリアリティを特定しました。これらのテーマは、長期ビジョンの実現に向けた重要項目でもあり、事業計画と連動しながらPDCAサイクルを回しています。
抽出したマテリアリティは、社会および長期投資家にとっての重要度と当社事業の持続的成長への影響からマッピングを行うとともに(表①マテリアリティマップ)、長期ビジョンで実現を目指す社会価値や、関連するSDGsと紐づけています(表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性)。また、特筆すべきマテリアリティに関しては、リスクと機会から分析し、リスクの管理と機会の創出・獲得に向けた対応を行っています(表③特筆すべきマテリアリティ)。
なお、企業理念の策定に伴い、全社を横断的に統括するESG委員会を中心にマテリアリティの見直し・特定についての議論を進めており、適時適切なタイミングで改めて公表いたします。
マテリアリティの特定のプロセスは、以下のとおりです。
表①マテリアリティマップ
表②マテリアリティ・社会的価値・SDGsとの関連性
表③特筆すべきマテリアリティ
区分 |
マテリアリティ |
「リスク」と「機会」の考え方 |
リスク |
・調達面での供給安定性 |
商品を製造するメーカーの生産キャパシティは、業界全体の低収益構造を反映して年々逼迫している。主たる分野で大きなシェアを有するブランドメーカーとしては、製造設備の不具合などで計画どおりの生産ができず、顧客への商品提供に支障が出ることは、当社の収益に大きく影響するとともに、建設現場での納期遅延などの要因ともなり得る。業界全体のリスク要因として認識し、サプライチェーン全体での安定した調達・供給体制を維持・強化する必要がある。 |
・品質安定性 |
インテリア商品やエクステリア商品など、顧客が直接見て触れる商品を提供する立場として、品質の安定性は顧客要求事項の最上位の項目の一つである。全国に広く販売しシェアを獲得している状況下、品質の低下・劣化による貼り替えなどの対応は、ブランドイメージの棄損になるとともに、収益を圧迫する大きなリスク要因である。品質管理を担う組織的な管理体制と専門人材の増強に向けた取り組みを継続的に進めている。 |
|
・事業活動における環境負荷 (GHG、エネルギー、廃棄物) |
当社単体としては、GHGやエネルギーは事務所の照明・空調、ロジスティクスセンターの動力など、廃棄物は商品のカット端材や不良在庫、回収見本帳などにおいて負荷が発生しているが、サプライチェーン全体に対する環境負荷は相対的に小さい状況である。一方で、グループ全体では製造を担うクレアネイト、Korosealにおける製品製造面での環境負荷が大きく、気候変動や資源循環といった世界的な課題に向き合い、取り組みを進捗させていく必要がある。この取り組みが進展しない事態となることは、地球環境及び企業経営のサステナビリティに対しての大きなリスク要因となる。 |
|
機会 |
・デザインするよろこびの提供 |
長期ビジョン・中期経営計画に掲げるスペースクリエーション企業への転換に向けての重要課題であり、デザインはプラスアルファの価値を提供する源泉である。インテリアとエクステリアの双方をモノから取り扱う唯一の企業として、デザインを追求し提供することで、企業価値を高めることができる。また、デザインを通じた顧客とのコミュニケーションは、顧客と当社がwin-winな関係を築く結果となり、その実績の積み重ねがサンゲツグループとしての高いデザイン力の構築につながっている。 |
・サービスと価格の 適切なバランス |
顧客にとっては、商品群によって求めるサービスに違いがある。価格を訴求すべき商品や、受注・出荷・配送などのサービス機能を重視すべき商品などさまざまであるため、それぞれのサービス機能に価値を感じていただき、顧客の満足度を高めることは、適切な対価を得る重要な機会となる。 |
|
・社員エンゲージメントの向上 ・社員の健康と能力開発 ・従業員のダイバーシティ・ インクルージョン |
人材は最も重要な基盤の一つであり、社員のエンゲージメントの向上が、業績向上に加え、企業価値の向上につながる。中期経営計画(2017-2019)「PLG 2019」から取り組んでいる健康経営・働き方の見直し・社員の能力開発などに加え、専門性のある人材のキャリア採用拡大や、2022年4月からスタートした変革と組織強化を目的とする人事制度の導入によりさらなる人的資本の強化を進めている。これは当社グループの持続的な成長に大きく寄与する機会となる。 |
(3)リスク管理
当社では、「(2)戦略」に掲げるマテリアリティに対し、ESG委員会での活動を通じ、これらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
(4)指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における施策と目標
■社会価値向上に向けた施策
[環境]
・連結および単体 GHG(Scope1&2)排出量削減
・GHG(Scope3)排出量の把握と削減方策の明確化
・低環境負荷商品の開発強化
・見本帳リサイクルセンターの拡大含めリサイクルの推進
[社会]
・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)推進
・児童養護施設の住環境改善活動の推進
・支援が必要な子ども達、開発途上国、難民への継続的支援
■人的資本の拡大・高度化・活躍支援に向けた施策
・組織別人事担当者の配置
・多様性のあるキャリア採用の大幅増と新卒採用拡大
・専門性と事業構築力強化のための教育・研修拡充
・処遇改善と働く環境整備
・非正規社員比率の改善とダイバーシティの推進
■定量目標(2026年3月期目標)
①地球環境
事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減
GHG排出量 |
連結 |
2021年度比 28%削減 |
|
GHG排出量 |
単体 |
2018年度比 60%削減 |
|
使用エネルギー量 |
単体 |
2018年度比 6%削減 |
|
リサイクル率(有効利用率) |
単体 |
90%以上 |
|
②人的資本
社員の健康と能力開発、風土改革
非喫煙率 |
単体 |
85%以上 |
|
人的資本投資額 |
単体 |
3年間合計 7億円 |
|
キャリア採用者数 |
単体 |
3年間合計 60~80名 |
|
エンゲージメントスコア(※) |
単体 |
58.0(A) |
|
※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。詳細については、「3.人的資本に関する考え方及び取組 (3)戦略、 指標及び目標 6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)」をご覧ください。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進
女性管理職比率 |
単体 |
25%以上(2026年4月時点) |
|
障がい者雇用率 |
単体 |
4%以上(2026年3月末時点) |
|
男性育休取得率 |
単体 |
2週間以上 100% |
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③社会資本
コミュニティへの参画
児童養護施設改修活動 |
連結 |
50件/年間 |
|
マッチングギフト |
連結 |
18,000 S-mile(※) |
|
外部団体への寄付を含めた 社会貢献活動費 |
連結 |
年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、 寄付は特定の団体に継続的に実施する |
|
※社会貢献活動の促進を目的とした「サンゲツグループマッチングギフトプログラム」において、社員の社会貢献活動に対しスマイルポイント(S-mile)を付与し、そのポイントを金額換算して支援先のNPO等の団体へ寄付しております。基準となる活動は、会社が主体となって実施する「サンゲツグループボランティアクラブ」での活動に加え、社外での福祉施設支援・被災者支援・国際交流・地域活動・青少年教育・NPO支援等の個人活動を対象とし、全国の社員が地域によらず積極的に参加できるよう活動の支援を行っております。
