事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
内装建材事業 | 8,545 | 56.0 | -184 | -484.2 | -2.2 |
木構造建材事業 | 6,714 | 44.0 | 216 | 568.4 | 3.2 |
その他 | 13 | 0.1 | 6 | 15.8 | 46.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社の企業集団等は、当社及び関連会社1社の計2社により構成されており、集成材等を使用した住宅部材を品目別に生産販売しているほか、不動産の賃貸管理を行っております。
当社の事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
また、次の各事業は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
内装建材事業・・・・内装部材(階段・手摺・カウンター・和風造作材・框・洋風造作材)
木構造建材事業・・・構造部材(プレカット加工材・住宅パネル)・施設建築
その他・・・・・・・賃貸事業(不動産の賃貸管理)
なお、2024年4月1日付けでセグメント名称を「木構造建材事業」から「木構造事業」に変更しております。セグメント名称の変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、混沌とした国際情勢の不安感を背景にエネルギーや資源価格が高止まりしているなか、インフレが継続拡大するなど不透明な経済環境下で推移いたしました。
当社が属する住宅業界におきましても、資材価格の値上がり等に起因する住宅価格の高騰や物価上昇及び長期金利引き上げへの警戒感から、新設住宅着工戸数は低水準で推移しており、特に持家は前年比10%以上、分譲住宅は前年比9%以上の落ち込みとなり、また比較的好調であった貸家も減少に転じるなど厳しい環境下での事業運営となりました。
このような状況下、当社が主たるターゲットとする持家や分譲住宅の減少が続いていることを背景に従前から成長分野として取り組んでいる、非住宅分野への領域拡大を更に高め、生産面においてはロボット加工機の導入等設備増強を進め、また営業面においても需要開拓にかかる営業強化を図ってまいりました。また、もう一つの成長戦略である、省施工商品の拡充においては、完全プレカット階段(エコプレ)のバージョンアップ等による付加価値の提供及び生産体制の拡張や、新商品であるサッシ付パネル(NEO SMART PANEL)の営業強化を図り、市場に対するアピールと販路開拓に努めてまいりました。
第2四半期において、多額の減損処理を行ったことも踏まえ、大局的には製品群の練り直し及び事業ポートフォリオの再構築を含め、成長分野に対する経営資源のシフトを検討していくと同時に、足元における収益体質の改善を急務とし、生産体制におけるムリ・ムダの排除、徹底した合理化と効率化を進めてまいりました。また、販売面においても引き続き販売価格の適正化に努めるとともに製品基材の見直し等コスト競争力の向上に努めました。
このような結果、第3四半期以降、徐々に収益体質が改善され、2023年10月に公表した通期業績予想との比較においては上振れする結果となりましたが、目標とする利益ベースには回復しておらず、内装建材事業の再構築に資する取り組みを加速化するとともに更なる体質改善が必要と認識しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は、152億64百万円と前事業年度と比較し23億91百万円(△13.5%)の減収となりました。利益面では先に述べたとおり市況の低迷による減収及び為替の影響等による資材価格の高騰が進行するなか、コスト吸収にかかる十分な改善には至っておらず、営業利益は37百万円と前事業年度と比較し2億88百万円(△88.5%)の減益、経常利益は42百万円と前事業年度と比較し2億85百万円(△87.0%)の減益、当期純損失は特別損失に減損損失7億91百万円を計上したことにより、7億83百万円(前事業年度は当期純利益2億31百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。また、セグメント間取引については、相殺消去しております。
(内装建材事業)
売上高は、階段が増加したものの、造作材等が減少し85億41百万円と前事業年度と比較し2億76百万円(△3.1%)の減収となりました。営業損失は、資材価格及び電力費の高騰等により、1億84百万円(前事業年度は営業損失3億10百万円)となりました。
(木構造建材事業)
売上高は、プレカットをはじめ事業部全体が減少し、67億8百万円と前事業年度と比較し21億15百万円(△24.0%)の減収となりました。営業利益は、住宅着工戸数の減少及び価格競争の激化等の影響により2億16百万円と前事業年度と比較し4億14百万円(△65.8%)の減益となりました。
なお、当セグメントの名称を2024年4月1日より「木構造事業」に変更いたしました。
(その他)
