2024年2月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 また、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年5月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当社グループは、事業活動に関するあらゆるリスクを的確に把握するとともに、リスクの発生頻度や経営への影響度を低減するため、各種リスクに対応可能なコーポレートガバナンス及び内部統制に対する体制を整備しており、経営リスクの可能性を認識した上で、その内容に応じてコンプライアンス委員会、危機管理委員会、内部統制委員会、サステナビリティ委員会において発生回避策を討議、策定し、リスクが発生した場合においても適宜問題の解決を図っております。

 

(1)特に重要なリスク

① 原材料の高騰について

 世界的なインフレーションの傾向により、アパレル関連の原材料価格は高騰を続けております。現在、当社グループでは、適正な製品価格への転嫁を行っておりますが、今後、原材料価格の高騰が継続した場合は、更なる製品価格の上昇につながり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製造活動について

 当社グループは、中国・アジア地域を中心に、製品の製造活動を行っておりますが、海外での製造活動において、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、テロ、戦争による地政学的又は政治的混乱等のリスクが存在します。これらのリスクが現実化した場合、当社グループの海外での製造活動に支障が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)重要なリスク

① ウイルス性感染症等について

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症を教訓として、今後もステークホルダーへの安全対策に配慮し、不測の事態への備えを行ってまいります。ただし、予測し得ないウイルス性感染症等が蔓延することにより、市場の停滞等が起きた場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ファッション商品の特性について

 当社グループの主力商品の大部分はファッション衣料及び服飾品であります。ファッション商品の販売はその特性上、流行に左右されやすい傾向があります。当社グループは消費者ニーズの変化に対応するべく、商品企画の更なる刷新と市場情報収集力の強化に努めております。今後とも商品企画力、販売力の強化により売上拡大を図っていく方針でありますが、流行の急激な変化によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権の使用について

 当社グループは現在複数の海外提携先と契約し、当該提携先所有の知的財産権を使用したブランド(ライセンスブランド)の衣料及び服飾品を販売しております。現在、これらのライセンスブランドの総売上高は当社グループの売上高の過半を占めております。当社グループといたしましては、これらの提携先とは密接で良好な関係を構築し維持しており、今後とも売上の拡大を図ってまいります。しかしながら、契約の終了又は契約更改時における契約更改条件等によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 気象状況や経済状況等について

 ファッション衣料及び服飾品は、気象状況あるいは経済状況の変化の影響を受けやすく変動しやすいため、種々の変化に対応できるよう、クイックレスポンス体制(短サイクル生産体制及び期中追加企画、生産体制)等による対応を図っております。しかしながら、冷夏や暖冬などの天候不順や予測不能な気象状況又は経済環境の変化等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、温室効果ガスが原因と考えられる温暖化等の気候変動や、資源枯渇、プラスチックごみによる海洋汚染等の問題は世界共通の社会課題であるとの認識のもと、当社グループでは中長期のサステナブルビジョンの実現に向け、社会・地球環境の持続可能性向上と当社グループの持続的成長を図る「ESG経営」を推進しております。当社グループはサステナビリティ貢献製品の創出とその市場拡大により、環境や社会の課題解決に寄与することで地球及び社会のサステナビリティの向上に貢献していきます。しかしながら、これらに対する取り組みが不十分な場合には、社会からの信頼の喪失、市場競争力の低下につながり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 為替変動について

 為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件及び海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を及ぼします。これら為替変動に係るリスクは、為替予約等を行うことによりリスクヘッジしておりますが、完全に回避できるものではなく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 品質管理について

 当社グループは厳しい品質管理基準にしたがって各種製品を提供しておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に係る事故が発生した場合は、企業及びブランドイメージが損なわれ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報管理について

 当社グループは直営店及び百貨店等の店頭での顧客管理、並びに自社EC等の会員顧客管理上、多くの個人情報を保有しております。これらの情報の管理・取扱いについては当社コンプライアンス委員会、内部統制委員会で社内ルールを決定し、管理体制を整え万全を期しております。しかしながら、情報流出や漏洩が発生した場合は、当社グループの社会的信用を低下させ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 以上、9項目の他にその他の一般的なリスクとして、取引先の破綻による貸倒れ、災害、事故、法的規制及び訴訟等、さまざまなリスクが考えられます。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、「PBR改善計画」に掲げている方針に基づき、配当水準を段階的に引き上げてまいります。当期の配当金につきましては、DOE3%相当の1株当たり年88円とさせていただきます。次期の配当金につきましては、配当水準の更なる向上によりDOE4%相当の1株当たり年125円の配当を予想しております。

 当社の剰余金の配当は、期末に年1回の配当を行うことを基本方針としており、期末配当の決定機関は株主総会であります。中間配当については、会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることが出来る旨を定款に定めており、中間配当の決定機関は取締役会であります。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年5月29日

1,026

88

定時株主総会決議