また、当社では中期経営計画に掲げる指標以外にも、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の各項目で詳細なKPIを設け、進捗状況を管理しています。詳しい内容は当社Webサイトをご覧ください。
「ESGマネジメント」KPIと実績
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/management.html
(5)その他、2023年度における具体的な取組
当社グループは、企業活動を通じて社会的責任を果たすべく、サステナビリティへの取り組みを最重要課題の一つと位置付け、持続可能な社会・企業を実現することを目指しています。2023年度における、主な取り組みは以下のとおりです。
■環境面における取組
持続可能な社会の実現に向けた商品開発を進めており、2023年6月に発刊した量産壁紙見本帳「SP」において、業界で初めて環境にやさしい非フッ素の撥水剤(PFCフリー)を使用した商品を収録しました。また、11月に発刊したカーペットタイル見本帳 「NT700」「DT」や2024年2月に発刊した椅子生地見本帳「UP」においても、糸などの原材料にリサイクル素材を使用した低環境負荷商品を拡充しました。これらの脱炭素社会や水資源保全などに貢献する低環境負荷商品を壁装材・床材・ファブリックそれぞれにおいて多数ラインアップし、持続可能な社会の実現に向けた商品開発を進めています。また、愛知県稲沢市にある当社物流施設に太陽光発電設備を新たに設置し、発電を開始しました。発電された電力は、当該施設で自家消費を行うとともに、その一部は愛知県名古屋市にある本社・中部支社へ送る自己託送を開始しました。これらの取り組みを通して、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどに貢献していきます。
■社会面における取組
社会貢献への取り組みでは、2014年より実施している児童養護施設のリフォーム支援や開発途上国の子ども達を支援するNPOへの協力、産学連携のプロジェクトへの参画など社員が主体的に参加できる継続的な活動を実施しました。さらに、支援が必要な子ども達や、住まいに関する社会課題の解決に取り組むNPO4団体への継続的支援をはじめるとともに、災害・紛争等による人道危機に対する支援として、モロッコ王国における地震被害への支援と能登半島地震被害への支援を行いました。また、世界中の障がいのある表現者を対象として作品を表彰する「HERALBONY Art Prize 2024(ヘラルボニー・アート・プライズ 2024)」のゴールドスポンサーとして協賛するなど、当社単独の取り組みにとどまらず、社外のステークホルダーとの取り組みを拡大させています。
■人材価値の向上に向けた取組
人的資本への取り組みでは、中期経営計画の社会価値における定量目標に基づき、健康経営の推進や女性管理職の積極登用等の施策を実行し、性別や年齢に関係なく安心して快適に働くことのできる職場環境の整備を全社的に進めています。特に、2024年3月に新たな価値創造拠点として開設した東京日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」にて、働く社員と来訪者の“ウェルビーイング”につながる取り組みを推進しています。現在、「WELL Building Standard™ v2」の予備認証を取得しており、今後はゴールドレベルの本認証取得を目指して取り組みを進めています。さらに、当社の健康経営方針“健康に働き、人生を送る「従業員が生き生きと働くために」”に基づく長期的な取り組みが評価され、5年連続、通算で6度目となる「健康経営優良法人2024」に認定されました。また、「DE&I」の観点では、LGBTQ+への理解を深めるセミナーの継続開催や「同性パートナーシップ制度」導入などの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する評価指標「PRIDE指標2023」において、当社としては初めてとなるゴールド認定を受けました。
当社グループは引き続き、事業の中心である「空間創造」を通じて社会課題の解決に取り組み、経済価値ならびに社会価値を創出し続けることで「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指してまいります。
2.自然資本に関する考え方及び取組
当社は、環境保全に取り組んでいくことは、より良い住空間を提供する企業として当然の責務と考えており、自らの事業活動における環境負荷の低減はもとより、地球環境の保全に配慮しています。当社の事業活動においては、当社グループによるGHG排出や商品・見本帳の廃棄に加え、取引先でのGHG排出や建築現場での使用済み廃材などさまざまな状況・場所において環境負荷が発生しています。当社ではこのそれぞれの領域において環境負荷の状況を把握し、低減する取り組みを行っています。
■サンゲツグループを取り巻く環境影響図
■自然資本におけるガバナンス
自然資本への対応は、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した環境分科会が行っており、気候変動や資源循環についての取り組みを推進しています。環境分科会の構成は、環境施策の企画・立案を担うESG推進課、エネルギー使用を伴うファシリティや車両管理を担う総務課、商品開発を担う各プロダクトユニット、ロジスティクスセンターを運営するロジスティクス部門、営業を担う事業部門などさまざまな部署が参加しています。分科会では、事業活動によるGHG排出の環境負荷といったマテリアリティに対し、2030年3月期の当社単体でのカーボンニュートラル、グループ連結では2030年3月期55%減(2021年度比)の達成に向けた目標を設定し、削減計画の策定、施策の検討や実行といった気候変動への対応を進めています。これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行う仕組みとしています。
また当社は、ISO14001の認証を取得しています。環境マネジメントシステムを統括するISO管理責任者のもと、これを補佐するISO事務局を設置し、各事業所において環境活動を実施しています。
ISO14001推進体制図
※ESG委員会の体制については、「1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組 (1)ガバナンス ESG委員会体制図」をご覧ください。
Ⅰ.気候変動に関する考え方及び取組
地球温暖化による気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。地球温暖化の主たる原因は温室効果ガス(GHG)であり、このGHGを削減することは企業における社会的責任であると考えています。当社から排出されるGHGは、主に事務所、倉庫にて使用するガス・灯油、営業車両等で使用するガソリン・軽油等(Scope1)、また事務所、倉庫にて使用する電気を起源とした温室効果ガス(Scope2)で構成されております。GHGを削減させるためには、エネルギーを最小限に無駄なく有効活用することが必要であり、エネルギー削減を推進することが地球温暖化防止、地球資源の有効活用に繋がると考えております。
また、2021年10月には「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言に賛同を表明し、気候変動によるリスクと機会を特定しました。今後、シナリオ分析の実施と財務影響の把握を進めるとともに、さらなる開示の質と量の充実を進めてまいります。
・サンゲツ単体でのScope3を含めたGHG排出量(単体)
ファブレスを主とする当社において、事業活動により発生するGHG排出量は、Scope1&2(1.3%)と比較して、Scope3が大きな割合を占めています。Scope3の中でも、仕入先での製品製造に伴うカテゴリ1(購入した製品・サービス)が約9割となっており、サプライチェーン全体のGHG排出量削減を進めるには、仕入先と協業した削減の取り組みが不可欠であると考えています。
2022年度(※) Scope3を含めたGHG排出量(単体)
分類 |
GHG排出量(t-CO2) |
構成比 |
|
|||
Scope1&2 |
