人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,834名(単体) 28,838名(連結)
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平均年齢43.2歳(単体)
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平均勤続年数13.6年(単体)
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平均年収10,410,683円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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(2024年3月31日現在) |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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内視鏡 |
14,948 |
(452) |
治療機器 |
8,337 |
(228) |
その他 |
441 |
(12) |
本社管理部門 |
5,112 |
(250) |
合計 |
28,838 |
(942) |
(注)1 従業員数は、就業人員数です。
2 当社グループ外への出向者は含まず、当社グループへの出向受入者を含む就業人員であり、臨時雇用者は年間の平均人員を( )外数で記載しています。
3 科学セグメントについては、当連結会計年度において、当社の科学セグメントを承継した株式会社エビデントが当社の子会社でなくなったため、上記記載から除外しています。科学セグメントの従業員の前連結会計年度からの減少数は4,124名です。
4 当連結会計年度より、従業員数の集計基準をグループ全体で統一しました。
(2) 提出会社の状況
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(2024年3月31日現在) |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
2,834 |
43.18 |
13.63 |
10,410,683 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
内視鏡 |
729 |
治療機器 |
361 |
その他 |
2 |
本社管理部門 |
1,742 |
合計 |
2,834 |
(注)1 従業員数は、就業人員数です。
2 当社外への出向者は含まず、当社への出向受入者は含んでいます。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況(2024年3月31日現在)
名 称 オリンパス労働組合
労使関係 安定しており特記すべき事項はありません。
組合員数 4,571人
(4) 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下の通りです。
提出会社及び連結子会社 |
全従業員数 (人) (注) 1 |
管理職に占める女性の割合(%) (注) 2 |
男性の育児休業等取得率(%) (注) 2 |
男女の賃金差異(%) (注) 1 |
||
全従業員 |
うち正規雇用従業員 |
うちパート・有期従業員 |
||||
提出会社 |
6,613 |
9.1 |
88.0 |
77.1 |
76.4 |
72.0 |
長野オリンパス㈱ |
512 |
1.8 |
73.3 |
68.4 |
67.8 |
88.3 |
会津オリンパス㈱ |
2,046 |
14.2 |
82.2 |
68.5 |
70.3 |
85.5 |
白河オリンパス㈱ |
982 |
7.7 |
100.0 |
64.7 |
64.5 |
73.0 |
青森オリンパス㈱ |
897 |
12.1 |
100.0 |
60.9 |
62.6 |
62.3 |
オリンパスマーケティング㈱ |
609 |
6.0 |
68.4 |
70.2 |
69.9 |
74.3 |
オリンパステルモバイオマテリアル㈱ |
108 |
12.9 |
80.0 |
65.0 |
72.1 |
58.6 |
オリンパスサポートメイト㈱ |
165 |
18.2 |
- (注) 3 |
108.1 |
110.6 |
75.2 |
ティーメディクス㈱ |
67 |
0.0 |
0.0 |
83.0 |
80.2 |
94.4 |
(注)1 出向者は出向元の従業員として集計しています。
2 出向者は出向先の従業員として集計しています。
3 男性の育児休業等の取得対象となる従業員が無いことを示しています。
4 対象期間は以下となります。
管理職に占める女性従業員の割合:2024年3月時点
男性の育児休業等取得率、男女の賃金差異:2023年度(2023年4月~2024年3月)
5 管理職に占める女性の割合については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27
年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。海外現地法人に関しても、上記基準に照らし算出し
ています。
6 男性の育児休業等取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に
関する法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休
暇の取得割合を算出しています。
7 集計対象は国内9社です。
