事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 9,709 | 100.0 | 191 | 100.0 | 2.0 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、マットレス、ベッドフレーム、ソファ、寝装品(枕・布団類)等のデザイン開発、製造、販売を主たる事業としております。自社ブランド製品と海外提携ブランド製品を自社工場及び協力工場で製造して、「家具販売店向け」と「商業施設向け」を主要な販売チャネルとして営業展開をしております。
また、八千代第一工場(マットレス)、八千代第二工場(ベッドフレーム)、千代田工場(ソファ)、あさひ工場(寝装品)という生産体制を構築し、これらの製品及び商品の製造と販売によって、「快適で美しいくらし」を提供することを通して、企業価値の向上を図っております。
当社は、ホームファニシング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(1)各販売経路について
当社の販売経路は以下のとおりであります。
(家具販売店向け)
「家具販売店向け」では、全国の家具販売店に対して販売しております。一般消費者には家具販売店を通じて購入していただきます。当社が取引をしている家具販売店は長年の取引をしている先が多く、取引を通じて信頼関係をさらに深耕するとともに、新規取引先の開拓にも注力しております。単なるモノの販売にとどまらず、一般家庭を対象とした商品を卸販売するとともに、家具販売店ごとに、商品の販売コンセプトに対応した売り場のプロデュースを含め、きめ細やかな支援をしております。
(商業施設向け)
「商業施設向け」では、全国のホテル等の宿泊施設に対し直接販売しております。主要都市やリゾート地で展開する大型ホテルから宿泊特化型などの比較的小規模のホテルなどあらゆる取引先及び消費者のニーズを実現すべく、ホテルや商業空間のベッド・インテリアについて企画段階から参加し提案から施工までプロジェクト全体をプロデュースしております。ラグジュアリーホテルでの採用実績も積み重ねております。
(ショップ/ショールーム)
「ショップ/ショールーム」には、「リーン・ロゼショップ」とショールームの2つがあります。「リーン・ロゼショップ」は、東京都に3店舗(港区六本木、中央区銀座、新宿区新宿)、大阪府に1店舗(大阪市中央区)、福岡県に1店舗(福岡市博多区)展開しており、来店した一般消費者への直接販売をしております。2024年度は2024年6月7日名古屋市中区に新規オープンいたしました。ショールームでは、広島県(広島市西区)、東京都(中央区日本橋)、大阪府(大阪市中央区)、愛知県(名古屋市中区)に開設している当社ショールームに来店した一般消費者に家具販売店、百貨店、ハウスメーカー、または専門の業者を通じて販売しております。
(ハウスメーカー向け)
「ハウスメーカー向け」では、ハウスメーカーが主催した催事に来場した一般消費者にハウスメーカーを通じて販売しております。当社商品のマットレス、ベッドフレーム及び「ligne roset(リーン・ロゼ)」の商品を催事に展示頂けるよう営業活動を行っております。モデルルーム展示商品としての採用依頼や、ハウスメーカー向けフェアに出展するなど、それぞれの住宅に適した商品を提案・販売する活動をしております。
(その他)
「その他」は、主にベッド製造メーカー向けのOEM商品の販売及び一般消費者向けのウォーターベッドの設置料やアフターメンテナンス等であります。
2024年3月期における売上高構成比は、「家具販売店向け」74.2%、「商業施設向け」8.2%、「ショップ/ショールーム」13.6%、「ハウスメーカー向け」2.8%、「その他」1.2%であります。
(2)事業の特徴について
①販売経路の波及効果
前述の主要な販売チャネルにおけるその特徴を他の販売チャネルにも活かすことができるような商品開発に取り組んでおります。具体的には空間の利用目的や演出方法等、機能性とインテリア性を両立させるノウハウを蓄積することで、「家具販売店向け」単一の販売チャネルから「商業施設向け」や「ハウスメーカー向け」等の複数の販売チャネルに拡大しました。
「商業施設向け」では、ラグジュアリーホテルに当社商品が採用されることによって、当社のブランドイメージを向上させ、「家具販売店向け」では、ブランドイメージを活かして、消費者への訴求力を向上させるという波及効果が見込まれます。それぞれの販売チャネルにおける特徴を他の販売チャネルにも活用・応用することによって、購入を考える消費者がまず思い浮かべる企業となるべく、認知度を高めていく体制となっております。
「家具販売店向け」、「商業施設向け」、「ショップ/ショールーム」及び「ハウスメーカー向け」のそれぞれの販売チャネルで窓口となる営業担当者は、取引先、消費者の多様化・複雑化するニーズにお応えすべく、取引先とコミュニケーションを密に行い、消費者の様々な要望を収集します。営業担当者は、各営業所で何度もミーティングを重ね、消費者のニーズに対応した商品を提供できる企業として、取引先への提案営業活動を行います。
②複数ブランド
当社は、複数の自社ブランドと海外提携ブランドを展開しております。
自社ブランドとしては、「dream bed(ドリームベッド)」(日本)、「WATER WORLD(ウォーターワールド)」(日本)を展開しております。