5,668 |
1.3% |
|
|||
Scope3 |
|
431,299 |
|
98.7% |
|
|
|
カテゴリ1(購入した製品・サービス) |
|
394,333 |
|
90.2% |
|
|
カテゴリ4(輸送・配送(上流)) |
|
21,619 |
|
5.0% |
|
|
その他 |
|
15,347 |
|
3.5% |
|
合計 |
436,967 |
100.0% |
|
※数値算出時期の都合上、2022年度数値を参考掲載しております。
・サンゲツグループ全体でのGHG排出量内訳(Scope1&2)(連結)
グループ全体のGHG排出量は、商品製造機能を持つ会社(クレアネイト・Koroseal)が総排出量の約8割を占めており、環境負荷低減を実現するためには、この製造部分の排出削減を進める必要があります。このために、グループ全体での2030年を見据えた具体的な目標・計画を立てるとともに、製造にかかるエネルギーにおいてはGHG排出係数の低い燃料への転換や省エネ設備への更新、事務所やオフィスの電力使用においては再エネ電力への切替といった、各社の事業の特徴に合わせた削減施策を実行しています。
2023年度 グループGHG排出量内訳(Scope1&2)(連結)
社名 |
GHG排出量(t-CO2) |
構成比 |
|
|
㈱サンゲツ |
4,871 |
18.6% |
|
|
クレアネイト㈱ |
(国内・製造会社) |
15,441 |
59.0% |
|
Koroseal Interior Products Holdings,Inc. |
(海外・製造会社) |
3,753 |
14.3% |
|
他グループ6社 |
(国内外・非製造会社) |
2,131 |
8.1% |
|
合計 |
26,196 |
100.0% |
|
(1)ガバナンス
気候変動におけるガバナンスについては、「2.自然資本に関する考え方及び取組」に記載の自然資本におけるガバナンスをご参照ください。
(2)戦略
当社では、気候変動が与える影響を経営戦略に反映させるため、TCFDの枠組みに沿った戦略策定を進めており、最初のステップとして気候変動によるリスクと機会の特定を実施しました。気候変動リスクは全社重要リスクの一つと位置付けており、2022年度からは「全社リスク管理委員会」において「気候変動リスク部会」を設定し、組織的な管理体制を構築しました。社長を委員長とする「全社リスク管理委員会」では、当社グループ全体の企業価値の維持・向上に努め、リスク発生時の影響を最小化するとともに、当社の活動や社員に対して影響をおよぼす可能性があるさまざまなリスクに対し、マネジメントを行っています。当該部会のもと、気候変動に関する各リスクを政策や法規制、市場における移行リスクと異常気象や気温上昇に伴う物理的リスクの区分に沿って分析し、リスクの監視と対応を行っています。
今後は、シナリオ分析の実施と財務影響の把握を進めて、より具体的な戦略策定を進めていきます。
■気候変動によるリスクと機会
把握した環境負荷においては、要素ごとにリスクと機会を分析し、対応策を進めています。
リスク |
項目 |
|
移行リスク |
法規制 |
・GHG排出やプラスチックに対する規制強化による収益の圧迫 |
技術 |
・脱炭素・再生材使用・リサイクル技術の不足 |
|
市場 |
・脱炭素技術やリサイクル設備を導入することでの設備コスト増 ・リサイクル可能商品の回収にかかるコストの増加 |
|
・脱炭素(CO2フリー)・再生原材料への切換による原価アップ |
||
・事業活動に伴う排出のオフセットによるコスト増 |
||
・消費者行動の変化による販売機会の喪失 …既存製品のニーズ減退 …脱炭素ニーズ増加 (対応製品の不足) |
||
評判 |
・脱炭素製品、回収・リサイクルできる製品が提供できないことでの評判低下 ・サンゲツブランドの指名買いの低下・ESG投資家からの失望 |
|
物理リスク |
急性 |
・台風やゲリラ豪雨など自然災害(洪水や浸水、強風)の激甚化による、 安定供給(仕入~納品・施工迄)に資する各機能の棄損と停止 |
慢性 |
・平均気温上昇に伴う空調などの稼働コスト増大 |
機会 |
項目 |
|
機会 |
資源の効率性 |
・資源循環することで資源の効率性が向上する |
エネルギー源 |
・商品・見本帳を低炭素エネルギー(再エネなど)で製造ができる |
|
製品/サービス |
・商品・見本帳を低炭素化することによる環境配慮対応 ・資源循環することによる環境配慮対応 |
|
市場 |
・低炭素商品・見本帳の拡充により環境配慮のニーズに応える ・再生材使用/リサイクル可能商品の拡充により環境配慮のニーズに応える |
|
強靭性 (レジリエンス) |
・商品・見本帳の低炭素化といったニーズの変化に対しても、 よりサステイナブルな商品・サービスが提供できる ・バージン材が枯渇する事態が発生しても資源循環するフローを 構築していることでサステイナブルな商品・サービスが提供できる |
■マテリアリティ
当社では、環境面における重要課題を以下の4つと捉え、それぞれの課題に対して取り組みを行っており、各項目における具体的な取り組みは、当社Webサイトに公開しています。
事業活動における 環境負荷 |
GHG排出量・エネルギー使用量の削減、廃棄物の削減、リサイクル率の向上 [詳細] 気候変動への対応 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html 資源循環 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html |
サプライチェーンの 環境負荷 |
グループ環境負荷の把握と低減プラン策定 [詳細]スコープ3への対応 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/climatechange.html#sec06 |
見本帳リサイクル |
リサイクル処理キャパシティの向上、リサイクル率の向上 [詳細]見本帳リサイクル https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/recycling_society.html#sec03 |
環境商品の開発 |
低炭素、資源循環に資する商品の開発 [詳細]商品を通じた地球環境保全 https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/environment/product.html |
(3)リスク管理
当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
特に、気候変動を含む環境に関するテーマに取り組む「環境分科会」では、①事業活動における環境負荷、②サプライチェーンの環境負荷、③低環境負荷商品の開発 をマテリアリティとして掲げ、当社グループの事業全体の環境負荷を把握し、地球温暖化防止や持続可能な資源循環に向けた体制の構築を目指しています。
(4)指標及び目標
当社では、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]において、事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減に向けた定量目標を設け、取り組みを進めました。目標と2023年度までの進捗は、以下のとおりです。
■環境負荷低減に向けた定量目標と進捗
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、環境面における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
・2025年度目標(単体)
|
目標 |
|
GHG排出量(Scope1&2) |
60%削減(2018年度比) |
|
使用エネルギー量 |
6%削減(2018年度比) |
|
・実績推移(単体)
|
単位 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
GHG排出量(Scope1&2) |
t-CO2 |
6,638 |
6,233 |
5,992 |
5,668 |
4,871 |
使用エネルギー量 |
GJ |
127,178 |
127,681 |