売上高は、13百万円と前事業年度と同額となりました。営業利益は、6百万円と前事業年度と比較し0百万円(2.4%)の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、3億55百万円増加し、11億30百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8億79百万円(前事業年度比5億98百万円の収入増加)となりました。これは主に税引前当期純損失7億59百万円及び仕入債務の減少3億1百万円があったものの、減損損失7億91百万円、減価償却費1億63百万円、売上債権の減少7億40百万円及び棚卸資産の減少2億22百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億29百万円(前事業年度比26百万円の支出減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億84百万円及び無形固定資産の取得による支出47百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億97百万円(前事業年度比2億95百万円の支出増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入4億円があったものの、長期借入金の返済による支出3億35百万円、短期借入金の純減額2億50百万円及び配当金の支払額89百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
内装建材事業(百万円) |
8,219 |
93.4 |
木構造建材事業(百万円) |
6,666 |
75.4 |
合計(百万円) |
14,886 |
84.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
内装建材事業(百万円) |
179 |
115.4 |
木構造建材事業(百万円) |
- |
- |
合計(百万円) |
179 |
115.4 |
(注) 金額は仕入価格によっております。
c.受注状況
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
木構造建材事業 |
7,036 |
84.2 |
386 |
660.4 |
合計 |
7,036 |
84.2 |
386 |
660.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.当社の受注生産品は、主に木構造建材事業であり、他は概ね見込生産品であります。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
内装建材事業(百万円) |
8,541 |
96.9 |
木構造建材事業(百万円) |
6,708 |
76.0 |
報告セグメント計(百万円) |
15,250 |
86.4 |
その他(百万円) |
13 |
100.0 |
合計(百万円) |
15,264 |
86.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺処理しております。
2.売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は105億56百万円、純資産は62億19百万円、自己資本比率は58.9%となりました。
流動資産については、主に売上債権及び棚卸資産等が減少したことにより、69億17百万円と前事業年度末と比べ6億23百万円(△8.3%)の減少となりました。
固定資産については、主に固定資産の減損損失の計上により、36億38百万円と前事業年度末と比べ6億45百万円(△15.1%)の減少となりました。
流動負債については、主に仕入債務及び短期借入金等が減少したことにより、31億46百万円と前事業年度末と比べ5億40百万円(△14.7%)の減少となりました。
固定負債については、主に長期借入金及びリース債務等が増加したことにより、11億91百万円と前事業年度末と比べ1億43百万円(13.7%)の増加となりました。
純資産については、主に固定資産の減損損失計上による当期純損失、期末配当及び中間配当の実施により、62億19百万円と前事業年度末と比べ8億71百万円(△12.3%)の減少となりました。
このような財務基盤のもと、当社の事業方針及び施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 及び (3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上並びに財務上の課題」に記載のとおりですが、財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、設備投資を中心に成長戦略への必要な投資を行ってまいります。
b.経営成績の状況
売上高については、住宅価格の高騰、物価上昇及び長期金利引き上げへの警戒感等から、新設住宅着工戸数は減少が続いているなか、内装建材事業においては、想定以上の市況の低迷から低調な受注・販売が続き、85億41百万円と前事業年度と比較し2億76百万円の減収となりました。木構造建材事業においては、非住宅分野への領域拡大に向けた施策及び新商品の営業強化を図り販路開拓に努めてまいりましたが、価格競争の激化等の影響により67億8百万円と前事業年度と比較し21億15百万円の減収となりました。その他の賃貸事業においては、13百万円と前事業年度と同額となりました。その結果、全社では152億64百万円と前事業年度と比較し23億91百万円(△13.5%)の減収となりました。
売上原価については、急激な為替の円安進行による資材価格の高騰並びにエネルギーコストの高騰に伴い131億30百万円と前事業年度と比較し20億64百万円(△13.6%)減少し、売上原価率は0.1ポイント減少し86.0%となりました。