男女の賃金の差異
女性活躍推進の指標の一つである男女の賃金の差異に関して、当社では77.1%となっています。
勤続年数が男性の方が長いこと、平均年齢が男性の方が高いこと、そして給与の高い職群の比率が女性よりも男性のほうが高いこと、これらが差異に影響していると考えています。
これらを解消するための取組みとして、日本全体で女性活管理職比率を目標設定し、女性活躍推進を中期方針の一つに掲げ、仕事と生活の両立を実現する環境を強化し、管理職や上級管理職、役員の女性比率を向上させるための施策を実行しています。
多様性に関する目標
1.2028年3月期末までに、当社グループにおける女性管理職比率30%、オリンパス株式会社(日本)で13%を目指す。
2.2026年3月期末までにオリンパス株式会社(日本)の男性育児休業等取得率100%を目指す。
3.当社グループにおける国籍・文化のダイバーシティを高めるとともに、従業員エンゲージメントスコアのさらなる改善を図る。
現在の状況
・当社グループにおける女性管理職比率:25.4%(2024年3月1日時点)
・オリンパス株式会社の女性管理職比率:9.1%(2024年3月1日時点)
・オリンパス株式会社における男性育児休業等取得率:88.0%(2023年4月1日~2024年3月31日)
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティ共通
当社グループはその存在意義である、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指す活動を通じて社会に貢献することで、当社グループ自身がサステナブルな企業であり続けることができると認識しており、当社のESG戦略はそれを実現する上で重要なものです。
<ガバナンス>
ESGの推進においては、2021年4月にESG担当役員を新設し、中長期事業計画の中でKPIを設定する仕組みを構築する等、その強化を図っています。ESG担当役員はESGを包括的に推進するとともに進捗状況をモニタリングし、グループ経営執行会議および取締役会に報告しています。また、2021年3月期より執行役の報酬について、長期インセンティブ報酬の業績連動型株式報酬の一部が外部ESG評価機関の評価結果と連動するようになりました。その比率は2024年3月期において10%でしたが、2025年3月期は20%に引き上げます。ESGへの取り組みは企業活動そのものと一体である恒久的な取り組みであるため、インセンティブの中でも長期インセンティブを連動の対象とすると共に、成果に対する評価は単年度の成果ではなく3年間の取組成果と連動する設計となっています。2023年3月期には当社のESG戦略の推進体制の再検討を行い、2024年3月期より新しいグループレベルでのガバナンス体制を新設しました。この新しいガバナンス体制のもと、各事業・各機能部門の責任者を中心に構成され、ESG戦略の遂行及びモニタリングを推進する「ESG委員会 (ESG Committee)」を設置し、その下に機能横断的に取り組む必要のあるテーマごとにテーマ別ワーキンググループを置いて戦略の実施を推進しています。またESG委員会を通じてグループ経営執行会議及び取締役会に対して戦略の実施状況や活動成果、課題等が定期的に報告されています。2024年3月期では1年間で2回の定期報告が実施されました。グループ経営執行会議並びに取締役会からの指示・助言を受けることで、適切なガバナンス体制の下、ESG戦略を適切に実行しています。
<ガバナンス体制>
<戦略>
2023年3月期に従来のESG戦略をベースに、戦略の見直しと調整を実施しました。2024年3月期を初年度とする新しい経営戦略において、ESGを重要項目の一つと位置付け、従来以上にESG戦略と経営戦略・事業戦略・機能戦略との親和性・一貫性を強化しました。
従来のESG戦略の骨子・枠組みを残しながら、新たにステークホルダーの皆様のご意見をお聞きし、近年の社会から企業が求められるサステナビリティへの期待値・要求事項を踏まえ、メドテック業界における動向も参考にしながら、グループ経営執行会議および 取締役会に諮る等のプロセスを経て、「6つの重要領域 (Focus Area)」の下に「25項目の重要課題(Materiality Topics)」を特定しました。また、この「25項目の重要課題(Materiality Topics)」を特定するプロセスの中では、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社の事業へのインパクト」の2つの軸から、これら「25項目の重要課題(Materiality Topics)」をTop Priority / High Priority/ Othersの3段階に優先順位付けをしています。この「6つの重要領域 (Focus Area)」及び「25項目の重要課題(Materiality Topics)」は、当社グループの経営活動・事業活動と一体化し、これらの活動を通じて広く社会課題の解決に貢献することを表明するものです。当社グループが競争力あるグローバル・メドテックカンパニーへと成長し、サステナブルな社会の実現に貢献するために、ESGを重要な課題と捉えています。マテリアリティは社会・事業変化によって可変のものであり、今後も必要に応じて見直しを行います。
6つの重要領域(Focus Area)
・医療機会の幅広い提供およびアウトカムの向上
・コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力
・責任あるサプライチェーンの推進
・健やかな組織文化の醸成
・社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献
・コーポレートガバナンスの強化