自社製造で培った技術力が評価され、海外複数のインテリアブランドとライセンス契約を締結しており、主な海外提携ブランドは、「Serta(サータ)」(アメリカ合衆国)、「ligne roset(リーン・ロゼ)」(フランス共和国)、「ruf(ルフ)」(ドイツ連邦共和国)です。中でも、Serta Simmons Bedding,LLCとのライセンス契約によって「Serta(サータ)」ブランドを用いた日本国内における独占的な販売及び商標等の使用許諾を有していることが当社の特徴であります。高価格帯マットレスとして、家具販売店等で販売しております。
ブランド志向の顧客層をターゲットとしている「Serta(サータ)」、より幅広い顧客層をターゲットとしている「dream bed(ドリームベッド)」の2つのブランドを主に展開することによって、幅広い消費者のニーズに対応しております。また「Serta(サータ)」の製造を通して、製造技術の高度化を図るとともに、同じ技術、同じ工場で「dream bed(ドリームベッド)」を製造することによる品質の確保に努めております。
③商品の特長
当社のマットレスは、全日本ベッド工業会認定の衛生マーク(※)表示の資格を獲得し、ISO9001(品質マネジメントシステムに関する国際規格)認証も取得した工場で製造しております。当社が製造するポケットコイルマットレスは、マットレスに必要な硬さと、人が感じるソフト感の相反する2つの要素を組み合わせ、寝心地を追求しております。ポケットコイルとは、スプリングが連結されず、袋内に収納されているコイルです。そのため、個々のスプリングがそれぞれ独立して加重を支えることができます。ポケットコイルのメリットは、寝る人の体の凹凸に対して、フィットすることによって、理想的な寝姿勢を作り出すことができます。
当社は、太さの異なる7種類の鋼線(1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm)、3種類の形(円筒型、樽型、円錐型)、配列の種類(並行配列=集積数が少ない=柔らかめ、交互配列=集積数が多い=固め)を組み合わせ、マットレスのたわみ(沈み込み)を調整する等、消費者の好みの寝心地に対応することが可能であります。また、鋼線の太さが異なる2つのポケットコイルを任意で配列できる機械を独自開発し、特許を取得しております。さらに、現在では一列に連なったスプリングユニットの中に、3種類以上の線型の異なるポケットコイルを任意で配列できる機械を装置メーカーと共同開発しております。
(※)全日本ベッド工業会独自の仕様・基準である「衛生マットレス基準」を満たしたマットレスであることを示すものであります。
④生産体制
当社は、自ら生産拠点を持ち、自社製造で培った技術を活かすため、社内の専属デザイナーのアイデアを形にすべく、細部の改良はもとより、縫製の糸一本一本にまでこだわった製品づくりを行っております。
海外提携ブランドの「Serta(サータ)」や「ruf(ルフ)」はライセンス生産を行うことにより、ディテールにこだわりながらも、日本の生活様式や環境に合うよう微調整した製品を生産することができます。さらに、国内で生産することによって、海上運賃や通関等の輸入コストを抑えることもできます。ライセンス契約で生産する場合、提携ブランド本社で起こしたデザインを日本仕様にして生産するのが基本ですが、当社でデザインを起こして提携ブランド本社の認可を受け、生産をすることもできます。
なお、1981年5月及び1997年5月のROSET S.A.とのライセンス契約により、「ligne roset(リーン・ロゼ)」ブランドのライセンス生産が認められているのは、現時点において全世界で当社のみとなっております。
当社の技術力は、国内・海外協力工場へ展開されており、製品の品質を支えております。国内協力工場での製品における品質管理のみならず、海外協力工場においても社員を駐在させる体制をとり、品質管理、納期管理、検品などを直接行うことにより、全体として製品の品質を支える体制を構築しております。
また、国内協力工場は当社工場の周辺に存在しているため、生産における継続的な技術指導が可能であるとともに、輸送距離が短いことにより当社へ短時間で商品を納入できるため、受注を受けてから出荷が完了するまでのリードタイムを短くすることができます。
さらに、当社は、家具販売店及び物流会社との連携を進めることによって、少量多品種生産かつ受注から出荷まで概ね1週間の受注生産体制を構築しております。この体制は、原材料の効率的投入を可能にするとともに、在庫の圧縮を可能にしています。
⑤開発体制
当社が取り扱う全商品カテゴリにおいて、自社でデザインした新作を10月の個展で発表しております。当社には商品デザイン、各ブランドのイメージに沿ったディスプレイ用什器やポスター、タペストリー等の販促ツールを開発する部署があり、毎年、海外で開催される家具見本市の視察を行い、ベッド、周辺家具、リビング家具等のデザインに活かしております。
展示会で販売先に評価をいただいたものが、製造プロセスに移り、販売チャネルに展開されます。販売先、消費者の声を聞くことが当社の企画・開発の起点であり、様々な意見や要望を開発につなげております。
ブランド別特長
自社ブランドとしては、「dream bed(ドリームベッド)」(日本)、「WATER WORLD(ウォーターワールド)」(日本)を展開しております。
