2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

(1) エネルギー業界における事業環境の変化と競争激化について

 当社グループの主力でありますエネルギー事業においては、世界的な環境意識の高まりによる低炭素・脱炭素型社会への移行により、エネルギーシフトが加速することによる事業環境の変化と、原油価格の変動や電力・都市ガスの小売全面自由化、再生可能エネルギー事業への参入に伴う販売競争の激化などにより、経営環境が厳しさを増すものと予想されます。

 当社グループは、これらの事象をビジネスチャンスと捉え、お客様から支持され信頼される効率的で、かつ安定供給可能な流通ネットワークづくりを推進するなど「お客様にとって、真の価値を提供する」総合商社としてサービスを推進してまいりますが、今後、業界動向の激変や競合の激化によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 資本価値の変動について

 当社グループは、数多くの事業用固定資産やファイナンス・リース資産を有し、様々な事業を展開しておりますが、当社グループにとってはいずれも必要不可欠なものであり、その多くは過去及び現在においても十分なキャッシュ・フローを生成していると認識しております。

 当社グループは、これまでも非効率資産の売却等を進め、財務体質の強化に努めておりますが、一部の事業用固定資産等につきましては、当連結会計年度においても減損損失を計上しております。また、今後の地価の動向や当社グループ各社の収益状況によっては、新たに減損損失を認識する必要があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) M&A及び資本提携等について

 当社グループは、総合力の向上と経営基盤の強化を図るため、M&Aや資本提携による事業領域の拡大を推進しております。

 M&Aや資本提携に際しては、対象企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを実施し、既存投資においては定期的にモニタリングを実施し、リスク軽減に努めておりますが、買収・提携後の事業計画が市場環境の変化などの要因により事業計画通りに進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 政策保有株式等について

 当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向けて、取引関係の維持及び強化を図るため、他社の株式を取得及び保有しております。毎年、個別の株式について保有の意義、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを精査し、継続保有の合理性・必要性を検証しておりますが、経済情勢や株式相場の動向等により、株価に著しい変動が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 外国為替相場の変動について

 当社グループにおいては、通常の営業過程で生じる輸入取引に係る為替変動リスクを軽減するため、為替動向を考慮しながら為替予約取引によってヘッジしておりますが、外国為替相場の著しい変動は、海外の連結子会社の財務諸表を円換算する場合に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 金利変動のリスクについて

 当社グループは、取扱商品の購入費用や販売費及び一般管理費の営業費用等の営業活動に伴う資金需要や、設備投資、新規事業及びM&A費用等の投資を目的とした投資活動に伴う資金需要があります。

 当社グループは、営業活動、投資活動に伴う資金需要に対して金融機関からの借入を行っており、資金調達先の複数化や期間を適度に分散させることによりリスクの低減を図っておりますが、借入金利が上昇した場合には金融コストが増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 与信管理について

 当社グループは、与信管理規程等の社内規程を整備し、取引先の与信管理・債権管理を行っており、取引先の信用状態に応じて、信用限度額の設定や必要な担保・保証の取得などの対応策を講じております。

 万一、取引先の経営状態が悪化し、売掛金等の回収遅延や貸し倒れが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 個人情報流出による影響について

 お客様をはじめとする多くの個人情報については、その収集と管理に関して個人情報保護法等を踏まえた社内規程を整備するとともに、従業員教育を徹底し、顧客情報の取り扱いに細心の注意を払っております。

 万一、その情報が漏えいした場合には、社会的信用の失墜や損害賠償金の支払いなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 情報システムについて

 当社グループは、業務上不可欠な情報システムを構築・運用するとともに、情報システム運営上の機密性、安全性確保のため、情報セキュリティリスクも考慮し、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。

 当社グループが業務上運用している情報システムにおいて、自然災害や人為的・品質的な理由により障害が生じ、販売活動や物流業務に支障を来たす場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 自然災害等について

 当社グループが所有する油槽所、充填所、工場、倉庫などは、地震・台風等の自然災害により被害を受ける可能性があります。

 当社グループは、災害時における業務継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの導入、災害対策マニュアルの作成、耐震対策、防災訓練等、自然災害発生時への備えを講じておりますが、これらの設備等に甚大な損害が生じた場合には、石油製品やLPガス等の出荷遅延や設備の修復などの発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 環境汚染について

 当社グループが所有する油槽所、充填所、販売施設では、石油製品やLPガス等を取り扱っております。

 当社グループは、安全第一を最優先すると考え、関係諸法規及び社内規程に基づき定期的に厳格な保安検査を実施し、漏洩防止等に努めておりますが、これらを保管管理する設備等の火災・爆発や燃料油の流出等により環境汚染が生じ、賠償金の支払いを求められる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 法的規制について

 当社グループの事業は多岐にわたっており、石油備蓄法、高圧ガス保安法、消防法、食品表示法、建設業法、薬剤師法、景品表示法、下請法など様々な法律の規制があります。

 当社グループでは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識のうえ、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っておりますが、将来において、現在予見し得ない法的規制等が設けられる可能性があり、これらに適切に対応できなかった場合には、行政指導による社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(13) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外での事業活動や海外企業との取引を行っております。

 当社グループは、現地の法令・商習慣、現地動向等を随時把握し、リスクの軽減に努めておりますが、当該対象国・地域の政治・経済・社会情勢等に起因して生じる社会的混乱や商習慣・法規制の変更などにより取引等に重大な支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を最も重要な経営政策の一つと位置付けております。将来とも健全な経営基盤のもとに発展していくため、財務体質の強化を図り、適切な内部留保に努めるとともに、継続的かつ安定的に配当することを基本方針としております。

 また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり48円の配当(うち中間配当22円)を実施いたしました。

 内部留保資金の使途につきましては、新規事業や将来の成長分野への投資と合理化など企業体質の一層の強化のために充当する予定であります。

 当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年11月9日

739

22.00

取締役会決議

2024年6月27日

873

26.00

定時株主総会決議