125,355 |
123,021 |
120,349 |
|
|
■気候変動に関連する今後の目標と取組
長期ビジョン[DESIGN 2030]における目標:2030年カーボンニュートラル実現に向けて
当社では、長期ビジョン[DESIGN 2030]において、単体カーボンニュートラルを掲げています。当社のGHG排出量削減の取り組みは、これまでも営業車両のハイブリッド化やエコドライブの推進、CO2排出係数の少ない新電力への切替などを行ってきましたが、2029年度の目標達成に向けて、省エネ、創エネ、再エネ、オフセットの4つの施策を中心に削減に取り組んでいきます。設備更新などでの「省エネ」、太陽光発電設備導入による「創エネ」、再生エネルギー調達による「再エネ」、植林・電力証書・排出権などでの「オフセット」などを計画的に実行しています。
①定量目標
・2029年度目標
|
目標 |
|
GHG排出量(Scope1&2) |
連結 |
55%削減(2021年度比) |
単体 |
カーボンニュートラル |
②GHG排出量実績推移(単体)
GHG排出量/使用エネルギー量の削減に向けた取組(2023年度)
企業活動における環境負荷低減のため、GHG排出量の削減に向けた取り組みとして、愛知県稲沢市にある当社物流施設に太陽光発電設備を設置し、総発電量の約半分を自家消費しています。また、発電された電力の一部を、愛知県名古屋市にある本社・中部支社へ送る自己託送を開始しました。また、電力調達における再生可能エネルギー電力メニューの切り替えを開始し、CO2フリー電力を使用した事業所は、2024年3月末時点で6拠点となりました。
当社の環境に関する取り組みの詳細は環境レポート「Environmental Report 2023」で開示しています。
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/report/report_environmental.html
Ⅱ.資源循環に関する考え方及び取組
世界的に人口が増加し、経済発展や利便性の追求により、資源消費のスピードが上がっています。資源枯渇リスクを軽減するためには、原材料使用の削減は急務であり、事業活動での資源調達・廃棄における環境負荷を抑えるため、再生材の利用促進や、リサイクルしやすい環境配慮設計した商品の拡大により、持続可能な資源循環を目指します。
原材料調達、製造、流通、使用、廃棄・リサイクルの各プロセスにおいて、循環型システムの構築が必要です。当社においてもその構築を進め、サプライチェーン全体でサーキュラーエコノミーの社会の実現に向けて取り組んでいます。
(1)具体的な取組
・見本帳リサイクル
当社は壁紙や床材、ファブリック等約12,000点の内装材を企画・販売していますが、そのビジネスモデルの中核となるのが、約30種類の見本帳であり、各見本帳は、おおよそ2~3年のサイクルで改訂しています。使用後の見本帳に関しては、現状、自社回収できているものが全体の約20%程度であり、大部分は産業廃棄物として処理されています。
また、見本帳自体が、台紙(紙素材)、サンプルチップ(塩化ビニル樹脂・化学繊維)など、複数の素材で構成されていることから、資源として再生するマテリアルリサイクル(※)での対応ができず、最終的には、埋立処理やサーマルリサイクルに留まってしまうという課題がありました。
これらの環境課題に取り組み、より環境への負荷を低減するマテリアルリサイクルを中心とした資源循環を行うことを目的に、「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」にてリサイクルの拡大を推進しています。
※マテリアルリサイクル:廃棄物を再び同じ製品、または別の製品の材料として再利用するリサイクル手法
(2)指標及び目標
・2025年度目標(単体)
|
目標 |
|
廃棄物総廃棄量(単純焼却・埋立処理) |
4%削減(2021年度比) |
|
リサイクル率 (有効利用率) |
90%以上 |
|
・実績推移(単体)
|
単位 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
廃棄物総廃棄量 |
t |
4,195 |
4,098 |
4,283 |
4,134 |
4,021 |
リサイクル率 |
% |
80.1 |
81.5 |
85.0 |
86.4 |
77.6 |
|
|
3.人的資本に関する考え方及び取組
当社グループは、ブランドステートメント“Joy of Design”のもと、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”の提供を目指しています。豊かな感性が重要な価値を持つ「デザイン」を経営の軸とする当社にとっては、社員一人ひとりが自らの個性を多様性として活かし、互いに尊重しあいながら成長することが、事業における強い原動力となります。この力を最大限に生み出すために、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)や健康経営といった施策を通じ、社員が自らの仕事に誇りを持って生き生きと働き、社会に新たな価値を提供する企業を目指しています。
(1)ガバナンス
人的資本への取り組みについては、社長を委員長とするESG委員会のもとに設置した人的資本分科会が行っています。分科会では、多様な社員の活躍支援やダイバーシティを推進しており、これらの取り組みは四半期ごとに進捗状況をレビューし、取締役会にて年2回の進捗状況に関する管理・監督を行う仕組みとしています。
※ESG委員会の体制については、「1.サステナビリティ全体に関する基本的な考え方及び取組 (1)ガバナンス ESG委員会体制図」をご覧ください。
(2)リスク管理
当社では、マテリアリティを特定し、ESG委員会での活動を通じてこれらの改善に向けたPDCAサイクルを回しています。各分科会の取り組みの評価においては、年4回のESG委員会でのレビューを通じ、継続的な改善と課題の修正・追加を行っています。
特に、人的資本に関するテーマに取り組む「人的資本分科会」においては、①社員の健康と能力開発、②社員エンゲージメントの向上、③従業員のDE&Iを掲げています。この特定においては、GRIとSASBの定めるガイドライン等を参考に当社に特に関係するESG課題を特定し、社会及び長期投資家にとっての重要度や当社事業の持続的成長への影響を踏まえて評価しています。マテリアリティに対する進捗状況については、ESG委員会にて四半期ごとにレビューを行っています。
(3)戦略、指標及び目標
当社の人材に関する基本的な考え方は以下のとおりです。
・人材価値の向上に関する基本的な考え方
当社グループは、持続可能な企業価値の向上を追求しています。ここでの「企業価値」とは「人材価値の総和」に他なりません。経営において「人材価値の向上」は何よりも優先すべき課題と捉え、課題解決のためにさまざまな施策を実行しています。この基本的な考え方に基づき、長期ビジョン達成に向けた基本戦略においては経営・事業の基盤として「多様性のある人的資本」と、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]ではスペースクリエーション企業への転換に向けた5つの施策の中でも最も重要な施策として「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」を位置付けています。
具体的な取り組みとしては、「人権方針」や「企業理念」あるいは「長期ビジョン」など当社グループの共通の価値観を全従業員と共有しています。また職務・職責に応じた人事制度の導入、年齢・性差・国籍などによらない能力基準の配置・登用、専門性のある人材のキャリア採用拡大、教育・研修の拡充を行うとともに、よりきめ細やかな人材マネジメントを行うため、2023年度より組織別人事担当者を配置しています。
長期ビジョン達成に向けた基本戦略
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における施策
基本的な考え方に基づく、各方針や具体的施策、指標及び目標は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
|
項目 |
目標 |
2023年度実績 |
社員の健康と能力開発、風土改革 |