<リスク管理>
全社的なリスクアセスメントを実施する中で、サステナビリティ・ESGに関するリスク項目を抽出し、全社のリスクモニタリング管理体制を通じてリスク管理を実施しています。合わせて、その結果は適宜グループ経営執行会議や取締役会にも報告しています。
<指標と目標>
2024年3月期においても前年度に引き続き世界の代表的なコーポレート・サステナビリティ評価指標である「Dow Jones Sustainability Index(DJSI)」をESG活動の指標とし、各種Indexに選定されることを目標としています。当社はこれまでの間、2018年に初めて「DJSI Asia Pacific」の構成銘柄に初めて選定された後、執行役の長期インセンティブと外部ESG評価機関の評価結果との連動を開始した2022年3月期の翌年、2022年12月に初めて「DJSI World」の構成銘柄に選定されました。それ以降、2024年3月期までDJSI Worldは3年連続、DJSI Asia Pacificは5年連続の選定となりました。
また、2023年3月期においては、ESG戦略の見直しの中で、特に重要度の高いTop Priorityに位置付けられる「重要課題(Materiality Topics)」を中心に、これを実施するための具体的な「代表的実施項目(flagship initiatives)」を定め、それぞれに定量的・定性的なKPI及びターゲットを定めてきました。
2024年3月期においては、従来のDJSIという外部指標だけに基づく役員報酬の成果評価の構造を見直し、当社が定めたESG戦略のKPI及びターゲットに基づく成果評価も併せて総合的な評価ができる評価構造を検討しました。2025年3月期からは客観性の高い外部評価指標であるDJSIを引き続きESG活動の指標の一つとしながら、当社のESG戦略における「代表的実施項目(flagship initiatives)」のKPI・ターゲットに基づいた成果評価を加えることで、総合的な成果指標をもとにESG活動を進めていきます。
2024年3月期 実績
(2)気候変動
<ガバナンス>
当社グループは、製品開発、調達、製造、物流、販売、修理といったバリューチェーン全体を通した環境負荷の低減に取り組んでいます。気候変動対応を含む環境活動の最高責任者であるCEOの下、EHS(環境・健康・安全衛生)機能を管轄するCHRO(Chief Human Resources Officer)が、当社グループ全体の環境活動を統括しています。
EHS統括部門はCHROの指示のもと、当社グループ全体の「環境安全衛生ポリシー」を策定するとともに、温室効果ガス使用量削減目標を含む環境行動計画を策定し、当社グループ全体の環境行動計画の推進と進捗状況をモニタリングし、継続的な改善を進めています。最高責任者(CEO)は、必要に応じて環境活動の進捗状況の報告を受け、必要な改善指示を行います。取締役会は気候変動の対応状況について適宜報告を受け、取り組み状況をモニタリングしています。
※最高責任者は2024年3月期まではCEOおよびCHRO、2024年4月1日からはCEOに変更
※環境統括責任者は2024年3月期まではHuman Resources Head、2024年4月1日からはCHROに変更
環境推進体制 (本有価証券報告書提出時)
<戦略>
当社グループは、シナリオ分析の手法を用いて、短期、中期および長期の時間軸ごとに気候変動関連のリスクと機会を特定しています。シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)が提示している「1.5℃:RCP1.9(NZE)(産業革命前からの世界の平均気温上昇を1.5℃未満とするシナリオ)」および「4℃:RCP8.5(産業革命前からの世界の平均気温上昇を4℃と想定するシナリオ)」に沿って気候変動の事業活動への影響を分析しています。短期的(1~5年)には、自然災害発生による操業停止・サプライチェーン断絶、気候変動への対応不足や不十分な開示によるステークホルダーからの評価・評判の低下を、中長期的(10~20年)には、炭素税の導入や温室効果ガス削減規制の強化による事業コスト増加を主な課題としています。
気候変動のリスクは、当社グループの戦略・財務計画に影響を与えますが、影響度合いは比較的小さいと推定しております。例えば、物理的リスクとしては、自然災害の自社工場操業への影響についても台風や物理的なリスクが低い場所にあることを確認しており、有事の際にも事業活動が継続できるよう各拠点で事業継続計画を作成しています。サプライチェーンの面でも、昨今世界規模で台風や洪水が発生し、資材調達や製品供給の面での影響が想定されるため、代替サプライヤーによる生産確保等の体制構築を進めています。
また、気候変動の機会については、温室効果ガス削減に寄与する製品へのニーズの高まりを機会ととらえて、省エネルギー等に配慮した環境配慮型製品の開発を継続していきます。ただし、当社グループの製品は製品自体が小型で使用によるエネルギー消費量が少ないこと、気候変動による製品・サービス需要への影響が小さいことから、事業活動に大きな影響を及ぼすほどの機会ではないと認識しています。
|
環境変化 |
リスク |
機会 |
対策 |
1.5℃シナリオ |
低炭素社会への移行に伴う規制強化と市場の変化 |
<移行リスク> 炭素税・排出権取引や各国の温室効果ガス削減規制の強化による調達・操業コストの増加
製品に対する温室効果ガス削減規制の強化への対応不足による市場競争力の低下
気候変動への対応不足、不十分な開示によるステークホルダーからの評価・評判の低下 |
省エネルギーによる事業コスト削減
環境配慮型製品の開発による市場競争力の向上
ステークホルダーとの関係強化
|
エネルギー効率改善
再生可能エネルギー導入拡大
