事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
コラーゲン・ケーシング事業 | 9,497 | 19.4 | 969 | 18.4 | 10.2 |
ゼラチン関連事業 | 13,937 | 28.4 | 1,612 | 30.7 | 11.6 |
化粧品関連事業 | 7,588 | 15.5 | 1,042 | 19.8 | 13.7 |
皮革関連事業 | 7,593 | 15.5 | 359 | 6.8 | 4.7 |
賃貸・不動産事業 | 1,062 | 2.2 | 849 | 16.2 | 79.9 |
食品その他事業 | 9,382 | 19.1 | 424 | 8.1 | 4.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、提出会社、子会社11社及び関連会社1社で構成され、可食性コラーゲン・ケーシング、ゼラチン及びコラーゲンペプチド、コラーゲン化粧品及び健康食品、皮革関連製品等の製造販売及び仕入販売を主な内容とし、更に輸入食品及び穀物の販売、iPS細胞培養基材、医療用コラーゲンの製造販売、不動産賃貸その他の事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。
(1) コラーゲン・ケーシング事業
提出会社が、連結子会社大鳳商事㈱経由で在外連結子会社日皮胶原蛋白(唐山)有限公司より加工済原材料を購入して製造しております。
製造したコラーゲン・ケーシング製品は、提出会社が国内外ユーザーへ販売しておりますが、輸出の一部は在外連結子会社 NIPPICOLLAGEN NA INC. 経由で販売しております。
(2) ゼラチン関連事業
提出会社が、海外から原材料、半製品を調達して加工及び製造し、製品の一部は外部へ加工委託したものを購入しております。また、原材料の一部については、連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司及び在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. 経由で購入しております。
ゼラチン及びコラーゲンペプチド製品は、主に提出会社が国内外ユーザーに販売しておりますが、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社NIPPI COLLAGEN NA INC. 及び在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司経由で販売しております。
(3) 化粧品関連事業
提出会社が、化粧品用コラーゲン原料、健康食品用コラーゲンを製造し、さらにスキンケアジェルは提出会社で製造し、また、ニッピコラーゲン100及びコラーゲン配合化粧品はOEMに委託しております。
完成した製品は、通信販売会社である連結子会社㈱ニッピコラーゲン化粧品を経由してユーザーに販売しております。
(4) 皮革関連事業
連結子会社㈱ニッピ・フジタが、国内外より靴用革、自動車用革を購入し、また、一部は連結子会社大鳳商事㈱、在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. を経由して購入し、販売しております。また、持分法適用非連結子会社㈱ボーグに靴用革の一部を支給して完成靴をユーザーに販売しております。
在外連結子会社日皮(上海)貿易有限公司は、海外サプライヤーより自動車用革の原材料を購入し、中国で加工委託して国内外ユーザーに販売しております。
連結子会社大鳳商事㈱は、海外サプライヤーより原皮、靴製品を購入して国内ユーザーに販売し、在外非連結子会社NIPPI (THAILAND) CO.,LTD. は、東南アジア諸国における自動車ハンドル用革の販売を行っております。
(5) 賃貸・不動産事業
提出会社が、東京都足立区、大阪市浪速区を中心に不動産賃貸事業を行っており、非連結子会社ニッピ都市開発㈱が、管理業務及びコンサルタント業務を行っております。
(6) 食品その他事業
連結子会社大鳳商事㈱、連結子会社大倉フーズ㈱が輸入食材、有機穀物、肥料などを輸入し、国内ユーザーに販売しております。
提出会社が、iPS細胞培養の培地キットiMatrixシリーズを製造し、持分法適用関連会社㈱マトリクソームを経由して販売し、BSE検査キットなどを外部に加工委託して販売しております。また、リンカー製品(マスキングシート、コンパウンド)を製造販売し、化成品(ビニールフォーム)を外部より購入して販売しております。