非喫煙率 |
85%以上 |
79.1% |
人的資本投資額 |
3年間合計7億円 |
2.3億円 |
|
キャリア採用者数 |
3年間合計60~80名 |
49名 |
|
エンゲージメントスコア(※1) |
58.0(A) |
53.7(BB) |
|
ダイバーシティ、エクイティ& インクルージョンの推進 |
女性管理職比率 |
25.0%以上 |
21.2% |
障がい者雇用率 |
4.0%以上 |
3.5% |
|
男性育休取得率 |
2週間以上100% |
2週間以上100%(※2) |
※1 2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。詳細については、「6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)」をご覧ください。
※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
1)人材育成
①人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する
・社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
・昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
・計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
②具体的な取組
ⅰ)キャリア採用
当社グループでは、中期経営計画(2023-2025)に掲げる「BX:Business Transformation」を起こすために高い専門能力を持つ人材が不可欠と考えています。専門能力には、積極的に取り入れるべき社外の知見と、当社グループでの長い経験によって培われる業界や商流、商品知識といった能力の2種類があります。スペースクリエーション企業を実現するためには、どちらも必要不可欠な能力であり、外部人材と既存人材の両面を高度化し、活躍の支援を行うことで新たな能力や企業風土を社内に育んでいきたいと考えています。多様な社外の視点を各現場に取り入れることにより、企業風土をこれまで以上に大きく変え、与えられた仕事に取り組むのではなく、自分自身が仕事を変える、新しいチャレンジを行うという文化・風土の強化を進めています。
ⅱ)組織別人事担当者の配置
「人材価値の向上」を推し進める上で、価値観の共有や人事制度の刷新、キャリア採用等の施策を実施するだけにとどまらず、これらの施策が機能し、社員一人ひとりが高い意欲を持って、能力を最大限発揮できる環境を整備することが重要となります。教育・研修、配置、異動等のキャリアデザイン全般について、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当者を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置等を進めることで、組織全体の風土改革、意識改革のみならず、新たな事業機会の創出を目指しています。
ⅲ)人事制度改革
当社では「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。
新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用し、さらに積極的な人材登用の機会を創出していきます。
また、報酬制度については2023年度には大卒初任給の3.5万円引上げをはじめとした全体のベースアップを実施しました。2024年度には大卒初任給を更に1.5万円引上げ、在籍社員にはグレード毎にメリハリをつけながらベースアップを行っており、市況の変化や役割に見合った処遇の実現に向けて、常に見直し・改善を進めています。
職務グレード・職能等級制度の全体像
ⅳ)教育・研修の拡充
教育・研修の拡充については、ビジネススキルや事業構築力・組織マネジメント力の強化を目的とした階層別研修のほか、デジタル人材育成、キャリアデザイン、職種別専門性強化などテーマに応じた研修を用意し、社員の成長意欲を高めるサポートをしています。2023年度からは、経営人材・次世代リーダー育成に向けた選抜研修、異業種交流の機会を大幅に増加させました。また、正社員と特別嘱託社員などを対象に、社員の自律的な学習を支援することを目的としたオンライン学習ツール「Udemy Business」を導入し、中期経営計画に掲げる人材活躍支援と専門性・事業構築力強化のための社員のリスキリングを促進させています。
主な研修テーマ(抜粋)
研修テーマ |
対象者 |
経営執行力 事業構想・構築力 イノベーション力 |
役員・部門長(選抜) |
事業構想・構築力 発想力・イノベーション力 組織開発力 マネジメント力 |
部門長、課長(必須、一部選抜) |
次世代リーダー育成 発想力・イノベーション力 |
課長、中堅社員(選抜) |
キャリアデザイン テクニカルスキル ヒューマンスキル コンセプチュアルスキル |
新入社員、若手・中堅社員、昇格者など (必須、一部任意) |
テーマに応じた目的別研修(抜粋)
研修名 |
対象者 |
|
LGBTQ+研修 |
全員 |
|
ハラスメント研修 (感情把握とコントロールのためのEQ研修) |
部門長、グループ会社マネージャー層 |
|
メンタルヘルス研修 |
部署責任者 |
|
キャリア研修 |
30歳・40歳・54歳到達時(任意) |
|
職能別研修 |
各部門の対象者 |
|
デジタル人材強化 |
全員、一部各役職における選抜 |
|
その他、オンライン学習ツール(Udemy Business)をはじめ、資格取得の助成、表彰制度等により、社員が自ら主体的に学ぶ風土の醸成に努めております。
③指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
|
項目 |
目標 |
2023年度実績 |
社員の健康と能力開発、風土改革 |
人的資本投資額 |
3年間合計7億円 |
2.3億円 |
キャリア採用者数 |
3年間合計60~80名 |
49名 |
現在、単体の正社員は1,238名(2024年3月末時点)で、2024年4月1日には総合職・ロジスティクス職掌で63名を新卒採用しました。キャリア採用においては2023年度で49名を採用し、中期経営計画の目標である3年間合計(2023~2025年度)60~80名に対して、順調に進んでいる状況です。また、採用対象としては空間デザイナー、施工管理技士等を含めた施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等でキャリア採用を拡大している状況です。
・キャリア採用の進捗状況
※退職者数は、キャリア採用者における退職者を指します。
・部門別キャリア採用割合
2)ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(社内環境整備)
①サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針
サンゲツグループを取り巻く国内外の外部環境の変化がますます激しくなる中で、強固な事業基盤を築き持続的な発展に繋げていくためには、多様化する需要分野・地域・お客さまに対し、多様な機能や商品、深い専門性をもったサービスの提供が不可欠です。
サンゲツグループは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性自認及び性的指向等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進します。
背景や感性、価値観などの違いによる新たな視点や発想を、豊かな創造性につなげるDE&Iを経営の中核に据え、多様化する市場の要請を捉えながら、成長実現に向けた重要施策として取り組んでいます。
②具体的な取組
ⅰ)多様な人材の活躍支援
当社では、従業員の多様性を活かすことで、一人ひとりの意欲や能力を最大限発揮することを目指し、新たな価値創造を組織にもたらすべく、経営戦略の一環としてさまざまな取り組みを行っています。多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する各種制度をはじめ、障がい者雇用については、処遇改善や各組織でのトライアル雇用などに取り組んでいます。また、新卒の採用だけでなく、空間デザイナーや施工エンジニア、情報システム関係、ロジスティクス、コーポレート部門等において、キャリア採用を拡大し、人的資本を強化しています。