サプライヤーの多様化
サプライヤーとのエンゲージメント強化
気候変動対応への考え方・取り組みの開示情報の充実
製品・サービスの設計開発段階での環境配慮設計 |
4℃シナリオ |
気温上昇・異常気象の発生増加 |
<物理的リスク> 台風や洪水等の自然災害規模の拡大による操業停止およびサプライチェーンの断絶(サプライヤ―からの納品停止、物流拠点及び販売・修理サービス拠点の休業による顧客への納入停止等 |
<リスク管理>
当社グループは、経営戦略や事業計画の策定段階において、当社の事業に影響を及ぼす可能性があるリスクを抽出し、事業運営への影響度が高いリスクを特定・評価しています。その中には気候変動などをはじめとする環境に関連する規制や技術などの移行リスク、自然災害による物理的リスクの内容も含みます。
リスクとして特定されたものは、各組織においてリスクが顕在化した場合の影響度および発生可能性をもとにリスク評価と優先順位付けを行い、その結果を踏まえて単年および複数年の事業計画を策定してリスクを管理します。環境法規制に関するリスクについては、品質管理機能が製品関連の環境法規制の動向を、各法人の環境統括部門が事業所関連の環境法規制の動向をモニタリングし、順守状況を定期的に評価して必要な対策を講じています。
また、特に事業運営への影響度の大きなリスクについては、組織のリスクマネジメント状況を定期的にモニタリングし、その結果をグループ経営執行会議および取締役会へ報告されます。CEOは、リスクマネジメント状況のモニタリング結果の報告を受けて、活動の有効性が不足している場合は活動計画の見直しを指示します。
<指標と目標>
当社グループは2031年3月期までに自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を実質ゼロとすること、2031年3月期までに自社の事業所で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来とすることの目標を設定しています。また、脱炭素社会の実現に広く貢献するためには、自社からの温室効果ガス排出量に加えて、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量までを含めた取り組みが必要であると考え、2023年5月にサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)を2040年3月期までにネットゼロとする目標を策定し発表しました。そして2023年10月には、SBTi(The Science Based Targets initiative)より当社グループの短期目標及びネットゼロ目標がパリ協定で定められている1.5℃目標の水準と整合したものであるとの認定を取得しました。
SBTi認定に関する情報は当社ホームページに掲載していますので、ご参照ください。
URL:https://www.olympus.co.jp/news/2023/nr02588.html
2023年3月期における実績は、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を対2020年3月期比で45.7%削減、再生可能エネルギーの電力導入率71.9%を達成しました。今後は2031年3月期までの目標達成に向け、世界各国の拠点での継続的な製造改善活動や省エネの推進と、再生可能エネルギーの導入を進めます。また、サプライチェーン全体での温室効果ガスを削減するために、環境配慮型製品の開発、グリーン調達の推進、物流効率の改善等に継続的に取り組みます。
2023年3月期の実績と目標
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実績 |
目標 |
2023年3月期 |
2031年3月期 |
|
温室効果ガス排出量 (Scope1,2) |
45.7%削減 (2020年3月期比) |
カーボンニュートラル達成※ |
再生可能エネルギー電力導入率 |
71.9% |
100% |
※カーボンニュートラル:自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を削減し、残存する温室効果
ガス排出量に相当する量をカーボンオフセットで相殺し全体としてゼロとすること。
サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(単位:t-CO2e)
カテゴリー |
2023年3月期 |
Scope1 |
27,967 |
Scope2 |
18,374 |
合計(scope1+2) |
46,341 |
Scope3 |
659,891 |
合計(scope1+2+3) |
706,232 |
※実績データは本有価証券報告書提出時に第三者保証が得られている2023年3月期のもの
詳細な情報は当社ホームページ並び「サステナビリティレポート2023」に掲載していますので、ご参照ください。
URL:https://www.olympus.co.jp/csr/download/pdf/Olympus_Sustainability_Report_2023_jp.pdf
なお、「サステナビリティレポート2024」は2024年10月頃に当社ホームページにて掲載予定です。
(3)人的資本・多様性
<戦略>
当社の考える人的資本経営
当社グループにおいて、最も重要な経営資源は「人」であり、世界中の従業員がその無限の可能性を結集させることでイノベーションを創出し、Our Purposeである「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指しています。