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い社会経済活動が一層の正常化に向かい、また、インバウンド需要が回復したこともあり景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、長期化する地政学的リスク、物価の上昇による消費マインドの悪化懸念、為替相場の急激な変動、人手不足の深刻化など、国内外の景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと当社グループは、中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を策定し「タンパク質研究のエキスパートとして人々の生活の質の向上に貢献する」ことを目標に、生産性の向上、製造費・販管費のコスト見直し、高付加価値商品の開発などに取組んでまいりました。当連結会計年度は、原材料費、動力費、運賃、輸入為替などのコスト上昇分の一部を価格に転嫁できたことにより、全体の売上高、営業利益率が改善され増収増益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、49,046百万円(前期比9.5%増)、営業利益は、3,612百万円(同145.5%増)、経常利益は、3,740百万円(同140.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、2,548百万円(同117.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、営業利益は、セグメント間の内部取引による損益を振替消去した後の金額であり、セグメント利益(セグメント情報)は、これを振替消去する前の金額であります。
(コラーゲン・ケーシング事業)
コラーゲン・ケーシング事業は、経済活動正常化により全国的にイベント等が増加したことを追い風に、国内販売のフランクサイズや着色素材が好調に推移しました。一方、輸出販売については、東南アジア向けが好調に推移したものの、北米向けは厳しい市場競争に苦戦しました。利益面については、電力、動力費などに対する政府の補助があったこと、生産が順調であったこと、輸出運賃が大きく減少したことなどによりコストダウンとなり、大幅な増益となりました。
この結果、コラーゲン・ケーシング事業の売上高は、9,497百万円(前期比1.7%増)、営業利益及びセグメント利益は、969百万円(同155.5%増)となりました。
(ゼラチン関連事業)
ゼラチン部門は、経済活動の正常化と継続する高い健康志向を背景に、ソフトカプセル用途、食品用途、グミキャンディ用途などが好調に推移しました。ペプタイド部門は、輸出向けが価格競争による影響で減少したものの、国内向けは好調なインバウンド需要を背景に健康食品用途を中心に好調に推移しました。利益面については、製造コスト上昇に伴う収益性の悪化に課題を抱えておりましたが、段階的に取組んできた価格改定の効果もあり営業利益率がコロナ禍前の水準まで回復しました。
この結果、ゼラチン関連事業の売上高は、13,923百万円(同13.5%増)、営業利益は、1,597百万円(同130.5%増)、セグメント利益は、1,612百万円(同126.2%増)となりました。
(化粧品関連事業)
化粧品関連事業は、化粧品部門においては、コロナ禍が明けて消費行動が実店舗へ回帰傾向にあり化粧品の通信販売市場に企業間格差が生じる中で、2023年秋に新商品を発売しブランド認知度の向上と新規顧客の獲得に努め順調に推移しました。健康食品部門は、引き続き高い健康志向を背景に好調に推移しました。
この結果、化粧品関連事業の売上高は、7,588百万円(同16.0%増)、営業利益及びセグメント利益は、1,042百万円(同19.5%増)となりました。
(皮革関連事業)
靴・袋物部門は、経済活動の正常化が追い風となって需要回復傾向が続いております。また、価格改定により収益性が改善され増益となりました。車輌部門は、自動車業界の景気回復に伴い販売が好調に推移しました。
この結果、皮革関連事業の売上高は、7,593百万円(同3.8%増)、営業利益及びセグメント利益は、359百万円(同215.6%増)となりました。
(賃貸・不動産事業)
東京都足立区の土地賃貸事業は、大規模商業施設、保育所、フットサルコート、駐車場用地として有効活用を図っております。大阪府大阪市の土地賃貸事業は、中央区心斎橋において商業施設用地として有効活用を図るほか、浪速区なんばにおいては、新街区「なんばパークス サウス」が計画どおりオープンし順調に推移しております。
この結果、賃貸・不動産事業の売上高は、1,061百万円(同23.4%増)、営業利益は、848百万円(同29.4%増)、セグメント利益は、849百万円(同29.4%増)となりました。
(食品その他事業)
バイオ関連製品は、iMatrixシリーズの販売が好調に推移しました。有機穀物は、自然食市場が拡大する中で、サプライヤーとの関係強化に注力し順調に推移しました。イタリア輸入食材は、外食産業がほぼコロナ禍前の状況に戻っていることもあり、需要の回復が進みました。