自社製造で培った技術力が評価され、海外複数のインテリアブランドとライセンス契約を締結しており、主な海外提携ブランドは、「Serta(サータ)」(アメリカ合衆国)、「ligne roset(リーン・ロゼ)」(フランス共和国)、「ruf (ルフ)」(ドイツ連邦共和国)です。
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ブランド名 |
分類 |
特長 |
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自 社 ブ ラ ン ド |
dream bed (ドリームベッド) (日本) |
マットレス、ベッドフレーム、リビング家具 |
社名を冠する自社オリジナルのブランドです。社内の専属のデザイナーは、当社が独自に蓄積したノウハウを駆使して、デザインを生み出しています。
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WATER WORLD (ウォーターワールド) (日本) |
ウォーターベッド |
ウォーターベッド・ブランドです。特許庁認可のサービスマーク(※)を取得、アフターケア体制を完備しています。
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海 外 提 携 ブ ラ ン ド |
Serta (サータ) (アメリカ合衆国) |
マットレス、 ベッドフレーム |
Serta Simmons Bedding,LLCがライセンサーとなっている当社の主力ブランドであり、国内のラグジュアリーホテルにも採用されております。オートクチュール発想で多様なお客様に、多様な寝心地を提供します。
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ligne roset (リーン・ロゼ) (フランス共和国) |
ソファ、リビングを中心とした家具 |
ROSET S.A. がライセンサーとなっているソファ及びインテリア商品のブランドであり、デザイナーとのコラボレーションによる商品開発を行っております。
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ruf (ルフ) (ドイツ連邦共和国) |
マットレス、 ベッドフレーム |
RUF-BETT INTERNATIONAL GMBH & CO.KG がライセンサーとなっているヨーロピアンテイストのデザイナーズベッドブランドです。「アップホルスターベッド(布張りベッド)」が代表的で、視覚的な特長が際立っています。
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(※)1995年6月23日に特許庁登録番号3095007を取得しております。現在では、「役務商標」と呼ばれることが一般的となっております。
[事業系統図]
事業の系統図は次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項の記載については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,064,775千円となり、前事業年度末に比べ25,667千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加164,170千円等によるものであります。一方で、その他における未収消費税等の減少141,698千円がありました。未収消費税等の減少は前事業年度における八千代第一工場の新設及び増改築に係る建設仮勘定の振替に伴って、前事業年度末において未収消費税等を計上したことによるものであります。また、固定資産は6,697,102千円となり、前事業年度末に比べ1,089,852千円増加いたしました。これは主に建物(純額)の増加1,310,395千円、構築物(純額)の増加86,486千円及び機械及び装置(純額)の増加64,370千円等によるものであります。なお、建物は1,393,314千円、構築物は98,360千円が八千代第一工場の建て直しに係るものであります。一方で、建設仮勘定の減少505,194千円がありました。建設仮勘定の減少は主に八千代第一工場の建て直しに係る振替によるものであります。
この結果、総資産は10,761,877千円となり、前事業年度末に比べ1,115,520千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は4,231,934千円となり、前事業年度末に比べ56,543千円増加いたしました。これは主に未払金の増加191,175千円、前受金の増加53,019千円、未払費用の増加43,505千円及び短期借入金の増加38,000千円等によるものであります。一方で、支払手形の減少148,470千円及び1年内返済予定の長期借入金の減少140,000千円がありました。また、固定負債は2,308,339千円となり、前事業年度末に比べ887,839千円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加800,000千円等によるものであります。長期借入金の増加は八千代第一工場の建て直しに係る資金調達として1,000,000千円のシンジケートローンによる借入を実行したことによるものであります。