多様な人材が共通の価値観で結びつき、個々人の成長に会社と従業員が誠実に向き合い、互いに成長を続けるという組織としての盤石な基盤のもと、変化の激しい世界情勢や患者さんのニーズに速やかに対応できる人材・組織を必要としており、その実現に向け方針を掲げています。
健やかな組織文化
当社グループでは、企業変革の一環として、健やかな組織文化の実現に向けて取り組んでいます。会社のニーズと従業員の日々の経験の両方に目が向けられ、この2つの要素のバランスが取れたとき、私たちの組織は健やかな状態であり、従業員は自身の可能性を最大限に発揮することができます。従業員一人ひとりがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる文化により、持続的な成長、私たちの存在意義「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」が達成できると考えています。
これらを実現し、グローバル・メドテックカンパニーとして更に前進するために、私たちは「『患者さん第一』の企業文化の強化」、「健やかな組織を推進する体制の強化」、「多様な人材が成長しグローバルで活躍できる機会の創出」、という三つの課題を特定し、グローバルで様々な取組みを推進しています。
健やかな組織文化を実現するための施策
■「Our Core Values 私たちのコアバリュー」改定
当社グループでは、「Our Core Values 私たちのコアバリュー」を2024年1月に改定しました。患者さんの安全と製品に対するステークホルダーからの期待と責任は日に日に増しています。オリンパスはメドテックに特化した企業に進化し、グローバルでの存在感も高まりました。これらの変化と、それに伴って生まれた課題を受けて、会社としての優先事項を実現するにあたり、従業員それぞれが必要となる行動に集中できるようにするため、今回の改定に至りました。
これまでの「誠実」「共感」「長期的視点」「俊敏」「結束」に代わる新たなコアバリューは、「患者さん第一」「誠実」「イノベーション」「実行実現」「共感」です。全ての従業員が当社製品やサービスが患者さんにどのような影響を与えるかを理解して日々の仕事に取り組む、そのようなマインドを強化します。
私たちの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を実現するため、私たちはこの新たなコアバリューに沿って行動し、日々の業務に取り組んでいきます。そして、コアバリューの浸透を図るため、リーダー向けのワークショップ、アンバサダー制度の導入、e-learningの実施といった様々な施策を、順次展開していきます。
■グローバル共通のタレント&サクセッションマネジメント
従業員の活躍の場は特定の地域に限定されることなく、広く多くの機会が提供されるべきです。当社ではグローバル人事戦略のもと、数年前より人事プロセスのグローバル統一を推進しています。タレントレビュー・後継者計画プロセスを2019年にトップマネジメントポジションに導入以降、グローバルポジションへ適用を拡大してきました。2021年にリーダーシップの指針となるGLCM(グローバル・リーダーシップ・コンピテンシー・モデル)を本格導入、世界中の従業員が利用できる能力開発プログラムやラーニングコンテンツを順次展開、そして、2023年には全従業員の目標設定と評価をグローバル共通で可視化するパフォーマンスマネジメントシステムを導入しました。グローバルリーダー及びビジネスリーダーが、“Leaders Developing Leaders”を体現し、人材配置のプロセス、報酬、育成・スキル開発等の情報にアクセスできるような仕組みの構築にも取り組んでいます。グローバルでの適所適材を促進し、意欲ある従業員の成長を加速します。
■ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
当社グループでは、私たちの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」にあたって、DEIは欠かすことのできない重要な戦略と考えています。
2023年3月期に策定したESG戦略の「6つの重要領域」及び「25項目の重要課題」においても、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの推進を特に重要度の高いTop Priorityに位置付けられる「重要課題」の一つとして掲げ、DEI戦略を発表しました。更に、取組みを監督、推進するためにCDO(チーフ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン オフィサー)を新設し、執行役員の楊文蕾が就任しています。
取り組むにあたり、4つの主要テーマをグローバルにおける戦略的な重点領域と位置づけています。全世界の事業所において、DEIを実現する取り組みを深化させ、健やかな組織文化の醸成を図っていきます。
①ジェンダーとライフプライオリティ
女性、およびライフイベントによって時間的な制約を抱えるすべての「ケアテイカー」をサポートする。
②国籍・文化
多様性を高め、あらゆる国籍・文化、言語を持つ人々に機会へのアクセスを公平に提供する。
③キャリア・経験
幅広い経験を増やし、チームや組織の視野を広げる。
④インクルーシブな環境
心理的安全性を確保し、誰もが自分らしくいられて、安心して発言でき、積極的に協力し合えるような環境
を構築する。
<指標及び目標>
本項「人的資本・多様性」における具体的な指標及び目標については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」掲載の、①管理職に占める女性従業員の割合、②男性の育児休業等取得率、③男女の賃金差異をご参照ください。