この結果、食品その他事業の売上高は、9,382百万円(同10.5%増)、営業利益は、439百万円(同35.8%増)、セグメント利益は、424百万円(同39.7%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は72,394百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,830百万円増加しました。これは主に、有形固定資産が888百万円減少した一方で、現金及び預金が1,766百万円、受取手形及び売掛金が1,219百万円、投資有価証券が867百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における負債は、34,090百万円となり、前連結会計年度末と比べ396百万円減少しました。これは主に、未払法人税等が568百万円、その他流動負債が371百万円増加した一方で、短期借入金が358百万円、1年内返済予定の長期借入金が204百万円、長期借入金が719百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、38,304百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,226百万円増加し、自己資本比率は、52.0%となりました。これは主に、利益剰余金が2,266百万円、有価証券評価差額金が582百万円増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ1,766百万円増加し、8,605百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ税金等調整前当期純利益が1,882百万円増加し、売上高の増加により売上債権も増加しましたが、棚卸資産や仕入債務が減少し、法人税等の支出も増えた結果、収入は1,502百万円増加し、4,169百万円の収入(前期比56.3%増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度では投資有価証券の売却による収入などがありましたが、当連結会計年度では、設備投資が減少したことなどにより支出が240百万円減少し、580百万円の支出(同29.3%減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ有利子負債の返済などにより、支出が211百万円増加し、1,876百万円の支出(同12.7%増)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
b. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
c. 受注実績
製品の性質上受注生産は行っておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の相手先の該当がないので記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載のとおり重要な資産の評価方法、重要な引当金の計上基準等においての継続性、網羅性、厳格性を重視して処理計上しております。また、繰延税金資産においては将来の回収可能性を十分に検討した上で計上しております。
国内外情勢に起因する物価動向、消費動向が不透明さを増すなか、国内景気は少しずつ軌道修正しながら維持、回復していくものと想定し、当社における会計上の見積もり(繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金の計上、固定資産の減損等)を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度は、コラーゲン・ケーシング事業をはじめ、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの全報告セグメントにおいて、増収増益となりました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ4,235百万円増加し、49,046百万円(前期比9.5%増)となりました。
主な内容は、コラーゲン・ケーシング事業は、北米向けは価格改定の影響もあり、販売が減少いたしましたが、国内はコロナ明けによるイベントなどの増加でフランクサイズ、また、赤ウインナーの着色ケーシングなどが好調に推移しました。
ゼラチン関連事業は、福島処理水に関連した風評による買い控えでコラーゲンペプチドが輸出販売で苦戦いたしましたが、前連結会計年度より実施してきた価格改定が一定程度の進捗をみた結果、ゼラチン、コラーゲンペプチドの国内販売でともに増収となりました。
化粧品関連事業は、主力商品「ニッピコラーゲン100」の販売は、好調に推移し続伸となりました。当連結会計年度よりタレントの高橋尚子さんを起用してブランディング強化を図り、また、健康志向ブームも後押しとなりました。
皮革関連事業は、車輛用革においても半導体や部品不足などにより自動車関連メーカーの断続的な減産などもあり減少となりました。一方で、生活様式の変容により革靴に関連した素材、商品、加工などは影響が残るものの徐々に回復してきており、アパレル衣料用やライダーブーツ用の素材も好調に推移しました。
