2023年8月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社は、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、リスク管理担当役員を委員長として代表取締役の出席の下開催されるリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。

 なお、本文に記載したリスク要因と将来に対する見通しは、当事業年度末現在における当社の判断に基づく予想等であり、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)同業他社との競争激化及び消費低迷等による影響について

 家電小売業界では厳しい経営環境が続き、低価格販売による企業間競争が激化しております。このような環境に対して、当社では継続的な収益改善施策の実施や生活提案力の強化等、きめ細かな施策で販売面の強化を図ってまいりますが、当社の業績は同業他社との競争激化や消費低迷等による影響を少なからず受ける可能性があります。

 

(2)季節要因の影響について

 冷夏暖冬等の異常気象の影響により、季節商品の需要が著しく低下した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、株式会社ビックカメラとの連携による相乗効果を最大限に発揮し、商品施策と販売施策の連動による売上・粗利の向上を目指し、プライベートブランド商品の販売強化や、デジタル商品等の専門性追求による新規顧客の開拓、さらに効率的な経費のコントロールや業務効率の改善に取り組む等により季節的変動の影響を低減させることに努めております。

 

(3)法的規制等について

① 大規模小売店舗立地法

 当社は、関東地方を主な営業基盤として、北は北海道から南は沖縄まで全国ネット販売網を持ち、主な業務を家庭用電化製品販売とする家電量販店であります。

 当社の1,000㎡を超える店舗の新設及び増床に際しては、「大規模小売店舗立地法」の適用を受けることとなり、予定地周辺地域の生活環境保持のため、地元自治体への届出が必要となります。当該届出の内容については地元自治体による意見や勧告がなされる場合があり、当社の出店計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

② 景品表示法

 不当景品類及び不当表示防止法及び同政令では、事業者が優良誤認表示、有利誤認表示により不当に利益を得た場合、売上額の3%を徴収する課徴金制度が導入されております。当社では社内規程を整備し、同法律及び政令、不当表示に関する教育研修会を行うとともに、社内資格制度を設ける等不当表示がおこらない体制の構築に努めております。しかしながら、従業員の錯誤によって課徴金が課された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③ その他

 消費税率の引上げを含む今後の税制改正や社会保障制度の見直し等の動向によっては、個人消費の冷え込みによる売上高の減少や制度変更への対応に伴う費用負担が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)個人情報保護について

 当社は、お客様との関係強化を目的としてコジマポイントカードを発行するとともに、インターネット通販を行っていることに加え、各種伝票類等の多数の個人情報を保有しております。当社においては、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)による「プライバシーマーク」の取得に加えて、2016年1月から開始されたマイナンバー制度及び2022年4月に改正された「個人情報保護法」に対応して法律及びガイドライン等に適合すべく社内規程の整備、安全管理措置の実施等、個人情報の保護管理に万全を期しております。

 しかしながら、不測の事態により万が一、個人情報が漏洩するような事態となった場合には、当社の社会的信用の失墜や対象個人に対する損害賠償責任が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)固定資産の減損会計について

 当社は、店舗設備等の固定資産を保有しておりますが、今後経営環境の変化により、店舗の収益性が悪化し、固定資産の減損会計に基づき減損損失を計上することになった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その内容については「第5経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 当社は、ビックカメラグループの幅広い専門性を活かした、自転車や酒類、トイズなど、生活スタイルの変化に伴い需要が増加している新たな商品カテゴリの拡充や、お客様ニーズの変化に素早く対応することで店舗の収益性向上に取り組んでおります。

 

(6)賃借した土地等の継続的使用について

 当社は、新規出店の際に、店舗用地及び設備を取得する場合と賃借する場合とがあります。賃借する場合には、対象物件の権利関係等の確認を行っておりますが、土地等の所有者である法人、個人が破綻等の状態に陥り、土地等の継続的使用が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害等について

 大規模な地震や台風といった自然災害、不測の火災事故や原子力発電所事故、感染症等が発生した場合には、店舗等の事業所における物的・人的被害が生じ、また、取引先からの商品供給の停止や遅延、商品供給価格の上昇といった事態が生じる可能性があります。その結果、営業活動が制限されることによる売上高の減少、設備の復旧や損害賠償等に係る費用負担が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」という)の感染拡大の影響により、政府により発令された緊急事態宣言は解除されておりますが、休業やほぼ全店舗での営業時間短縮による売上高の減少等の影響が発生いたしました。本感染症の経営環境への影響は不確定な状況にあり、状況が変化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)業界特有の取引慣行について

 当社で販売している商品については、各仕入先との契約により仕入実績等に対して受取リベートを収受しているものがあります。今後仕入実績等の変動や、取引条件の変更等が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。

 当社といたしましては、各仕入先と良好な関係を築き、安定した仕入の量を確保し販売実績を残すため、新製品の垂直立ち上げ等、様々な販売施策を各仕入先の協力の下企画実践しております。

 

(9)商品仕入及び在庫管理について

 当社の業績にとって、顧客ニーズに最適な商品を適切な数量と適正な価格で仕入れることができる体制を、常に整えておくことが重要ですが、取引先との関係変化、世界的な資源不足や部材不足等により商品の供給が不安定又は困難となった場合には、商品仕入に支障を及ぼし、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 また、異常気象や天候不順等により、当社の想定を上回る需要の変化があった場合には、計画通りに販売が進まず在庫が過剰となり、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する収益性、会社の今後の収益予想、企業基盤の強化等を十分考慮し、業績に裏付けられた成果の配分を行うことを基本方針としております。

 当社は、取締役会の決議によって、毎年2月末日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。なお、当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会決議によって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。

 当事業年度の配当金につきましては、上記の方針に基づき1株当たり14円00銭の期末配当を実施することを決定いたしました。

 また、内部留保資金の使途につきましては、店舗の新設及び改装の設備投資等業容の拡大と収益性向上を図るべく活用してまいる所存でおります。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月21日

1,080

14.00

定時株主総会決議