ⅱ)女性活躍支援
戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しています。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、人事部内にDE&I推進担当を配置し、目標達成に向け各種施策を展開しています。性別にかかわらず、社員の知見・経験や専門性を組織に活かすことを目指し、2021年度から3年間の行動計画に沿ってDE&Iを推進しました。なお、2024年4月1日以降においても新たな行動計画の策定を進めています。
女性活躍推進法に基づく行動計画(2021~2023年度)
目的 |
女性社員が長く働き続け、自身の強みを活かし、活躍できる組織及びそれを応援する風土の実現 |
計画期間 |
2021年4月1日~2024年3月31日までの3年間 |
目標①(定量) |
管理職層に占める女性割合を2022年度までに20%とする |
目標②(定量) |
正社員の有給休暇取得率を75%以上とする |
目標③(定性) |
社員全体の長時間労働是正 |
実施策
キャリア形成支援 |
・女性社員及び、上司に対するキャリア形成支援と支援スキル向上研修の導入 ・多様なキャリア選択が可能な人事制度検討 |
男女格差の解消 |
・男性育児休職制度の整備と取得啓蒙 |
働き方改革の継続実施 |
・テレワーク勤務等、柔軟な働き方に関わる制度の再整備と拡充及び、積極活用の促進 ・業務効率化のためのDX推進 |
ⅲ)LGBTQ+に関する取組
「サンゲツグループ人権方針」、「サンゲツグループダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針」を掲げ、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無、性自認及び性的指向などにかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、挑戦・革新し続ける風土の醸成や仕組みの充実を推進することを社内外へ周知しています。こうした考えからLGBTQ+を積極的に支援するためのヘルプラインの設置やALLY(※)ステッカー掲示による意志表明支援などに取り組んでいます。2023年度には、全正社員(グループ会社管理職やその他社員は任意参加)を対象としたLGBTQ+研修の開催や、「同性パートナーシップ制度」導入などの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する評価指標「PRIDE指標2023」において、当社としては初めてとなるゴールド認定を受けました。
※ALLY(アライ):LGBTQ+を積極的に支援し、行動する人のこと。
サンゲツALLYステッカー
③指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、DE&Iにおける定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
|
項目 |
目標 |
2023年度実績 |
ダイバーシティ、エクイティ& インクルージョンの推進 |
女性管理職比率 |
25.0%以上 |
21.2% |
障がい者雇用率 |
4.0%以上 |
3.5% |
|
男性育休取得率 |
2週間以上100% |
2週間以上100%(※) |
※男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。
・女性管理職比率
当社では2025年度末までの女性管理職比率を25.0%以上とすることを目標として掲げています。2024年4月1日時点における女性管理職比率は21.2%となっています。
※人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。
・障がい者雇用率
障がいを持つ方の雇用率は3.5%(2024年3月末時点)と、法定雇用率2.3%(~2024年3月)を超える結果となっています。2025年度目標4.0%以上に向け、引き続き取り組みを進めてまいります。
・男性育児休業取得率
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする共育ての体制整備として、男性育児休業取得を促進しています。現在、女性社員の育児休業取得率は100%となっており、男性社員においても、2025年度の目標取得率100%(2週間以上)を目指してまいります。
厚生労働省の定める定義に基づいた2023年度の男性育児休業取得率は82.8%となります。一方、当社が中期経営計画において定量目標としている男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定を含めて100%となります。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む):
年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
④その他の参考指標(単体)
・平均勤続年数(各年度とも3月末時点)
社員一人ひとりが意欲を持って仕事にチャレンジできる、働きがいのある会社を目指しています。その結果を示す指標の一つとして、平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示しています。
3)働き方の見直し(社内環境整備)
①働き方に関する方針
サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、
社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運用と、
安全で働きやすい職場環境を確保する。
②具体的な取組
ⅰ)仕事と家庭の両立支援
社員が能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しています。介護に関するセミナーの実施、ベビーシッター・病児保育費用の助成、民間保育所との法人提携、また、子を持つ社員への理解促進や家庭内コミュニケーション促進のためのこども参観日の開催等、さまざまな施策で仕事と家庭の両立を支援しています。
育児・介護支援制度
妊娠・出産 |
育休中 |
育児 |
介護 |
産前・産後休業 |
・育児休業者支援プログラム (上司面接・ 育児サポートセミナー) ・育児休職の一部有給化 |
・育児短時間勤務制度 (小学2年生始期まで) ・民間保育所の法人提携 ・病児保育サービス費用助成 ・ベビーシッター費用補助制度 ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
・介護休業 (法定+最長1年まで延長可) ・フレックスタイム制度 ・時間有給休暇制度 ・在宅勤務制度 |
ⅱ)働き方の多様性
当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施しています。フレックスタイムやテレワークなどの柔軟な勤務制度をはじめ、「Google Workspace(※)」などICT技術の活用、ベビーシッター費用の助成、民間保育所との業務提携など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っています。また、当社グループの新たな価値創造の拠点として開設した東京日比谷の「PARCs Sangetsu Group Creative Hub」ではグループ機能の集約による事業の拡大だけでなく、働く社員と来訪者の“ウェルビーイング”につながる取り組みを推進しており、「WELL Building Standard™ v2」の予備認証を取得しました。現在は「ゴールド」レベルの本認証取得を目指し、働きやすい環境整備に向けた運用面などの調整を進めています。
※Googleが提供するクラウドコンピューティングで、生産性向上のためのグループウェアツール。
働きやすい環境づくりに向けた施策
働き方の柔軟性 |