食品その他事業は、人出が戻り外食の機会も増えレストラン向けイタリア食材、有機穀物など価格転嫁も含め好調に推移し、また、iPS細胞関連の培養基材iMatrixシリーズも増収となりました。
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ2,141百万円増加し、3,612百万円(同145.5%増)となり、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ2,187百万円増加し、3,740百万円(同140.8%増)となり、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,378百万円増加し、2,548百万円(同117.8%増)となりました。
主な内容は、コラーゲン・ケーシング事業は、生産性の向上に注力した結果、製造コストを大きく押し下げることができました。また、国内販売は価格転嫁が全く進捗しなかったものの、販売数量は伸びました。一方で、輸出販売は価格改定により苦戦いたしましたものの、輸出為替の影響で利益率は改善いたしました。また、コンテナ代が一時の狂乱的な上昇から落ち着きを取戻したことから物流費の減少も増益に影響いたしました。
ゼラチン関連事業は、2年に亘る価格改定交渉が一定程度認められたことにより利益率が改善いたしました。利益率の改善は、皮革関連事業、食品その他事業においても需要回復とともに価格転嫁が一定程度実施できたことによるものであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの各事業は、国内外市場で製品の販売を行う一方、製品原料や関連資材の買い付けも国内外の市場より調達しております。このため、それぞれの市場動向や規制、さらに海外の場合は、特に為替相場等の大きく急激な変動も各事業の業績に大きな影響を与える場合があり、諸物価の高騰、インフレなどによる個人の消費活動の停滞なども各事業の業績に大きな影響を及ぼしております。
また、東アジアや世界情勢の悪化、地政学リスクの顕在化などに伴い、様々な影響が出ることが予測されております。これらは、エネルギー、原材料、薬品、物流など多岐にわたっての価格高騰に見舞われ、当社グループにおきましては、コラーゲン・ケーシング事業、ゼラチン関連事業における製造コスト及び全報告セグメントにおいて仕入価格の急上昇を引き起こしております。ある一定程度の価格転嫁ができなければ、経営成績に重要な影響を与える要因になります。
そのほか当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 戦略的現状と見通し
コラーゲン・ケーシング、ゼラチン関連、化粧品関連、皮革関連などの各報告セグメントにおきましては、顧客や市場ニーズを取り入れた新商品の開発により一層の高付加価値化を目指すとともに、宣伝広告等により商品や企業の認知度の向上を図っております。生産面では、工程の見直しなど、さまざまなコスト低減方法を常に模索し、販売面では、拡販及び価格の適正化を図りながら、収益体制の改善、強化に努めております。
原材料価格、エネルギーコストなどの高止まりと期初よりの円安幅の拡大化、長期化の影響で、期初より仕入価格、原料価格の上昇に歯止めがかからない状況が続き、在庫単価も上昇していることから今後の収益の圧迫要因となるため、更に生産性を向上させ、吸収できないものは価格の見直しを実施すべきか検討してまいります。製造工程の短縮や見直し、不良率の低下、経費の削減など様々な施策を講じてコスト低減を図り、収益性の確保に努めてまいります。
化粧品関連事業においては、仙道敦子さんに加え、高橋尚子さんを活用し、好調な健康食品分野での拡販、基礎化粧品分野での巻き返しを図り、また、それぞれの新規商品開発に取組んでまいります。
なお、賃貸・不動産事業におきましては、所有土地の事業化計画の実現と効率的運用を推進してまいります。大阪市浪速区のなんば地区では、2023年7月に計画した事業が開業し、残った東京都足立区の所有地においても早期の本格的な事業化を目指し、収益性を十分考慮した運用を行い、当社グループの安定的な収益基盤の礎としてまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・商品などの仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動資金であります。それ以外の投資などを目的とした資金需要は、生産設備をはじめ事業拡大及び賃貸事業に伴う投資等に限っております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、資金の流動性に関する対応としては、現在未使用の状況にあるコミットメントライン枠の活用があります。短期的には手許現預金は、アフターコロナの与信リスクなどにも備えて高水準の状態にあります。今後は、国内外の経済情勢が不確実性の高いことを認識したうえで、設備投資も進めながら有利子負債の圧縮にも努めてまいります。
