2024年2月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

   当社の経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、主として以下のようなものがあります。

    なお、当社の事業等においてこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 当社製品の主要素材であります炭素繊維は、飛行機用途の増産が開始される状況となる場合、先行き品薄感が強く、将来、原材料価格の上昇や供給の不安が発生し、当社の経営成績等や販売政策に影響を及ぼす可能性があります。

② 米国市場向けの生産委託先は中国にあり、中国元の大幅な切上げや労務費の大幅な上昇が実施された場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 当社は、日本及び米国のゴルフクラブメーカー・代理店を主要な販売先としておりますが、特定販売先に対する販売依存度(総販売実績に占める当該販売先への販売実績の割合)は高い割合となっております。

   これらの販売先とは、当社のゴルフシャフトを採用したゴルフクラブの過去の販売状況、当社の開発力等をもとに、今後も安定した取引関係を維持していく方針でありますが、販売先の販売戦略・販売動向、競合するゴルフシャフトメーカーの製品の採用状況により、当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

④ ゴルフ市場動向の中で、国内のゴルフクラブメーカー間の競合は激しい状況となっているものと思われます。こうした中でゴルフクラブメーカーは採用するゴルフクラブの価格帯によってゴルフシャフトメーカーの棲み分けが生じておりますが、この様な棲み分けは固定的なものでなく、ゴルフシャフトメーカー間でも競合が生じております。また、米国においては、日本と同様にゴルフクラブメーカー間の競合は激しいものとなっております。

   ゴルフクラブ市場においては、ゴルフクラブメーカー間、ゴルフシャフトメーカー間の競合が生じており、当社の主要販売先であるゴルフクラブメーカー各社が市場ニーズに適切に対応できなかった場合などにおいては、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 当社は、販売先等に対する与信限度管理において信用リスクに応じて信用限度額を設け売掛金の債権を管理しておりますが、万一販売先等の破綻等があれば売掛金の回収が不能となり、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 為替リスクを有しており、外国為替相場の変動は当社の経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社の報告通貨は日本円ですが、当事業の事業活動に伴う受払いは日本円以外の通貨により行われるため、日本円に対するその他の通貨の価値の上昇あるいは下落は、取引に伴う多額の利益又は損失をもたらす可能性があります。

⑦ 当社は、地震、台風等の自然災害に備え定期的な設備の点検及び緊急連絡体制の整備、防災訓練等を行っておりますが、大規模な自然災害や火災等の事故が発生した場合には、生産活動の停止、設備資産の破損等により、当社の経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 当社は、様々な感染症の拡大防止対策として、従業員のマスクの着用推奨や消毒等の対応を行うことで事業への影響の低減を図っておりますが、これらの対策にも関わらず当社の役員・従業員に感染者が出る可能性は完全に排除できず、万が一感染者が多く発生した場合、工場等の閉鎖やそれに伴う事業の停止等の対応を余儀なくされ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 当社は、将来減算一時差異に対して、安定的に将来にわたり十分な課税所得を得る前提のもと繰延税金資産の計上を行っておりますが、内部及び外部要因により前提とする課税所得の確保が困難と判断された場合、その取崩しにより当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 当社は、設備投資や経常運転資金は主として自己資金や銀行からの借入金により間接調達でまかなっており、将来的に金融市場において、政府の経済政策や金融政策等の影響により基準金利としている長短金利が上昇することで、借入金に係る金利支払負担が増加した場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、突発的な内部及び外部環境の変化等により、資金調達ができなかった場合には、事業の継続ができなくなる等、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 国内・海外において当社が行う事業の中には、特許権、著作権や商標権等の様々な知的財産権が関係しており、必要な知的財産権等の取得ができなかった場合や、適切な利用許諾が得られない場合には、製品開発等の提供が困難になる可能性があります。

   当社は、有価証券報告書提出日現在において、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、またそのような通知は受けておりません。しかしながら、事業活動が複雑多様化する中において、競合も進む可能性や知的財産権をめぐる紛争件数が増加する可能性もあり、このような場合、当社が第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求、差止請求またはロイヤリティ等の支払請求を受けることにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 一般的な事業リスクとして、景気変動、法的規制等の様々な手続きの対象となるリスクがあり経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

 また当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

こうした考えのもと上記方針に基づき当事業年度の配当につきましては1株当たり20円(普通配当10円・創立35年記念配当10円)の中間配当を実施し期末配当は1株当たり普通配当10円に創立35年記念配当10円を加えた1株当たり20円の配当を実施することで年間配当金として1株当たり40円(普通配当20円・創立35年記念配当20円)といたしましたこの結果、当事業年度の配当性向は147.98%となりました。

また、内部留保金の使途につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製造開発体制を強化し、さらには、グローバル戦略の展開を図るために有効投資し、将来の事業展開を通じて株主の皆様に還元させていただきたいと考えております。

当社は「取締役会の決議により毎年8月31日を基準日として、中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。

 従って、2025年2月期以降の配当につきましては、株主の皆様への安定的かつ継続的な利益還元をすることを重視する利益配分の基本方針に基づき、以下のとおり実施したいと考えております。

① 普通配当30円(中間配当15円、期末配当15円)をベースに配当する。

② 特別配当を業績に応じて普通配当に加算する。

③ 特別配当の決定は第3四半期決算後とする。

④ 配当性向40%を目安とする。

なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2023年9月29日

取締役会決議

129,709

20

2024年5月30日

定時株主総会決議

129,709

20