コアタイム無しのフレックスタイム勤務や在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備。サテライトオフィスやグループ会社のオフィス利用を可能とし、働く場所の選択肢を拡充。 |
過重労働の防止 |
PCログによる労働時間の可視化やPC自動シャットダウン時間の設定、Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止。保健師や産業医への相談窓口の設置。 |
オフィス環境 |
敷地内の全面禁煙の実施、グループアドレスの推進やコミュニケーションエリアの設置等、働きやすいオフィス環境の整備。 |
③指標と目標
参考指標(単体)
・育児短時間勤務利用者数(各年とも4月1日時点)
仕事と家庭の両立を支援するための雇用環境の整備の一環である「育児短時間勤務」の利用者数は以下のとおりです。
・ワーキングマザー比率(各年とも4月1日時点)
子育て期間中の社員が継続して就業できる制度や環境づくりを推進しています。女性社員におけるワーキングマザー比率は、年々増加しています。なお、2022年より、ワーキングマザーの定義を「子のいる女性社員全員」から、「18歳未満の子のいる女性社員」へと変更しています。
※ワーキングマザー比率:ワーキングマザー人数÷女性正社員人数
・有給休暇取得率
4)健康経営(社内環境整備)
①健康経営方針
健康に働き、人生を送る 「従業員が生き生きと働くために」
・心身の健康づくり(本人やその家族)
心身の健康づくりに向けた体制の充実、健康の保持・増進活動に取り組みます
・人生をより豊かに
健康経営により、本人やその家族、地域社会全体への幸せづくりに貢献します
・働きやすい環境づくり
安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保します
当社では、サンゲツグループ企業倫理憲章5原則のひとつに「従業員が生き生きと働くために」を掲げ、従業員の多様性、人格、個性を尊重し、従業員一人ひとりが会社経営の主人公として能力を最大限発揮できる人事制度の的確な運営と、安全・健康・快適で働きやすい職場環境を確保することに取り組んでいます。引き続き、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、健康の保持・増進活動に努めてまいります。
②健康経営推進体制
代表取締役 社長執行役員を健康管理最高責任者とし、人事部健康経営推進室の健康経営推進担当・保健師が中心となり、快適な職場環境と心身の健康づくりを実践するため、各事業所の健康経営推進担当、産業医と連携して従業員の健康保持・増進活動を展開しています。
③具体的な取組
当社では、従業員が生き生きと働くために安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と、心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り、「計画年休の取得促進」「所定労働時間内全面禁煙実施」「全社員対象にしたストレスチェックの実施」など、健康の保持・増進活動に継続的に取り組んでいます。2019年には「サンゲツ健康保険組合」を設立し、健康経営に向けた組織体制を整備し、乳がん・子宮頸がん、前立腺がん(50歳以上男性)を含む人間ドックの全額補助開始および健康に関する情報発信や各種健康イベントの開催など、心身の健康づくりに向けた取り組みを強化しました。また、保険診療対象外である「先進医療制度」の治療を受ける社員の経済負担を軽減させる「がん先進医療補償制度」を導入し、従来進めている疾病予防・早期発見に向けた啓蒙活動と併せ、経済面からの「治療と仕事の両立」の支援制度を整えています。2023年度においては新たに胃カメラ受診の全額補助の開始や健康課題を健康保険組合と共有した上での、糖尿病予防プログラムの提供や歯科検診補助事業の開始、特定保健指導の積極的な推進といった「コラボヘルス事業」を進めています。また、2024年度からは脳健診や胸部CT、若年層向けの子宮頸がん検診への補助も開始しており、今後も安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。
これらの活動が評価され、当社は2020年以降5年連続で健康経営優良法人(大規模法人)に認定されました。
④指標及び目標
当社では、2023年度から2025年度までの中期経営計画[BX 2025]において、健康経営における定量目標を定め、取り組みを進めてまいりました。この目標と実績の推移は以下のとおりです。
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
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項目 |
目標 |
2023年度実績 |
社員の健康と能力開発、風土改革 |
非喫煙率 |
85%以上 |
79.1% |
・非喫煙率
継続的な取り組みにより喫煙率は減少傾向にありましたが、新規採用者の喫煙率の影響等もあり、2024年3月末時点では79.1%となっております。改めて禁煙への取り組みを強化していきます。
当社では、この他にも定期健康診断における有所見率やがん検診受診率といった数値に定量目標を設け、健康経営を推進しております。詳しい情報は当社Webサイトをご覧ください。
健康経営
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/social/health_management.html
⑤その他の参考指標(単体)
・退職者数(年間・定年除く)/離職率
社員一人ひとりの人権を尊重するとともに、不当な差別やハラスメントを禁止し、公正で明るい職場づくりに努めています。心身の健康が保てる職場環境の整備を推進しており、直近5年の離職率は低い水準を保っています。
・時間外労働時間の推移
多様な働き方を可能にするシステム・制度の積極的な導入、業務の見直しやアウトソーシングの推進により、時間外労働の低減を進めています。
・ストレスチェックの受検率と結果(高ストレス者比率)
直近年度においては、高ストレス者は10%程度となっています。定期的なストレスチェックにより、メンタルヘルス不調の未然防止・職場環境の改善に努めています。
5)労働安全衛生(社内環境整備)
①労働安全衛生基本方針
・社員の安全確保、健康増進を図り、安全で快適な職場づくりを推進する
・安全や心身の健康に関する法令、社内規定を遵守する
・労働災害、車両事故や交通違反の件数削減を推進する
②安全衛生管理体制
当社では、安全衛生担当取締役を、全社統括安全衛生管理者とし、全社の安全衛生を統括管理しています。全社統括安全衛生管理者の下に、全社安全衛生管理委員会をおき、その下に本社及び各支社とロジスティクスセンターの安全衛生管理委員会を設けています。安全衛生管理委員会では、総務部長または各支社長を委員長とし、衛生管理者、安全管理者、産業医、そして各部署から安全衛生委員を選出しており、当委員会での審議項目については、定期的に取締役会に報告しています。
さらに、身体的な作業が多く発生するロジスティクスセンター内における安全衛生活動は、別途定める「ロジスティクスマニュアル<安全衛生>」に基づき実施しています。また、同職場における請負会社への安全対応も、ロジスティクスセンター内の安全衛生活動の中で行っています。
なお、2024年度においては「東京支社・ロジスティクスセンター」から「PARCs・FIELDs・ロジスティクスセンター」に体制を見直しています。
③具体的な取組
・新入社員を対象とした安全衛生研修を行い、安全衛生の考え方や組織体制の理解、活動内容の周知、安否確認方法の訓練を行いました。(2023年度50名)
・労働災害が発生した場合には、該当部署が発生日を含め翌日までに「発生報告書」を作成、発生後1週間以内に「対策報告書」を作成し、対策会議を行った上で事務局に提出することで、発生状況の共有・管理と再発防止に努めています。
・国内で発生が懸念される地震などの大規模災害に向けた労働安全衛生の取り組みの一環として、2013年度より事業継続計画(BCP)の作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備に加え、全員参加型防災訓練や救命救急講習、AED講習会、安否確認サービスでの報告訓練などの対策を講じています。
