リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。当社グループの事業等はこれら以外にも様々なリスクをともなっており、ここに記載されたものがリスクのすべてではありません。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市況変動
当社グループのコア事業であるEMS(電子機器受託製造サービス)は、多様なエレクトロニクス製品分野を対象とした事業を展開しております。特に、今後CASE(※1)およびMaaS(※2)といった大きな可能性を有する車載関連機器分野およびIoT等のメカからエレキへと変革が進む産業機器分野を注力領域と位置づけており、これらの分野は連結売上高の約8割を占めるに至っております。このような状況から、これらの事業分野に属する顧客の事業動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、エレクトロニクス業界は、技術革新や新製品の開発によって大きな市場の成長を見込める反面、メーカー間の競争激化、商品の早期陳腐化等により予想外の価格低下、需給バランスの変化等が起こる可能性があります。例えばデジタル家電市場等においては上記のような傾向が比較的強く、予期せぬ需給ギャップが発生することによって、生産調整、受注取消、設備過剰、在庫増加・陳腐化、利益率低下等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
※1 CASEとは、Connectivity(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)およびElectric(電動化)を総称する造語であり、現在の自動車業界において追求されている次世代の技術およびサービスの総称をいいます。
※2 MaaSとは、Mobility as a Serviceの略称であり、ICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体に係らず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念をいいます。
(2) 為替変動
当社グループは、様々な通貨・条件で海外との取引を行っているため、為替リスクの回避に注意を払っております。基本的に、(a)同一通貨による仕入と販売、(b)為替予約、(c)顧客との為替リスク負担に関する取決め等により、為替リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動が、売上高および利益に影響を与えることがあります。
(3) 事業活動
当社グループは、グローバルネットワークを活用した国内外での取引に強みを発揮しており、現在、国内子会社として1社、在外子会社として23社および持分法適用関連会社3社等をあわせて、グローバルに活動しております。そのため、所在国・地域の政治経済情勢の悪化、法律・規制・税制の変更、通貨政策の変更、社会的混乱等のカントリーリスク、自然災害の発生によるハザードリスクや感染症の蔓延等が、直接または間接的に当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資金調達・金利変動
当社グループは、金融機関からの借入等により必要な事業資金を調達しております。実行に際しては金利動向に応じ、適宜、変動ないし固定金利調達としているほか、デリバティブ取引(金利スワップ契約等)を活用することで金利変動リスクを軽減しておりますが、予期せぬ市場金利の変動が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質管理
当社グループでは国内外を問わず生産するすべての商品について、万全の品質管理に努めております。連結ベースで、シークスグループの品質問題への対応を組織的に行っており、品質最高責任者は代表取締役社長と定めております。シークスグループ品質方針は、次のとおりであります。
『当社グループは、エレクトロニクス関連分野を中心に、商社機能とメーカー機能を併せ持ち、「世界に点在する様々なニーズを自在にコーディネートし、顧客に具体的なビジネスメリット(顧客価値)QCDSを提供する『グローバル・ビジネス・オーガナイザー』たること」を基本方針とし、「世界のリソースの有効活用を追求し、社会システムの活性化と人類の進歩に貢献する」ことを目指して継続的な改善、改革を含めた企業活動を推進する。』
このような方針のもと、活動は進めているものの予期せぬ重大なクレームが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 感染症の感染拡大による影響
各国政府・自治体から発出される入国規制や行動制限などの感染症拡大防止政策等が、感染拡大やその収束時期によっては、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当該状況が長期化する場合には、当社グループが注力する分野であるエレクトロニクス製品の需要動向等に対しても影響が生じる可能性も考えられます。
このような可能性を踏まえ、当社グループは、従業員の安全確保、顧客企業の動向、各国の政策、部材および完成品の出入荷に関する物流の状況等を管理することを目的として、定期的に世界各地の情報を把握しております。今後も、当社グループは、事業活動への影響低減を目的とした対応を推進していく方針であります。
しかしながら、今後における上記事項の動向により、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼし、減損等が生じる可能性があります。
(7) 情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動を行うにあたり、取引先情報、営業秘密情報、個人情報等の機密情報を保有しております。サイバー攻撃による不正アクセスや社内の人為的過失等により発生する情報の漏洩、改ざん、紛失等を防止するため、セキュリティ管理体制の強化、定期的な従業員教育、セキュリティ対策製品の導入などに取り組んでおります。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃や予期できない不正行為等により、情報の漏洩や事業活動の停止等の事態が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 気候変動
当社グループにおける気候変動に関するリスクの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主各位に対し継続的かつ安定的に利益配分を実施することを基本としつつ、あわせて将来の事業展開と経営基盤強化のための内部留保の充実等も勘案し配当金額を決定する方針をとっております。当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。当事業年度の剰余金の配当については、既に第2四半期末に1株当たり16円00銭の中間配当を実施しており、期末配当は1株当たり28円00銭とすることを決議いたしました結果、年間配当は1株当たり44円00銭となります。内部留保金は、今後の投資等、将来の事業展開に備えることとし、株主資本利益率の向上を図って参ります。
なお、当社は、会社法第459条第1項各号の規定による剰余金の配当等を取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。