この結果、負債合計は6,540,273千円となり、前事業年度末に比べ944,383千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,221,603千円となり、前事業年度末に比べ171,137千円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上により繰越利益剰余金が254,930千円増加したこと、その他有価証券評価差額金が39,223千円増加したこと及び社外取締役を除く取締役に対する譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとしての自己株式の処分に伴い、その他資本剰余金が2,527千円増加し、自己株式が16,648千円減少したこと等によるものであります。一方で、期末配当金及び中間配当金の支払いによる繰越利益剰余金の減少127,307千円、自己株式の取得14,885千円がありました。
この結果、自己資本比率は39.2%(前事業年度末は42.0%)となりました。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が2類から5類へ感染症法上の位置づけが移行し
たのに伴い、経済活動が一段と正常化に向かい回復基調にあります一方で、急激な為替相場の変動、並びにロシア
によるウクライナへの侵攻、中東における紛争、中国経済の減速等、依然として不透明な状況が続いております。
このような経済環境下において、当社の各販売経路別の売上高の状況は以下のとおりです。
「家具販売店向け」は、ligne roset(リーン・ロゼ)商品のキャンペーンや同商品の法人向け需要の増加、ま
たマットレスのラグジュアリーホテル企画が好調に推移し、さらに当第4四半期における最需要期に例年を上回る
受注がありましたが、当第2四半期よりの消費者動向が飲食、旅行、サービス支出等へ変化したのに伴う家具販売
店における集客の伸び悩みによる影響が大きく、前事業年度と比して209,187千円減少しております。
「商業施設向け」は、ホテル業界の宿泊稼働率がコロナ禍前まで改善し、マットレスのリニューアルや新規案件
への投資需要は回復基調にあり、当社足元案件も対前年同期比で増加しております。不動産各社や外資系ホテルが
インバウンド消費を見込んだ投資計画を相次ぎ発表しているなかで、当社は現時点で既に2024年3月期年間売上高
に匹敵する問い合わせを受けているものの、同投資需要は来期にずれ込むことから、前事業年度と比して147,708
千円減少しております。
「ショップ/ショールーム」は、ROSETTogo(ロゼトーゴ)発売50周年を記念したキャンペーンが奏功し、その
後に続く同キャンペーン第二弾もあり来店数が増加しております。加えて法人向け営業販売やデジタルプロモーシ
ョンを活用したEC販売も寄与したことで全般的に好調に推移し、前事業年度と比して262,023千円増加しておりま
す。
「ハウスメーカー向け」は、ハウスメーカーによる催事の開催が回復途上にありますが、今期年間を通して開催
数が減少したこともあり、前事業年度と比して3,237千円の増加に留まっております。
このような状況の中、当社は2023年5月11日に発表いたしました中期経営計画「Dreambed2025 Change &
Challenge Plan」に掲げております各施策を、2024年3月期は次のとおり遂行してまいりました。
1)マルチブランド戦略の強化拡大
製品戦略
・Serta(サータ)ブランド
Serta(サータ)史上最高級モデルのSerta Sirius(サータシリウス)の販売を開始し、全国各販売店への
拡販は順調に進んでおります。加えてSerta(サータ)ブランドにおいて、ラグジュアリーホテルとのコラボ
レーション企画は好調のうちに年間目標を達成しました。
・ドリームベッドブランド
2024年1月に専用のデジタル立位測定器で計測する精密なデータと、独自のアルゴリズムから導き出された
寝心地をその場で体験いただけるフィッティングマットレスを設置し、ひとりひとりに理想の寝姿勢、寝心地
のオーダーメイドマットレス「The Dream」の販売を開始しました。
・新ブランドの確立
2023年10月家具ブランドであるマスターウォールとコラボレーションしたLunara+(ルナーラ)の発売を開始
し、同月開催の個展を契機として商品ラインナップを見直しSerta Suite Series「サータスイートシリーズ」
等の新商品を発表しました。
プロモーション戦略
・ラストワンマイルまでのロジスティクス機能強化
輸送業者とともに2023年7月より「ブランド専用車」として、より丁寧に、より速く、より質の高い配送の
ため、お客様に安心いただけるドライバー育成に注力し、ドライバーの輸送業務と積込み業務を分離しての
業務平準化により、2024年問題にも対応済みです。
2)販売チャネルの強化拡大
2023年8月に名古屋ショールームを開設し、さらに2023年12月に東京ショールームを渋谷から日本橋へ移転
するとともに首都圏営業の強化のため関連部署を集約し、東京支社を開設いたしました。
2024年6月には高集客、高収益が望める名古屋エリアに、リーン・ロゼ名古屋を開設しております。
3)生産技術・能力・機能の拡充
2023年12月に新工場建設における縫製完成棟が竣工し、2024年1月より稼働いたしました。
4)戦略遂行を支える財務・投資戦略