なお、資金調達に影響を及ぼす財務制限条項等への抵触リスクは、現状においてはグループ会社ともに低いと判断しております。また、今後の有利子負債の約定弁済につきましても手許現預金及び営業キャッシュ・フローなどで履行できると判断しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、100年間に亘り、皮革事業において我が国のリーディングカンパニーとして製造・販売を行ってまいりました。その間、皮革事業で培った技術・知識・経験を礎に研究開発を重ね、新たにゼラチン、コラーゲンペプチドの事業を国内トップクラスに、また、コラーゲン・ケーシング事業を国内で唯一、世界の四大メーカーの一角を担うまでに、さらには、コラーゲン基礎化粧品「スキンケアジェル」と健康食品「ニッピコラーゲン100」の事業を当社主力事業のひとつに育成してまいりました。また、バイオマトリックス研究所で長年培った生体工学技術を生かし、再生医療分野への進出を果たしました。今後は、同分野を主力事業の一角にするべく注力してまいります。これらの事業を更に充実拡大させ、以って当社の理念である高品質なものづくりを通して人々に貢献し、より豊かな社会の実現を目指してまいります。そのためには、事業環境の変化を捉え、既存の知財に加え事業で得た新たな技術・経験を活かし、顧客や社会の要望に応えられる高付加価値商品を世に送り出して行かねばなりません。また、アフターコロナに移行して、経済活動が正常化になりつつあるものの、世界各地で紛争が勃発、長期化し、資源価格高騰を主要因とした世界的なインフレ、それに伴う金利上昇による為替の急激かつ大きな変動などで国内景気は、今後も不透明な環境が続くものと思われます。
次期の見通しにつきましては、産油国の減産や世界各地での紛争の長期化に伴い、諸物価の上昇は今後も続くものと想定しておりますが、国内の景気は、歴史的な円安の影響でインバウンド需要が旺盛であることからサービス業を中心に回復していくと見込んでおります。一方で、諸物価の上昇に賃金の上昇が追い付かず、消費マインドの低下が危惧されております。
このような状況のもと、当社は、引き続き生産コスト低減の施策を講じて競争力のある商品づくりに取組んでいくとともに、社会全体の変容に対応しながら市場ニーズを的確に捉えた高付加価値商品を投入し、収益基盤の拡充を図ってまいります。
コラーゲン・ケーシング事業に関しまして、国内外ともに市場は、堅調に推移すると見込まれるものの、引き続き原材料、燃料、電力費の高止まりにより、製造コストの低減は厳しい状況であり、販売価格に転嫁せざるを得ない環境に変化はないと見込んでおります。国内外での価格調整も慎重に検討しながら拡販を模索してまいります。一方で、国際的な価格競争に対応していくためにも製造工程の簡素化、生産能力向上のための技術改良、ユーザーニーズに呼応した製品開発、また、引き続き加工費の低減を推し進め、収益力の確保と向上に注力してまいります。
ゼラチン関連事業に関しては、ゼラチン市場は堅調に推移し、コラーゲンペプチド市場は国内外ともに成長していくものと見込んでおります。国内のインバウンド需要はほぼコロナ禍前までに回復してまいりました。前連結会計年度に実施した価格改定により収益は改善できたものの、その後の円安の進行と長期化に伴い、仕入価格の上昇が収益を侵食しはじめてきている状況のなか、由来原料の見直しや安価な調達先の選定などコスト削減を引き続き実行してまいります。また、差別化を図るための機能性やハラル用途など特定の素材開発などにより一層の高付加価値商品やユーザーへの新規提案などに注力し、収益基盤を確保、改善をしてまいります。
化粧品関連事業に関しましては、物流2024年問題の懸念、また、原材料価格の高騰懸念はあるものの、アフターコロナでも通信販売市場の拡大基調は変わらないと推測しております。ソーシャルメディア等を駆使し、また、広告媒体の多様化を図り、ニーズに呼応した新商品の開発、発売、継続率の向上、新規顧客の獲得を目指し、さらなる成長路線を模索してまいります。まだブランド力が弱く、認知度が低いことに対する対策として、著名人や地上波×インフルエンサーのメディアMIXを図り、化粧品におけるブランドの育成と健康食品における既存の主力商品以外の開発育成に努めてまいります。
皮革関連事業に関しては、紳士靴及び婦人靴用革は、回復傾向が見られるものの、革靴に対する消費者意識の変容により、一定の厳しい環境は続くものと予想しております。このような市場環境のなか、甲革、製甲、靴、底材加工、衣料などの革靴関連のサプライチェーン囲い込み強化のため、業界の情報収集、協力企業体制の一層の強化、市場環境に順応した事業体制の工夫、在庫管理体制の見直し、経費削減などに取組み、収益性の改善に努めてまいります。また、車両用革は、自動車業界での生産停止やサプライチェーン停滞の影響などにより不安定な生産環境にあるなか、コスト軽減を実現するため塗膜原材料の見直しや新しい加工技術の確立などに注力し、受注の回復とさらなる収益性の改善を図ってまいります。