販売費及び一般管理費については、主に労務費等の減少により、20億96百万円と前事業年度と比較し38百万円(△1.8%)の減少となりました。
営業利益については、収益性改善の施策を図ってきたものの、急激な為替の円安進行による資材価格及び電力費の高騰等により37百万円と前事業年度と比較し2億88百万円(△88.5%)の減益、経常利益は、42百万円と前事業年度と比較し2億85百万円(△87.0%)の減益となりました。
税引前当期純損失は、特別損失に事業資産・遊休資産に係る減損損失7億91百万円を計上したことにより、7億59百万円となりました。(前事業年度は税引前当期純利益3億27百万円)
法人税、住民税及び事業税については、減益により課税所得が減少し、15百万円と前事業年度と比較し50百万円(△76.4%)の減少となりました。法人税等調整額については、8百万円と前事業年度と比較し21百万円(△70.9%)の減少となりました。
この結果、当期純損失は7億83百万円となりました。(前事業年度は当期純利益2億31百万円)
なお、セグメント等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産性向上や合理化を目的とした設備や施設への投資のほか、既存の設備及び施設の更新であります。
今後の経営環境につきましては不透明感が強まっているため、資金調達の重要性を認識するとともに、自己資本の水準を維持しながら、投資及び配当政策等を行ってまいります。経営資源の配分につきましては、取締役会及び執行役員会で十分な検討を行った上で決定しております。
なお、当事業年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社は事業活動の維持成長に必要な資金を確保するため、自己資金及び金融機関からの借入を有効活用しております。手元資金に関しては常に注視をしており、資金の流動性を確保しつつ資金の使途、調達を決定しております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は11億30百万円となっております。
資金調達は、金融情勢の変化に対する対応と資金コスト削減及び調達構成のバランスを考慮し調達先の分散、調達方法及び手段等の多様化を図っており、原則として、運転資金については、短期借入金で調達し、生産設備などの長期資金は、社債や長期借入金で調達することとしております。2024年3月31日現在の短期借入金残高3億27百万円(1年内返済予定の長期借入金含む)及び長期借入金残高10億25百万円の借入金総額13億52百万円を主力銀行をはじめとする金融機関から調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と当座借越契約及びコミットメントライン契約を締結しておりましたが、コミットメントライン契約については2023年8月2日をもって契約満了により当該契約を終了しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
当社は、財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与える見積りを行っております。また、貸倒引当金、固定資産、株式等、繰延税金資産、退職給付、偶発事象及び訴訟等に関して見積り及び判断を実績や状況に応じ合理的な判断により継続的に検証し評価を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
世界情勢の不安感を背景にエネルギー価格や各種原材料価格の高騰を受け、更なる物価上昇が懸念されるなど、先行きの不透明感が続くものと想定しております。
当社が属する住宅業界におきましても、住宅価格の高騰や金利の上昇基調に伴う消費マインドの減退傾向から、持家を中心に市況の低迷が予測され、また、物流業界の2024年問題等更なるコストアップが見込まれるなど、これまで以上に厳しい経営環境下が懸念されます。
当社が、見積り及び判断により当社の財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は以下のとおりであります。
a.貸倒引当金
当社は、債権の回収不能見込額について、一般債権は貸倒実績率、貸倒懸念債権等特定の債権は個別に回収可能性を検討し、不足分については追加計上しております。
b.固定資産の減損損失
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、グルーピングごとに営業活動から生じる損益が継続してマイナスである場合、市場価格が著しく下落した場合及び将来の使用が見込まれていない遊休資産等減損の兆候がある場合に減損損失の認識の判定を行い、投資額の回収が困難になった場合は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額分を減損損失として特別損失に計上しております。
また、回収可能価額については、正味売却価額又は使用価値により測定しており、合理的に算定された価額に基づき評価しております。
なお、当事業年度末の固定資産の減損の認識の判定にあたっては、以下の仮定を用いております。
ウクライナ情勢の長期化による資材価格高騰等の影響や国内外の金融政策の動向等不透明な経済環境が続いており、当社が属する住宅業界においては消費マインドの低下による新設住宅着工戸数の減少等が予測され、これらの影響は翌事業年度以降も続くものと想定しております。