・車両事故防止対策として、「ドライブレコーダー」と「SmartDrive Fleet」の全営業車両への設置、バックモニターや安全機能を標準装備した車両の段階的な導入を行うとともに、エコドライブの推進や交通違反に対する個別指導を行うなど危険運転の抑制を実施しています。
④参考指標(単体)
・労働災害度数率・強度率
当社では、従業員へ安全衛生教育を実施するとともに、労働災害などが発生した際には、速やかに発生状況を全社で共有し、各部署で再発防止対策を実施しています。2023年度の正社員の労働災害による死亡者数は0名でした。また労働災害による被災者数は4名で、そのうち休業被災者数は0名でした。
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
労働災害度数率 |
0.84 |
0.84 |
1.63 |
0.0 |
0.0 |
労働災害強度率 |
0.004 |
0.003 |
0.002 |
0.0 |
0.0 |
・度数率:100万のべ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数※(災害発生の頻度)
※休業1日以上及び身体の一部又は機能を失う労働災害による死傷者数
・強度率:1,000のべ実労働時間当たりの延べ労働損失日数(災害の重さの程度)
6)エンゲージメント(企業風土の醸成に関する取組)
企業の成長においては、社員が会社の方向性を理解・共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠であると考えています。当社では、全社員を対象とした「エンゲージメントサーベイ」を実施し、この結果を分析し組織・制度・風土等の改革に反映しており、中でも社員エンゲージメントに関する指標は、経営における重点項目として特に注視しております。
①具体的な取組
ⅰ)企業理念浸透プロジェクト
当社グループは2022年12月以降、希望者による「企業理念検討・浸透プロジェクト」を設け、グループ各社・各組織での議論ならびに取締役会においても検討を続けてきました。そして、2024年1月に最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとする新たな企業理念を公表いたしました。
企業理念の策定後においても各部門、各社で企業理念の浸透プロジェクトが自発的に実施されており、企業理念が浸透していく過程で、企業風土や仕事の在り方を変えていき、ひいては企業活動の変革を進めるドライバーとなるよう取り組みが進んでいます。
ⅱ)社員エンゲージメント
エンゲージメントの醸成においては、経営層と社員、部署や役職、年代、地域を越えたコミュニケーションが欠かせませんが、当社では前社長の安田が、「YASUDAコラム」として決算業績やグループ会社の取得といった成長戦略に紐づくテーマから、時事・季節や趣味に関することまで、さまざまなメッセージを随時発信してきました。現社長の近藤においては、組織の根幹である人材が個人の能力とポテンシャルを最大限発揮し、部門、グループ会社などの枠組みを超えて共創する企業風土を醸成していくことを重要な課題として捉え、双方向性のある対話コンテンツとして「KONDO’s talk」を開始しました。また、社員との対話集会や新入社員・キャリア採用者との懇親会を開催するなど、多くの対話を通じて社員の意識の共有を図っています。
また、中期経営計画[BX 2025]において、「社内意識調査」を指標の一つとして掲げていましたが、データの見える化によるエンゲージメント構成要因の明確化やサーベイ結果に基づく具体的な改善策の実行等を目的として、2023年度以降については新たに「エンゲージメントサーベイ」を導入し、中期経営計画[BX 2025]における指標を「エンゲージメントスコア」に変更いたしました。2025年度の目標においては、2023年度実績であるエンゲージメントスコア「BB(スコア55.0未満)」を2段階上の「A(スコア61.0未満)」にすることを目指しています。
②指標及び目標
中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標と実績(単体)
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項目 |
目標 |
2023年度実績 |
社員の健康と能力開発、風土改革 |
エンゲージメントスコア(※) |
58.0(A) |
53.7(BB) |
※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。
なお、中期経営計画[BX 2025]発表時(2023年5月12日)の目標と過去の推移は以下の通りです。
・中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における目標(単体)
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項目 |
目標 |
社員の健康と能力開発、風土改革 |
やりがい指数(※) |
77%以上 |
※社内意識調査における仕事のやりがい肯定率
・2023年度までの分析及び取組方針
社員エンゲージメントにおいて、この基本となる「自分の仕事にやりがいがあるか」という指数は、個人からチームへと営業目標を変更する中で、「個人」のやりがいが見えづらくなっていること等が一因となり低下傾向にありましたが、改善に向けたさまざまな働きかけにより、2023年度は74.3%へ改善いたしました。また、「チャレンジする風土」は継続して上昇しており、今後も継続的にこれらの数値を把握しながら、社員エンゲージメントの向上を目指してまいります。
設問「現在の自分の仕事にはやりがいがある。」
設問「課内には失敗を恐れずにチャレンジする雰囲気がある。」
4.情報セキュリティに関する考え方及び取組
当社は業務上取り扱う顧客や取引先および自社の情報資産、ネットワークシステムを各種サイバー攻撃の脅威から適切に保護し、正常かつ円滑な事業活動を維持・継続する情報・サイバーセキュリティの確保を経営上の重要事項と捉えています。事業活動における情報の機密性、完全性及び可用性を維持し、かつコンピュータ、サーバー、モバイルデバイス、電子システム、ネットワーク及びデータなどの情報資産並びに提供するサービスを悪意の攻撃(意図的行為)から守るため、情報・サイバーセキュリティリスクの低減に取り組んでいます。
情報・サイバーセキュリティポリシー
https://www.sangetsu.co.jp/security_policy/
(1)ガバナンス
当社は2022年7月にサイバーセキュリティ担当役員を選任し、同8月にサイバーセキュリティ統括室を新設しました。2022年度下期からは社長執行役員、サイバーセキュリティ担当執行役員をはじめ、各部門の責任者が参加するサイバーセキュリティ委員会を半年に一度定例開催し、情報セキュリティ課題を抽出、その対応に関する議論をしています。また、2023年4月からは情報セキュリティ教育訓練システムを導入し、日常的に使っている電子メールなどが「攻撃ツール」として利用される事例などを用いてe-ラーニングによる教育を行い、一人ひとりの知識や意識向上に取り組んでいます。当社事業において情報・データを効果的・効率的に活用していく事は、事業運営において極めて重要であるため、それを支えるセキュリティレベルの向上も順次進めています。
(2)リスク管理
情報セキュリティにおけるリスク管理につきましては、「3 事業等のリスク (10)情報セキュリティについて」に記載のとおりです。
※当社グループにおける成長戦略の進捗状況やサステナビリティの取り組みに関しては、当社WEBサイトをご覧ください。
サステナビリティサイト
https://www.sangetsu.co.jp/company/sustainability/
統合報告書「SANGETSU REPORT 2023」
https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/report.html
なお、最新の統合報告書につきましては、2024年9月末頃に当社WEBサイトにて公開予定です。