株主還元の一環として、2024年3月12日~2024年8月9日の期間で、自己株式の取得50,000株(上限)、
45,000千円(上限)を公表いたしました。
5)ES・エンゲージメント向上・サステナビリティ経営の実現
2023年5月に役員向け譲渡制限付株式報酬制度の導入を決議したのに続き、2023年8月に従業員持株会向け譲渡
制限付株式インセンティブ制度の導入を決議しております。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高9,708,610千円(前年同期比1.3%減)、営業利益191,235千円(同55.2%減)、経常利益307,164千円(同33.1%減)、当期純利益254,930千円(同42.3%減)となりました。
なお、当社はホームファニシング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ164,169千円増加し、656,329千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,080,680千円(前年同期比120.1%増)となりました。これは主に税引前当期純利益421,900千円、減価償却費337,360千円等によるものであります。一方で、仕入債務の減少額176,698千円、法人税等の支払額87,368千円等による資金の減少がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,468,215千円(同24.3%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,356,319千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、551,705千円(同38.2%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入1,000,000千円及び短期借入金の純増加額38,000千円によるものであります。一方で、長期借入金の返済による支出340,000千円及び配当金の支払額127,307千円による資金の減少がありました。
④生産、受注及び販売の実績
a-1.生産実績
当事業年度における生産実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
商品分類の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
マットレス |
1,931,196 |
100.8 |
ベッドフレーム |
308,618 |
94.9 |
ソファ |
497,000 |
116.9 |
寝装品 |
161,560 |
102.1 |
その他 |
192,658 |
77.5 |
合計 |
3,091,035 |
100.6 |
(注)金額は製造原価によっております。
a-2.仕入実績
当事業年度における仕入実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
商品分類の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
マットレス |
105,289 |
96.5 |
ベッドフレーム |
1,225,190 |
88.4 |
ソファ |
28,078 |
98.5 |
寝装品 |
156,130 |
73.4 |
その他 |
171,791 |
118.4 |
合計 |
1,686,480 |
89.6 |
(注)金額は仕入価格によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
商品分類の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
マットレス |
4,022,756 |
94.8 |
405,635 |
122.1 |
ベッドフレーム |
2,521,545 |
89.8 |
204,524 |
86.9 |
ソファ |
2,259,726 |
150.8 |
415,708 |
209.9 |
寝装品 |
479,805 |
86.8 |
37,664 |
86.3 |
その他 |
748,923 |
128.8 |
143,207 |
195.1 |
合計 |
10,032,758 |
103.6 |
1,206,740 |
136.7 |
c-1.販売実績(商品分類別)
当事業年度における販売実績を商品分類別に示すと、次のとおりであります。
商品分類の名称 |
当事業年度 至 2024年3月31日) |
前事業年度 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
金額(千円) |
金額(千円) |
(%) |
|
マットレス |
3,949,371 |
4,319,856 |
91.4 |
ベッドフレーム |
2,552,278 |
2,858,182 |
89.3 |
ソファ |
2,042,094 |
1,482,329 |
137.8 |
寝装品 |
485,762 |
571,526 |
85.0 |
その他 |
679,103 |
603,387 |
112.5 |
合計 |
9,708,610 |
9,835,281 |