上記のとおり、非常に不透明な経済環境を背景とし、新設住宅着工戸数は減少傾向が予測されますが、経営目標及び重点課題を着実に実行していくことで、新設住宅着工戸数に影響されない事業分野への取り組み強化を図り、翌事業年度は当事業年度と比較して売上高は微増であるものの収益は回復するものと見込んでおります。
減損の兆候の把握にあたり、これらも含めグルーピングごとの事業実態を慎重に検討し減損の兆候を判断しており、減損の兆候がある場合は、事業別の事業計画に基づき割引前キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しており、結果減損損失を計上いたしました。
割引前将来キャッシュ・フローをはじめとする見積りや当該見積りに使用された仮定は、今後の市場動向、為替相場の変動やウクライナ情勢の長期化による資材価格高騰等の影響を受ける可能性があり、主要な仮定に見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表において、新たに減損損失が発生する可能性があります。
「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に詳細を記載しております。
c.株式の減損処理
当社の財務諸表において、長期保有を目的とする特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には、価格変動性が高い公開会社の株式と、非公開会社の株式が含まれます。当社は投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、株式の減損処理をしております。公開会社の株式の場合、通常、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合、2年間にわたり時価が取得原価に比べて30%以上50%未満継続して下落した場合、発行会社が債務超過の状態にある場合又は2期連続で損失を計上し翌期も損失が予想される場合において減損処理をしております。
非公開会社の株式の場合、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において減損処理をしております。
d.繰延税金資産
当社の繰延税金資産については、将来減算一時差異の解消による課税所得との相殺により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲内で認識しております。繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく将来の課税所得の見積額、タックス・プランニング及び将来加算一時差異の解消スケジュール等に基づいて判断しております。
当事業年度の繰延税金資産は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に基づき、翌事業年度の課税所得の見積額に基づいて、翌事業年度の一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能と認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
当事業年度末の繰延税金資産の回収可能性についての判断にあたって、当社の将来の収益に与える影響を客観的に予測することが困難であることから、以下の仮定を用いて作成した翌事業年度の事業計画を基礎とした課税所得の見積額に基づき、繰延税金資産の回収可能性について判断しております。
今後の市場動向、為替相場の変動やウクライナ情勢の長期化による資材価格高騰等の影響を受ける可能性があり、課税所得の見積額が減少し回収可能性がないと判断された場合は、繰延税金資産の取り崩しが発生し、繰延税金資産及び法人税等調整額に影響を与える可能性があります。
e.退職給付
当社は、従業員の退職給付費用及び退職給付債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動などの市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。
当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社が目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、売上高営業利益率及びROE(株主資本利益率)としております。
この数年、特に収益性改善に資する取り組みを進めておりますが、当社を取り巻く事業環境や事業領域を勘案し、まずは売上高営業利益率3%を目標とし、付加価値の高い製品の開発、新たな事業領域(非住宅分野)の拡充、二つの事業の融合によるシナジーの追求を図ってまいります。ROEに関しては、当社の規模感や今後の事業環境を鑑みて、自己資本は現状の水準を維持していく必要性を認識しており、効率的な資本政策と財務レバレッジとのバランスを鑑みながら、ROE5%以上を持続できる体制にすべきと考えております。当事業年度の経営成績につきましては、上記、「① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
指標 |
前事業年度 |
当事業年度 |
目標値 |
目標対比 |
売上高営業利益率 |
1.8% |
0.2% |
3.0% |
△2.8ポイント |
ROE(株主資本利益率) |
3.3% |
△11.8% |
5.0% |
△16.8ポイント |