食品その他の事業に関しては、イタリア輸入食材と輸入有機穀物は、国際情勢などにより船舶での輸送リスクやコスト上昇の影響はあるものの、アフターコロナによる需要は、引き続き回復していくと見込んでおります。また、天候不順や世界情勢の変化に伴う相場の乱高下、輸入為替の変動などのリスクは注視しながら、引き続き適切に対応してまいります。また、オンラインショップの強化など個人消費の掘り起こしに努め、拡販も図ってまいります。再生医療関連については、今後も市場が拡大していくものと見込んでおり、当社製品も拡販、続伸すべく注力してまいります。細胞外マトリックス関連商品の新規開発のほか、医療用ゼラチン、コラーゲン試薬などの開発、国内外への拡販を引き続き推進してまいります。
賃貸・不動産関連事業に関しましては、引き続き当社所有土地を中心に事業化及び効率的運用を進め、当社収益基盤の強化に繋げるよう努めてまいります。また、大阪市浪速区の土地賃貸事業も順調に進捗し、「なんばパークスサウス」は、2023年7月1日にグランドオープンを迎えました。
また、昨今の企業を取り巻く環境は一層不透明さを増しており、そのなかで持続可能な社会の実現に向けての取組みは、企業の社会的責任であるのみならず、自然由来の原料に依存しております当社グループにおきましても事業を継続する上での重要な課題であると認識しております。高品質なものづくりで社会に貢献するという創業の思想を実現すべく、事業活動の一層の奮励はもとより、各事業の日々の業務の中でより良い環境や社会の実現に取組んでまいりました。各事業の取組みをより実効的なものにすべく代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を創設いたしました。今後はこのサステナビリティ委員会を中心に社会・環境に資する取組みを推し進めるとともに、コンプライアンスの徹底、コーポレートガバナンス・コードに基づく経営体制の強化、地球温暖化防止への取組み、人権への配慮や多様性の確保といった活動を推進してまいります。
そのほか当社グループとしての問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品別セグメントごとに事業本部を置き、これら事業活動を主体として連結子会社が構成されており、「コラーゲン・ケーシング事業」、「ゼラチン関連事業」、「化粧品関連事業」、「皮革関連事業」、「賃貸・不動産事業」及び「食品その他事業」の6つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
①「コラーゲン・ケーシング事業」は、ソーセージ用可食性コラーゲン・ケーシングを製造販売しております。
②「ゼラチン関連事業」は、食品用、医薬用、工業用のゼラチン及びペプタイドを輸入、製造、販売しております。
③「化粧品関連事業」は、コラーゲン入りの化粧品、健康食品を製造し、販売しております。
④「皮革関連事業」は、靴用、袋物用、自動車用皮革及び皮革関連製品等を販売しております。
⑤「賃貸・不動産事業」は、土地、建物、設備等の賃貸を行っております。
⑥「食品その他事業」は、イタリア食材、有機穀物、肥料等の輸入販売、その他化成品、リンカー、BSE検査キット、iPS細胞培養基質「iMatrixシリーズ」などを製造し、販売しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であり、セグメント間取引で生じた内部利益については振替前の数値で表示しております。
また、セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額の区分は報告セグメントに含まれない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2 セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから記載しておりません。
3 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の増加額であります。
5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、建設仮勘定の増加額は含めておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額の区分は報告セグメントに含まれない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2 セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから記載しておりません。
3 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の減価償却費であります。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社の増加額であります。
5 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、建設仮勘定の増加額は含めておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。