98.7 |
(注)主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
c-2.販売実績(販売経路別)
当事業年度における販売実績を販売経路別に示すと、次のとおりであります。
販売経路の名称 |
当事業年度 至 2024年3月31日) |
前事業年度 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
金額(千円) |
金額(千円) |
(%) |
|
家具販売店向け |
7,202,849 |
7,412,036 |
97.2 |
商業施設向け |
801,473 |
949,181 |
84.4 |
ショップ/ショールーム |
1,317,000 |
1,054,977 |
124.8 |
ハウスメーカー向け |
271,348 |
268,110 |
101.2 |
その他 |
115,939 |
150,975 |
76.8 |
合計 |
9,708,610 |
9,835,281 |
98.7 |
(注)主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、9,708,610千円(前年同期比1.3%減)となりました。これは主にショップ、ショールームの売上増加等がありつつも、家具販売店における集客の伸び悩みによる売上減少等によるものであります。
(売上原価)
当事業年度の売上原価は、4,741,339千円(同2.9%減)となりました。これは主に売上高の減少に伴うものであります。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、4,776,034千円(同5.5%増)となりました。これは主に販売促進費、給料及び手当等の増加によるものであります。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は191,235千円(同55.2%減)となりました。
(営業外収益)
当事業年度の営業外収益は、150,044千円(同100.9%増)となりました。これは主に保険解約返戻金の増加等によるものであります。
(営業外費用)
当事業年度の営業外費用は、34,115千円(同20.1%減)となりました。これは主に前事業年度に発生した支払手数料21,400千円が当事業年度には発生しなかったこと等によるものであります。
(経常利益)
上記の結果、経常利益は307,164千円(同33.1%減)となりました。
(特別利益)
当事業年度の特別利益は、200,149千円(同16.2%増)となりました。これは主に八千代第一工場縫製完成棟に係る助成金200,000千円等によるものであります。
(特別損失)
当事業年度の特別損失は、85,414千円(前年同期比752.4%増)となりました。これは固定資産除却損の増加75,394千円によるものであります。
(当期純利益)
上記の結果、当期純利益は254,930千円(同42.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
(有利子負債)
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年度別要支払額(千円) |
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
短期借入金 |
1,793,000 |
1,793,000 |
- |
- |
- |
長期借入金 |
2,000,000 |
200,000 |
400,000 |
400,000 |
1,000,000 |
リース債務 |
11,918 |
3,146 |
3,451 |
3,451 |
1,869 |
上記の表において、貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財政政策)
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備等の長期資金は長期借入金で調達することを基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,804,918千円となっております。また当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は656,329千円となっております。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、営業利益、EBITDA、ROE、配当性向を重要な経営指標として位置づけております。
前事業年度並びに当事業年度の経営指標は、次のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比 |
金額(千円) |
金額(千円) |
(%) |
|
売上高 |
9,835,281 |
9,708,610 |
98.7 |
営業利益 |
427,180 |
191,235 |
44.8 |
EBITDA |
689,828 |
528,596 |
76.6 |
ROE(自己資本利益率) |
11.3% |
6.2% |
|
配当性向 |
27.9% |
51.6% |
|
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。